2015年 12月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

2015年 12月 ねずみのこまくら句会の諸句(コメント付)

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

23子福者の破れ障子や笑い声
子福者はこぶくしゃと読むらしい。私には耳新しい言葉である。

26北狐一本道をもどりけり
何か象徴的意味合をも感じる

29豚丼食ふ東大食堂時雨なか
豚丼なんて近頃の流行の外食。それが東大食堂なんぞに侵入して…。外は
時雨。何と無くアンバランスなのだが…

30村の子の冬夕焼けの富士へ跳ね
縄飛びか何かしているのですかネ?

36杖に慣れ通院に馴れ日短し
慣れ馴れのリフレインで繋いだ

42鍋鶴の着地の脚を出しにけり
一瞬、飛行機の着陸時を想像した。

44萱の穂の痩せれば沼の光りけり
「痩せれば」がいい。

46雪富士の全容母郷の家並尽き
所詮、屋並など言っても、原野の一部を占めるもの。であるから「家並尽き」
が納得できる。鳥瞰図的構図。

48花八つ手石蹴りの子のもう居らず
還らぬ青春のうた。日暮れ迄遊んだ日々。

50眠る間は星空に浮く冬山家
冬山家全体が宙に漂っているような錯覚。

53暖冬や虫食ひ野菜虫のもの
今月一番の一句と推したい。巡礼に御報謝の世界である。

54紅葉山日照雨雫も染むばかり
61冬牡丹お七の寺はこのあたり
お七の寺とは 東京 文京区白山の円乗寺。冬牡丹 とお七の寺とを結ぶのは
「炎上」の一語であろう。

63年の瀬や時の流れのまっしぐら
70膝病むで妻と相身互ひの冬
相身互ひの語源は「武士は相身互ひ」からであろう。意は「同じ立場」「同じ境遇」。技は句またがり

72寒蜆洗ひ黒曜石の艶
75弁才窟入口出口石蕗の花
弁才窟は弁財天を祀って在る岩屋で海浜に多い。石蕗もよくそんな所に咲く

82赤門通り銀杏紅葉の張り付ける
銀杏紅葉は銀杏黄葉と書いた方がいい。色の配置の句だ。「赤」と「黄」

88柿の木に柿の実すずめ鳴きやまず
何処か童話の世界を思わせる。

90餅搗き大会火の番役として参加
96上げ潮の音が夜寒の刻刻む
105大文字あらはに見せて山眠る
108花柊こぼれて苔の隙間かな
110絵馬を見る我が背に落葉触れにけり
私は勝手に「触れにけり」のところ、「触れゆけり」と読み替えて戴いた

116青竹を伐り出してゐる年用意
123大焚火暮ゆく富士へ爆ぜにけり
近景か遠景か?無論作者は富士山麓にお住いの方。仰ぎ見ての一句。

124皇帝ダリヤ南極船を見送れり
126義士の日や安兵衛仇討碑にも触れ
128逢はねども欠かさぬ賀状五十年
131畑仕事いまだそこそこ暮早し
132蓮根掘りマシンガンめく水噴きて
136年忘れ匂ひこもごも追込み席
「追込み席」に目が止まった。どうゆう所で使う言葉なのだろう?
作者にお聞きしたい。

137冬耕の鍬ぴかぴかに洗ひけり
138リハビリはもうあと一歩帰り花
145粧ひの山の端一日踏んで来し
146白鳥のその水影の白きこと
白鳥の白きこと影にまで及んでいるといったところ。

148えんどうの手笹を鳴らす空つ風
「手笹」という言葉遣いに注目した。辞書には見当たらぬように思えるが…。
推測だが、手笹はえんどうの蔓が絡みやすいように仕立てた篠竹の類いを叙したものか?

152神南備山のしぐれに道の細りけり
正統派の叙述である。

155老いの身に漠たる不安冬の街
さて「冬の街」がどこまで効いているか定かではないが、気になった句である。

156ウィンドに映して笑む子冬帽子
「冬帽子」のところ「耳袋」もあると思った。

157六甲の風にハーブの穂絮飛ぶ
162とつとつと小津語る人夕時雨
165線刻のほとけの裳裾いちゃう散る
169訪ひたくて訪ひし安達太良鷹渡る
一読、「安達太良」のところ、「半島」と読み替えていた。
著名な鷹の渡りのスポットをネットで調べてみると、関東以西が図示されている。知多半島当たりが代表格であろう。

170バス降りて冬満月との家路かな
「との」の遣い方に親しみが湧く

172マスクして江ノ電車掌指呼のなし
一寸元気の無いところ見逃さなかった。

174旻天へ奏でる雲中菩薩かな
「旻天」はビンテンと読む。秋の空を指す言葉。
宇治平等院の菩薩様を詠んだものらしい。

177雪虫やいつもひとりの野良通ひ
181山眠るわたしも眠るひとりの家
「ひとりの家」と言えば岡本眸のさる句に思い至った。

182鳴き交はす白鳥に覚む湖の宿
190鎌鼬水木しげるは幽界へ
191生きてゐしかば一束の冬菜干す
「生きてゐしかば」と言えば、草田男の例の句を思い出す。但し、ここでは、「住成してをれば」ぐらいの軽い気持ちであろう。

194落葉呑みこみし大鯉ぺと吐きぬ
これは痛快である。私の好みでもある。擬態語の遣い方もここに極まる。

199巻繊汁亡き夫の椀大ぶりよ
毎朝の仏ごと。夫唱婦随であったか?

202報恩講吹き寄せを盛る蒔絵椀
203北風をゆき遠吠え誘ふ急救車
「遠吠え」の比喩さして無理とも思えぬ

204月光裡暗きピアノの帆が進む
内容的には既にあるかもしれぬが、取り敢えず挙げておく。

205綿虫を吹きて忘るる野良疲れ
209小春日のお歯黒獅子に噛まれさふ
「お歯黒獅子」を調べて見ると、確かに歯ぐきまで真っ黒に塗りたくられていた。東京は築地の渡御祭か?

以上
by 575fudemakase | 2015-12-19 05:33 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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