若葉 の俳句

若葉 の俳句

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若葉 補遺

あつ盛のかたみを拝む若葉哉 政岡子規 若葉
あひ傘のふりむきもせぬ若葉哉 政岡子規 若葉
あめんぼう若葉の塵にとびつきぬ 右城暮石 句集外 昭和六十年
あらたかな神のしづまる若葉哉 政岡子規 若葉
あをざめて柿の若葉に女の日 石川桂郎 含羞
いちにちのつかれ仰げば若葉したゝりぬ 種田山頭火 自画像 層雲集
いまは静かに雲を噴く山の若葉なり 荻原井泉水
うつくしき名は散りはてゝ若葉哉  政岡子規 若葉
うれしさは旅より戻る若葉哉 政岡子規 若葉
おばしまにみなよつてゐる若葉かな 山口青邨
おん眉に若葉影さし又消えぬ 水原秋櫻子 玄魚
お木曳の神領若葉むせかへる 山田みづえ 草譜
お茶の間に集りやすし庭若葉 星野立子
かけ橋の橋杭かくす若葉哉 政岡子規 若葉
かたよりて右は箕輪の若葉哉 政岡子規 若葉
かへりみる若葉の空や雨滴声 角川源義
きようは梅雨はれて若葉も我も影ある 荻原井泉水
きらきらと若葉に光る午時の風 政岡子規 若葉
ここにして天草恋し樟若葉 中村汀女
こと死すとひたひた若葉泣かす雨 石塚友二 磊[カイ]集
この家売らぬ退かぬと若葉噴き出しぬ 岡本眸
この山にウヰスキー熟れ椎若葉 飴山實 花浴び
この池は菱とりの池菱若葉 前田普羅 春寒浅間山
こんにやくの若葉をあげし梅雨入かな 清崎敏郎
さやぎ止め夜は息づけり椎若葉 能村登四郎
さるかけは枯木に似たる若葉哉 政岡子規 若葉
しづかなり暮天に桐の若葉揺れ  日野草城
すずめ来てごつごつ太枝桐若葉 古沢太穂 火雲
すべり合ふ少女の言葉若葉風 林翔
ぜんまいの平らに開きたる若葉 高野素十
その朝の雫はじめは朴若葉 能村登四郎
そむきふたぐ人の背見ゆれ若葉窓 原石鼎 花影
たちまちにこはゞる椎の若葉哉 政岡子規 若葉
たのもしくのびる槲の若葉哉 政岡子規 若葉
とうとうと太鼓の響く若葉かな 政岡子規 若葉
ところところ若葉にこもるともし哉 政岡子規 若葉
とのぐもり桑の若葉のあなあかるさ 日野草城
どくだみもやさしき若葉してゐたり 平井照敏 猫町
どこそこに~蕗若葉かな 高野素十
なかんづく明るき学級柿若葉 香西照雄 素心
なにもかも若葉而して萩若葉 山口青邨
なめらかな美男かづらの若葉かな 富安風生
ぬるき湯とあつき湯とかたみ若葉冷 山口青邨
はかなさやわきすてらるゝ芥子若葉 政岡子規 若葉
はねつるべまで梅若葉柿若葉 山口青邨
はらからが豆腐もてなす柿若葉 細見綾子
はるかにしてももいろなるは樟若葉 山口青邨
ばさばさと柿の若葉に風出たり 日野草城
ひなどりのごとき若葉のしづかな瞳 平井照敏
ひやひやと風がもてくる若葉の香 林翔
ひらめかす斧の光やむら若葉 政岡子規 若葉
ふりかへる都のかたも若は哉 政岡子規 若葉
ふり上る斧の光りやむら若葉 政岡子規 若葉
ほのほたつ樟の若葉に日は近く 山口青邨
まだ柿のほか月かへす若葉なし 篠原梵 年々去来の花 雨
まづくぐる石の鳥居や山若葉 山口青邨
まれに一人そよりと鼠はた若葉 古沢太穂 古沢太穂句集
みちのくを若葉の國と思ひけり 岡井省二 前後
みづみづしみづ蕗といふ蕗若葉 高野素十
みどり児のあやせば笑ふ若葉風 稲畑汀子
むさしののむらさき咲きぬ若葉風 山口青邨
むせぶほどこのひとを見つ若葉の夜 原石鼎 花影以後
むら若葉嶮なる砦白き旗 政岡子規 若葉
もうこんな時間になつて朴若葉 伊藤白潮
もの音の打まじりけり若葉雨 石橋秀野
やはらかな顔してをるや朴若葉 飴山實 花浴び
やはらかな風やはらかな萩若葉 福田蓼汀 秋風挽歌
ゆまるとき雑木若葉の優しけれ 橋閒石 卯
よりあふて若葉がもとの咄哉 政岡子規 若葉
わが句碑に天の洗礼若葉雨 林翔
わけもなや若葉の風に汽車が行く 政岡子規 若葉
アルプスはいづこ湖畔の若葉冷 稲畑汀子
ゴムの巻若葉が聖燭 チャペル囲み 伊丹三樹彦
セル若葉あさかぜからだすきとほり 大野林火 早桃 太白集
ペダルからぬげし紅下駄村若葉 中村草田男
ルノアール赤くゆたかに若葉雨 日野草城
一日に遊女の老いる若葉哉 政岡子規 若葉
一点の金蠅をゝ(ちゆ)と朴若葉 富安風生
一部のみ葺替若葉も混る籬 香西照雄 素心
一門に志あり椎若葉 桂信子 花影
一雨にみがきあげたる若葉哉 政岡子規 若葉
七人みさき青葉若葉のぎしぎしす 飯島晴子
丈たかき男水呑む若葉寒 橋閒石 微光以後
三井寺は三千坊の若葉哉 政岡子規 若葉
三千の兵たてこもる若葉哉 政岡子規 若葉
下りたちて天地尊とき若葉かな 原石鼎 花影
世はつねに力即善楠若葉 岡本眸
世田谷は桜若葉に行々子 原石鼎 花影以後
世盛りの髪の厚さや楠若葉 中村草田男
丘の狂院若葉とて木々けじめなく 中村草田男
五年にして国に帰れば若葉哉 政岡子規 若葉
五年生たり日曜若葉の庭を掃く 古沢太穂 火雲
五菩薩のみな観世音若葉冷 山口青邨
井の土をすつる若葉を埋むほど 右城暮石 句集外 昭和十七年
人もなし上野は雨の若葉哉 政岡子規 若葉
今になほ殉教悼む若葉雨 稲畑汀子
仏壇の灰に及びて若葉冷え 鷹羽狩行
伏籠出てひよこちゝめく若葉哉 政岡子規 若葉
伽藍閉ぢて夜気になりゆく若葉かな 渡邊水巴 白日
住みかはる扉の蔦若葉見て過ぎし 杉田久女
何の木と知れぬ若葉の林哉 政岡子規 若葉
何の木も彼の木もなしに若葉かな 政岡子規 若葉
佳き言葉展ぶるに似たり朴若葉 山田みづえ 忘
信心の衆の早足菊若葉 上田五千石『琥珀』補遺
修復成る神杉若葉藤の花 政岡子規 若葉
倖ひや諸木の若葉音たてゝ 石塚友二 光塵
停車して花か若葉か確かむる 右城暮石 散歩圏
傘たゝむ玄関深き若葉哉 政岡子規 若葉
傘にすけて擦りゆく雨の若葉かな 杉田久女
傘はいる若葉の底の家居哉 政岡子規 若葉
僧になる青年若葉の握り飯 金子兜太
先づ窓を開けて朝の若葉見る 稲畑汀子
先の日の侘桜なり若葉せり 相生垣瓜人 明治草抄
全身にいま癌はなし楠若葉 藤田湘子 神楽
兵隊おごそかに過ぎゆきて若葉影あり 種田山頭火 自画像 層雲集
冬牡丹若葉乏しみ寒げ也 政岡子規 冬牡丹
切り据ゑて桐ふし~の若葉かな 内藤鳴雪
切尖をいづれに向けむ照若葉 桂信子 草影
初蝉やしきりにひかる蔦若葉 日野草城
別るときの夕かげ深し若葉風 村山故郷
別亭に火をともしたる若葉かな 尾崎放哉 中学時代
前山の杉の若葉の窓に満つ 山口青邨
剛力になりおほせたる若葉かな 政岡子規 若葉
友とだに会はず眩しや柿若葉 小林康治 四季貧窮
古墳出て言葉やさしや楠若葉 角川源義
古本の本郷若葉しんしんと 山口青邨
古杉の中にくの木の若葉哉 政岡子規 若葉
古杉の間に光る若葉かな 政岡子規 若葉
吹きたわむ楓若葉の吾をつつむ 山口青邨
吾子抱いてお風呂冥加や夕若葉 高田風人子
啄木鳥の啄く若葉の枯木かな 右城暮石 句集外 昭和十年
商人の越後へこゆる若葉哉 政岡子規 若葉
城廓の白壁残る若葉かな 尾崎放哉 中学時代
塔の中に秘密なかりし若葉かな 渡邊水巴 白日
墨すれば濃淡おのづから若葉光 山口青邨
夏立ちぬいつもそよげる樹の若葉 日野草城
夕栄や若葉の風の上そよぎ 政岡子規 若葉
夕湿り道に流して柿若葉 大野林火 飛花集 昭和四十八年
夕立のすぎて若葉の戦ぎ哉 尾崎放哉 中学時代
夕若葉まだ文字読めて灯さず 岡本眸
夕若葉豆腐屋は来るラッパ吹き 高田風人子
夕鳥の貝吹く青葉若葉かな 河東碧梧桐
夙く起きて読む幻住庵記若葉光 山口青邨
夜をかけて海盈つる声椎若葉 野澤節子 八朶集以後
大帝の御横顔の若葉光 山口青邨
大弓の的を掛けたる若葉哉 政岡子規 若葉
大木に低き小枝の若葉哉 政岡子規 若葉
大木の幹に矢の立つ若葉哉 政岡子規 若葉
大樹あり若葉してあり信頼す 三橋鷹女
大欅若葉さやげる須賀の宮 森澄雄
天にさす朴の若葉の傘瀟洒 山口青邨
天碧し青葉若葉の高嶺づたひ 杉田久女
天窓の若葉日のさすうがひ哉 政岡子規 若葉
夫の知らざる日々翻へりえご若葉 山田みづえ 忘
奥まりて碑くらき若葉かな 政岡子規 若葉
奥深く鈴鳴る宮の若葉哉 政岡子規 若葉
女王守る武人群像照る若葉 山口青邨
如法塔青葉若葉の翠微中 阿波野青畝
妻と会ふて別れ来し若葉径かな 村山故郷
嫁達の化粧気安き若葉哉 政岡子規 若葉
子の着物たッぷり栽ちぬ柿若葉 鈴木真砂女 生簀籠
子の着物たッぷり裁ちぬ柿若葉 鈴木真砂女
学徒いま老ゆ本郷通り樟若葉 山口青邨
宇治に仰ぐ日月白き若葉かな 渡邊水巴 白日
客ありと軒に灯す若葉荘 山口青邨
宮か寺か若葉深く灯のともれるは 政岡子規 若葉
宮城野ノマ萩ノ若葉馬ヤ喰ヒシ 政岡子規 萩
家々に柿若葉かつ茶の畑 岡井省二 山色
家あつて若葉家あつて若葉哉 政岡子規 若葉
家あれば柿若葉して秩父かな(秩父長瀞に欣一句碑成る) 細見綾子
家若葉野に対つて険しうなりぬ 中村草田男
寂しさや若葉にそゝぐ昼の雨 日野草城
寄りて揚ぐる大マンボ鮫部落若葉 古沢太穂 捲かるる鴎
富士の雪つねより白く若葉濃し 百合山羽公 寒雁
寛永寺門前若葉琴を弾く 山口青邨
寺の道町すこし出来萩若葉 山口青邨
寿司つくりありて妻ゐず軒若葉 村山故郷
小雨ふる家のあはひの若葉かな 政岡子規 若葉
少女らのノート貸し借り栃若葉 岡本眸
少年どち若葉染みに来銜展 古沢太穂 捲かるる鴎以後
屋根の雨柿の若葉にけむり降る 長谷川素逝 村
山ごしに白帆見下す若葉哉 政岡子規 若葉
山に沿ひて汽車走り行く若葉哉 政岡子規 若葉
山ぬけの水さゞら若葉逆木なる 河東碧梧桐
山の若葉に電波が大山名人勝つ 荻原井泉水
山冷えと湯女がいふなる若葉冷え 上村占魚 球磨
山城の石かけくえし若葉哉 政岡子規 若葉
山寺に女首出すわか葉かな 政岡子規 若葉
山帰来若葉渦巻く串峠 水原秋櫻子 玄魚
山気濃し朴の若葉を渡る風 稲畑汀子
山越えて城下見おろす若葉哉 政岡子規 若葉
山門に雲を吹きこむ若葉哉 政岡子規 若葉
山門や若葉ゆたかに仁王像 村山故郷
岨道の家危うして若葉哉 政岡子規 若葉
岩鼻に城下見下す若葉哉 政岡子規 若葉
島若葉出でし鴉はいま濡色 香西照雄 対話
崖若葉くわんのん道と曲りけり 石塚友二 磯風
崩えながら城は香のなか楠若葉 飴山實 次の花
巣を造る小鷺は楚々と飛ぶ若葉 渡邊水巴 白日
帰り来て天地明るし四方若葉 杉田久女
年とつた木もたちかへる若葉哉 政岡子規 若葉
年ふるき木もたちかえる若葉哉 政岡子規 若葉
庫裏あけて煙のこもる若葉哉 政岡子規 若葉
庫裡の空若葉の塵の降りやまず 右城暮石 句集外 昭和五十七年
庭若葉白樺林もしつらへし 山口青邨
弥生はや若葉し了へぬ柾木垣 石塚友二 光塵
弥陀三尊若葉に蔀あげにけり 水原秋櫻子 玄魚
張りかへた窓に若葉の青さ哉 政岡子規 若葉
影もはつきりと若葉 種田山頭火 草木塔
彼の岸の仄々しかる若葉かな 相生垣瓜人 負暄
御仏のくろぐろ椎若葉樫若葉 山口青邨
御胸の笹龍胆は金若葉光 山口青邨
微熱あり夕づく若葉静謐に 日野草城
心安し若葉の風に汽車が行く 政岡子規 若葉
心臓の形を青葉若葉かな 平井照敏 猫町
忍の城水攻屏風若葉寺 山口青邨
息つめて悼み心や若葉冷 岸田稚魚 紅葉山
息ながくつく柿若葉仰ぐたび 相馬遷子 雪嶺
悲母観音乳児と濡れます若葉雨 林翔
愛染かつら若葉冷えしてゐ給へり 岸田稚魚 紅葉山
我を訪ふ故人心ありうら若葉 政岡子規 若葉
手をならし呼ぶ若葉ひつそり 尾崎放哉 大正時代
拭きこみし縁黒光り若葉寒 桂信子「草影」以後
振りかけの粉の四散や若葉風 桂信子「草影」以後
捨て草鞋蔦の若葉のはひかゝる 政岡子規 若葉
推若葉峡は水気をたつぷりと 飴山實
揃つて出て違ふ用持つ栃若葉 岡本眸
提灯の紅はげる若葉哉 政岡子規 若葉
揚羽またやすむ満天星若葉かな 岡井省二 明野
揚羽上り鳶舞ひ下りる若葉谷 中村汀女
摶ち合つて若葉にくづれ鷺叫ぶ 渡邊水巴 白日
新しく屋根葺き上がり柿若葉 右城暮石 句集外 昭和八年
新らしき墓の出来たる若葉哉 政岡子規 若葉
新教師若葉楓に羞らふや 森澄雄
新築の壁土まみれ若葉の木 右城暮石 上下
旅二人靴ぼこり椎若葉の下(五月十三日、東京行) 細見綾子
旅人の歌上りゆく若葉哉 政岡子規 若葉
旅笠の中に闇ある椎若葉 古舘曹人 砂の音
旅遠き雲こそかかれ栗若葉 中村汀女
日が出れば消ゆる雲霧峰若葉 杉田久女
日くもりす若葉の風もなつかしく 原石鼎 花影以後
日の若葉師弟の遺句の一つ碑 角川源義
日常美し若葉かきむしるは獣医 金子兜太
日暮里の岡長うして若葉哉 政岡子規 若葉
日照をむさぼる莨若葉なり 平畑静塔
日蓮三昧堂何とはなき堂若葉に日さし 中川一碧樓
日蓮巨眼青葉若葉に雨滌々 中村草田男
星仰ぐ頬に雨粒や庭若葉 原石鼎 花影
昼の月風は若葉の上にあり 政岡子規 若葉
時計屋に指環赤玉村若葉 中村草田男
時鳥楊の若葉夜もしろき 水原秋櫻子 古鏡
晴天より欅若葉の緑の聲 相馬遷子 雪嶺
暁の山は若葉の匂ひかな 政岡子規 若葉
暮れると石が灯をもちて若葉の雨 荻原井泉水
月代や廊下に若葉の影を印す 尾崎放哉 中学時代
月蝕の謀るしづかさや椎若葉 石田波郷
朝の日の澎湃として谷若葉 山口青邨
朝まだき書読む窓の若葉哉 政岡子規 若葉
朝夕に若葉美しき日となりぬ 村山故郷
朝雲の谷に収まる若葉哉 政岡子規 若葉
木の下も日の下もよし柿若葉 森澄雄
木曾冠者の討死どころ柿若葉 飴山實 花浴び
本物の土をおろがむ若葉かな 永田耕衣
朴若葉一座七枚まつたひら 山口青邨
朴若葉大きな影を地にたのし 大野林火 青水輪 昭和二十六年
朴若葉蟻こぼれじと進みけり 藤田湘子
朴若葉蟻りんりんと渡りけり 藤田湘子
杉老いて雨の中なる若葉哉 政岡子規 若葉
村まばら野寺の若葉見ゆる哉 政岡子規 若葉
来し方や椎の若葉の日の光 石塚友二 磯風
東海道若葉の雨となりにけり 政岡子規 若葉
柘植若葉百樹夏悉く濃し 石塚友二 光塵
柿の若葉のかがやく空を死なずにゐる 種田山頭火 草木塔
柿若葉くちはた濡れて稚児よろし 石橋秀野
柿若葉とはもう言へぬまだ言へる 波多野爽波
柿若葉の冷えと湿りを好み通る 大野林火 雪華 昭和三十七年
柿若葉まぶし余魚田過ぐあたり(吉野山) 細見綾子
柿若葉バケツを提げて部屋抜ける 岡本眸
柿若葉一家坂棲み芸の人 中村草田男
柿若葉多忙を口実となすな 藤田湘子
柿若葉妙齢とこそ申さばや 石塚友二 光塵
柿若葉妻の厨着小銭鳴り 能村登四郎
柿若葉子犬とことば交しゐる 平井照敏
柿若葉峡の田川の鳴りそめし 飴山實 花浴び
柿若葉応へて画家が顔を出す 藤田湘子
柿若葉最もみどり浅かりし 高浜年尾
柿若葉重なりもして透くみどり 富安風生
柿若葉雨後の濡富士雲間より 渡邊水巴 富士
栃若葉くらしと魂のかけりけん 石橋秀野
栃若葉凡に名づけて雨滴集 亭午 星野麥丘人
栃若葉坐して一夏のはじまりぬ 森澄雄
栃若葉小銭剰さずつかひけり 雨滴集 星野麥丘人
校門の欅若葉の下を掃く 廣瀬直人
案内させて奥の滝見る若葉哉 政岡子規 若葉
桐若葉蔽へば秘密生れけり 渡邊白泉
桑若葉して雲に入る夕ごころ 飯田龍太
梅若葉ずば枝は小気味よく伸びて 高浜年尾
梅若葉ひそと藤村の夫婦墓 村山故郷
梅若葉われにとりつくえへん虫 亭午 星野麥丘人
椅子を移す若葉の陰に空を見る 政岡子規 若葉
椎の木に並びて柿の若葉哉 政岡子規 若葉
椎若葉おのれ讃ふるごと翻り 鷹羽狩行
椎若葉この刻雀ばかりかな 石田波郷
椎若葉さわぎさやぐは何念ふか 石田波郷
椎若葉わが大足をかなしむ日 石田波郷
椎若葉ロダン像下の雨に濡れ 小林康治 四季貧窮
椎若葉一重瞼を母系とし 石田波郷
椎若葉土焼いてゐる山の平 上村占魚 鮎
椎若葉坂にもあへぎ訪ね来しか 石田波郷
椎若葉大ゆれあやしの雲とたたかへり 山口青邨
椎若葉寺銭となる牛相撲 角川源義
椎若葉少女子も吹きしぼらるる 石田波郷
椎若葉峡は水気をたつぷりと 飴山實 辛酉小雪
椎若葉御殿坂とて急なるよ 亭午 星野麥丘人
椎若葉東京に来て吾に合はぬか 石田波郷
椎若葉火色の朝は来たるかな 齋藤玄 飛雪
椎若葉覗くどの家も女ゐて 森澄雄
楢若葉いさみ立つ風いまは熄む 野澤節子 未明音
榎寺若葉の杜となり離る 山口青邨
榎枯れて側に小苗の若葉哉 政岡子規 若葉
槻若葉雫しやまずいつまでも 加藤秋邨
標札をかくす一枚の蔦若葉 山口青邨
樟の木千年さらにことしの若葉なり 荻原井泉水
樟若葉いざなひひける紅の雲 山口青邨
樟若葉かがやく如き前途なり 水原秋櫻子 蘆雁
樟若葉ももいろ脳病院の樹なり 山口青邨
樟若葉映えて兜の八幡座 水原秋櫻子 緑雲
樟若葉紅うすれつつなほ炎ゆる 山口青邨
権現に古葉が中の若葉哉 政岡子規 若葉
樫若葉友の方へ崩れそう 山口青邨
樫若葉夏はじめての雲が湧き 中村汀女
樫若葉雀おん宿つかまつり 石塚友二 磊[カイ]集
樹の瘤に刷きたる苔や若葉季 水原秋櫻子 磐梯
樹の膚に朱を打つ虫や若葉季 水原秋櫻子 磐梯
樹の膚の朝の青さや若葉季 水原秋櫻子 磐梯
樹の膚の渦巻く縞や若葉季 水原秋櫻子 磐梯
橡の若葉にともる灯と消えし灯と 飯田龍太
橡若葉術後一歳濃く過ぎぬ 石田波郷
欄干に若葉のせまる二階かな 尾崎放哉 中学時代
欲ふつと切れたる真日の楠若葉 藤田湘子 てんてん
此頃や若葉に曇る朝な朝な 政岡子規 若葉
歩きつゝ仕事とおもふ柿若葉 飴山實 句集外
歩くまもそこらほぐるゝ若葉かな 渡邊水巴 白日
歩みよる人にもの言はず若葉蔭 杉田久女
死なばよき水とろとして若葉濃き影を 種田山頭火 自画像 層雲集
死ぬほどの愛に留まる若葉かな 永田耕衣
気力確かにわれ死に得るやぶな若葉 金子兜太
水晶の念珠に映る若葉かな 川端茅舎
水迅し若葉の渓を抜けるとき 稲畑汀子
汽車過ぎて煙うづまく若葉哉 政岡子規 若葉
沙羅双樹の若葉飛ぶ背黒鶺鴒や 荻原井泉水
波郷訪ふくぬぎ若葉の風に染み 角川源義
洗ひ顔の河砂利故郷の柿若葉 香西照雄 素心
洗ふ米かにかく白し萩若葉 能村登四郎
渓若葉二橋を架して二亭あり 富安風生
渓若葉水裂く声は鶺鴒ぞ 渡邊水巴 白日
渡御すぎて若葉の槻の高き門 水原秋櫻子 岩礁
湖の古鏡曇りや若葉冷え 上村占魚 球磨
湖の鯉も神饌となり照る若葉 山口青邨
満山の若葉にうつる朝日哉 政岡子規 若葉
源氏の君いかにか書かん若葉の几 山口青邨
溜息でをはる柾の若葉笛 鷹羽狩行
滝二筋若葉の上に見ゆる哉 政岡子規 若葉
濡れゆく人を羨しと見たり若葉雨 野澤節子 未明音
濡れ濡れとして風もなく八重若葉 原石鼎 花影以後
火のともる片側町のわか葉哉 政岡子規 若葉
火山灰しぐれ若葉の星の海に消ゆ 角川源義
火灯窓わが影重ぬ若葉映 山口青邨
灯ちらちら絶えず若葉に風渡る 政岡子規 若葉
灯のとどくところに朴の若葉かな 草間時彦 櫻山
焼山がくれすちよぼと若葉の螺峰のみ 河東碧梧桐
焼山のぜんまい若葉とび~に 高野素十
照る若葉閑臥の視野にみなぎれり 日野草城
煮て食べて若葉にしみる子供の声 金子兜太
父の遺影ありてくつろぐ若葉の夜 森澄雄
片隅の木歩や若葉の日のころぐ 角川源義
物言ふも逢ふもいやなり坂若葉 杉田久女
犬多き坂の日暮や椎若葉 藤田湘子 途上
独り見つつ椎の若葉をうべなへり 石田波郷
猫の子の爪硬からず草若葉 富安風生
玉垣や花にもまさるべに若葉 阿波野青畝
珊瑚樹の高籬のその若葉かな 石塚友二 玉縄以後
琴の音の雨に木深き若葉哉 政岡子規 若葉
瑞枝なる梅の若葉の色ぞこれ 石塚友二 玉縄以後
生垣の梢そろはぬ若葉かな 内藤鳴雪
生涯のいま波摶つや椎若葉 藤田湘子 途上
由布岳や雨後の若葉の押しのぼり 能村登四郎
病快し雨後の散歩の若葉かげ 杉田久女
病起窓に倚れば若葉に風が吹く 政岡子規 若葉
白樺の若葉が垂るる窓に覚む 山口青邨
白樺の若葉挿すならひ降臨祭 山口青邨
白雲や萩の若葉の上を飛ぶ 政岡子規 若葉
白雲や青葉若葉の三十里 政岡子規 若葉
監獄署見あぐれば若葉匂ふなり 種田山頭火 自画像 層雲集
盧遮那佛若葉ぬきんで慈眼(みそなは)す 川端茅舎
目に思ふふるさとはいま椎若葉 森澄雄




目もあやに老いたる木々の若葉せり 相生垣瓜人 負暄
目を医したまへ若葉の若みどり 平井照敏
睡るとはやさしきしぐさ萩若葉 後藤夜半 底紅
石階の半ばは見えて若葉かな 尾崎放哉 中学時代
碑に鐫(え)りてときはかきはに樟若葉 富安風生
磴若葉終の一歩を飛びて尽く 岡本眸
神々の噎せたまふほど楠若葉 鷹羽狩行
神事近き作り舞台や楠若葉 河東碧梧桐
禰宜は穿く紫の袴樟若葉 山口青邨
禽の尾の梢にながし若葉季 水原秋櫻子 磐梯
稚魚連るる水うちも若葉明りきて 古沢太穂 捲かるる鴎
空間をほしいままなる柿若葉 右城暮石 散歩圏
窓々の錦木若葉楓若葉 山口青邨
窓の灯はみな消えて若葉そよげり 種田山頭火 自画像 層雲集
窓明けて見渡す山もむら若葉 杉田久女
立たせ給ふ東照権現若葉光 山口青邨
笋の頭の見ゆる若葉かな 前田普羅 普羅句集
節目多き棺板厚し柿若葉 中村草田男
籠鳥の啄ばむ音や若葉冷え 角川源義
絶間より人馬の通ふ若葉哉 政岡子規 若葉
絹索をもちたまふ菩薩若葉光 山口青邨
置水に若葉の塵の吹き入りし 右城暮石 句集外 昭和十六年
置薬屋を断れず柿若葉 飯島晴子
羊歯も若葉楓も若葉人は老ゆ 山口青邨
老いし木も止み難くして若葉せり 相生垣瓜人 負暄
老人の一椅子を得し樟若葉 山口青邨
老妻も一盞を嘗む若葉冷 山口青邨
老木に紅さす楓若葉かな 原石鼎 花影
老鴬や若葉青葉の曇れる日 原石鼎 花影以後
而立てふ齢さかんに樟若葉 富安風生
育ててくれた野は山は若葉 種田山頭火 自画像 落穂集
背戸の山白雲わたる若葉哉 政岡子規 若葉
背戸山に白雲わたる若葉哉 政岡子規 若葉
舟よせて鳥居を仰ぐ若葉哉 政岡子規 若葉
芭蕉像黒々おはす萩若葉 山口青邨
花さかぬ木に春来る若葉かな 政岡子規 若葉
花ながら既に梢の若葉かな 政岡子規 花
花よりも若葉かしこし吉野山 石塚友二 磊[カイ]集
花咲かぬ藤の若葉の書斎かな 山口青邨
花散りし藤の若葉の毛虫哉 政岡子規 若葉
若葉あまりに明るうて鳥囀らず 日野草城
若葉うつるほどな酒は茶碗につめたくてよろし 荻原井泉水
若葉かげよい顔のお地蔵さま 種田山頭火 自画像 落穂集
若葉かなさては吉野も只の山 政岡子規 若葉
若葉から若葉へゆふべの蜘蛛はいそがしく 種田山頭火 自画像 落穂集
若葉してうるさいッ玄米パン屋さん 三橋鷹女
若葉してこのむなしさも疲れゆゑか 鈴木真砂女 夕螢
若葉して人に触るゝや毒卯木 前田普羅 春寒浅間山
若葉して啄木坂の遠霧笛 角川源義
若葉して城を高きへ押し上ぐる 鷹羽狩行
若葉して家ありとしも見えぬ哉 政岡子規 若葉
若葉して海神怒る何事ぞ 政岡子規 若葉
若葉して煙の立たぬ砦かな 政岡子規 若葉
若葉して白帆つらなる川一筋 政岡子規 若葉
若葉して白雲近し東山 政岡子規 若葉
若葉して路頭の禿倉新しき 政岡子規 若葉
若葉して都を下る隠士哉 政岡子規 若葉
若葉せり新生面を開くべし 相生垣瓜人 負暄
若葉そよがず葬の鉦がひゞくなり 種田山頭火 自画像 層雲集
若葉たゞいふこともなし触れ歩む 石塚友二 光塵
若葉のしづくで笠のしづくで 種田山頭火 草木塔
若葉の香ひの中焼場につきたり 尾崎放哉 大正時代
若葉はすべて樟の、水音は滝と聞く 荻原井泉水
若葉ふく雨の奥なり知恩院 政岡子規 若葉
若葉よなあゝら花恋し人恋し 政岡子規 若葉
若葉より船を突く子のあらはれぬ 渡邊白泉
若葉より闇湧いて嶺はるかかな 飯田龍太
若葉をば装ひをれど老樹なり 相生垣瓜人 負暄
若葉をもあみこむいろや青簾 政岡子規 若葉
若葉を背蔀の内に目を馴らす 石川桂郎 四温
若葉を貫く光りにふくるゝ清水 尾崎放哉 大正時代
若葉中我が身も人の身もいとしく 右城暮石 句集外 昭和十七年
若葉俄にこぞるにさへや疲れ易し 野澤節子 未明音
若葉光黒き仏も御みどり 山口青邨
若葉冷えして口数のなかりけり 岸田稚魚 紅葉山
若葉冷え人さみどりに歩みよる 角川源義
若葉冷え時序にそむくとにはあらず 阿波野青畝
若葉冷高きにのみや山の蝶 中村汀女
若葉分け入りて滝、たどりきて巌、猿の見ゆ 荻原井泉水
若葉垣手触れて行けば楽起る 香西照雄 対話
若葉宿板戸に金の竹描き 山口青邨
若葉寒静堂嘘のごとく逝けり 日野草城
若葉寺眉間に光り纏ひ出づ 角川源義
若葉摘み~京の日は暮れぬ 内藤鳴雪
若葉映三十一歳の義経像 山口青邨
若葉深う子等の縄飛び暮れにけり 種田山頭火 自画像 層雲集
若葉潔しみづから覚めぬ眠り欲り 上村占魚
若葉濃し雨後の散歩の快く 杉田久女
若葉濃し静脈波をうつてゐる 三橋鷹女
若葉照るや鳥こもり鳴く堂廂 村山故郷
若葉若葉かゞやけば物みなよろし 種田山頭火 自画像 層雲集
若葉蔭佇む彼を疎み過ぐ 杉田久女
若葉道曲り曲りの電気燈 政岡子規 若葉
若葉野にいでては嬰をねむらしむ 飴山實 花浴び
若葉銀杏がすく~と伸びて雲もなし 種田山頭火 自画像 層雲集
若葉陰袖に毛虫をはらひけり 政岡子規 若葉
若葉雨の今朝降りし空を京に居る(京都龍安寺) 細見綾子
若葉雨徒然に舐る花林糖 角川源義
若葉雨御師村のがる軒の川 角川源義
若葉青葉、灯が灯のいろになつてゆく 荻原井泉水
若葉青葉魚のぞきつゝ遡る 政岡子規 若葉
若葉風俎上の魚のまみ動く 橋閒石 雪
若葉風大佛次郎忌なりけり 石塚友二 磊[カイ]集
若葉風病後の足のおほつかな 政岡子規 若葉
若葉風病後の足の定まらず 政岡子規 若葉
茶どころの朝茶が濃しや柿若葉 石田勝彦 雙杵
草若葉眠たくなれば眠りけり 星野麥丘人
草若葉翁に障子あけまつる 下村槐太 光背
草若葉萩一叢のうちまじり 山口青邨
荒れざまや若葉の霧の噎び入り 水原秋櫻子 玄魚
荒れ気味の雨となり来し樫若葉 石塚友二 玉縄以後
荒庭も木犀若葉柿若葉 相生垣瓜人 負暄
萩若葉かなしきまでにいとけなき 山口青邨
萩若葉して端渓のかわきゆく 飴山實 次の花
萩若葉三十余年なになりし 雨滴集 星野麥丘人
萩若葉雨沛然と来りけり 星野立子
葛若葉京みゆる方に蔓を伸ぶ 能村登四郎
葡萄若葉堂は弘仁仏を秘む 木村蕪城 寒泉
蓁々たる桃の若葉や君娶る 政岡子規 若葉
蓑は笠かぶりて壁に柿若葉 鷹羽狩行
蓮若葉雨のかたまりのびちぢみ 水原秋櫻子
蔦若葉 修尼ばかりに遇う坂の 伊丹三樹彦
蔦若葉平凡大の浮世かな 永田耕衣
蔦若葉風の去来の新しく 稲畑汀子
藤若葉死人の帰る部屋を掃く 飯島晴子
虚子像の御横顔や若葉光 山口青邨
蟻むれる椎の小枝の若葉哉 政岡子規 若葉
蠅が人を思うほどの若葉かな 永田耕衣
血縁の息づまるまで若葉村 鷹羽狩行
行過て旅は若葉となりにけり 政岡子規 若葉
行過て若葉になりぬ花の旅 政岡子規 若葉
袂吹く若葉の風の千住迄 政岡子規 若葉
見あぐれば信濃につゞく若葉哉 政岡子規 若葉
見あぐれば橋危うして若葉哉 政岡子規 若葉
見のかぎり椎若葉燃ゆ明日を恃め 小林康治 四季貧窮
見ゆるかぎり皆若葉なり国境 尾崎放哉 中学時代
見具合の春とは変る若葉かな 政岡子規 若葉
言なべて蛇足とぞ思ふ日の若葉 石塚友二 光塵
言ひのこす用の多さよ柿若葉 中村汀女
討死のあとに経よむ若葉哉 政岡子規 若葉
赤鳥居若葉の社古りにけり 政岡子規 若葉
足場行き交ふ足のみ見ゆる若葉かな 原石鼎 花影
跫音もなく人に逢ふ椎若葉 山口青邨
身の程に鱗生えたり若葉寒 橋閒石 卯
車窓から妹の家は若葉してゐる 種田山頭火 自画像 落穂集
近き海を忘るゝほどの若葉かな 原石鼎 花影以後
逢ふもよし逢はぬもをかし若葉雨 杉田久女
遅ざくら全身若葉して痒き 中村苑子
部屋いまだ冬のまゝなる若葉かな 原石鼎 花影以後
部屋暗し若葉の庭に居過ぎたる 稲畑汀子
酒の神若葉いきれに噎せ給ひ 鷹羽狩行
酒断ちの旅なり瑞の夕若葉 林翔 和紙
酒樽のそれより小さき若葉かな 政岡子規 若葉
酸素吸ふ師を見てをりぬ楢若葉 岸田稚魚 筍流し
重ねみるわが手このてかしはの若葉 山口青邨
野の中にやしろやしろの若葉哉 政岡子規 若葉
野の中に一かたまりの若葉哉 政岡子規 若葉
野麦とは熊笹の実よ笹若葉 山口青邨
金色のあかき日の出の若葉ごし 原石鼎 花影以後
金色の鳶をあげたる若葉かな 百合山羽公 春園
釣瓶撥ねて水のこぼるる楠若葉 森澄雄
銀の芯こぞりそよがせ萩若葉 山口青邨
銀杏若葉歌人実朝こゝに死にき 村山故郷
銀杏若葉源氏亡びしは昔の日 村山故郷
鋭き声の一鳥若葉はづれけり 川端茅舎
鎌倉は村と呼ばるゝ若葉哉 政岡子規 若葉
鐘もなき鐘つき堂の若葉哉 政岡子規 若葉
鑑真の利き耳若葉青葉かな 岡井省二 鯛の鯛
門を入りて車走らす若葉かな 政岡子規 若葉
門口へ出れば上野の若葉哉 政岡子規 若葉
隣さへ若葉の奥となりにけり 政岡子規 若葉
雄猫ありか山椒若葉は食わざりき 金子兜太
雨さつとおろす礁氷の若葉哉 政岡子規 若葉
雨の日を雀の遊ふわかばかな 政岡子規 若葉
雨の糸と見しは若葉の花なりき 右城暮石 句集外 昭和十八年
雨の若葉にうつら移りす鹿の脚 原石鼎 花影
雨晴て雲に月ある若葉哉 政岡子規 若葉
雨晴れて汽車道濡るゝ若葉かな 政岡子規 若葉
雨雲の谷にをさまる若葉哉 政岡子規 若葉
雫せよ若葉か下の石灯籠 政岡子規 若葉
雲取山夕雲を呼ぶ若葉冷 山口青邨
雲流れゆきしあとあり朴若葉 細見綾子
霽雪に鹿つゞく道ときく若葉 渡邊水巴 白日
青富士は立てり白樺も若葉せり 水原秋櫻子 岩礁
青桐のちよぼりちよぼりと若葉哉 政岡子規 若葉
青葉若葉おん慕はしの墓二つ 山口青邨
青葉若葉ほうと明めて日は昧爽 中村草田男
青葉若葉昼中の鐘なりわたる 政岡子規 若葉
青葉若葉煙突多き王子かな 政岡子規 若葉
静かなる坂や若葉の照る家家 村山故郷
静さに哀れなほどの若葉かな 原石鼎 花影以後
風の音朴の若葉に来て消ゆる 稲畑汀子
風若葉うらがへりては色を消す 山口青邨
風若葉ムツゴロウ牧は門とざす 角川源義
風雲の谷吹き渡る若葉哉 政岡子規 若葉
飛乗りの駈を打ち過ぐ若葉かな 河東碧梧桐
飛来して道写り去る若葉哉 永田耕衣
飯綱より雲飛ぶ橡の若葉かな 河東碧梧桐
飲食のほかは流行らぬ街若葉 岡本眸
香水の人さ緑の若葉より 原石鼎 花影
馬ノ歯ニヤハラカキ萩ノ若葉カナ 政岡子規 若葉
馬関迄帰りて若葉めづらしや 政岡子規 若葉
騎馬尻の火男過ぐと若葉冷え 角川源義
高嶺つゝむ雲の中こそ若葉なれ 渡邊水巴 白日
高麗近し若葉の昼つくる 角川源義
魚ノ歯ニ萩ノ若葉ノヤハラカキ 政岡子規 若葉
鱒釣を朝日焦がしつ山若葉 渡邊水巴 富士
鳥啼て石を打こむ若葉哉 政岡子規 若葉
鳥居より内は鳥啼く若葉哉 政岡子規 若葉
鳥飛んで山門深き若葉哉 政岡子規 若葉
鳩の餌を雀のひろふ若葉哉 政岡子規 若葉
鳶の輪の若葉を領す光堂 角川源義
鴉一羽やすけく過ぎし若葉かな 原石鼎 花影以後
鶯に若葉嵐や井の頭 河東碧梧桐
鹿の眸のうるみたるかな若葉かげ 伊丹三樹彦
鹿消えてざわざわとある若葉山 古舘曹人 樹下石上
鼓鳴る能楽堂の若葉かな 政岡子規 若葉

若葉 続補遺

あはしまを女の出るわか葉哉 黒柳召波
あま味噌に舌出す軒の若葉哉 素覧
いか程も寐ふぞ若葉の色の浜 惟然
うのはなの闇に手のつく若葉哉 千代尼
うら若葉腰押す木の芽峠哉 露川
おし出して塔一蓋の若葉かな 建部巣兆
おれかゝる枝にも出る若葉かな 舟泉
かしこまる膝に若葉の雫哉 魯九
かれ芝や若葉たづねて行胡蝶 百歳
こがね錆て若葉にしのぶ昔哉 三浦樗良
こちもまた若葉の左右にひらめかん 舎羅
さは~と風の夕日や末若葉 魯九
さびつける仕かけに蔦の若葉哉 魯九
ずゞ鳩の若葉や里のかい廻り 惟然
そろ~と鬼のいやがる若葉哉 長虹
なつかしき津守の家の若葉哉 牧童
ぬり笠や若葉にしづむ夕日かげ 正秀
ふるさとの梅の若葉や堂籠 建部巣兆
ふる雪に人はまがいぬ若葉売 土芳
ほとゝぎす啼や若葉のはしり雨 北枝
みわたせば花も紅葉も若葉哉 馬場存義
もとあらの若葉や花の一位 桃隣
やかなふた花の時より若葉かな 十丈
ゆふ若葉がざみ烹る臭を明さます 寥松
よき程に佃の若葉くれに鳧 長翠
わか葉して仏のお顔かくれけり 夏目成美
わか葉して親と子疎き雀かな 高井几董
わけもなくその木~の若葉哉 亀洞
一葉づゝ蜘の囲になる若葉かな 沾荷 類題発句集
世の変も錦にさかふうら若葉 魯九
丸山の構も武き若葉哉 桃隣
丹誠で若葉になりし植木かな 鳳朗
今日明日となりて花やら若葉やら 諷竹
仮寐の瞼を徹すわか葉かな 五明
何に染む若葉の比の太布衣 句空
傘のちいさく見ゆる若葉かな 建部巣兆
加茂川となる雫する若葉哉 鳳朗
十八九どれもはたちの若葉哉 塵生
又これより若葉一見となりにけり 素堂
又花をやるか茂みの若葉ども 芙雀
吹入る窓の若葉や手ならい子 惟然
国ゆたかに見ゆる若葉の関路哉 白雄
夏やせの顔に若葉や神の幣 北枝
夜の明る芦の若葉やみなとかぜ 諷竹
大空も見へて若葉の奥しれず 北枝
寄生の桃も三とせの若葉かな 桜井梅室
寝た跡に若葉うつりて又寝たし 桜井梅室
小天狗は酢みそするらん若葉時 露川
山中や若葉しぼつて温泉の翠 露川
山路来て見事に歩行若葉哉 建部巣兆
山鳩のふくれ音にして若葉かな 完来
帷子のすゞしき色に若葉哉 李由
常盤木のならびて栄ふ若葉哉 杉風
年きれの木練のさはる若葉哉 桜井梅室
年切の老木も柿の若葉哉 千川
年寒し若葉の雲の朝朗 其角
引あげて干すや若葉に池の水 魯九
心よう若葉も出あへ庭のうち 路健
懸棹のつるりと落し若葉かな 寥松 八朶園句纂
我が庵は喜撰にかりの若葉哉 西鶴
我心若葉も病よ露涙 路健
我皃を若葉に隠す別れ哉 桃先
手向ばや梶の若葉に旅硯 乙由
拍子木も若葉に帰る木玉かな 西望 坂東太郎
数ならぬ樹と見て潜る若葉哉 卓池
新しう雨の聞ゆる若葉かな 班象 発句類聚
旅したふおもふ榎の若葉かな 旦藁
旅人の若葉跨る山路哉 三宅嘯山
春夏を内外に拝む若葉かな 野坡
春雨にゆがまぬ芦の若葉哉 園女
昼中や若葉をくゞる小関越 正秀
昼寝してみせばや菴の若葉風 丈草
晩鐘に雫もちらぬ若葉哉 千代尼
月雪もともに折たる若葉かな 野坡
朝露や若葉てら~浜の宮 魯九
朝風を畳にこぼす若葉かな 鳳朗
木も草も八日めきたる若葉哉 小西来山
木曽川についてまがれば若葉哉 怒風
村雨につくらぬ柘植の若葉かな 素堂
村雨の若葉をいそぐさくらかな 建部巣兆
松を見て身をしる葛の若葉哉 支考
柿の木のいたり過たる若葉哉 越人
桐の木に鶏うたふ若葉かな 左次
桐の葉の花より先に若葉哉 凉菟
棒突て旅人出る若葉かな 成田蒼虬
楪はかさねも厚き若葉かな 露川
樒つむそこらあたりの若葉かな 松窓乙二
樹々のこゝろ若葉に遂し気色哉 白雄
橋ゆけば人に見らるゝ若葉かな 夏目成美
此桜むかし好たる若葉哉 浪化
水汲に下りるも遠し谷若葉 其角
水若葉かづき着て来し人の影 園女
水音も若葉も木曽の日々~に 黒柳召波
汗かいた峠冷つく若葉かな 三宅嘯山
洗ひたてゝ窓のむかふや若葉山 露川
洗ひ立て窓にむかふや若葉山 露川
海山の波や若葉のいつくしま 魯九
渋柿の花落したる若葉かな 露印
滝巾を浅黄に見たる若葉かな 露川
漣も緑に立し若葉哉 三宅嘯山
潜上にびらつく桐の若葉かな 桜井梅室
灌仏や蔦の若葉もあゆみそめ 千代尼
火ともさぬ若葉とてなし伊都岐島 鳳朗
物ひとつ若葉に近し竹生島 凉菟
琵琶引の袋に眠る若葉哉 紫貞女
生へ山は口からみゆる若葉哉 露川
産衣に夜の目もあはぬ若葉かな りん女
痛はしく蟻の付たる若葉かな 呂丸
白雨に青葉が上の若葉かな 荊口
目に清し浄し千枝の若葉まで 凉菟
目病いかに若葉のさかり芳の山 凉菟
矢一筋もたで分入若葉哉 鳳朗
硝子の国や若葉のいつくしま 露川
祟なす樹もえだかはす若葉哉 高井几董
窓の燈の梢にのぼる若葉哉 与謝蕪村
笠の名の加賀に心の若葉哉 支考
粟崎や雪と若葉のあはひより 不玉
絶頂の城たのもしき若葉かな 与謝蕪村
老淋し若葉の花をさがす杖 杉風
舟哥の均しを吹や夕若葉 其角
花の後うわ~出る若葉哉 土芳
花よりも葉にうさみゆる若葉かな 鈴木道彦
若葉から雫や落て浅の川 魯九
若葉して滝のありたきところ哉 白雄
若葉なる椴はつゞくり普請哉 旦藁
若葉にも莟椿や鯛の口 野坡
若葉のみ代のせんさくは嘸やさぞ 惟然
若葉ふく風やたばこの割よし 嵐雪
若葉もる夜釣ら人の火縄かな 東皐
若葉よりしのぶや伽に水の音 土芳
若葉より人ぞ涌出るひがし山 凉菟
若葉より烏にすごし猿の声 介我
若葉吹風さら~となりながら 惟然
若葉吹風や今から涼みたき 寂芝
若葉寒し行違ふ人の長刀 卓池
若葉寒し魚さえすまぬ谷の水 東皐
若葉山ほとけとみしは古狸 加藤曉台
若葉陰眼たがるべき朝かな 牧童
若葉風ふくや提行馬の沓 松窓乙二
若葉~それも壷中の糠味噌も 凉菟
萩たれて誰ぞに添入る若葉哉 土芳
藪陰に乗馬や見えて若葉摘 白雪
蚰蜒の早住ふるす若葉かな 鳳朗
蛇を截つてわたる谷路の若葉哉 与謝蕪村
蛍火は若葉の青み吹ちるか 万乎
衣着た出家かはらぬ若葉哉 早野巴人
西風の若葉をしほるしなへかな 炭太祇
見ありきて先問柳の若葉哉 白雄
貴様には吉野の若葉茶也けり 桃隣
賑な中にしづけし若葉山 露川
転寝の瞼を徹す若葉かな 吉川五明
追付てあづまからげの若葉哉 りん女
逢さかやいつまで寒きうら若葉 井上士朗
都人山枡を藤の若葉とて 杉風
野水白く若葉を拆て流けり 三宅嘯山
野鼠の長ほど草の若葉哉 三宅嘯山
鉾立や若葉がくれにひよつと見ゆ 壺中
隔なきこゝろの嵯峨よ柿若葉 完来
雀ちう若葉もちらり月も又 惟然
雨を帯し若葉に春もきのふ哉 露印
雨雲のかき乱し行若葉かな 加藤曉台
雲の色ひとすね有て若葉哉 芙雀
青柳の若葉や秋もまのあたり 支考
青葉若葉下は玉ちる岩の水 高桑闌更
青葉若葉生衣につゝむ門司硯 野坡
非情にも毛深き枇杷の若葉かな 鬼貫
鬼のなひ世に柊の若葉かな 木因
鳥啼てしづ心ある若葉かな 蓼太 蓼太句集初編
鶯は仏にならで若葉かな 白雪

以上

by 575fudemakase | 2016-04-25 09:19 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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