西日 の俳句

西日 の俳句

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西日 補遺

*はたはたの飛翔の強き西日中 佐藤鬼房
*まくなぎも西日も吾の目を欲りぬ 相生垣瓜人 明治草
あの強き西日沈めば港町 高田風人子
あはあはと西日さしたり残る雪 日野草城
あら壁に西日のほてるあつさかな 正岡子規 暑
お祭の店さきの西日となりぬ 臼田亜郎 定本亜浪句集
かたまりて船虫西日没るを待つ 右城暮石 句集外 昭和五十九年
かの窓の閉められあるは西日かな 波多野爽波 鋪道の花
きりぎりす西日の草に青籠る 大野林火 白幡南町 昭和三十年
けふも来し癩の籬外の西日の道 石田波郷
その窓のおろかに長き西日時 能村登四郎
たぎる西日 関帝廟の松ひょろひょろ 伊丹三樹彦
つながる意志穂を孕む西日の盆地で 古沢太穂 火雲
どんころと農夫西日に影同じ 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
なに故の冷えか西日の桜貝 飯田龍太
のどを上下にゆつくりと西日犀 岡井省二 鯨と犀
ひたすら北へ西日晒しの宗谷線 松崎鉄之介
ひび立ちてはや枯いろの海西日 大野林火 雪華 昭和三十五年
ひんらりと仔馬西日の閾越しぬ 中村草田男
まくなぎに西日さし何の秘密もなし 山口誓子
まどろまむかなや西日にほとりして 相生垣瓜人 微茫集
やはらかに山の西日の衰へし 深見けん二
よわりゆく西日に萩の動きそむ 阿波野青畝
わが名すぐ呼ばるる西日の媼より 平畑静塔
キリストに彩窓の黄を西日去る 山口青邨
クロイツェル・ソナタ西日が燬けてゐる 日野草城
コロッセオまた血の色の西日さす 林翔 和紙
ターバンに西日マルクス通りの果 加藤秋邨
トラックの下西日まぶれに修理工 上田五千石『田園』補遺
レバ喰ふやじやんじやん横丁の大西日 角川源義
一片の氷ふくみし頬に西日 木村蕪城 一位
丘に見る遠き隧道冬西日 大野林火 青水輪 昭和二十六年
丹の廊の一隅照らす冬西日 秋元不死男
争ひて無数の西日入り来る 相生垣瓜人 微茫集
二度玻璃戸きらとし西日衰へし 上野泰 佐介
五月晴や病の窓の西日影 正岡子規 五月晴
人あらぬ西日の画廊赤充満 松崎鉄之介
人すでに散つて西日の交番所 橋閒石 雪
人の背はみなさみしいね西日負ふ 秋元不死男
仙人掌が西の方むき西日受く 鷹羽狩行
何か不安の電車棄てたる西日中 伊丹三樹彦
何か薬飲まねばならぬ大西日 山口青邨
俗神に射し込む西日 ねばねばと 伊丹三樹彦
傷痍者の佇立いつまで西日中 伊丹三樹彦
傷跡は 西日曝しの 咬ませ犬 伊丹三樹彦
再見(ツアイチェン) 再見 西日のどの手も握らねば 伊丹三樹彦
列車置場西日へ抜けて名古屋去る 山口誓子
刻惜しむ癩者と浴びる春西日 大野林火 青水輪 昭和二十六年
前うしろ西日の中に人多く 波多野爽波 鋪道の花
前人の髪が西日に燃え上り 上野泰 春潮
割箸は昔西日に供えしなり(新民俗学考) 永田耕衣
匂はせて渋取る家の西日攻め 能村登四郎
北を指す列車西日の日本海 松崎鉄之介
南瓜咲いて西日はげしき小家かな 村上鬼城
原爆図西日射すまま褪するままに 伊丹三樹彦
厩西日厩戻しの馬かこれは 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
友訪ふに西日の部落迷路なす 伊丹三樹彦
古沼の古き西日の杭を抜く 三橋鷹女
古海のけふの西日を彩窓に 山口青邨
同じ世に肉美しき西日かな 永田耕衣
同じ世の西日心ぞ噛み合える 永田耕衣
向日葵の弁に西日の仮借なく 山口誓子
含満ヶ淵惻々といふ西日 後藤比奈夫
土産物の綺羅を西日に選び買ふ 大野林火 雪華 昭和三十八年
坂のぼる我を追ひくる西日の声 角川源義
坂の町西日に水を打ち流す 右城暮石 句集外 昭和三十四年
埠頭地区市電西日を折り返す 右城暮石 句集外 昭和三十七年
塩壷へ鍵の穴より西日の矢 秋元不死男
夏山幾重西日うすうすと去る 松村蒼石 雁
夏負けて胸乳微に入る西日のなか 飯田龍太
夏過ぎの西日といへどなかなかに 上村占魚
夕立に蝉の逃げ行く西日哉 正岡子規 夕立
夕立に蝉の飛び行く西日哉 正岡子規 夕立
夜の虫のはやも鳴き出づ西日中 波多野爽波 鋪道の花
大切に西日まるめて牛冷す 秋元不死男
大地這ふ西日に赤し畑苺 原石鼎 花影以後
大寒は西日糞袋笑いぞや 永田耕衣
大西日 敗戦半旗駐在所 伊丹三樹彦
大西日恒河を牛の帰るころ 岡井省二 大日
大西日捕吏のごとくに喚きけり 岡本眸
大西日海も干潟もわかちなし 清崎敏郎
大阪の西日真向より来たる 桂信子 草影
天城嶺は西日をとめて春の海 松村蒼石 雪
夫を奪はれて西日に生木割る 伊丹三樹彦
奈良西日やや衰へて白桃買ふ 細見綾子
奪衣婆にぎらりと海の西日かな 加藤秋邨
妻かへり西日も寒く房を去る 秋元不死男
姫街道山裾ぞひの西日照 大野林火 雪華 昭和三十四年
子の茶碗つばめ西日をきりかへす 石橋秀野
子を生みしは過ちか西日濃かりけり 草間時彦 中年
子規に借口「西日暑いのなんのてて」 中村草田男
子規の墓西日小学校舎越して 中村草田男
家うらを見透きつ帰る西日なか 角川源義
家に西日鵜匠もろとも田楽刺 橋本多佳子
家の向き西日に殘る暑さかな 正岡子規 残暑
家中を浄む西日の隅にゐる 西東三鬼
寒西日父の鼻梁に及ばざり 小林康治 四季貧窮
少年病む畳の西日ョット形 香西照雄
少年病む畳の西日ヨット形 香西照雄 対話
居残らん西日を食らう銘酒哉 永田耕衣
山の朴葉裏に西日して枯れぬ 大野林火 青水輪 昭和二十六年
山の鐘ひびく西日の姫紫苑 飯田龍太
山國の道をかなしぶ西日消え 平畑静塔
山眠る西日泉の眼と別れ 飯田龍太
山茶花に暫しの西日とどめをり 上村占魚 鮎
山越えし記憶西日の魚影のみ 飯田龍太
岐路に来て西日やすらぐ枯野かな 松村蒼石 雁
岬なる榕樹の西日享くるなき 下村槐太 天涯
崖の家西日を切に掃き出せり 山口誓子
崖下の隠れ汀に西日さす 上田五千石 田園
工場の門より西日溢れ出づ 右城暮石 句集外 昭和二十九年
工門出づ空弁当に西日避け 伊丹三樹彦
干天草西日のものの影を置き 清崎敏郎
干柿に蜻蛉飛行く西日かな 正岡子規 蜻蛉
廻転扉はじき出ださる大西日 角川源義
強西日受く拓農家牛舎ぐるみ 右城暮石 句集外 昭和三十六年
彩窓のいまこそ炎ゆれ西日さし 山口青邨
彩窓のむらさきの濃く西日去る 山口青邨
彩窓の色さましつつ西日去る 山口青邨
後ずさりして近江より西日去る 鷹羽狩行
念仏は独語西日の障子より 古舘曹人 能登の蛙
怒りあれば西日も赫と日本海 能村登四郎
思ひ切り西日の舵輪まきかへす 橋本多佳子
悼むとき西日の色を分ち合ふ 古舘曹人 能登の蛙
戦つてをりし西日と古畳 後藤比奈夫
戸袋にあたる西日や竹植うる 飯田蛇笏 山廬集
手を拍って戻す西日の襤褸買を 伊丹三樹彦
投げ上げし石が西日をおびて落つ 篠原梵 年々去来の花 雨
押入れのもの転げだす西日の中 橋閒石 朱明
拙きことに西の方より西日の蝶 永田耕衣
掬すべきものも西日にあらむとす 相生垣瓜人 微茫集
放せ俺(わい)は昔の西日だというて沈む 永田耕衣
故郷の電車今も西日に頭振る 平畑静塔
敗れしごと戻る西日の鉄板路 能村登四郎
新涼の力ぬけたる西日かな 波多野爽波 鋪道の花
日傘にうけきれぬ西日の中帰る 津田清子 礼拝
映画館の腹は西日に窓もたず 富安風生
春の西日明日の葬儀の樒運ぶ 右城暮石 声と声
春めくや西日に小鳥ちら~す 原石鼎 花影以後
昼寝覚大西日とはなりゐける 石塚友二 磊[カイ]集
時化あとの弱き西日に麦を刈る 伊丹三樹彦
暇あり西日となりし干し蝗 臼田亜郎 定本亜浪句集
暖く西日に住めり小舎の者 村上鬼城
書を措きて西日待つべくなりにけり 相生垣瓜人 微茫集
曼珠沙華髪のほつれに西日ざし 山口誓子
朱の漆木鉢に練つて西日蔵 石川桂郎 高蘆
東京西日金なき妻子家におく 古沢太穂 三十代
枝さきに西日かかりて秋の風 臼田亜郎 定本亜浪句集
桐一葉湯女病む閨は西日満つ 飯田蛇笏 山響集
梁の煤叩く西日に山敏し 飯田龍太
梅雨西日泣きわめく子ののどちんこ 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
森出づる西日の道をおそれ行く 石田波郷
森番に西日やすやす燃え尽きし 原裕 葦牙
棺出でしあとや西日の蟻の列 鷲谷七菜子 銃身
椅子くるり廻せし不覚西日の矢 林翔
樹下に読むふるき参事に西日さし 飯田龍太
樺ならねども一幹に西日立つ 飯田龍太
檜笠西日に向けよ最上川 阿波野青畝
歌の会酷評つづく西日さして 山口誓子
死者の総勃起を西日銘記せり 永田耕衣
母恋ひの仔牛の鳴音西日さす 大野林火 青水輪 昭和二十四年
母牛帰る西日に透ける角の先 大野林火 青水輪 昭和二十四年
水打つや固き西日をうち砕き 橋閒石 朱明
水牛を追う 精根の 西日の眉 伊丹三樹彦
水牛を追う鞭 西日に蓬髪振り 伊丹三樹彦
水草の花に小春の西日哉 正岡子規 小春
水際にくたばるもよし強西日 佐藤鬼房
氷江の西日となりぬ浮碧楼 日野草城
汝が故郷とく見よとてや西日展ぶ 中村草田男
汝が皺も肉の皺ぞも西日燦 永田耕衣
波除けに女首出す西日川 岡本眸
波高き西日の河の海に似る 大野林火 青水輪 昭和二十四年
泥鰌屋の西日堰きゐる葭簀かな 百合山羽公 樂土以後
津軽の西日けふもペンキのはげる家 中村草田男
津軽の西日ここ先途なき流行歌 中村草田男
浄土変西日の棚の青葡萄 角川源義
淵のぞく西日に後頭部貫かれ 橋閒石 朱明
渡り鳥西日明りの瀬に憩ふ 松村蒼石 雁
漂うケロイド 安全地帯は西日曝し 伊丹三樹彦
炉の隅に嫁の座西日戸口より 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
烈日の待ち惚れ苦き西日哉 永田耕衣
烈日の西日なりけり最晩年 永田耕衣
烏二羽西日へかへる小春かな 原石鼎 花影以後
焼酎の暖簾一重に西日烈し 右城暮石 句集外 昭和二十六年
煮る繭のをどれる西日いつ没るか 下村槐太 天涯
熟れて饐えて西日が谷に据りたる 佐藤鬼房
熟れ桃に西日の貌の淫らなる 飯田蛇笏 椿花集
燭のごと凧しづかなる西日かな 中村汀女
牛部屋に西日さしこむ熱さ哉 正岡子規 暑
牛飼は半頑固(もっこ)なり西日負ひ 弟子 星野麥丘人
牛飼は牛頑固(もっこ)なり西日負ひ 星野麥丘人
犬も砂丘に西日の帰影試射絶えいつ 古沢太穂 古沢太穂句集
狂院の奥ざわざわと西日透く 野澤節子 未明音
男子の胎ると思へ西日中 齋藤玄 飛雪
病み籠り西日四畳を逃げまはる 石川桂郎 含羞
病む人の西日のことを申されし 高野素十
病棟の西日陰ここを出でゆけず 石田波郷
病燕のとりつきかねし西日かな 下村槐太 天涯
癩夫婦西日のトマト手より手へ 石田波郷
白団扇一つ西日に置き曝し 日野草城
白波に西日照りこむ沖膾 百合山羽公 故園
目つぶしの西日阿国の墓さがす 右城暮石 一芸
目鼻なき地蔵西日の修羅すすむ 角川源義
真野御陵の赤松西日とらへけり 松崎鉄之介
着きて早や西日になりし蜜柑山 右城暮石 句集外 昭和四十二年
瞻らるゝと知りをり西日をとめかな 石塚友二 光塵
矍鑠と西日隠れの西日哉 永田耕衣
石垣に花嫁の影西日の鶏 飯田龍太
砂土手や西日をうけて蕎麥の花 正岡子規 蕎麥の花
秋の蝉檜山の西日はやあかし 石田波郷
秋蝶や山の西日のはげしさに 中村汀女
稗を抜く西日の男面輪なし 石田波郷
窓一つ捉へ西日の燃えさかり 清崎敏郎
竹を伐る農婦へ西日痛烈に 佐藤鬼房
竹青しことに丹波の西日山 森澄雄
筆持つて業苦の西日迎へけり 石塚友二 光塵
簀戸越しのちら~西日ラムネ冷え 星野立子
簾巻きさしもの西日今は無く 星野立子
紅葉すれば西日の家も好もしき 村上鬼城
紺の荷の毒消売を西日追ふ 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
絵本見て猫朗唱す西日の中 平井照敏 猫町
網場架けて貯木の西日封じ込む 右城暮石 虻峠
老我に手延ぶる西日流行かな 永田耕衣
耳朶に透く西日岬のゆきづまり 津田清子 礼拝
聖玻璃の五彩西日に強めらる 津田清子 礼拝
背ぐくまりをれば西日の近づき来 相生垣瓜人 微茫集
胡麻の花西日の中で牛梳かる(故郷丹波芦田村) 細見綾子
脛見せて海女が西日のバスに乗る 右城暮石 虻峠
腰高の仔牛西日がまだ眩しげ 大野林火 青水輪 昭和二十四年
臍の緒やおんぼろ西日湾に栖み 三橋鷹女
自転車が見えず西日の顔走る 右城暮石 句集外 昭和二十六年
舟虫の帰るべもなし西日中 角川源義
船近づく屋島がっしり西日匿す 右城暮石 上下
艦に米旗西日の潮に下駄流れ 西東三鬼
花園の西日に蝶の散らばれる 松本たかし
花売る娘冬の西日に人を見る 渡邊水巴 白日
花木槿西日さしこむ簀子かな 正岡子規 木槿
茫乎たる西日の面に鉄路岐る 加藤秋邨
草庵や強き西日に秋と知る 右城暮石 句集外 大正十五年
荒壁の西日に掛けて煙草かな 村上鬼城
莨干す壁に西日のよわりかな 正岡子規 煙草干す
菊花壇の障子をあぶる西日哉 正岡子規 菊
薔薇色の西日といひて何せむに 相生垣瓜人 微茫集
薪能西日まともに太郎冠者 右城暮石 句集外 昭和四十五年
藤の房しばらく赤き西日さす 山口誓子
藤の花西日を背に掃く小庭 上村占魚 鮎
藻を刈るや西日に沈む影法師 村上鬼城
虫売の屋台に赫つと西日かな 草間時彦 櫻山
蛇穴や西日さしこむ二三寸 村上鬼城
蛞蝓のはかなき西日青胡桃 飯田蛇笏 椿花集
蜻蛉の海をかゝえる西日かな 正岡子規 蜻蛉
蜻蛉や西日静かに稲莚 河東碧梧桐
蜻蜒のうつる西日や竹格子 正岡子規 蜻蛉
蝉去りしのちも西日の木とし立つ 大野林火 青水輪 昭和二十四年
街痩せて西日まみれや憲吉忌 楠本憲吉 孤客
衣紋竹西日逃るるすべもなや 中村汀女
襖にも遂に西日の這ひ上り 後藤比奈夫
西日さしそこ動かせぬものばかり 波多野爽波
西日さし涼しき風も亦入りて 波多野爽波 鋪道の花
西日さし身じろぎもせぬ竹煮草 清崎敏郎
西日さし込む伝言板に文字込んで 松崎鉄之介
西日さすテラス人なき椅子並び 清崎敏郎
西日さす三和土のうへに西瓜買ふ 百合山羽公 故園
西日さす下宿の一間のかなしさよ 山口青邨
西日さす地藏の笠に蜻蛉哉 正岡子規 蜻蛉
西日さす天皇の碑に葡萄熟る 飯田蛇笏 家郷の霧
西日さす昼寝の腹や中二階 正岡子規 昼寝
西日さす時のみ室のはなやぐは 相生垣瓜人 微茫集
西日して大和の稲田黄の厚み 大野林火 雪華 昭和三十五年
西日して日毎赤らむ柿の数 杉田久女
西日して木の芽花の如し草の宿 村上鬼城
西日して松五六本あるばかり 高野素十
西日して薄紫の干鰯 杉田久女
西日たらりと槻の尾長鳥の宙がへり 藤田湘子
西日つよきいま大阪の河の面 桂信子「草影」以後
西日どき歯科の患者の列に入る 百合山羽公 故園
西日なか帳簿がくりの寧けさよ 草間時彦 中年
西日にも断固と歩く 老いている 伊丹三樹彦
西日に舵手まみれて海のボート漕ぐ 右城暮石 句集外 昭和三十一年
西日のほとぼりなほある畳に服をぬぐ 篠原梵 年々去来の花 雨
西日のレール二本青芦沼に沿ひ 大野林火 白幡南町 昭和三十年
西日の丘の小さき畑を小さき人打つ 篠原梵 年々去来の花 雨
西日の中女らまざまざ通りすぐ 岸田稚魚 負け犬
西日の中輝く塩を買ひて来し 西東三鬼
西日の假睡汝の荷汝をかばひ 橋本多佳子
西日の市 肉切包丁 トン ガツン 伊丹三樹彦
西日の扉つかむでで虫角なしに 角川源義
西日の柿先師に甘ゆるごとせびる 大野林火 雪華 昭和三十六年
西日の溝跨ぐうしろから呼ばれ 橋閒石 朱明
西日の玻璃神父に赤光孤児に紫光 橋本多佳子
西日の磔死いかに舟棹抜けば光り 香西照雄 対話
西日の街使はるる身の影とがる 鷲谷七菜子 黄炎
西日の車窓それから幾ぺージを読みし 津田清子 礼拝
西日の道柊籬の内外に 石田波郷
西日の馬をしやくるな馬の首千切れる 中村草田男
西日はげし松が枝炎ゆるしばらくは 山口青邨
西日はやいつまで浅き翁づれ 永田耕衣
西日はや黄河の涯にとどまらず 阿波野青畝
西日まだ褪めない 切籠 輪島を去る 伊丹三樹彦
西日まみれ漱石全集芥川全集 山口青邨
西日も消えぬ乳母語りつぐ四畳半 中村草田男
西日をば負ひて些か華やげり 相生垣瓜人 負暄
西日中ののしりゆくは娼婦ども 角川源義
西日中女らまざまざ通りすぐ 岸田稚魚 雁渡し
西日中死の量感の上衣提げ 角川源義
西日中焦土の彩の一基たり 角川源義
西日中肩で押す貨車動き出す 西東三鬼
西日中試合はもつれもつれをり 村山故郷
西日中電車のどこか掴みて居り 石田波郷
西日受け今をときめく柱かな 上野泰 春潮
西日受け鏡の如き一と間かな 上野泰 春潮
西日失せ表情堅き柱かな 上野泰 春潮
西日射すスタンド一人だに減らず 山口誓子
西日惨椿白斑幹に負ひ 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
西日我を平晩年と思い居る 永田耕衣
西日暑し芭蕉はあれど黄花草 中川一碧樓
西日来て書斉を逃れ妻が部屋 山口青邨
西日歩き余り者にも似たるかな 大野林火 方円集 昭和五十年
西日浄土干梅に塩結晶す 橋本多佳子
西日濃きとき病舎も木椅子ドラマめき 楠本憲吉 孤客
西日濃し緬羊も声嗄らしをり 相生垣瓜人 微茫集
西日照りいのち無惨にありにけり 石橋秀野
西日照りまともの顔のすさみけり 野澤節子 未明音
西日燃え部屋はるつぼとなつてをり 上野泰 佐介
西日痛し長身の汝のかがみ癖 大野林火 雪華 昭和三十六年
西日痛烈遠く小さきわが家に 伊丹三樹彦
西日落つ楠公西に向ひ駈く 山口青邨
西日落つ遠き鈴鹿に軒簾 松本たかし
西日蔭楽章人を*虜とす 野澤節子 未明音
西日負ふ又光背を負へるなり 相生垣瓜人 負暄
西日部屋黄楊の小櫛がペン皿に 佐藤鬼房
西瓜種吐き出す炭住西日の窓(静岡県田川郡) 細見綾子
見られゐて西日のがるゝ膝やつれ 小林康治 四季貧窮
読書の声はげしく脆し西日の丘 飯田龍太
豆の花うねりのつよき海西日 大野林火 白幡南町 昭和二十八年
赫と西日 仁王の厚胸こそ奪わん 伊丹三樹彦
越前や海の西日のかもじ草 森澄雄
蹴出し西日エライヤッチャくヨイヨイく 岡井省二 大日
車輛庫に混み入るレール西日激し 上田五千石『田園』補遺
農夫白シヤツあくまで西日永くせり 野澤節子 未明音
逃げても軍鶏に西日がべたべたと 西東三鬼
過去も深し窓に西日の奥部落 飯田龍太
道に沿ふ荒磯や西日照りにけり 大野林火 月魄集 昭和五十五年
道の児も鳰も西日の倭文村 飯田龍太
遺児幼なし葬りの西日まぶしがる 右城暮石 声と声
避暑期去る愚な顔つらね西日中 角川源義
郭公や露地に西日の旅ごころ 飯田龍太
金ゆゑ不和土間へ西日が楔形 香西照雄 対話
金剛界大師の国の強西日 津田清子
鉱毒の足尾を照らす大西日 平畑静塔
銀座西日頸たてて軍鶏はしるなり 加藤秋邨
銃立てて西日の兵と影の兵と 加藤秋邨
錦絵をかなしめば丘西日せり 渡邊白泉
門の菊西日の人の澄みゆける 臼田亜郎 定本亜浪句集
閻王に西日さしこむ刻ながし 下村槐太 天涯
陳情マイクの声かぶさりぬ西日の背 香西照雄 対話
障子貼るしづかな兄に西日射し 飯田龍太
雀らも西日まみれやねぶの花 石田波郷
雁瘡の子にちりちりと西日憑く 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
雑踏に 西日に挑む サリーの母 伊丹三樹彦
雨蛙西日移りて林檎もゆ 飯田龍太
雪解や西日かゞやく港口 原石鼎 花影
霊園の西日遮るもののなし 右城暮石 虻峠
青桐のかくせる西日滴らす 森澄雄
青蔦を遠ざかりたる西日かな 日野草城
面体をつつみもあらね梅雨西日 上田五千石『琥珀』補遺
靴貧しき神父と吾と西日履む 津田清子 礼拝
頬白の高囀りを西日に向き 右城暮石 句集外 昭和十六年
頸あげて西日まぶしむ駱駝かな 加藤秋邨
額の絵に西日のとどき留守の家 桂信子 草影
風邪の鼻片方通り西日透く 大野林火 青水輪 昭和二十五年
飛びてゆく海猫の胴西日さし 清崎敏郎
飛騨盆地西日すずしく流れたり 松本たかし
食卓を書卓に西日避け移す 石塚友二 方寸虚実
食堂の西日の卓の蠅いやし 星野立子
馬具とれし西日の母へ仔馬寄る 中村草田男
馬券振りかざし西日の人嘶く 中村草田男
馬等戻りぬ西日の戸口一杯に 中村草田男
高架駅歩く西日の粉にまみれ 山口誓子
鯉幟眼に仕掛ある西日かな 村上鬼城
鳥獣の剥製館に西日入る 右城暮石 句集外 昭和四十年
鵜の餓ゑどき西日徹して荒鵜籠 橋本多佳子
麦はざに西日厳しき荒磯かな 富安風生
麦刈の大きな笠に西日かな 村上鬼城
麦飯に拳に金の西日射す 西東三鬼

以上
by 575fudemakase | 2016-08-16 06:32 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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