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暖か の俳句

暖か の俳句

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暖か 補遺

あたたかい子犬のこころはようわかる 種田山頭火 自画像 落穂集
あたたかい白い飯が在る 種田山頭火 草木塔
あたたかい雨ですえんま蟋蟀です 三橋鷹女
あたたかき乳こんもりと古娘 日野草城
あたたかき佛となりし師走かな 上田五千石 森林
あたたかき十一月もすみにけり 中村草田男
あたたかき十二月なりひまにも馴れ 富安風生
あたたかき君が坐像よ雨はしづかに 佐藤鬼房
あたたかき夜の椎の風椎の家 廣瀬直人
あたたかき夜やダイヤルにのばす手も 中村汀女
あたたかき夜食の後の部屋覗く 能村登四郎
あたたかき屋根の雪塊鴎鳴く 飯田龍太
あたたかき手中の鶫指を突く 阿波野青畝
あたたかき日のつづかざる草紅葉 右城暮石 一芸
あたたかき日は日短きこと忘れ 後藤比奈夫
あたたかき日を賜ぶ師走半ばまで 森澄雄
あたたかき案山子の脚を掴み抜く 鷹羽狩行
あたたかき海の日差しの涅槃かな 岡井省二 大日
あたたかき深き空洞(うつろ)の炬燵かな 松本たかし
あたたかき炬燵を出る別れ哉 尾崎放哉 大学時代
あたたかき甍の厚味割るるなよ 永田耕衣
あたたかき甍は何處へ行かむとする 永田耕衣
あたたかき葱鮪の湯気やぶしやうひげ 日野草城
あたたかき蛇をり通夜の暗がりに 中村苑子
あたたかき血を思ひけり初泉 石田勝彦 百千
あたたかき試歩をとどむる雪柳 日野草城
あたたかき闇或ときは涙わく 松村蒼石 寒鶯抄
あたたかき雨や芽麦に消えて降る 長谷川素逝 暦日
あたたかき雪がふるふる兎の目 上田五千石 琥珀
あたたかくこんばんはどんびきがゐる 種田山頭火 自画像 落穂集
あたたかくたんぽぽの花茎の上 長谷川素逝 暦日
あたたかくはなしてゆきし 用に来て 長谷川素逝 村
あたたかくやはらく濃き闇をゆく 篠原梵 年々去来の花 中空
あたたかくわれをとび出す白兎 平井照敏
あたたかくゐるを見舞ひて乗り継ぐも 大野林火 飛花集 昭和四十五年
あたたかく交る藁や麦と稲 三橋敏雄
あたたかく人と別るる年の夜 山田みづえ まるめろ
あたたかく俄かに何を喪へり 能村登四郎
あたたかく日がさすところよい石がある 種田山頭火 自画像 落穂集
あたたかく牛にわが影あてて撫づ 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
あたたかく藁が饐えゐる父の畦 能村登四郎
あたたかく野の靄つつむ忘れ鍬 能村登四郎
あたたかく髪もろともに目を結はへ 中村汀女
あたたかさ続きて飽きし寒暖計 岡本眸
あたたかし海を運ばれ来し石は 石田勝彦 秋興
あたたかし蒟蒻腹に夜の雨 藤田湘子
あたたかし鞄を置けと石があり 林翔
あたたかなれば木かげ人かげ 種田山頭火 草木塔
あたたかな上に時計も遅れゐし 後藤比奈夫
あたたかな二人の吾子を分け通る 中村草田男
あたたかな山容梅雨晴剣岳 上田五千石『天路』補遺
あたたかな雨が降るなり石蕗の花 山口青邨
あたたかにあけがたの雨ふり出でぬ 篠原梵 年々去来の花 雨
あたたかになるへき朝の日和かな 政岡子規 暖か
あたたかに亀看経す馬の塚 角川源義
あたたかに指で押しゆく雲ひとつ 平井照敏
あたたかに甕つくりゐる土の匂ひ 村山故郷
あたたかに籬々を学校へ 中村汀女
あたたかに落葉吹きたむ寿康館 角川源義
あたたかに逢ひあたたかく同行す 岡本眸
あたたかやきりんの口が横に動き 後藤比奈夫
あたたかや割箸ほどの立ち仏 橋閒石 微光
あたたかや反転の鯉渦を生み 鷹羽狩行
あたたかや味噌ひとかたけ子に持たせ 安住敦
あたたかや四十路も果ての影法師 野見山朱鳥 愁絶
あたたかや埴輪の馬の継ぎ合せ 鷹羽狩行
あたたかや小品のみの遺作展 上田五千石 琥珀
あたたかや撒けば流れて鯉の餌 鷹羽狩行
あたたかや日向ぼこりのまたたきの 中村汀女
あたたかや櫟落葉の降りしきる 中村汀女
あたたかや毛呂美蔵にてすでに酔ふ 石川桂郎 高蘆
あたたかや水輪ひまなき廂うら 杉田久女
あたたかや皮ぬぎ捨てし猫柳 杉田久女
あたたかや絵本見る児のひとりごと 福田蓼汀 山火
あたたかや貰ひし種をまだ蒔かず 百合山羽公 樂土
あたたかや起立助ける妻の肩 秋元不死男
あたたかや遺句のなかなる辞世の句 鷹羽狩行
あたたかや野菜を揚げし夕の膳 大野林火 海門 昭和八年
あたたかや雨の力を洋傘に感ず 大野林火 冬雁 昭和二十一年
あたたかや魚揃ひゆく蘆間水 村山故郷
あたたかをたもつ食籠や衣被 阿波野青畝
あたらしい法衣いつぱいの陽があたたかい 種田山頭火 自画像 落穂集
あたゝかき風がぐるぐる風車 政岡子規 暖か
あたゝかな窓に病気の名残かな 政岡子規 暖か
あたゝかな窓に風邪の名残かな 政岡子規 暖か
あたゝかに白壁ならぶ入江哉 政岡子規 暖か
あたゝかに立上る船の煙かな 政岡子規 暖か
あたゝかに雲をいろどる夕日哉 政岡子規 暖か
あたゝかやなゐすべき夜と人のいふ 政岡子規 暖か
あたゝかや壁を漏る日に舞ふ埃 政岡子規 暖か
いつしかや手のあたたかく春の雪 中村汀女
いづれあたたか記憶の雪といまの雪 上田五千石 天路
おしやれ眼鏡本読む眼鏡あたたかし 山田みづえ まるめろ
お地蔵さんもあたたかい涎かけ 種田山頭火 自画像 落穂集
かばひゆく提灯ぬくし雪は霏々 福田蓼汀 山火
くらみに入る鼻あたたかし天草むろ 岡井省二 明野
くろかねの橋あたゝかき都哉 政岡子規 暖か
ぐつたりと鯛焼ぬくし春の星 西東三鬼
こほろぎや底あたたかき膝枕 日野草城
ささやかなものをたよりにあたたかし 平井照敏
しんがりをよろこぶ家鴨なり暖か 秋元不死男
ぜんまいの綿あたたかし陶を乾す 阿波野青畝
つぎ多き靴下ぬくし母いとほし 松崎鉄之介
つく杖の銀あたたかに蝶蝶かな 松本たかし
つばき一輪膝に野仏あたたかし 荻原井泉水
としよりの情あたたかし根深汁 木村蕪城 一位
としよりの片言ぬくし唐辛子 鷲谷七菜子 花寂び
どことなく月ありあたたかなる夜なり 篠原梵 年々去来の花 雨
どなたかかけて下さつた筵あたたかし 種田山頭火 自画像 落穂集
なんとあたたかなしらみをとる 種田山頭火 草木塔
ひばりなき高原のみち暖雨ふる 飯田蛇笏 白嶽
ひるからのあたたかさ落葉つもりけり 村山故郷
びろうどのあたたかさうな草も萌ゆ 山口青邨
ふところの焼芋のあたたかさである 尾崎放哉 須磨寺時代
ぶちまけて釦を探すあたたかし 伊藤白潮
ほすすき、山にこのあたたかき懐はあり 荻原井泉水
ほのぼのと襟あたたかし石蕗も日に 橋本多佳子
ほほゑめばふゆあたたかきひとなりし 上田五千石『天路』補遺
ほんに仲よく寄せ鍋をあたたかく 種田山頭火 草木塔
ほんに小春のあたたかいてふてふ 種田山頭火 草木塔
まなかひに雲あたたかき紀元節 伊丹三樹彦
ままかりや一月京のあたたかく 石川桂郎 高蘆
みかん黄にふと人生はあたたかし 高田風人子
もぎたてのあたたかくして柿剥かず 鷹羽狩行
もらうてもどるあたたかな水のこぼるるを 種田山頭火 草木塔
わがふしど闇あたたかに詩生る 松村蒼石 寒鶯抄
わが手わが足われにあたたかく寝る 種田山頭火 草木塔
わが髪はわれとあたたか夕落葉 中村汀女
わづかなる煮炊に汚れあたたかし 岡本眸
アラデインの火は暖かし漱石忌 山口青邨
クリスマス胡桃の樹肌あたたかに 三橋鷹女
サアカスの眠れる闇のあたたかし 伊丹三樹彦
ツリ上ゲシ魚ノ光ヤ暖キ 政岡子規 暖か
ポケツトの焼芋ぬくしおん祭 右城暮石 虻峠
マッチややにあたたかき色となるを待つ 篠原梵 年々去来の花 雨
一茶忌の雑木紅葉のあたたかし 松崎鉄之介
一茶忌や蕎麦も蕎麦湯もあたたかに 鷹羽狩行
乳母車降りて転びぬ暖かき 川端茅舎
亡き夫顕つごと焚火あたたかし 橋本多佳子
亡き目あたたか夜明柚子の実に日がさすやう 加藤秋邨
亥の子して顔あたたかや辻地蔵 飴山實 花浴び
人ちらほら風あたゝかに松葉関 政岡子規 暖か
人間の歯を売つてゐる暖かに 臼田亜郎 定本亜浪句集
今以つて寝巻と言ふやあたたかし 藤田湘子 てんてん
仏に拠れば汁ぬくとしや飯甘しや 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
伊豆はあたたかく野宿によろしい波音も 種田山頭火 草木塔
休め田に星うつる夜の暖かさ 尾崎放哉 大正時代
何もかも雑炊としてあたたかく 種田山頭火 草木塔
児を抱けばカステラにほひ夜の暖雨 伊丹三樹彦
全身に鼠の足音あたたかく 飯島晴子
内よりも外が暖か梅の花 星野立子
刀自の声寒おほらかに暖かに 石田波郷
匂ひ来るは芍薬かも障子ほのぬくし 角川源義
十六夜の頬あたたかく手つめたく 山口青邨
十夜粥ぬくし本堂八方透き 桂信子 晩春
古厠あたたかく蜂飛んで居り 飯島晴子
叺態縄態藁の灰ぬくし 百合山羽公 樂土以後
吊されて雉子は暖雨に緑なり 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
呼びあへばわが畦ぬくし若菜つむ 中村汀女
土あたたかにスコツプの挿し忘れ 上田五千石 琥珀
土佐の海ぬくしつつじの返り花 右城暮石 句集外 昭和四十八年
土匍へばあたたかく過ぎ夜汽車の灯 伊丹三樹彦
坐りて砂、手にして砂のあたたかし 荻原井泉水
坐り見て暖かかりし芝紅葉 星野立子
垣の木瓜にちかづきて顔あたたかし 松村蒼石 寒鶯抄
埋めある火が十分にあたたかき 後藤比奈夫
基督より佛の方へ闇ぬくし 森澄雄
堕天使や幹あたたかく枝寒し 三橋敏雄
堕市街の灯もあたたかし波を染む 飯田龍太
堰の戸に田螺百あまり暖かし 水原秋櫻子 玄魚
墓ぬくしはや住み馴れて在すごと 岡本眸
墓地でも探しに出たいな 下照る雲あたたか 伊丹三樹彦
墓場あたたかうしててふてふ 種田山頭火 草木塔
墓場あたたかくてまづしいこどもたち 種田山頭火 草木塔
墓暖か並び跼みて視野同じ 岡本眸
売れずして玉に毛生る暖かさ 政岡子規 暖か
壺凍る なまあたたかき指ふれじ 富澤赤黄男
夕刊の香やあたたかく時雨けり 中村汀女
夕近く蝶出てぬくし木の実山 中村汀女
夜あたたか濡れいろ見する炭の艶 大野林火 早桃 太白集
夜明けから雀が啼いてあたたかき 臼田亜浪 旅人 抄
夜明けから雀が鳴いて暖かき 臼田亜郎 定本亜浪句集
大学裏三色菫咲く暖雨 松崎鉄之介
大寒の稀有の暖雨と入りにけり 石塚友二 光塵
大浪の打つ暖かき避寒せり 河東碧梧桐
大滝に女滝が添ひて暖かし 佐藤鬼房
大船や波あたゝかに鴎うく 政岡子規 暖か
大霜の人声のあたたかな日ざし 種田山頭火 草木塔
天行は正に健なり暖かし 相生垣瓜人 負暄
女あたたか氷柱の雫くぐり出で 西東三鬼
子の恥部にあたたかき風山ざくら 飯田龍太
子の馬となり暖かき夜とぞ思ふ 石塚友二 磯風
孔雀あたたか痒いところに嘴とどき 鷹羽狩行
存問を石の羅漢に山あたたか 上田五千石『琥珀』補遺
家の灯はぬくし冷たき螢の火 右城暮石 散歩圏
寒梅や暮れてより海あたたかき 山田みづえ 木語
寒鮒にそえあたたかき飯なりき 古沢太穂 古沢太穂句集
寒鯉のかたまりをればあたたかさう 山口青邨
小春日のきな臭きまであたたかし 上村占魚 球磨
届きたる花見弁当あたたかし 高野素十
山ぬくし鶯の鳴く谷の木々 右城暮石 句集外 昭和三年
山の日はうなじにぬくし落葉踏む 福田蓼汀 山火
山茶花や暖かすぎる雨の降り 鈴木真砂女 卯浪
山茶花や東京はまだ暖かく 山口青邨
山裾あたたかなここにうづめます 種田山頭火 草木塔
山霧にひとの莨火あたたかし 能村登四郎
山霧やひんがしの方ほのぬくし 中村草田男
岨の岩雲あたたかく蛇遊ぶ 大野林火 海門 昭和十四年
岩山の岩あたたかく子守居る 木村蕪城 寒泉
岩襖日本の裏のあたたかし 古舘曹人 樹下石上
嶽の神笹子日和の鼻ぬくとし 岡井省二 明野
川の芥ながれきつたるあたたかき 大野林火 冬青集 雨夜抄
強ひられし笑ひいくたび春暖炉 鷹羽狩行
後宮のごとあたたかに麹室 平井照敏 天上大風
後月の吊皮ぬくし子へ帰る 伊丹三樹彦
思を謝し怨を忘れあたたかし 富安風生
恋猫の奇声怪声寒ぬくし 日野草城
懸命に子が坂のぼる暖かき 臼田亜浪 旅人 抄
手をおけば胸あたたかし露微塵 橋本多佳子
手を置いて髪のぬくしや祭の子 鷲谷七菜子 天鼓
手袋をとりたての手の暖かく 星野立子
打連れて追儺の闇はあたたかし 山田みづえ 忘
掌にとつて草葉のうごく暖かき 臼田亜郎 定本亜浪句集
掌を触れてあたたかき胴孕み鹿 右城暮石 虻峠
摺鉢に入りてあたたか大砂丘 石川桂郎 高蘆
散りつくす日の街路樹の暖かし 橋閒石 朱明
数へ日や着馴れ紬のあたたかき 能村登四郎
新樹濡れあたたかき牛乳なみなみと 日野草城
日は天にまろくあたたか枇杷の花 山口青邨
日日好日とは石の平凡なるあたたかし 荻原井泉水
旧火山鈍なるものは暖かし 西東三鬼
春山を妻と見てをりなべてぬくし 大野林火 早桃 太白集
春愁の片手が触るる胸ぬくし 鷲谷七菜子 黄炎
春暖くいろめく桑圃山べまで 飯田蛇笏 春蘭
春暖くく濠へだつ御所音を絶え 飯田蛇笏 雪峡
春暖く佛にあらぬ龕の比丘 飯田蛇笏 家郷の霧
春暖く茶のけむりたつあらきかな 飯田蛇笏 春蘭
春暖く野の禽桑を上りけり 飯田蛇笏 春蘭
春暖の思索瑣細に山ずまひ 飯田蛇笏 家郷の霧
春暖の燭餉をてらすかしまたち 飯田蛇笏 雪峡
春暖も大熟の時至りけり 相生垣瓜人 負暄
春暖炉わが患者らは癒えゆくも 相馬遷子 山国
春暖炉椅子が汚れてにぎやかに 古舘曹人 樹下石上
春泥に行きくれてゐて暖かし 中村汀女
時雨忌といへずあたたか翁の忌 森澄雄
智慧の輪に幼な吐息のあたたかし 飯田龍太
暖かき人を尋ねつつ老い行く 永田耕衣
暖かき座敷の庭に洗濯す 政岡子規 暖か
暖かき日なり大事に過ごすべし 相生垣瓜人 明治草
暖かき灯にかざす新海苔の青さ 尾崎放哉 大正時代
暖かく墓に貌あり待たれをり 岡本眸
暖かく掃きし墓前を去りがたし 飯田蛇笏 雪峡
暖かし人帰したるそのあとも 岡本眸
暖かし因りて愉しと言はむ日や 相生垣瓜人 明治草
暖かし好遇されて居る如し 相生垣瓜人 明治草抄
暖かし池水を掃く禿箒 富安風生
暖かといふそれだけに足ひをり 能村登四郎
暖かに川を流るる桃太郎 平井照敏
暖かに心にたゝみ聞く言葉 星野立子
暖かに電車よく来る傾しぎつつ 中村汀女
暖かに静かに話すことのあり 星野立子
暖かやいつも貧乏してをりて 星野立子
暖かやぬぎし草履のもえぎ色 星野立子
暖かや乳足らふのみに安寝して 上田五千石『天路』補遺
暖かや仏飯につく蠅一つ 飯田蛇笏 山廬集
暖かや君子の徳は風なれば 内藤鳴雪
暖かや持ち曇りして塗の盆 日野草城
暖かや汀にのびし草の蔓 上村占魚 鮎
暖かや穴に戻され嵩む土 鷹羽狩行
暖かや空のがまぐち知らず持ち 石川桂郎 高蘆
暖かや耳鼻科先生強訛 佐藤鬼房
暖かや藍も絣も伊予のもの 鈴木真砂女 紫木蓮
暖かや辞書第一ページに「愛」 安住敦
暖かや飴の中から桃太郎 川端茅舎
暖かや首のべて駱駝うづくまる 臼田亜郎 定本亜浪句集
暖かや魔の来てふとる乳二つ 日野草城
暖かや鶏の餌に煮る魚のわた 上村占魚 鮎
暖雨やむ樹海の空のひばりかな 飯田蛇笏 白嶽
暮れきたる芒の天のあたたかし 山田みづえ 木語
更けてあたたかい粥がふきだした 種田山頭火 自画像 落穂集
望みごと言ふはたやすく暖かし 林翔 和紙
朝日より猶あたゝかき入日かな 政岡子規 暖か
本当よ瞳があたたかにものを言ふ 高田風人子
朱欒の黄あたたかにして団欒す 松本たかし
柚味噌煮るたのしさの指ほのぬくし 草間時彦 中年
柳みな吹きなびく池畔あたたかし 村山故郷
柳青めり胸もとのあたたかく 大野林火 冬青集 雨夜抄
柿吊し終り井水があたたかく 波多野爽波
桐立つや雪の下土あたたかく 岸田稚魚 筍流し
梅が枝餅はあたたかいうちに君たちわたし 荻原井泉水
梅こぼれ午後の黒土あたたかき 桂信子 月光抄
梅ぬくし養君の弓はじめ 飯田蛇笏 山廬集
梅白し暖かき日も寒き日も 原石鼎 花影
梅雨あたたか膝をうてなに赤子眠り 上田五千石『天路』補遺
梅雨の卵なまあたたかし手醜し 西東三鬼
椅子に背を愛されてゐてあたたかし 林翔
標高六千尺きよう暖かに芒風なし 荻原井泉水
橙の孔雀開きの樹下ぬくし 百合山羽公 寒雁
此の石裏があつて表、手にしてぬくし 荻原井泉水
歯露はれ気味に鯛行く海あたたか 永田耕衣
歳晩のなまあたたかき森に入る 山田みづえ 木語
死を遁れミルクは甘し炉はぬくし 橋本多佳子
母の忌のはつかの雪のあたたかく 岸田稚魚 紅葉山
水そそぐ音あたたかに池曇る 上田五千石『天路』補遺
水仙を切り出すに雨あたたかき(越前岬十九句) 細見綾子
水澄むといへどもぬくし金鱗湖 阿波野青畝
水見れば水柔かくあたたかく 富安風生
水鳥のきらめく六腑あたたかし 飯田龍太
汐入りの池あたたかし寒椿 中村汀女
浅草ややゝあたゝかき撫仏 政岡子規 暖か
浪音の間ある砂山あたたかき 村山故郷
海の上あたたかに鴨の沖移り 村山故郷
海浜の今宵暖か十三夜 星野立子
海猫鳴くや会ひて淋しくあたたかく 岡本眸
清浄と仄かにぬくし古衾 川端茅舎
温室ぬくし女王の如きアマリリス 杉田久女
湯婆燈爐臥床暖かに読書かな 政岡子規 たんぽ
潜ること忘れしか鳰暖かし 鷲谷七菜子 一盞
火の番にあたたかき夜のつづきをり 岡本眸
火鉢一つのあたたかさで足る 種田山頭火 自画像 落穂集
灯る唄聲ぬくし寒夜を集ひ混み 三橋敏雄
炭おこり来るひとすぢのあたたかさ 中村汀女
炭の熨日のあたたかくさしにけり 石川桂郎 四温
炭火ぬくし三夜さ宿ればわが家めく 大野林火 青水輪 昭和二十三年
煖炉ぬくし何を言ひだすかも知れぬ 桂信子 女身
煙草喫んで何も呉れぬ祖父あたたか 山口誓子
燭あたたか父母よわたくしも七十です 大野林火 方円集 昭和四十九年
片目つぶるだけの商談あたたかし 橋閒石 微光
牛の子のあたたかき顔先づ成りぬ 平畑静塔
牛群れて牛小屋ぬくし寒夕焼 相馬遷子 雪嶺
牡丹の芽ほぐれ陶榻あたたかく 山口青邨
牧の香に噎せて咳してあたたかし 岡本眸
猫と居る庭あたたかし賀客来る 松本たかし
猿の手はぬくし手から手へ豆をやるとて 荻原井泉水
生ぬるき振舞水や市の家 政岡子規 暖か
生ぬるき風吹く闇の汐路かな 政岡子規 暖か
田楽や庵あたゝか笑ひ声 政岡子規 暖か
畔ぬくし静かに移る鶴の群 杉田久女
白露やわが在りし椅子あたたかに 橋本多佳子
白鳥をあたたかく見る焚火して 平畑静塔
目さむるや湯婆わつかに暖かき 政岡子規 たんぽ
瞳があたたか白手拭に頬掩へど 大野林火 雪華 昭和三十八年
石の上に子等寝て見せぬ暖かし 中村汀女
石蹴りの筋引いてやる暖かき 臼田亜郎 定本亜浪句集
砂踏めば一月ぬくし蟹の爪 秋元不死男
碧映えて出窯の壺あたたかし 及川貞 夕焼
稲田来て燈のあたたかき家の間 山口誓子
空言の許されむ日や暖かき 相生垣瓜人 明治草
突当りはまたお寺にてあたたかし 岸田稚魚
築地松の影に酒たべあたたかし 角川源義
篝火のここまでぬくし十三夜 富安風生
籾を摺る籾のほこりとあたたかく 長谷川素逝 村
緋ごろもの鯉の回游水あたたか 上田五千石『天路』補遺
総理石をかたりて元旦あたたかきは好し 荻原井泉水
緑蔭の言葉や熱せずあたたかく 中村草田男
老斑のあたたかなりし三鬼死す 能村登四郎
老樹は白梅と聞く墓前落葉のあたたかし 荻原井泉水
考へて考へ抜いて暖かし 後藤比奈夫
耄碌の戦友会のあたたかし 松崎鉄之介
聖体灯赤くあたたか主ましませば 山口青邨
臥牛とは神慮に適ひあたたかし 後藤夜半 底紅
良寛の忌日の故か暖かし 相生垣瓜人 明治草抄
花の荷を解かず夜に入る雨ぬくし 林翔 和紙
草の実が袖にも裾にもあたたかな 種田山頭火 草木塔
菊の宿夜は炬燵のあたたかく 木村蕪城 一位
落葉あたたかくかみしめる御飯の光り 種田山頭火 草木塔
葉牡丹の杜国の里はあたたかし 古舘曹人 樹下石上
蒲は穂に水のぬくとし屈斜路湖 松崎鉄之介
藁よりも雪あたたかく被て牡丹 鷹羽狩行
藁塚つぶす大風となりあたたかき 村山故郷
藁塚ふたつ瞳に入れてあたたかき 能村登四郎
藁塚藁塚とあたたかし 種田山頭火 草木塔
行間も暖かしなど言はむ頃 相生垣瓜人 明治草
街散歩人が愉快やあたたかに 高田風人子
裸木にあたたかさうな空を描く 後藤比奈夫
裸木の方があたたかさうに立つ 後藤比奈夫
襟巻やほのあたたかき花舗のなか 中村汀女
西向きに大和出て来る暖かき 右城暮石 句集外 昭和十四年
見通しに休み日の木場暖かし 石川桂郎 高蘆
言ひよどむことあたたかに伝はりぬ 上田五千石『琥珀』補遺
誰の首かという客と私の首とあたたかし 荻原井泉水
谷に住む十一月のあたたかし 長谷川素逝 暦日
赤飯の湯気あたゝかに野の小店 政岡子規 暖か
踏みはづす手乗り文鳥あたたかや 秋元不死男
蹴る鞠の空気の音のあたたかし 林翔
身ぬちあたたかく別るる夕霞 伊丹三樹彦
身伏せれば地ややぬくし霧押しくる 橋本多佳子
連翹の垣をつらねてあたたかき 日野草城
遊蝶花売れぬ数鉢あたたかし 百合山羽公 樂土
遠き灯の見えてより雪あたたかし 橋閒石 雪
配偶得ても兄弟和すかや坪あたたか 中村草田男
金堂の扉の旦暮にあたたかし 下村槐太 天涯
釣り上げし魚あたたか夕時雨 高田風人子
鉄の生温かになる夜かな 政岡子規 暖か
降りだして雪あたたかき手毬唄 加藤秋邨
雀のあたたかさを握るはなしてやる 尾崎放哉 須磨寺時代
雀来てぬくし喫泉に石の屋根 飴山實 おりいぶ
雁鳴く夜卓上の灯影頬にぬくし 村山故郷
集団就職の列あたたかき雲得たり 山田みづえ 木語
雨ぬくしやすらかに今日の眸を閉づる  桂信子 月光抄
雨上る雲あたたかに蝌蚪の水 松村蒼石 寒鶯抄
雨水より啓蟄までのあたたかさ 後藤夜半 底紅
雪、ふとんにもつもる雪の夢はあたたかし 荻原井泉水
雪あたたかき急流に去りし年 飯田龍太
雪ふるふ犬の脊のあたたかなれや 臼田亜浪 旅人 抄
雪原の雨ぬくし木立一色に 大野林火 冬青集 雨夜抄
雲ぬくし粟刈人もかすみつつ 下村槐太 光背
雲ひろく裾野にそゝぐ暖雨かな 西島麦南 人音
露草や日を受けて胸あたたかき 野見山朱鳥 愁絶
頬杖の杖あたたかき雁の夜 鷹羽狩行
顔よせて鹿の子ほのかにあたたかし 三橋鷹女
風さむく陽のあたたかき金魚池 右城暮石 句集外 昭和三十八年
風ぬくし旅半ばより亡き子見ゆ 飯田龍太
風媒花飛ばずしばらく掌にあたたか 伊丹三樹彦
食べものあたたかく手から手ヘ 種田山頭火
飾りある埴輪のゑまひあたたかに 上村占魚 球磨
馬醉木咲き濡れあたたかき鹿の鼻 能村登四郎
鶏の臓(わた)剥してぬくし雪ふりをり 橋本多佳子
鷽去りし後あたたかく曇りゐる 能村登四郎
麦熟れてあたたかき闇充満す 西東三鬼
黄泉も又暖かならむ君ありて 能村登四郎

以上
by 575fudemakase | 2016-04-07 17:23 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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