人気ブログランキング | 話題のタグを見る

山茱萸の芽 花の俳句

山茱萸の芽 花の俳句

例句を挙げる。

このところ霞む記憶と山茱萸と 高澤良一 随笑
さきがけはいつも孤独の山茱萸黄 岩岡中正
しのびあふけものありけり花さんしゅゆ 田波富布
どうかうもなく山茱萸の醜(しこ)もみぢ 高澤良一 鳩信
どうでもよいやうに山茱萸なりにけり 高澤良一 素抱
のほほんとして山茱萸の花ほとり 高澤良一 寒暑
会ふよりも訣るる齢山茱萸に 後藤比奈夫 花びら柚子
余寒なほ山茱萸の粗衣なぶる風 高澤良一 素抱
土佐みづき山茱萸も咲きて黄をきそふ 水原秋櫻子
夫の死後山茱萸は来て拝む花 殿村菟絲子 『樹下』
居候然たり花了ふ山茱萸は 高澤良一 寒暑
山茱萸(ぐみ)のかざしや重きふじ颪 服部嵐雪
山茱萸が咲いて初陣めける日よ 高澤良一 素抱
山茱萸が咲きぬ陽気もよくなりぬ 高澤良一 鳩信
山茱萸が眼ひらくやうに今に咲く 細見綾子 花寂び
山茱萸といふ字を教ふたなごころ 西村和子 かりそめならず
山茱萸と云へば和菓子の黄味しぐれ 高澤良一 寒暑
山茱萸と知りてはなるる月の中 加藤楸邨
山茱萸にきれいな日向ありにけり 大木あまり 雲の塔
山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ 水原秋櫻子
山茱萸にことしの花や常楽会 榎本野影
山茱萸に大戸をおろすごと逝きぬ 栗林千津
山茱萸に日はとどまれり休め窯 宮下翠舟
山茱萸に日はまだ粗き洗濯物 高澤良一 素抱
山茱萸に明るき言葉こぼし合ふ 鍵和田[ゆう]子
山茱萸に碓氷ふるみち曇りけり 堀口星眠 営巣期
山茱萸に雀斑眩しく移公子癒ゆ 石田あき子 見舞籠
山茱萸のきらめく日とは言ひ難し 古舘曹人 能登の蛙
山茱萸のそらいちめんに嵐かな 古館曹人
山茱萸のどこさびしきや黄はさびし 及川貞 榧の實
山茱萸の一昨昨日より咲けるとや 高澤良一 さざなみやっこ
山茱萸の一老木の花明り 菊池麻風
山茱萸の向ふ側より差し込む旭 高澤良一 ぱらりとせ
山茱萸の咲きつづる谷猿の恋 堀口星眠 営巣期
山茱萸の咲き満ち五体に疼きなし 星野紗一
山茱萸の夜明を阻む雨くらし 水原秋櫻子
山茱萸の弾けてぽっと夕日中 高澤良一 宿好
山茱萸の日暮れ惜しまむ片田舎 高澤良一 素抱
山茱萸の昼の深さの花明り 伊藤芙美子
山茱萸の枝に提燈かけてあり 田中冬二 行人
山茱萸の無頼を通し来て浅春 高澤良一 素抱
山茱萸の盛りの枝の錯落す 富安風生
山茱萸の直ぐなる先に星生まれ 廣瀬直人
山茱萸の窶れ夕日にあはれまる 高澤良一 素抱
山茱萸の花ちちよりのメッセージ 栗林千津
山茱萸の花にぞろりと佇める 深見けん二
山茱萸の花に披きて細字読む 後藤夜半
山茱萸の花のこぞりて黄を凝らす 塩川雄三
山茱萸の花の数ほど雫ため 今井つる女
山茱萸の花やあたりは彩なき木 宮津昭彦
山茱萸の花やしみじみと加齢 金子皆子
山茱萸の花完結のなく続く 後藤夜半 底紅
山茱萸の花影あそぶ弥陀の膝 水野すみ子
山茱萸の蕾のはなればなれなる 高濱年尾
山茱萸の貴い黄いろ海があり 駒 志津子
山茱萸の道も三日を経にけるや 田中裕明 花間一壺
山茱萸の銀河系めくひろがりに 鳥居おさむ
山茱萸の黄が開け放つ朝なりき 高澤良一 素抱
山茱萸の黄にむらありて鄙曇 高澤良一 ももすずめ
山茱萸の黄に染み紫煙ゆらとある 太田鴻村 穂国
山茱萸の黄の点描や朝の椅子 水野すみ子
山茱萸の黄はおほひ得ず春の雪 及川貞 榧の實
山茱萸の黄み朝が来て日が昇る 高澤良一 宿好
山茱萸の黄や町古く人親し 大野林火
山茱萸の黄を春色の出入口 後藤比奈夫
山茱萸の黄を解きしより雨がちに 新川智恵子
山茱萸は咲きまんさくは綻びぬ 鈴木貞雄
山茱萸やどこか幽かに点滴す 篠田悌二郎
山茱萸やひと日がつまる西の島 古舘曹人 樹下石上
山茱萸やまばたくたびに花ふえて 森澄雄
山茱萸や合格の子の手の火照り 原田天秋
山茱萸や地震の翳りや紬織る 加藤知世子 花寂び
山茱萸や山国のものみな素顔 黒川憲三
山茱萸や日は月いろに扇状地 古舘曹人 樹下石上
山茱萸や近衛家遺品寂びにけり 那須乙郎
山茱萸や首欠けてなほ子を抱く像 藤岡筑邨
山茱萸咲く笙・篳篥の樂あらな 高澤良一 素抱
帝王学山茱萸明り取り込んで 高澤良一 素抱
庭に色あるは山茱萸実朝忌 及川貞 榧の實
日に痴れし山茱萸日々の眺めとし 高澤良一 寒暑
旭の黄み山茱萸の黄み睦まじく 高澤良一 宿好
枯色に山茱萸の黄の新しや 高木晴子
法起寺の山茱萸恋ほしと思ふころ 大橋敦子 勾 玉以後
渋さとは恰好よさとは山茱萸咲く 高澤良一 素抱
王道は山茱萸の黄を貫きて 高澤良一 素抱
秋の情ふかし山茱萸折り持てば 岸風三楼 往来
空青く山茱萸が咲き風生忌 浅野敏夫
窶れもう取り繕へぬ花さんしゆゆ 高澤良一 素抱
綻び出す庭山茱萸に雨の滋味 高澤良一 宿好
老師すこやか鎌倉山の山茱萸に 及川貞 榧の實
花さんしゆゆ三河も奥の風生る村 井桁衣子
花さんしゆゆ日差しに斑のありにけり 高澤良一 さざなみやっこ
花つけてとっても寒き日の山茱萸 高澤良一 宿好
莟解くさんしゆゆ雨を心待ち 高澤良一 ももすずめ
闇の山茱萸/山姫/ 憑きの/山岡頭巾 林桂 銀の蝉
雲来しと雲の行きしと山茱萸黄 後藤比奈夫
風の日の山茱萸よりも日の弱気 高澤良一 素抱
魂おくる山茱萸はいま花籠 金子皆子
パッパッとさんしゅゆの黄を振撒ける 高澤良一 ももすずめ
さんしゆゆの鶸色に母屋没しけり 高澤良一 ももすずめ
さんしゆゆの葉裏に蜂の小さな巣 高澤良一 ももすずめ
花山茱萸いり玉子めき夕日中 高澤良一 さざなみやつこ
さんしゅゆの炒り卵咲き朝の日に 高澤良一 随笑
さんしゆゆの持ち味曇れば曇る形(なり) 高澤良一 素抱
さんしゆゆの花了ふ翳がよぎるごと 高澤良一 素抱
さんしゆゆの黄を振り撒くは善意に似て 高澤良一 素抱
さんしゆゆ見て思ひ当たるは鉦のいろ 高澤良一 素抱
さんしゆゆの彩させる芽の暮れかかり 高澤良一 石鏡

山茱萸の芽、花 補遺

さんしゆゆの花にたとへてわが盛り 森澄雄
さんしゆゆの花のこまかさ相ふれず 長谷川素逝 暦日
さんしゆゆの花をことしは君かざす 山口青邨
さんしゆゆの花歯刷子を口にして 亭午 星野麥丘人
さんしゆゆの花鎌倉に呼び出され 燕雀 星野麥丘人
さんしゆゆの黄の俄なり涅槃西風 石田波郷
ふさはしき山茱萸の花涅槃にて 森澄雄
みそつ歯で山茱萸噛んで幼姉妹 中村草田男
人よりも山茱萸の黄の古びたる 後藤比奈夫
仏飯を盛る山茱萸の雨あかり 能村登四郎
会ふよりも訣るる齢山茱萸に 後藤比奈夫
土佐みづき山茱萸も咲きて黄をきそふ 水原秋櫻子 磐梯
壷は流す白緑の釉山茱萸活け 山口青邨
山茱萸が咲いて佛の鳴りものよ 岡井省二 山色
山茱萸が眼ひらくやうに今に咲く 細見綾子
山茱萸と日輪うかぶ雨の中 水原秋櫻子 餘生
山茱萸と知りてはなるる月の中 加藤秋邨
山茱萸にけぶるや雨も黄となんぬ 水原秋櫻子 古鏡
山茱萸に復活祭のくる掲示 後藤比奈夫
山茱萸に疾風雲立つその暗さ 水原秋櫻子 帰心
山茱萸に迫りし大雨外れにけり 水原秋櫻子 蘆雁
山茱萸のきらめく日とは言ひ難し 古舘曹人 能登の蛙
山茱萸のずはえが根から出て花す 右城暮石 句集外 昭和十二年
山茱萸のどこさびしきや黄はさびし 及川貞 榧の實
山茱萸の咲くより夜々の靄ふかき 岡本眸
山茱萸の空に肩先並べけり 飯島晴子
山茱萸の簪なりける崖の上 石塚友二 玉縄抄
山茱萸の花けふよりは湖の人 岡井省二 有時
山茱萸の花にぞろりと佇める 深見けん二
山茱萸の花の黄色は濃かりけり(当麻寺三句) 細見綾子
山茱萸の花や水鳥遊べるに 山口青邨
山茱萸の花完結のなく続く 後藤夜半 底紅
山茱萸の花粉拭き取る畳かな 波多野爽波
山茱萸の花老に今日老に明日 後藤比奈夫
山茱萸の風にゆれあふ実を擇りぬ 飯田蛇笏 山響集
山茱萸の黄はおほひ得ず春の雪 及川貞 榧の實
山茱萸の黄や町古く人親し 大野林火 雪華 昭和三十六年
山茱萸の黄を春色の出入口 後藤比奈夫
山茱萸の黄を長考の黄となせる 後藤比奈夫
山茱萸は取り木の土に花つけて 右城暮石 句集外 昭和十六年
山茱萸は禅門貝母浄土門 後藤比奈夫
山茱萸は蕾でさへもまぶしさよ 細見綾子
山茱萸やひと日がつまる西の島 古舘曹人 樹下石上
山茱萸やまばたくたびに花ふえて 森澄雄
山茱萸や人に伝へぬ京泊り 上田五千石『琥珀』補遺
山茱萸や師情あるとき胸くるし 能村登四郎
山茱萸や日は月いろに扇状地 古舘曹人 樹下石上
山茱萸をいまの齢のよしとする 山口誓子
山茱萸を仏花にもして当麻寺(当麻寺三句) 細見綾子
山茱萸を活けて終日雨を聴く 山口青邨
山茱萸を見て得し風邪は悔もなし 水原秋櫻子 餘生
山茱萸越しに露天湯の見ゆる部屋 能村登四郎
峠より折り来しばかり山茱萸よ 山口青邨
庭に色あるは山茱萸実朝忌 及川貞 榧の實
日照雨降り山茱萸のみに降る如し 水原秋櫻子 緑雲
梅月夜なりし山茱萸月夜とも 後藤比奈夫
生命なり白梅山茱萸に埋れる 金子兜太
空青くして山茱萸の黄金咲き 鷹羽狩行
老師すこやか鎌倉山の山茱萸に 及川貞 榧の實
老歩遅々山茱萸の雨に傘さして 水原秋櫻子 蘆雁
貧相な山茱萸これはこれで好き 飯島晴子
連翹の黄は見習はず山茱萸黄 後藤比奈夫
門二つ山茱萸の雨木瓜の雨 水原秋櫻子 殉教
雲来しと雲の行きしと山茱萸黄 後藤比奈夫

以上
by 575fudemakase | 2016-01-24 00:02 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カテゴリ

全体
無季
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
ブログ
自作j
自作y
未分類

以前の記事

2024年 03月
2024年 02月
2024年 01月
more...

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...
魚屋三代目日記
My style

メモ帳

▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

検索

タグ

最新の記事

外山滋彦著「俳句的」の指摘し..
at 2024-03-28 07:13
山本覚馬
at 2024-03-28 05:53
【桜餅】といえばどっち派?全..
at 2024-03-27 05:17
あまおう」と「とちお...
at 2024-03-24 03:42
一茶 生きもの句帖 小学館文..
at 2024-03-18 13:28
シュリンクフレーションという..
at 2024-03-13 05:15
ザッピングzapping?き..
at 2024-03-11 01:51
書道 書・筆・墨・硯の俳句
at 2024-03-08 10:04
しょどう
at 2024-03-08 09:38
すずり
at 2024-03-08 09:35
筆の俳句
at 2024-03-08 09:26
墨の俳句
at 2024-03-08 09:04
書の俳句
at 2024-03-07 18:12
佐々木敏光句集 富士山麓・秋..
at 2024-03-07 05:49
山口昭男著 波多野爽波の百句..
at 2024-02-26 02:57
ザッピングzapping?
at 2024-02-24 00:32
私の俳句入門 大野林火編 有..
at 2024-02-21 01:39
茨木和生著 右城暮石の百句 ..
at 2024-02-20 03:20
季寄せを兼ねた 俳句手帖「春..
at 2024-02-11 18:17
我が家の梅 2024/02/..
at 2024-02-06 13:51

外部リンク

記事ランキング