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春塵 の俳句

春塵 の俳句

春塵

例句を挙げる。

あな醜し肉附の面の春埃 山田みづえ
かなしき日春塵の厨拭いて寐る 草村素子
けだるさやピアノの上の春埃 筑間美江
ふるさとの春塵の道ひかりをり 秋山素子
をとめごの春埃のなかにふとりけり 室生犀星 犀星發句集
一悶着あるごと春塵払ひけり 森 敏子
俳諧も紙の類なり春埃 竹本健司
先生やいま春塵に巻かれつつ 岸本尚毅(1961-)
友に会はん春塵かぶる駅のポスト 桜井博道 海上
友欲しきとき春塵が橋渡る 田川飛旅子 花文字
外套の裾切れ街は春埃 米沢吾亦紅 童顔
多彩仏春塵仏と拝みける 赤松[けい]子 白毫
子規堂の電燈の笠春埃 高澤良一 寒暑
戦没学徒ら透明に群なし春塵駆く 磯貝碧蹄館 握手
拭ひたる卓に春塵棒立ちに 上野泰 佐介
掃きよせし春塵の中針光る 橋本鶏二 年輪
春埃そつと拭いたる子の遺影 吉田きみ
春埃り髪につけをり女香具師 宮武寒々 朱卓
春埃わづかの道を来てすでに 高濱年尾 年尾句集
春埃奉天に来て虹を見し 室生犀星 犀星発句集
春埃拭ひ馴れつゝ卓の傷 高濱年尾 年尾句集
春埃無能の自影でうるほふかに 香西照雄 対話
春埃立てず拝見虚子の館 堀恭子
春塵と吹かれて重き歩みかな 石田あき子 見舞籠
春塵と見えし街の灯君は北ヘ 桜井博道 海上
春塵にたかぶり人とけものどち 石橋秀野
春塵に心まみれて帰りけり 中村苑子
春塵に息浅くして魚のごとし 野沢節子
春塵に押され大阪駅を出づ 辻田克巳
春塵に眼をしばたたき繋ぎ馬 阿部みどり女
春塵に舌の根かわく閻魔王 葉狩てる子
春塵のいづこに住居もつべしや 高橋沐石
春塵のかたづけさせぬ机上かな 石川予風
春塵のたぐひの一つわが句屑 外城恒
春塵のひだ美しき仏達 大橋杣男
春塵の一本松よ眸あぐるたび 永井よしい
春塵の中でベレーの塵はたく 佐野まもる
春塵の分厚く赤茶け煤仁王 高澤良一 鳩信
春塵の同じ暗さへ退勤工 吉田鴻司
春塵の壺の一つを愛すかな 三島 汲水
春塵の如き学問考古学 粟津松彩子
春塵の巷にありて機屋かな 五十崎古郷句集
春塵の没日音なき卓を拭き 加藤楸邨
春塵の玻璃に展示の能衣裳 長谷川かな女 花寂び
春塵の耳を洗へば今日はるか 細川加賀 『玉虫』
春塵の衢(ちまた)落第を告げに行く 大野林火(1904-84)
春塵の軽く揚りて経修理 池上浩山人
春塵の近江に貨車を放ちけり 斉藤夏風
春塵の鏡はうつす人もなく 山口青邨
春塵も置かず遺愛の杯並べ 稲畑汀子
春塵やいつひろごりし生活の輪 久保田万太郎 流寓抄
春塵やこころの馬鹿のトルストイ 平井照敏 天上大風
春塵やふくさかけたる謡本 藤田春梢女
春塵やオゾンの穴を覗き見る 森須 蘭
春塵や吾を見あげて妻の像 河野静雲 閻魔
春塵や寸の仏も彫ふかく 大橋櫻坡子
春塵や東京はわが死にどころ 鈴木真砂女 夕螢
春塵や欅並木に映画館 西本一都 景色
春塵や水路工事の遅々として 倉内法子
春塵や病めば後るゝことばかり 泉春花
春塵や観世音寺の観世音 高野素十(1893-1976)
春塵をかぶり一億より出づる 松澤昭 山處
春塵をつけて妻と子戻るべし 高橋沐石
春塵をひそめ*たなごのつやゝかに 『定本石橋秀野句文集』
春塵をやり過したる眉目かな 高浜虚子
春塵を積みザヴィエルの面の創 有馬朗人
春塵を虹でおさへて撒水車 土生重次
時折に春塵の立つ風情のみ 京極杞陽 くくたち下巻
橋が明日へ源知らぬ春塵どか 磯貝碧蹄館 握手
疾風行春塵溜り来る睫毛 石塚友二 方寸虚実
老農の洗ふ眼鏡や春埃 中村草田男
葬につどふ人に春塵濃き日なり 大橋敦子
裾払ふ折尺伸ばす春埃 米沢吾亦紅 童顔
踏まれゐる邪鬼につもれる春埃 野村美恵
酒少しすぎて唄あり春埃 河野南畦 湖の森
黒豚の春塵まみれ杜甫の国 毛塚静枝
三笠山見る面上に春の塵 銀漢 吉岡禅寺洞
仏壇の宙に生きもの春の塵 鷹羽狩行 第九
伝へ古る渾天儀あり春の塵 有働亨 汐路
十字架の湾頭に舞ふ春の塵 原裕 葦牙
地球儀の世界を覆ふ春の塵 浅見まき子
売れ残る干支の置物春の塵 渡辺 晧
帰り来て耳に東京の春の塵 猿橋統流子
投票をしるすに春の塵ざらざら 横山白虹
新兵の靴引するや春の塵 尾崎紅葉
病人の耳滓春の塵として 嶋田麻紀
病消えてまた町医たり春の塵 相馬遷子 山国
筆の穂にかかりて紅き春の塵 橋本鶏二 年輪
老いて読むつもりの本や春の塵 北見さとる
華鬘なる花鳥雲に春の塵 佐々木六戈 百韻反故 初學
鏡台をたま~縁に春の塵 阿部みどり女 笹鳴

春塵 補遺

あな醜し肉附の面の春埃 山田みづえ 草譜
きら~と松の股から春埃リ 岡井省二 猩々
くるくると黄塵の日の恋雀 藤田湘子
ここに穴あり春塵のマンホール 佐藤鬼房
そのかみの版木かさねつ春埃 伊丹三樹彦
はまなすや黄塵やメモせし頁 加藤秋邨
まきのぼる夜の黄塵とインダス越ゆ 加藤秋邨
ルネサンス風に置きたる春の塵 後藤比奈夫
五十年前の春塵かも知れず 後藤比奈夫
人疎めば吾もうとまれ春塵す 松崎鉄之介
仏にも歓喜踊躍の春埃 後藤比奈夫
仏壇の宙に生きもの春の塵 鷹羽狩行
冬帽の黒脱げば斑らなり黄塵 石塚友二 方寸虚実
十字架の湾頭に舞ふ春の塵 原裕 葦牙
埋れたる土の深さよ春埃 三橋敏雄
大陸の黄塵を歯に噛みて征く 日野草城
子等駈ける春塵のまき起りつゝ 星野立子
屋上園春の黄塵降りかすみ「百萬」 「方寸虚実」石塚友二
巡業の葛籠春塵払はれず 後藤比奈夫
戦傷に黄塵の陽と鵲と 佐藤鬼房
拭ひたる卓に春塵棒立ちに 上野泰 佐介
捲きあがる黄塵蜂の巣に達す 加藤秋邨
旅帰り先づ春塵の机拭く 稲畑汀子
春の塵目にいちじるし事務の閑 日野草城
春埃無能の自影でうるほふかに 香西照雄 対話
春埃目ばかり剥きて天邪鬼 星野麥丘人 2002年
春塵が水滴の孔塞ぎけり 相生垣瓜人 明治草
春塵といふもすさまじ男部屋 伊丹三樹彦
春塵と炭酸瓦斯を恐れけり 相生垣瓜人 明治草
春塵にたかぶり人とけものどち 石橋秀野
春塵に山羊追ふ杜甫の生れし地よ 松崎鉄之介
春塵に心まみれて帰りけり 中村苑子
春塵に指紋重ねて大竪琴 鷹羽狩行
春塵に秀でし眉やるしゃなぶつ 伊丹三樹彦
春塵のその塵縁や浅からぬ 相生垣瓜人 明治草
春塵の会釈吝まずボスゆける 岸田稚魚 負け犬
春塵の巷落第を告げに行く 大野林火 早桃 海風抄
春塵の紅殻格子遊女ゐず 鷹羽狩行
春塵の鏡はうつすひともなく 山口青邨
春塵の鞘阿弥陀佛御目伏せ 星野立子
春塵の顱頂とがりて菩薩なり 伊丹三樹彦
春塵も国宝として拝しけり 鷹羽狩行
春塵やこころの馬鹿のトルストイ 平井照敏 天上大風
春塵やほとけの肩は厳かしき 伊丹三樹彦
春塵やみとせをろがむ子の位牌 上村占魚
春塵や一人もよろし行かしめよ 中村汀女
春塵や吾子を率て行く亡師の部屋へ 角川源義
春塵や東京はわが死にどころ 鈴木真砂女 夕螢
春塵や泣きごゑばかりがわれらのもの 岸田稚魚 負け犬
春塵や秩父忌生のあるかぎり 大野林火 雪華 昭和四十年
春塵や観世音寺の観世音 高野素十
春塵をしづめて雨のひと日かな 稲畑汀子
春塵をひそめ*たなごのつやゝかに 石橋秀野
春塵を拝みめぐり古都にあり 後藤比奈夫
春塵を浮かべ鱒池のコンクリート底 右城暮石 句集外 昭和三十三年
春塵を積みザヴィエルの面の創 有馬朗人 天為
春風の塵かと見れば蚊の一つ 政岡子規 春の蚊
書屋一歩出れば春塵や塵労や 安住敦
棕梠の毛に古今の塵や春の風 三橋鷹女
汗の目はかがやき黄塵の頬はとがり 長谷川素逝 砲車
活け花のあさき水にも春の塵 鷹羽狩行
湯浴みつゝ黄塵なほもにほふなり 相馬遷子 山国
炎天の蝶黄塵に吹かれけり 臼田亜郎 定本亜浪句集
片附かぬ机辺春塵置きしまま 稲畑汀子
獅子舞を追て歩行や春の塵 鳳朗
疾風行春塵溜り来る睫毛 石塚友二 方寸虚実
病消えてまた町医たり春の塵 相馬遷子 山国
神に狎れ仏に狎れて春の塵 後藤比奈夫
老農の洗ふ眼鏡や春埃 中村草田男
胸像の鼻梁のゆがみ春の塵 鷹羽狩行
臥す母のまはりきららに春の塵 桂信子 新緑
蟹怒りだす 黄塵を掴み喰ひ 三橋鷹女
親不知鵜に黄塵を吹きおろす 加藤秋邨
負の声聞く春塵きわまる崖のひなた 赤尾兜子 歳華集
贋巴里の テラス喫茶の 春の塵 伊丹三樹彦
身辺に春塵の濃くなりにけり 日野草城
退却の歩み黄塵に入りて出づ 三橋敏雄
部隊征く黄塵麦の海ゆ騰ち 日野草城
鍋釜を胸抱きにして春塵裡 加藤秋邨
防人をいたはる歌碑も黄塵裡 阿波野青畝
魯迅先生の机筆硯春埃 山田みづえ まるめろ
黄塵にしるす指文字泥の香す 加藤秋邨
黄塵にひと日疲れて手をあらふ 水原秋櫻子 殉教
黄塵に息浅くして魚のごとし 野澤節子 未明音
黄塵に昼ほとゝぎす聞きとめし 阿波野青畝
黄塵に染む太陽も球根も 百合山羽公 樂土
黄塵に痩せたる牛を牧しけり 阿波野青畝
黄塵に竜の眼乾く 帝の階 伊丹三樹彦
黄塵に追はれよどむや鶴見川 水原秋櫻子 殉教
黄塵のかすみて暮るる行々子 臼田亜浪 旅人 抄
黄塵の中囀りのゆゆしけれ 山口青邨
黄塵の去りぬと矮鶏のときつくる 水原秋櫻子 蘆雁
黄塵の滞る見ゆ夜見ケ浜 阿波野青畝
黄塵の町のこなたに接木する 中村汀女
黄塵の疾風の中の梅白し 上村占魚 球磨
黄塵の覆ふ平家の舟隠し 鷹羽狩行
黄塵の野面の隅に雪の富士 水原秋櫻子 残鐘
黄塵やまづ立塞ぐ甲州路 水原秋櫻子 玄魚
黄塵やわれはわづかな傷かばひ 中村汀女
黄塵や垣くぐり来る四十雀 水原秋櫻子 殉教
黄塵や彼の槻並木彼の城址 水原秋櫻子 殉教
黄塵や淡き影持つ雀ども 加藤秋邨
黄塵や瀬々の涸れたる名栗川 水原秋櫻子 晩華
黄塵や銭を泉の露店板 百合山羽公 寒雁
黄塵や防人の妻を恋ふは宜 阿波野青畝
黄塵や雨知らぬ畑に寝て憩ふ 相馬遷子 山国
黄塵や青梅街道野にいでて 水原秋櫻子 晩華
黄塵をものかは鶴の帰り去る 阿波野青畝
黄塵来白髭さんは失せられて 阿波野青畝
黄塵裡影絵の部隊征きに征く 日野草城

以上
by 575fudemakase | 2016-02-26 00:02 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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