向日葵 の俳句

向日葵 の俳句

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向日葵 補遺

「受胎告知」向日葵面を伏せにけり 水原秋櫻子 餘生
あかあかと灯や向日葵の裏は海 大野林火 月魄集 昭和五十四年
いつの日も向日葵の種子地をみつむ 古沢太穂 三十代
いつも向日葵までの跫音家賃溜る 橋閒石 無刻
いつも見る安静明けの痩せ向日葵 岸田稚魚 筍流し
いまはいま向日葵見つむ原爆忌 山口青邨
きりきりと痩せ向日葵の貌あぐる 岸田稚魚 負け犬
これを食とする満人と畑の向日葵逞しく 荻原井泉水
しづかなる向日葵黄土より立ちき 加藤秋邨
しばし掌に置く向日葵の俯向く蕊 山口誓子
ひまわりが庇う盲馬の渕なす胎 橋閒石 風景
ひまわりに裁着(たっつけ)袴はかせたし 橋閒石俳句選集 『和栲』以後(Ⅱ)
ひまわりに裁着袴はかせたし 橋閒石
ひまわりの威おそれぬ日あり恐る日も 赤尾兜子 玄玄
ひややけく向日葵立ちぬ諦めぬ 岸田稚魚 負け犬
ひややけく向日葵立てり諦めぬ 岸田稚魚 雁渡し
ろんろんと魂潰えて眼の向日葵 三橋鷹女
わが挫折めくひまわりの枯れざまよ 楠本憲吉 孤客
われら栖む家か向日葵夜に立てり 山口誓子
われ蜂となり向日葵の中にゐる 野見山朱鳥 天馬
キリストに向日葵あげて巷の中 山口青邨
キリストに挿せし向日葵のみ新た 山口青邨
バスとまるわれ向日葵の花に対す 山口青邨
モヒ患者がくりと向日葵に夜が 伊丹三樹彦
中天の月に向日葵みな背く 山口青邨
二人して忘れてしまふ大向日葵 飯島晴子
二重窓小窓をもてり向日葵黄 山口青邨
亡びゆく国あり大き向日葵咲き 三橋鷹女
俗名や月の向日葵陽の向日葵 三橋鷹女
信子待つ窓ひまわりは夜も真顔にて 楠本憲吉 孤客
倒したる向日葵の幹隆々と 右城暮石 散歩圏
倒れたる夜の向日葵酔眼に 石田波郷
八方に向日葵芽生ゆ安からず 三橋鷹女
友とわれ大向日葵の種欲しがる 西東三鬼
友失職向日葵に笑ひ残し去る 草間時彦 中年
口の中より向日葵の咲く娘かな 平井照敏 猫町
向日葵うしろに蹠の砂かわくまで 大野林火 早桃 太白集
向日葵が三つ傾く吾が疲れ 細見綾子
向日葵が咲くのみ運河廃るるか 水原秋櫻子 霜林
向日葵が挑み続けし昼了る 相生垣瓜人 微茫集
向日葵が昼の番人泥の家 鷹羽狩行
向日葵が立てり家運を興せよと 鷹羽狩行
向日葵が赫し「アダム」の行くところ 相生垣瓜人 微茫集
向日葵と塀を真赤に感じてゐる 渡邊白泉
向日葵と立つ門衛や農学部 深見けん二
向日葵と闘ふ如く描くなる 相生垣瓜人 微茫集
向日葵と雨中なれども對峙せり 相生垣瓜人 明治草
向日葵にたぎちて帰る波の列 水原秋櫻子 岩礁
向日葵にとほき紺青の波の列 水原秋櫻子 岩礁
向日葵にながき銷夏の日を迎ふ 百合山羽公 春園
向日葵にひたむきの顔近づき来 石田波郷
向日葵にわれ立つ向日葵曼陀羅仏 山口青邨
向日葵にビルは裏側もて聳ゆ 古舘曹人 能登の蛙
向日葵にヘッドライトや夜の給油 鷹羽狩行
向日葵に人の笑顔の及ばざる 後藤比奈夫
向日葵に今日は後ろを見せられし 相生垣瓜人 明治草
向日葵に前後し 椰子林 芭蕉林 伊丹三樹彦
向日葵に基地の迷彩塗りしばかり 伊丹三樹彦
向日葵に夜蝉すがれる蔵屋敷 水原秋櫻子 餘生
向日葵に天よりあつき光来る 橋本多佳子
向日葵に天よりも地の夕焼くる 山口誓子
向日葵に屋うち冷たく覗かるる 橋閒石 雪
向日葵に昼餉の煙ながれけり 西島麦南 人音
向日葵に澄む即興の子を守る歌 中村草田男
向日葵に片手かけをり見知らぬ街 加藤秋邨
向日葵に眼比べを挑まれし 相生垣瓜人 明治草抄
向日葵に脳の芯透くひまはなき 下村槐太 天涯
向日葵に見られ働けりひたすらに 三橋鷹女
向日葵に見下されつつ甘んぜり 相生垣瓜人 明治草抄
向日葵に鉱山びとの着る派手浴衣 飯田蛇笏 霊芝
向日葵に陽転 対人恐怖症 伊丹三樹彦
向日葵に青草の香のたちにけり 飯田蛇笏 白嶽
向日葵に香煙蘇婆詞とのみ聞ゆ 下村槐太 天涯
向日葵に馳せ来る波の礁を越ゆ 水原秋櫻子 岩礁
向日葵のうつ伏す花を蔑めり 相生垣瓜人 明治草抄
向日葵のおとろへふかし海の荒レ 鈴木真砂女 夏帯
向日葵のけぶらふ機関庫の付近 山口誓子
向日葵のただ一茎の炎天下 山口青邨
向日葵のつつましやかに五六本 山口青邨
向日葵のはばたきそめぬ朝日さし 深見けん二
向日葵のまなこ瞠れる園生かな 山口誓子
向日葵のやや俯向きに海荒ぶ 山口誓子
向日葵のガクガク折れて人の死へ 岸田稚魚 負け犬
向日葵の一柱立てて住みつけり 上田五千石 琥珀
向日葵の一群立てる前通る 右城暮石 散歩圏
向日葵の一茎がくと陽に離る 三橋鷹女
向日葵の一茎一花咲きとほす 津田清子 礼拝
向日葵の中一輪の太陽も 山口青邨
向日葵の光芒の裡に明け暮るる 相生垣瓜人 微茫集
向日葵の八方に雷たばしれり 石田波郷
向日葵の公開の蘂孕むなり 津田清子 礼拝
向日葵の円盤垂れて花了る 水原秋櫻子 蘆雁以後
向日葵の十四花ゴッホの場合の如く 山口誓子
向日葵の名残花が塩田の夕風に 種田山頭火 自画像 層雲集
向日葵の大き花うつりゐし河よ 大野林火 海門 昭和七年以前
向日葵の大声で立つ枯れて尚 秋元不死男
向日葵の大愚ますます旺んなり 飯田龍太
向日葵の大輪切つてきのふなし 三橋鷹女
向日葵の大輪金魚田を目守る 山口誓子
向日葵の天一星座深くして 山口青邨
向日葵の太茎剪りて誕生日 右城暮石 句集外 昭和三十五年
向日葵の幹も黄色に黄を吸へる 山口青邨
向日葵の弁に西日の仮借なく 山口誓子
向日葵の弱冠すでに吾を凌ぐ 上田五千石『田園』補遺
向日葵の影か罪量りの影か 鷹羽狩行
向日葵の昼鉦かん~と叩き来る 尾崎放哉 大正時代
向日葵の月に昂然たる一花 山口青邨
向日葵の月に遊ぶや漁師達 前田普羅 普羅句集
向日葵の枯れ伏すにまかせ褒貶なし 小林康治 四季貧窮
向日葵の根まで見せ塀繕へる 石塚友二 光塵
向日葵の炎をさらず昼寝ざめ 百合山羽公 春園
向日葵の焦げて了りし初嵐 石川桂郎 含羞
向日葵の煙突が立つ土の家 津田清子
向日葵の照のむらがりは見のこゞしき 日野草城
向日葵の燦爛と咲き青簾 山口青邨
向日葵の玉座根こそぎ抜きとらる 上田五千石『田園』補遺
向日葵の王冠ふりむけざる重さ 上田五千石『田園』補遺
向日葵の畑の向う側見えず 鷹羽狩行
向日葵の白骨人柱ともならず 三橋鷹女
向日葵の眼は洞然と西方に 川端茅舎
向日葵の瞠る旱を彷徨す 野澤節子 未明音
向日葵の瞳の中にゐて湖に対く 角川源義
向日葵の種に縞あり縞馬の 山口青邨
向日葵の種を埋めたる我慢の日 三橋敏雄
向日葵の種子あまた蒔き何恃む 安住敦
向日葵の種蒔く土に日をそそぎ 鷹羽狩行
向日葵の空かがやけり波の群 水原秋櫻子 岩礁
向日葵の空仰ぎては拳あぐ 原裕 葦牙
向日葵の立ちふさがるや漁夫の路次 草間時彦 中年
向日葵の立ち並ぶ蔭単車置く 右城暮石 一芸
向日葵の立往生となりにけり 平井照敏 天上大風
向日葵の精根尽きしさまにあり 桂信子 草影
向日葵の群立いまは黒ずみぬ 山口青邨
向日葵の群落ひそと人棲めり 松村蒼石 雁
向日葵の老いたる花や倦みし花 相生垣瓜人 負暄
向日葵の背らこぞれり書庫の窓 山田みづえ 忘
向日葵の背後の空の澄みそめし 森澄雄
向日葵の胎盤厚く虻這へる 山口青邨
向日葵の花のあと実の充実して 右城暮石 句集外 昭和四十一年
向日葵の花びら月に黄を失す 山口青邨
向日葵の花を頭顱に昼寝ざめ 百合山羽公 春園
向日葵の花弁滴るごとく潰ゆ 山口青邨
向日葵の花頭 むきむき 脳病院 伊丹三樹彦
向日葵の茎立てり木のかたさにて 右城暮石 虻峠
向日葵の葉にとぶ蠅やみなみかぜ 飯田蛇笏 雪峡
向日葵の葉の真黒に焦げたるも 松本たかし
向日葵の蕊が最も不可解なる 山口誓子
向日葵の蕊にまぎれし金亀子 高浜年尾
向日葵の蕊単純に余熱あり 中村草田男
向日葵の蕾太頸曲り来し 右城暮石 句集外 昭和三十七年
向日葵の蘂焦げそめぬ休暇待つ 能村登四郎
向日葵の虚空 小びとの跳ねやまず 富澤赤黄男
向日葵の裏と経にけり過半生 林翔
向日葵の貌らんらんと空中戦 富澤赤黄男
向日葵の遂に大なる花と成る 右城暮石 句集外 昭和三十五年
向日葵の金の雨だれ終りしよ 秋元不死男
向日葵の金環蝕となりて果つ 鷹羽狩行
向日葵の金盤すでに黒く厚く 山口青邨
向日葵の金色冷ゆれ月の秋 渡邊水巴 富士
向日葵の雨しぶきつつ乾きつつ 鷹羽狩行
向日葵の雨吹き降りに終りゐし 鷹羽狩行
向日葵の頸の根叩き大夕立 伊丹三樹彦
向日葵の顎がつしりと熟したり 平井照敏 猫町
向日葵の顔のかさなる暑さかな 百合山羽公 春園
向日葵の風に息呑み向日葵へ 大野林火 雪華 昭和三十三年
向日葵の風摶つ花を昼寝ざめ 百合山羽公 春園
向日葵の首より枯れて夜に立てり 佐藤鬼房
向日葵の駅々は車輪灼けて過ぐ 三橋鷹女
向日葵の骨のむくろの月に立つ 山口青邨
向日葵の黄の純粋もゴツホ以後 野見山朱鳥 荊冠
向日葵の黄焔日ごと失ひぬ 山口青邨
向日葵はへこたれぬ花穢(ゑ)の運河 佐藤鬼房
向日葵はもとより黍の寧らかに 山口誓子
向日葵は乱れ屋根石灼くるなり 松本たかし
向日葵は二時の紋章忌に籠る 古舘曹人 砂の音
向日葵は天授われより丈高く 下村槐太 天涯
向日葵は月光に堪へぬ花となる 相生垣瓜人 微茫集
向日葵は火照りはげしく昏れてゐる 橋本多佳子
向日葵は焦げざまに首ふりあげぬ 平井照敏 猫町
向日葵は疼きの火龍たち眩み 佐藤鬼房
向日葵は終戦記念日の花とし活く 山口青邨
向日葵は連山の丈空へ抽く 中村草田男
向日葵は黙々黒ずみにつつあり 山口青邨
向日葵へ下りず刈田へ蝗降る 加藤秋邨
向日葵へ去った 車内の迷い蝶 伊丹三樹彦
向日葵むきむき あああ あああ と男声ソロ 伊丹三樹彦
向日葵もなべて影もつ月夜かな 渡邊水巴 白日
向日葵も天へこぼるる花粉ならず 中村草田男
向日葵も影もひとつや鴎外忘 水原秋櫻子 蘆雁以後
向日葵も防災の日を全うす 百合山羽公 樂土以後
向日葵やものゝあはれを寄せつけず 鈴木真砂女 生簀籠
向日葵やアジアに焼身自殺僧 鷹羽狩行
向日葵やガード都の門をなす 中村草田男
向日葵や一本の径陰山へ 加藤秋邨
向日葵や午後より波のたちさわぎ 鈴木真砂女 夏帯
向日葵や咲く前に葉の影し合ひ 石田波郷
向日葵や土間より暗き上座敷 鷹羽狩行
向日葵や天を残して雨の去り 鷹羽狩行
向日葵や妻をばグイと引戻す 中村草田男
向日葵や子が持ち初むる男の意地 松崎鉄之介
向日葵や官吏真先にひけて来る 岸田稚魚 雁渡し
向日葵や患家の暗さ医も驚く 山口誓子
向日葵や戦場よりの文一行 中村草田男
向日葵や押さへていやす眼の疲れ 鷹羽狩行
向日葵や敵とて老ゆること勿れ 上田五千石 琥珀
向日葵や旅の途中に水貰ふ 森澄雄
向日葵や日ざかりの機械休ませてある 種田山頭火 草木塔
向日葵や月に潮くむ海女の群 西島麥南 金剛纂
向日葵や椅子はそれぞれ海に向く 大野林火 冬雁 昭和二十一年
向日葵や極目要塞地帯なり 中村草田男
向日葵や海に疲れてねむる子ら 大野林火 早桃 太白集
向日葵や漁婦の乳房の垂れ下り 大野林火 早桃 太白集
向日葵や炎夏死おもふいさぎよし 飯田蛇笏 椿花集
向日葵や画布打つ筆の音荒く 相生垣瓜人 微茫集
向日葵や登る人来れば登り坂 中村草田男
向日葵や百歳生きて何食はむ 藤田湘子 てんてん
向日葵や翼下となりて鳴り響む 山口誓子
向日葵や腹減れば炊くひとり者 原石鼎 花影
向日葵や贖罪を蕊とせし半生 中村草田男
向日葵や起きて妻すぐ母の声 森澄雄
向日葵や越後へ雨の千曲川 森澄雄
向日葵や身の血清さに尿清し 中村草田男
向日葵や雷後渦ゆく神田川 水原秋櫻子 残鐘
向日葵や高々波に向ひ立ち 鈴木真砂女 生簀籠
向日葵や黒き狗ころ土舐ぶる 松村蒼石 寒鶯抄
向日葵をめぐりて虻の止らず 深見けん二
向日葵を三遍まわる怨み言 橋閒石 荒栲
向日葵を切るや はたして渦巻く雲 富澤赤黄男
向日葵を剪るみほとけの花ならず 三橋鷹女
向日葵を右手に持てば右頬ほてる 篠原梵 年々去来の花 中空
向日葵を咲かせ心に兵がある 三橋鷹女
向日葵を役げ入れたらば海中花 鷹羽狩行
向日葵を愛すや弁を掻き撫でて 山口誓子
向日葵を挿せし卓新聞四ッ折に 大野林火 冬雁 昭和二十一年
向日葵を斬つて捨つるに刃物磨ぐ 三橋鷹女
向日葵を植ゑ町中の掛茶店 右城暮石 句集外 昭和七年
向日葵を活ける端座や敗戦忌 山口青邨
向日葵を生かす大地のひび割れて 津田清子 礼拝
向日葵を竦ましめたる涼気あり 相生垣瓜人 負暄
向日葵を肩に線香を手に案内しましよう 荻原井泉水
向日葵を長身佛の華とせる 岡井省二 明野
向日葵一本作らで他人の詩閲する日 中村草田男
向日葵咲けわれまなむすめひとり持つ 大野林火 青水輪 昭和二十四年
向日葵四五花卓へ投ぐ猟の獲物のごと 中村草田男
向日葵播き雲の上なる日を探す 西東三鬼
向日葵播く悪貨はびこる地の上に 上田五千石『田園』補遺
向日葵日に向いたままの暑き日、日はかたむく 荻原井泉水
向日葵畑ぷすとたま来て土けむり 長谷川素逝 砲車
向日葵突伏し密封大地を窺へる 中村草田男
向日葵立つ方位未確の山の上 山口誓子
向日葵銹びて彳つ潮風の通ひ路に 上田五千石『田園』補遺
向日葵陽に汽罐車貨車を牽き来る 三橋鷹女
向日葵黄に一碗の水を尊み住めり 三橋鷹女
吾が向日葵城より他家のカンナ城へ 山口誓子
咲き揃う向日葵 師走の日を重ね 伊丹三樹彦
四方に俯向く向日葵の末期の花 山口誓子
地に驕る向日葵の根に枯れ兆す 上田五千石『田園』補遺
地下鉄は向日葵見んと地を出づる 山口青邨
塵塚を匍ひ出て南瓜出ず向日葵 加藤秋邨
墓の花へとうちの向日葵を切る取りあえず 荻原井泉水
声なき終焉眼をみひらいて向日葵よ 三橋鷹女
壺を埋むる枯向日葵を捨てしめず 相生垣瓜人 微茫集
夕日が来て枯向日葵に火を放つ 三橋鷹女
夕浅間向日葵は黄を強く放つ 桂信子 晩春
夜となりて大向日葵の怪異かな 能村登四郎
夜の向日葵甘言放ちゐるごとし 藤田湘子 てんてん
大き花の向日葵咲けりをみならに 三橋鷹女
大向日葵悪童の業みそなはす 上田五千石 田園
大弁の向日葵にして低く立つ 山口誓子
太陽にレンズを向日葵一輪炎える 荻原井泉水
太陽を包み切れざる向日葵黄 右城暮石 散歩圏
姪がつくりし草花の咲く中にても向日葵 中川一碧樓
実の向日葵少年グローブに油ぬる 古沢太穂 三十代
屍を送る痩せ向日葵の一巨花よ 岸田稚魚 筍流し
山の陽は木と水の友向日葵澄む 中村草田男
山畑に向日葵咲きて山よ濃し 松本たかし
崖下に夜盗派の向日葵五本 鷹羽狩行
幼霊の向日葵なりや通り雨 佐藤鬼房
怠けたし向日葵に向日葵の影 鷹羽狩行
恍惚と秘密あり遠き向日葵あり 藤田湘子
托児所の壁ひまわりの絵ばかりなる 松崎鉄之介
抜き捨てし太き向日葵横たはる 右城暮石 句集外 昭和四十年
敗戦の日や向日葵すらも陽にそむき 角川源義
日の国の向日葵のこの小輪よ 山口誓子
日まはりに朝日よくあたる裏家哉 正岡子規 向日葵
日まはりの花心がちに大いなり 正岡子規 向日葵
日まはりを植ゑ塞げたる裏家哉 正岡子規 向日葵
日曜の向日葵高き炭山の町 山口青邨
日輪の中に向日葵昂然と 山口青邨
星出でてより向日葵は天の皿 三橋鷹女
曇り日のひまわりは立ち疲れたり 橋閒石 微光
曳きずつて獲物のごとき枯向日葵 鷹羽狩行
朝は東に向日葵立つを祈りとす 岸田稚魚 負け犬
朝向日葵教会の婢はみごもるか 角川源義
未完成道路の広さ向日葵咲く 右城暮石 声と声
来し吾に向日葵黒き眼を瞠る 山口誓子
枯向日葵となり千手観音像となる 三橋鷹女
枯向日葵へし折つて我がちから減る 三橋鷹女
枯向日葵襤褸雨の日も風の日も 山口青邨
枯向日葵齢ゆゑに人を信ぜんや 中村草田男
梅雨の町向日葵がくと坂に垂れ 石田波郷
梅雨上る向日葵かかぐ第一花 山口青邨
死なず死ねず寒食の雨聞いてゐる 佐藤鬼房
民こそ富赤煉瓦積む向日葵咲く 金子兜太
氷嚢が鳴り向日葵が軋る昼 相生垣瓜人 微茫集
江田島の向日葵海に向きて垂れ 鷹羽狩行
海光をはじき向日葵聖受胎 鷹羽狩行
淵に首賭け向日葵はただの花 三橋鷹女
満月を浴びて向日葵枯れきれず 岸田稚魚 負け犬
漱ぐ大向日葵を鏡とし 鷹羽狩行
炎天に蒼い氷河のある向日葵 富澤赤黄男
炎帝が老向日葵を苛める 相生垣瓜人 負暄
無視すべし夜の向日葵の自己顕示 安住敦
焼夷弾筒向日葵をさす敗戦日 山口青邨
焼夷弾筒向日葵を挿す原爆忌 山口青邨
燦燦と向日葵潮を誘ひ出す 佐藤鬼房
男時女時いま男時なり実向日葵 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
畑なして向日葵は実になりゆける 臼田亜郎 定本亜浪句集
病女低唱枯れひまわりの裏過ぎつ 楠本憲吉 孤客
痩向日葵加硫の蒸気圧あがる 佐藤鬼房
療園の一本向日葵の全き円 岸田稚魚 筍流し
白骨の眼窩に芽生えた向日葵一基 三橋鷹女
盗伐の切口ありき向日葵に 鷹羽狩行
眼光の枯向日葵となりて佇つ 三橋鷹女
石けりに蜻蛉も高し向日葵も 中村汀女
石囲ひして向日葵の鉢とせり 鷹羽狩行
秋が来て向日葵の夏ふけにけり 山口誓子
秋の燈を享く向日葵の花の端 下村槐太 天涯
種子熟れし向日葵つつく頭高 水原秋櫻子 蘆雁以後
立ち並ぶ向日葵くらき夜の貌 深見けん二
箱植ゑの向日葵咲けり母公堂 右城暮石 天水
縋らむとして向日葵もかなしき花 三橋鷹女
聖寵あれ枯向日葵の祷りぐせ 上田五千石『田園』補遺
職場へ行く枯向日葵を火となして 西東三鬼
脱臼の腕吊り向日葵を愛す 佐藤鬼房
膝繃帯に飛騨の向日葵夕焼けて 赤尾兜子 歳華集
色白といふ向日葵の黄もありぬ 後藤比奈夫
花と獣向日葵と獅子野の曲馬 山口青邨
草を取る人に向日葵高く咲く 山口青邨
草童に向日葵の顔うつろへり 飯田蛇笏 白嶽
荒園の力あつまり向日葵立つ 西東三鬼
荒地に根四十路一歩の雄ひまわり 古沢太穂 古沢太穂句集
菊描きて向日葵の時の如くせし 相生垣瓜人 微茫集
蟷螂に枯向日葵の巨木なす 草間時彦 中年
行くところ向日葵連れだつごとく咲く 野澤節子 未明音
観世音口シア向日葵若狭にも 森澄雄
詩は切れ切れ金の兜の向日葵よ 三橋鷹女
豪雨に咲いた宿命の向日葵 三橋鷹女
豹の飢餓向日葵の丈の影つまる 橋閒石 無刻
賭けるなら種向日葵の首もとに 飯島晴子
辻々の夜の向日葵や町はづれ 水原秋櫻子 餘生
遠く深く来し朋の邦向日葵生ふ 松崎鉄之介
遠泳を見てか向日葵沖に向き 鈴木真砂女 夕螢
酔ひ足らねば夜の向日葵をおどしゆけり 鷹羽狩行
野に熟れて立つ向日葵を飼料とす 津田清子 礼拝
野蜂とび交ふや向日葵いづこに立つ 野澤節子 未明音
鉄の目銀の瞳父子に朝の向日葵むく 飴山實 おりいぶ
錠おろす四囲に向日葵群立し 橋閒石 朱明
鑚うつ坑内向日葵の花を見ず 山口青邨
門標の向日葵焦げて日に向かず 西東三鬼
雑草園東西はなし向日葵立つ 山口青邨
雪山を匐ひまわりゐる谺かな 飯田蛇笏 霊芝
雲焼けて向日葵のみを昏くせる 山口誓子
静かな語向日葵に血の没日しむ 佐藤鬼房
頭を垂れし向日葵君等の世も終る 山口誓子
高原の向日葵の影われらの影 西東三鬼
鳥影のどこに憩うも 向日葵畑 伊丹三樹彦
黄経一八〇度向日葵老いたるかな 荻原井泉水
黒みつつ充実しつつ向日葵立つ 西東三鬼

以上
by 575fudemakase | 2016-08-17 10:01 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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