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霾る の俳句

霾る の俳句

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霾 補遺

『朝日』の窓昼光色の霾ながれ 西東三鬼
きのふけふ濁世さながら黄沙かな 阿波野青畝
くるくると黄塵の日の恋雀 藤田湘子
さゞなみの碧きその上につちふるか 高屋窓秋
つちかぜのいちにち吹けり蜆汁 森澄雄
つちぐもりして花粉症おびやかす 右城暮石 一芸
つちふつて鳶と鴉と闘へり 大峯あきら 宇宙塵
つちふりて天下の美林消えなんと 阿波野青畝
つちふると手にとることは出来ざりし 阿波野青畝
つちふるに唐三彩の馬俑買ふ 松崎鉄之介
つちふるやひと日書斎にこもりゐて 山口青邨
つちふるや一天くらく林鳴り 長谷川素逝 砲車
つちふるや反転図形女身泛き 中戸川朝人 尋声
つちふるや嫌な奴との生きくらべ 藤田湘子 てんてん
つちふるや日輪たかく黄に変じ 長谷川素逝 砲車
つちふるや涙の目もて死をわらふ 石川桂郎 高蘆
つちふるや臥して十日のぼんのくぼ 大石悦子
つちふるや郵便受けの屋根の反り 鷹羽狩行
つちふる夜黒潮を来し鰹食ふ 矢島渚男 延年
はまなすや黄塵やメモせし頁 加藤秋邨
まきのぼる夜の黄塵とインダス越ゆ 加藤秋邨
まなぶたの中のまなこやよなぐもり 岡井省二 有時
ジンギスカン走りし日より霾れり 有馬朗人 天為
ニス塗つてニス塗つてかつ黄沙かな 岡井省二 大日
ビルはみな角を失ひ霾れる 山田弘子 こぶし坂
二荒山墨絵ぼかしに霾れり 松崎鉄之介
京に来てぐるり見廻し霾れる 波多野爽波
冬帽の黒脱げば斑らなり黄塵 石塚友二 方寸虚実
初黄沙唐詩の国の便りなる 百合山羽公 樂土以後
厠翼とともに揺れ霾天の航 鷹羽狩行
叔父ふたり遺骨還らず黄砂降る 松下訓子
口あけば舌が感じて胡沙来るか 加藤秋邨
地震あとに粉塵が立ち黄沙降り 後藤比奈夫
壁画古墳人馬つちふるごとくなり 野見山朱鳥 運命
大書して気を散じたる黄沙かな 岡井省二 前後
大陸の黄塵を歯に噛みて征く 日野草城
大鯉のあぎと見てをりつちぐもり 岡井省二 五劫集
天覆ふ雲やかすかに黄砂降る 野見山朱鳥 愁絶
女人一途黄沙白泉走せ渡りぬ 中村草田男
女俑見てつちふる国を憶ひけり 阿波野青畝
妙義の嶮つちふる中に模糊として 山口青邨
安曇野は原初の無音胡沙来る 藤田湘子 てんてん
寅彦のオルガンの鳴る黄沙かな 黒田杏子 花下草上
尉面の日を闌けしめし黄沙かな 岡井省二 鯛の鯛
尼寺にかかる鯰絵霾晦 宮坂静生
屋上園春の黄塵降りかすみ「百萬」 「方寸虚実」石塚友二
戦傷に黄塵の陽と鵲と 佐藤鬼房
捲きあがる黄塵蜂の巣に達す 加藤秋邨
日がな霾りてどこかに旅疲れ 山田弘子 こぶし坂
星の降る町が黄沙の降る町に 鷹羽狩行
晴れたるより明るかりけるよなぐもり 岡井省二 鯛の鯛
朝粥抱く 黄沙なごりの風の中 伊丹三樹彦
本願寺さまの枢に霾れり 飴山實 花浴び
村々につちふつてゐる大和かな 大峯あきら 宇宙塵
東京の片隅にをり霾曇 松崎鉄之介
梶ヶ森高原に来て黄砂見る 右城暮石 散歩圏
機関銃闇ノ黄砂ヲ噴キ散ラス 西東三鬼
次々に黄砂を拭ふ帰り水 川崎展宏
殷亡ぶ日の如く天霾れり 有馬朗人 知命
汗の目はかがやき黄塵の頬はとがり 長谷川素逝 砲車
流砂はじまりて黄沙となるところ 岡井省二 鯛の鯛
浮びたる鯉の眼濁り黄沙降る 能村登四郎
清瀬病床松籟となれこの黄沙 及川貞 夕焼
湯浴みつゝ黄塵なほもにほふなり 相馬遷子 山国
炎天の蝶黄塵に吹かれけり 臼田亜郎 定本亜浪句集
点滴に右手とられぬつちぐもり 大石悦子
熔岩原に触れつつ霾のわたるなり 岡井省二 前後
父亡き子並べて叱り霾れり 中戸川朝人 尋声
父逝きし日のあとさきのつちぐもり 大石悦子
球根のいきいきとしてつちぐもり 百合山羽公 樂土以後
真円き夕日霾なかに落つ 中村汀女
眼も鼻もなみだにぬれて霾まみれ 飯田蛇笏 白嶽
眼より瞼つよし蒙古風 岡井省二 夏炉
空港の空は広くて霾ぐもり 鷹羽狩行
立子の訃なりし上巳のつちぐもり 百合山羽公 樂土以後
粥うまき奈良に来てをり霾晦 森澄雄
緋の揺るゝあたりなりけり蒙古風 岡井省二 鯛の鯛
縦書と昵懇の眼やつちふれり 藤田湘子 てんてん
胡人泊めし夜深の空の霾にごり 能村登四郎
胸底に黄沙降らせて睡りけり 石寒太 炎環
花曇りらしくも見えて霾れり 高浜年尾
落城の日もつちふつてをりたるか 大峯あきら 宇宙塵
蓬生に二日つづきし黄沙かな 岡井省二 明野
蟹怒りだす 黄塵を掴み喰ひ 三橋鷹女
親不知鵜に黄塵を吹きおろす 加藤秋邨
象と人間擁きあふ佛よなぐもり 岡井省二 鯛の鯛
赤寺の大赤魚板霾る日 高野素十
退却の歩み黄塵に入りて出づ 三橋敏雄
部隊征く黄塵麦の海ゆ騰ち 日野草城
金色の唐草なりし黄沙かな 岡井省二 鯛の鯛
鉢の欄黄塵ひと日窓を占む 水原秋櫻子
防人をいたはる歌碑も黄塵裡 阿波野青畝
雑音の多きラジオに黄砂降る 山内崇弘
霾ぐもり啓蟄ぐもり重なれり 右城暮石 句集外 昭和六十二年
霾ぐもり鞭をあげつつ馬車消ゆる 福田蓼汀 山火
霾の尾根夜をいただきて遠ざかる 飯田龍太
霾の陽に中央寺院の鐘空音せり 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
霾の陽に祈祷の鐘のきこゆなり 飯田蛇笏 白嶽
霾ふるや砲架砲脚担ひえず 小林康治 四季貧窮
霾やわが青春の筥崎に 森澄雄
霾や壺絵にありしスフィンクス 岡井省二 鯛の鯛
霾や宰府にのこる大礎石 穴井太
霾や鋭きものに砂洲の嘴 鷹羽狩行
霾や鎖国将軍家康忌 百合山羽公 樂土以後
霾や鬼ヶ島山包むほど 鷹羽狩行
霾よりも悲しサハラの砂嵐 後藤比奈夫
霾りしあとからからと撒水車 加藤秋邨
霾るといへる匂のあるはあり 後藤比奈夫
霾るは加州にもあり今は冬 高浜年尾
霾るやとどろきそめし胸の底 加藤秋邨
霾るや墓地をくる手のひらひらと 波多野爽波
霾るや江口の遊女探ねゐて 加藤秋邨
霾るや鋼に指の文字見ゆる 加藤秋邨
霾る中月山の水に茶を点つる 加藤秋邨
霾れる松の木に倚り明眸なり 飯島晴子
霾わたる眉の上なる草の山 岡井省二 有時
霾天にして鸛の巣を仰ぐ 岡井省二 猩々
霾天に安次先生かくれけり 矢島渚男 百済野
霾天や分銅に揺れありにける 岡井省二 鯛の鯛
霾強し鼻より眉間つき抜けし 森澄雄
霾降るや原罪のごと擁かるゝ 小林康治 玄霜
風に霾りこころ憂いて欠伸すも 金子兜太
首一つ衆に抽んづ霾晦 中戸川朝人 尋声
鬱結の深みに黄沙降り沈む 佐藤鬼房
鳥の道きらりきらりと黄沙来る 石寒太 炎環
鳥葬のいよよ黄沙となりしなり 岡井省二 大日
黄塵にしるす指文字泥の香す 加藤秋邨
黄塵にひと日疲れて手をあらふ 水原秋櫻子 殉教
黄塵に大きく見ゆる裏の山 茨木和生
黄塵に息浅くして魚のごとし 野澤節子 未明音
黄塵に昼ほとゝぎす聞きとめし 阿波野青畝
黄塵に染む太陽も球根も 百合山羽公 樂土
黄塵に痩せたる牛を牧しけり 阿波野青畝
黄塵に竜の眼乾く 帝の階 伊丹三樹彦
黄塵に追はれよどむや鶴見川 水原秋櫻子 殉教
黄塵のかすみて暮るる行々子 臼田亜浪 旅人 抄
黄塵の中囀りのゆゆしけれ 山口青邨
黄塵の去りぬと矮鶏のときつくる 水原秋櫻子 蘆雁
黄塵の滞る見ゆ夜見ケ浜 阿波野青畝
黄塵の町のこなたに接木する 中村汀女
黄塵の疾風の中の梅白し 上村占魚 球磨
黄塵の覆ふ平家の舟隠し 鷹羽狩行
黄塵の野面の隅に雪の富士 水原秋櫻子 残鐘
黄塵やまづ立塞ぐ甲州路 水原秋櫻子 玄魚
黄塵やわれはわづかな傷かばひ 中村汀女
黄塵や僧玄奨の歩む音 磯 直道
黄塵や垣くぐり来る四十雀 水原秋櫻子 殉教
黄塵や彼の槻並木彼の城址 水原秋櫻子 殉教
黄塵や日輪よぎり鵲飛べり 岡部六弥太
黄塵や淡き影持つ雀ども 加藤秋邨
黄塵や瀬々の涸れたる名栗川 水原秋櫻子 晩華
黄塵や銭を泉の露店板 百合山羽公 寒雁
黄塵や防人の妻を恋ふは宜 阿波野青畝
黄塵や雨知らぬ畑に寝て憩ふ 相馬遷子 山国
黄塵や青梅街道野にいでて 水原秋櫻子 晩華
黄塵をものかは鶴の帰り去る 阿波野青畝
黄塵来白髭さんは失せられて 阿波野青畝
黄塵裡影絵の部隊征きに征く 日野草城
黄沙いまかの楼蘭を発つらんか 藤田湘子
黄沙きて龍馬が裾を吹きにけり 古舘曹人 樹下石上
黄沙では隠し切れざる景もあり 後藤比奈夫
黄沙とや 北京少女は面隠し 伊丹三樹彦
黄沙降り新幹線の往来す 百合山羽公 樂土
黄沙降る国へゆく日は兵として 赤尾兜子 稚年記
黄沙降る飩饂飩うどんかな 岡井省二 鯛の鯛
黄砂ふる幾日重ねて君を待つ 金子兜太

以上v
by 575fudemakase | 2016-03-22 00:02 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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