泳ぎ の俳句

泳ぎ の俳句

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泳ぎ 補遺

*いもり浮く宇宙泳ぎをするもゐて 右城暮石 一芸
*えい泳ぐ黒きマントをひるがへし 富安風生
あい吹いて小波立つ磯を河豚泳ぎ 村山故郷
あきらかに泳ぎし黒瞳・黒睫毛 能村登四郎
あらあぶな石などなげて泳ぎの子 原石鼎 花影
いつまでも娼婦白肌にて泳ぐ 山口誓子
いろいろな泳ぎ方してプールにひとり 波多野爽波
うどんげや泳ぎ子戻りきて寝ねし 岡井省二 大日
おかこひに泳ぎの人のつとひけり 正岡子規 泳ぎ
おのがための手拙踊か亀泳ぐ 香西照雄 対話
おのが臀叩き遠泳の位置につく 能村登四郎
きりぎりす泳ぎの髪膚濡れしまゝ 山口誓子
くちなはの泳いでをりし温泉とや 高野素十
くちなはの泳ぎし後を知らざりき 燕雀 星野麥丘人
くちびるを先立て来たり遠泳子 能村登四郎
この島の魚になりて泳ぎたし 鈴木真砂女 都鳥
さきがけて泳ぐ太陽青筑波 原裕 葦牙
しづかに泳ぐ海に眼鏡を外さずして 山口誓子
しづかに置く泳ぎし女抱へ来て 山口誓子
すなめりとは息のごとくが泳ぎをり 岡井省二 猩々
すゝしさやつられた亀のそら泳き 正岡子規 涼し
そうつと夜を川に泳ぎぬ磨崖佛 岡井省二 五劫集
たしかめて又泳がせし囮鮎 深見けん二
たわたわ泳ぐ山脈雪に覆はれて 三橋鷹女
ともづなにあまの子ならぶおよき哉 正岡子規 泳ぎ
ともに泳ぎ日本女性を抱へ出づ 山口誓子
ぬれ髪を木陰にさばくおよぎ哉 正岡子規 泳ぎ
ひた泳ぐ白鳥遠きものを視て 三橋鷹女
ひとり泳げば水母とて淋しからむ 後藤比奈夫
ふぐが泳いでとことはの飛白体 岡井省二 鯛の鯛
ふつつかな魚のまちがひそらを泳ぎ 渡邊白泉
まさかと思ふ老人の泳ぎ出す 能村登四郎
もてなしは泳ぎ釣りして来しかさご 清崎敏郎
やや濁る支流ですます泳ぎ初め 能村登四郎
ゆふぐれのひとりの泳ぎ潮を蹴り 山口誓子
ゆふぐれの泳ぎ月輪ひかり増す 山口誓子
わがたましひ赤*えいとなり泳ぐかな 飯島晴子
わだなかに肉むら泳ぐ憂かな 岡井省二 鯛の鯛
コンクリートの水中を鵜が泳ぎ曲る 右城暮石 句集外 昭和二十九年
タッチの差父子の競泳鳧がつく 平畑静塔
ダイヴィング遂げてしづかに泳ぎ着く 山口誓子
ダムに入る間近の川に子等泳ぐ 右城暮石 虻峠
パンツ脱ぐ遠き少年泳ぐのか 山口誓子
一と泳ぎして来し人と合流す 稲畑汀子
一人も泳ぐものなくなりし川 右城暮石 句集外 昭和四十一年
一団の少年沖へ沖へ泳ぐ 右城暮石 句集外 昭和五十六年
一夏に一日泳ぐ女工等よ 山口誓子
一枚の衣を脱ぎ急ぐ泳ぎの児 右城暮石 声と声
一瞥の母を愛しむ泳ぎ来て 山口誓子
一遍の海人泳ぐかもめ鳴く 岡井省二 夏炉
一院のとかげは遊び蛇泳ぐ 高野素十
万緑や泳ぐすがたの病臥身 岸田稚魚 雁渡し
三人の子等を視界に母泳ぐ 稲畑汀子
三日泳がぬ山中の鯉のぼり 秋元不死男
上げ潮を泳ぐ茫々たるばかり 右城暮石 句集外 昭和二十三年
下り簗生簀にて鮎泳ぎづめ 平畑静塔
亀の子や古水押さへ押さへ泳ぐ 中村草田男
二三枚水母が泳ぎ海ゆらぐ 後藤比奈夫
五六人沖の満月へと泳ぐ 中村苑子
人あまた泳がせて海笑ひけり 鈴木真砂女 都鳥
人の泳ぎ見てゐて心泳ぐ型 能村登四郎
人待つ間扇絵の鮎泳がする 林翔
人見るをよろこび泳ぐ山の子等 富安風生
人間の子が泳ぎゐる天龍川 山口誓子
仮に建てし水練校のあと弔ふ 山口誓子
仰向きて泳ぐ人造湖の隅に 西東三鬼
何か告げたき子の唇の泳ぎつく 能村登四郎
何を隠すや少年の泳ぐ褌 山口誓子
優曇華やきらきら帰る泳ぎの子 岡井省二 明野
元寇の浜にひたすらなる泳ぎ 後藤比奈夫
全裸にて夜を泳ぐ声自由の声 山口誓子
六つほどの子が泳ぐゆゑ水輪かな 中村草田男
共に泳ぐ幻の鱶僕のやうに 三橋敏雄
冷し牛 彼岸へ泳ぎきるのもいる 伊丹三樹彦
刈藻屑泳ぎの肌にすこしつく 能村登四郎
占領歌 蹴爪泳がす風見鶏 伊丹三樹彦
卯の花に 鼻泳がせて 生き残って 伊丹三樹彦
受け止めて腰泳がせぬ菰の葱 石塚友二 磊[カイ]集
口紅をひきて泳ぎし顔つくる 百合山羽公 寒雁
吉野青し泳ぐとぬぎし草刈女 橋本多佳子
吹流し五匹泳がせ蕎麦処 鈴木真砂女 紫木蓮
吾を遠見たり水練監視塔 山口誓子
呼ばれゐる声そのままに泳ぎ切る 中村汀女
咲く蓮に 頭進める 泳ぎ子ら 伊丹三樹彦
喜びて泳げる妻を見るに堪へず 右城暮石 句集外 昭和二十五年
喪郷や泳ぎ歩きに穂草の野 鷲谷七菜子 花寂び
土くれの乱礁の間螻蛄泳ぐ 石田波郷
土坡ありて泳ぎの子等を見せしめず 山口誓子
執拗に女が泳ぐ旅館の裏 右城暮石 句集外 昭和三十一年
堰の渦女童きたり泳ぎ入る 水原秋櫻子 秋苑
堰滑る泳ぎ子に「今」が流動す 林翔
墓原の紅唐辛子日に泳ぐ 角川源義
墓番の子が濁流を泳ぎ切る 橋閒石 卯
声もなく夜のプールを泳ぎ切る 中村汀女
声変りして 泳がせた犬いたわる 伊丹三樹彦
売店の砂床濡らす泳ぎ来て 右城暮石 句集外 昭和五十二年
夏の雲白きに乳房向けて泳ぐ 加藤秋邨
夏雲にたちはだかりて水泳着 飯田蛇笏 白嶽
夕凪にやはらかな輪を生み泳ぐ 能村登四郎
夕昏く泳ぎの頭ひたすゝむ 山口誓子
夕汐の明るさ呼びあいて泳ぐなり 荻原井泉水
夕河鹿乙女これより泳がんとす 木村蕪城 一位
夕泳ぐ若き夫に蹤きゆくのみ 山口誓子
夕渚泳ぐ少女のかたまれる 右城暮石 句集外 昭和六十年
夕潮に泳ぎし後もむつつりゐる 能村登四郎
夕潮に泳ぐ素裸蜑の妻 日野草城
夜のプールひそと泳げば子も下り来 及川貞 夕焼
夜の海に泳ぐ男女をつなぐもの 山口誓子
夜の海を制すゆつくり泳ぎ出し 鷹羽狩行
夜の深さ風の黒さに泳ぐ声 西東三鬼
夜は魚となりて泳げよ乙女像 鷹羽狩行
夜を泳ぎ死海の塩をたらしけり 有馬朗人 立志
夜を泳ぐ水音ふたりかも知れず 鷹羽狩行
夜光虫身に鏤めて泳ぎたし 右城暮石 虻峠
夜泳ぎの何淋しけんひた沖へ 中村汀女
夜泳ぎや蹤きくるもののあるごとく 鷹羽狩行
夜泳ぐや一詩に胸のふくらみて 能村登四郎
夜長の湯泳ぎゐし子の去りてより 大野林火 月魄集 昭和五十六年
大山女白く泳げり霊蛇滝 右城暮石 句集外 昭和五十三年
大川や流されながら人泳ぐ 正岡子規 泳ぎ
大師井の釣瓶を泳ぐゐもりかな 阿波野青畝
大気ここに集ひて墓辺蝶泳ぐ 中村草田男
大波を一つくぐりて泳ぎだす 鈴木真砂女 都鳥
大白鳥泳ぎて陸のわれに向く 平畑静塔
大鯉の押し泳ぎけり梅雨の水 原石鼎 花影
天日に農婦聳えて螻蛄泳ぐ 石田波郷
女子泳者着替へて男子泳者見る 平畑静塔
女待たせて夜に泳ぐ短時間 鷹羽狩行
女童のわらひは泳ぎつめたきか 山口誓子
子が泳ぐかくもさみしき浦選み 山口誓子
子が胸を濡らして泳ぎより帰る 山口誓子
子と泳ぎをれども怨府胸を退かず 下村槐太 天涯
子を措きて沖へ沖へと泳ぎの母 伊丹三樹彦
子供達は熱河源泉の尻に泳ぐ 山口青邨
子離れのさびしき軽鳧が泳ぎをり 安住敦
孫守りて泳ぐ祖母にも監視要る 後藤比奈夫
家鴨涼しく泳がせ漁民船住ひ 松崎鉄之介
宿の者泳いでをりし夜更かな 富安風生
対岸といふものありて蛇泳ぐ 後藤比奈夫
小さき蛇泳ぎて池を波立たす 右城暮石 虻峠
少年の馳けて泳ぎの身を乾かす 右城暮石 上下
少陵野老の杜甫と金桂の香を泳ぐ 金子兜太
尻あげて泳ぎ吉野の川に育つ 橋本多佳子
山かげり来し山川に泳ぐ声 右城暮石 上下
山かげ雲かげ千々に泳げる黒髪なり 中村草田男
山の娘の泳ぎやめしづかに流る 中村草田男
山の星ひとりで泳ぐ晩夏かな 高屋窓秋
山の池にひとり泳ぐ子膽太き 正岡子規 泳ぎ
山中の湖真中に泳ぎの首 山口誓子
山川にひと日泳ぎて清き仲 鷹羽狩行
山川に完全波紋子が泳ぐ 山口誓子
山川に痩身透けて泳ぐなり 木村蕪城 一位
山川の日当るところ子が泳ぐ 右城暮石 句集外 昭和四十九年
山川の泳ぎ蝉鳴き止めるまで 右城暮石 句集外 昭和四十四年
山百合を捧げて泳ぎ来る子あり 富安風生
岬たのし白く開いて女子泳ぐ 秋元不死男
岸ぞひに古魚泳ぐ花菫 中村草田男
岸にうつ泳ぎの波や大夕焼 飯田蛇笏 山廬集
峯雲を目指す観海流泳者 右城暮石 虻峠
島の子の泳げる中をカヌー漕ぐ 清崎敏郎
崖下の月光泳ぐオシラ神 角川源義
川に泳ぐ少年耳のしみるまで 右城暮石 句集外 昭和四十年
川に湧く湯なれば朝も子ら泳ぐ 上村占魚
川の日が山へしりぞき泳ぐ声 右城暮石 上下
川中にあたまそろへておよぎ哉 正岡子規 泳ぎ
川泳ぎ蝶もただよふ真似をして 香西照雄 素心
川風の幔幕を吹く泳ぎかな 村上鬼城
師門遠く藻に泳ぐ子や麦の秋 飯田蛇笏 山廬集
帰路遠し泳ぎし髪をまた括る 津田清子 礼拝
干潟かと思ひぞ来にし泳ぎの徒 山口誓子
平泳とは似て非なる水馬 後藤比奈夫
平泳のをとめの四肢は見えざれども 山口誓子
平然と釣りしばかりの鯊泳ぐ 右城暮石 一芸
平行し三尾泳ぐ鯉幟 山口誓子
年輪は片寄るが常泳ぐ水輪 香西照雄 対話
幾許を泳がば鯉の涅槃かな 斎藤玄 雁道
弱る鰯一尾膨るる潮泳ぐ 右城暮石 句集外 昭和三十一年
急流に泳ぐ少年声嗄し 右城暮石 句集外 昭和三十九年
急流を泳ぎ切り若き全身見す 橋本多佳子
急流切る泳法正しからねども 津田清子 礼拝
愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子 途上
我が泳ぎ身より滴るもの乏し 右城暮石 上下
手にフォーク泳ぎ来し身を滴らせ 鷹羽狩行
手を執つて白き娼婦を泳がしむ 山口誓子
捨てし魚盲泳ぎす秋の潮 右城暮石 句集外 昭和五十七年
掴まり泳ぐ男を信じ海怖れ 山口誓子
教へ子を強ひ泳がすやふどし貸し 能村登四郎
敬老のうたげや泳ぐ鯛を見て 水原秋櫻子 蘆雁
断崖の直下に全姿見せ泳ぐ 右城暮石 虻峠
新緑を泳ぎごころに歩みけり 鷲谷七菜子 一盞
旅もいつしかおたまじやくしが泳いでゐる 種田山頭火 草木塔
日が落ちし波に泳げる島の子等 清崎敏郎
日暮しを泳ぎて親の恐くなる 平畑静塔
日暮まで泳ぎやめざる子等の声 右城暮石 句集外 昭和四十年
昆布干す陰ゆ泳ぎ子をどり出づ 松崎鉄之介
明日以後は来ず水練隊千余の徒 山口誓子
昼の海昏し泳げるもの包み 原裕 葦牙
昼顔に独りのわれは泳がなく 石田波郷
晝ながらしばし落ちゆく川泳 三橋敏雄
月いまだ光とならぬ泳ぎかな 鈴木真砂女 卯浪
月の夜の波にさだかに泳ぎ人 高浜年尾
木の実に根生えそめ蝌蚪は泳ぎそむ 香西照雄 素心
木の末に櫓見えけり水練場 正岡子規 泳ぎ
木星や娼婦泳ぎし海の上 山口誓子
東風へ泳ぐ一歳の靴のひよこ色 古沢太穂 火雲
校庭の下に紀の川水泳町 右城暮石 句集外 昭和三十七年
桜桃洗ふ五指ひらひらと泳がせて 安住敦
桶の水泳ぎの褌の身にかぶる 山口誓子
棒高跳びが泳ぐ陽色の街の隅 金子兜太
横向きに裸女も泳げり水族館 平畑静塔
機械工海ぶきっちょにたたく泳ぎ 細谷源二 鐵
水したたか呑みし顔上ぐ泳ぎの子 右城暮石 句集外 昭和三十八年
水に蝌蚪泳ぐほか皆選挙の声 右城暮石 句集外 昭和二十八年
水はれいろう泳ぎ児のちんぼならびたり 種田山頭火 自画像 層雲集
水中を出でず泳ぎを恥じらひて 右城暮石 句集外 昭和四十年
水中を疾く泳いだる蟇を見し 岡井省二 鯨と犀
水叩き泳ぐ女のよろこびやう 右城暮石 句集外 昭和四十年
水槽に泳ぎて人魚ならぬ裸女 平畑静塔
水泳き鷺もからすとかはり行 正岡子規 泳ぎ
水泳の褌をたがへ師弟若し 能村登四郎
水泳を試みなどし穴まどひ 阿波野青畝
水泳寮午後のひそまりに老教師 能村登四郎
水泳教師腋のみ白く海を指す 山口誓子
水泳教師腋の毛黒く憩ひつつ 山口誓子
水泳校伊吹の雪の支配下に 山口誓子
水泳着しぼりほそめぬ月見草 原石鼎 花影
水牛の綱 放さじと 立ち泳ぎの老 伊丹三樹彦
水練のこゑごゑ天に上りをる 山口誓子
水練の中学生褐一色に 山口誓子
水練の塔や砂上の閣にして 山口誓子
水練の塔残すのみたゞ海辺 山口誓子
水練の忘れし紅旗夜も懸る 山口誓子
水練の揃ひの褌を昔かな 三橋敏雄
水練の浜に最初の杭を打つ 山口誓子
水練の清き渚を海人通る 山口誓子
水練の点呼ヨットも白帆寄す 山口誓子
水練の紅旗一処に集まりて 山口誓子
水練の終り万歳短かくて 山口誓子
水練児むかしのわれと帽似たり 百合山羽公 寒雁
水練校夕立に曝す木の椅子など 山口誓子
水練校毀たれ一切過去となる 山口誓子
水練校毀ちて釘を抜ける音 山口誓子
水練終る際斉唱の歌もなし 山口誓子
水練隊けふ日輪をいただかず 山口誓子
水練隊少年の香の芬々と 山口誓子
水練隊飯食ふことのひそかなり 山口誓子
水踏んでゐるさびしさの立泳ぎ 能村登四郎
汐入に何か泳げる彼岸かな 橋閒石
汐澄めり烏賊こちら向き泳ぎ寄る 右城暮石 天水
汚れたる手拭もちて泳ぎかな 原石鼎 花影
汝螻蛄よ泳ぎ潜り飛べど愚か 福田蓼汀 秋風挽歌
江流を泳ぐ長蛇のあきらかに 山口誓子
池心への泳ぎ 睡蓮捧げんと 伊丹三樹彦
沖に出て泳ぐ黒髪かと思ふ 山口誓子
沖へ向き泳ぐ飛沫の微々たるよ 津田清子
沛然と泳ぎの波を濡らしたる 山口誓子
河口の潮迅き云ふ泳ぐこゑ 山口誓子
河豚の群泳ぐ宿屋の裏の海 右城暮石 句集外 昭和二十六年
沿岸の泳者に鱶を警むる 山口誓子
泉やさし旅果ての掌は泳がせて 小林康治 玄霜
波に*やす投げて少年泳ぎ出す 野見山朱鳥 幻日
波よ照れ~子らにまじりて泳ぎいづ 種田山頭火 自画像 層雲集
泳がざる前に水着の写真撮る 右城暮石 句集外 昭和四十年
泳がしむ子の蹠よ去りし妻よ 下村槐太 天涯
泳がむとすすむ乳房の浪隠る 山口誓子
泳がんとする胸に海盛り上がる 右城暮石 句集外 昭和三十一年
泳ぎきし唇をすぐ赤く塗り 清崎敏郎
泳ぎきて閑かなりけり沖の岩 前田普羅 能登蒼し
泳ぎけり非情の水を好しとして 相生垣瓜人 明治草抄
泳ぎし子山坂道をのぼり来る 右城暮石 虻峠
泳ぎし腕水平に伸べ光走り 香西照雄 素心
泳ぎたるあとなし鋼色の海 津田清子
泳ぎつつすこしわが前魂あそぶ 能村登四郎
泳ぎつつふと溺れたし鰯雲 能村登四郎
泳ぎつつ掴むや青き岬の端 能村登四郎
泳ぎつつ浮びつつ思ふ夏逝くを 能村登四郎
泳ぎつつ舌に廻るや水の海 三橋敏雄
泳ぎてはまとふホテルの青タイル 鷹羽狩行
泳ぎの他為すことなしモウパッサン読む 山口誓子
泳ぎの真似をしつつ誘ひに寄つて来る 篠原梵 年々去来の花 雨
泳ぎの身浮かして次の波を待つ 津田清子
泳ぎより歩行に移るその境 山口誓子
泳ぎゐし裸自転車にて帰る 右城暮石 天水
泳ぎゐるかんばせかたきをとめかな 日野草城
泳ぎゐる首が進めり湖の波 清崎敏郎
泳ぎ人舞子の松を通り抜け 高浜年尾
泳ぎ出て 漓江の底の月 掴まん 伊丹三樹彦




泳ぎ出てすゞしき岩にひとりくる 高屋窓秋
泳ぎ出て飛沫も見えずなりにけり 松本たかし
泳ぎ切らねば溺れるといふ泳ぎ 後藤比奈夫
泳ぎ場に乳の吸引音立てて 山口誓子
泳ぎ場に人の残りや夏の月 正岡子規 夏の月
泳ぎ場に紅旗ヤル夕の浜の如く 山口誓子
泳ぎ場に馬ゐしことも時過ぎし 山口誓子
泳ぎ場の日ざかりさびし人を見ず 山口誓子
泳ぎ場の白浜貝の粉の白浜 山口誓子
泳ぎ場の裸の中に分け入れり 山口誓子
泳ぎ女の声聞ゆほど蝉静か 中村汀女
泳ぎ女やゑがほに浪を凌ぎつゝ 日野草城
泳ぎ女一人渓に佇ちこの国潔し 中村草田男
泳ぎ子がをりて五六戸ありにけり 清崎敏郎
泳ぎ子に大和の山は藍を引き 中村汀女
泳ぎ子に橋よりまくは瓜投ぐる 星野立子
泳ぎ子に海桐の照の鉄気なす 岡本眸
泳ぎ子に萩咲きそめぬ山の池 松本たかし
泳ぎ子に遠賀は潮を上げ来り 杉田久女
泳ぎ子に雲影走る山家かな 原石鼎 花影
泳ぎ子のひとり淋しや岩に上り 松本たかし
泳ぎ子のぴかぴか光り岩に上る 松本たかし
泳ぎ子のよれし汐着に立たれけり 大野林火 冬青集 雨夜抄
泳ぎ子の去んだる岩の沈みけり 前田普羅 能登蒼し
泳ぎ子の戻るに雨の渚あり 岡本眸
泳ぎ子の投げかけ衣葛の上 松本たかし
泳ぎ子の百の頭統ぶる慈しみ 鷹羽狩行
泳ぎ子の脱ぎ衣愛の松原に 阿波野青畝
泳ぎ子の葭にかくれしいとしさよ 大野林火 海門 昭和十年
泳ぎ子の衣にかげろふのきてとまる 大野林火 冬雁 昭和二十二年
泳ぎ子や光の中に一人づつ 松本たかし
泳ぎ子や桑の実食うべ口染めし 村山故郷
泳ぎ子や胡瓜かぶりて浪の上 村上鬼城
泳ぎ子よ岸辺翳なす夕餉どき 林翔 和紙
泳ぎ子を守りて大嶺うづくまる 富安風生
泳ぎ子を待つ煮あづきの沸々と 能村登四郎
泳ぎ子を警め通る草刈女 清崎敏郎
泳ぎ子等千曲波だつ一曲に 中村草田男
泳ぎ来し人の熱気とすれ違ふ 能村登四郎
泳ぎ来し父子の肉のかたさちがふ 山口誓子
泳ぎ来し蛇静止して浮きゐたる 右城暮石 一芸
泳ぎ来し詩吟吾家に近づけり 山口誓子
泳ぎ来て一握の砂砂にこぼす 山口誓子
泳ぎ来て憤れるごとき少女の顔 山口誓子
泳ぎ来て掌に裹み食ふ青林檎 山口誓子
泳ぎ来て潜る余部鉄橋を 山口誓子
泳ぎ来て砂の平に逆立つも 山口誓子
泳ぎ来て青き蕃茄を盗みけり 山口誓子
泳ぎ疲れしみじみ白き蹠かな 大野林火早桃 太白集
泳ぎ着き光りつつ岩をよぢのぼる 篠原梵 年々去来の花 中空
泳ぎ着き少年歩く大股に 右城暮石 虻峠
泳ぎ着く子に磧合歓低枝なる 大野林火 飛花集 昭和四十五年
泳ぎ終へし父母と子と身体拭く 山口誓子
泳ぎ終へ幼なき腋を拭きに拭く 山口誓子
泳ぎ習ふ水に眼開くこともならふ 津田清子
泳ぎ見て歯白く洋傘の翳に笑む 山口誓子
泳ぎ負けの濡着童女ら 家鴨の陣 伊丹三樹彦
泳ぎ連るゝとなく泳ぎ出づ海の青しぞ 中川一碧樓
泳ぎ髪梳くこと久し男は待つ 山口誓子
泳ぎ髪濡れてをんなとなりゐたる 山口誓子
泳ぐとて褌緊むるや子等にして 山口誓子
泳ぐべく来て泳がずや乙女客 石塚友二 光塵
泳ぐまで胸をかばひて海を行く 右城暮石 句集外 昭和四十八年
泳ぐものなくなり海の全て見ゆ 山口誓子
泳ぐ亀 丸見え 心もとなくいる 伊丹三樹彦
泳ぐ人あり月の波くだけをり 高浜年尾
泳ぐ人それを見る人氷菓舐め 鈴木真砂女 都鳥
泳ぐ児や口閉め眉目笑み続く 香西照雄 素心
泳ぐ声下に聞こえて川見えず 右城暮石 句集外 昭和五十九年
泳ぐ声畑ゆく牛に名を附けて 飯田龍太
泳ぐ妻子を 眼で追い続けての 微笑 伊丹三樹彦
泳ぐ子と静かな親の森のプール 金子兜太
泳ぐ子に籠れる吾はへだたれり 山口誓子
泳ぐ子等水滴りつ去る椎の蔭 金子兜太
泳ぐ少女髪も流れに従へり 津田清子 礼拝
泳ぐ少年見守る少女夕蜩 草間時彦 中年
泳ぐ意志なき海風に髪逆立つ 右城暮石 句集外 昭和三十年
泳ぐ淋しさ透き透きて徹らざる海に 津田清子 礼拝
泳ぐ漁夫河港の口をよぎりたり 山口誓子
泳ぐ眼に煤つらなりて流れけり 川端茅舎
泳ぐ者二三人のみ余呉の湖 右城暮石 虻峠
泳ぐ身に時計は要らぬ眼鏡要らぬ 津田清子
泳げねば川風さむくゐる葭間 大野林火 海門 昭和八年
泳げば濡れ空われへ真向ける魂一つ 中村草田男
泳のあとすぐ淵の青とりもどす 佐藤鬼房
流勢のなか田蛙の泳ぎ去る 松村蒼石 雁
流燈を舁ぐとカツヲら立泳ぐ 秋元不死男
浜さびし夏もここでは泳がれぬ 山口誓子
浜木綿の夕べ泳ぎ児見えぬなり 臼田亜浪 旅人 抄
浪にあとかたもなし女と泳ぎしが 山口誓子
浮島の母までバタバタ泳ぎさせ 平畑静塔
浮草に河童恐るゝ泳ぎ哉 正岡子規 萍
浮草を押しながら蛭泳ぎをり 高野素十
海に拍手水練学校いま終る 山口誓子
海に楽水練校のかも知れず 山口誓子
海の中淫ら男に泳ぎ着き 山口誓子
海の魚河口に泳ぐ天高し 右城暮石 虻峠
海亀の子供は王子より泳ぐ 阿波野青畝
海割れるかな父泳ぐかな母子の海 高屋窓秋
海開き前の素の海にて泳ぐ 山口誓子
海開まへに泳ぎし青パンツ 百合山羽公 寒雁
淡水のきめにつつまれ立ち泳ぐ 篠原梵 年々去来の花 雨
淡水へはらわた返す泳ぎ去れと 橋閒石 無刻
深海を泳ぎし夢や快なりし 相生垣瓜人 明治草
深淵に亀を泳がせ深い眠り 三橋鷹女
渡り過ぐ雁見むと泳ぐ三田の坂 石塚友二 方寸虚実
港湾ここに腐れトマトと泳ぐ子供 金子兜太
游泳もせずして幾夏過ごしけむ 相生垣瓜人 明治草
游泳やおぼるる水のかんばしき 飯田蛇笏 山廬集
湖を泳ぎ上りし木蔭かな 杉田久女
湾内にいるか泳がす裁きの声 橋閒石 荒栲
満目の藤浪に酔ひ泳ぎをり 能村登四郎
溶岩流れ入りたる海に泳ぎをる 山口誓子
漁に出ず子も泳がせず盆の海 平畑静塔
潮入に何か泳げる彼岸かな 橋閒石 卯
潮蒼く人流れじと泳ぎけり 前田普羅 普羅句集
灌仏の如泳ぎ子の立ち上り 上野泰 佐介
火口湖に泳ぐ摺鉢底おもひ 鷹羽狩行
火口湖に泳ぐ真裸人身御供 鷹羽狩行
火口湖のアダムに泳ぎ着きしイヴ 鷹羽狩行
灰青色の海へ桃投げては泳ぐ 飴山實 おりいぶ
炎帝の下さはやかに蛭泳ぐ 原石鼎 花影
無花果の蔭に泳ぎの水輪寄る 山口誓子
無花果の蔭青々と川泳ぎ 山口誓子
燕の子宙六尺を泳ぎつく 相馬遷子 雪嶺
父に匿れて泳ぐ流れの底冷たし 津田清子 礼拝
独立祭金魚は玻璃を占めて泳ぐ 大野林火 冬雁 昭和二十一年
玄鯨として六月の灣泳ぐ 岡井省二 鯨と犀
瓢を抱て浅瀬に泳ぎ習ふ人 正岡子規 泳ぎ
生みしことついになく縞の魚泳がせ 橋閒石 風景
生存者一人沖より泳ぎ着き 三橋敏雄
田を植ゑてあがるや泳ぎ着きし如 橋本多佳子
病あつく金魚泳がず枕上 飯田蛇笏 白嶽
白日の泳ぎ子墓地をよぎりけり 西島麦南 人音
白浜を海より貰ひ泳ぐ浜 山口誓子
白熊の犬掻そして立泳ぎ 後藤比奈夫
白魚の忙しさうに泳ぎをり 鈴木真砂女 紫木蓮
白魚の身を打ち振りて泳ぐ影 右城暮石 句集外 昭和四十二年
白魚や水へ戻さば泳ぐべし 正岡子規 白魚
白鳥の湖に泳ぎて地に上る 平畑静塔
白鷺を三羽見てまた泳ぎたり 岡井省二 夏炉
百姓の口髭黒く泳ぎけり 山口誓子
百姓の泳ぎて海に見られけり 山口誓子
百姓の泳ぎ百間余に及ぶ 山口誓子
盆すぎの潮のゆるみに婆泳ぐ 能村登四郎
盆休み団扇泳ぎの小*えい見て 百合山羽公 樂土以後
着きてすぐ海へ泳ぎに行く若さ 右城暮石 句集外 昭和三十五年
砂山に泳がぬ妹の日傘見ゆ 日野草城
砂浜のあれば泳げる日本海 右城暮石 句集外 昭和五十一年
神傅流夫の泳ぎは波立たず 及川貞 夕焼
種蒔の種子は尽きたる手の泳ぎ 能村登四郎
空が鏡泳ぎ髪梳きととのふる 津田清子 礼拝
突き落し突き落されて泳ぐ子等 右城暮石 句集外 昭和四十四年
突如牛葎を立てり禁泳区 能村登四郎
突放し突放し椰子の実と泳ぐ 三橋敏雄
窓の風金魚は別に泳ぎ居り 中村汀女
立ち泳ぎ琴座(りらざ)と往き来してゐたり 岡井省二 鯛の鯛
立ち泳ぐ沖の頭をひと知らず 山口誓子
立泳ぎして一湾を私す 鷹羽狩行
立泳ぎして泳ぎくる犬を待つ 鷹羽狩行
立泳ぎ水底の秋おもひつつ 能村登四郎
立泳ぐさまに鳩寄る緑立つ 石田波郷
立泳ぐ頭と盆のもの並ぶ 鷹羽狩行
童は野川に泳ぐ稲の花 清崎敏郎
競泳のときもプールを風駆けり 山口誓子
競泳のとほきひとりに眼離さず 能村登四郎
競泳のどのコースにも驟雨はげし 鷹羽狩行
競泳の個々の飛沫が奏でる音 上田五千石『田園』補遺
競泳の優者を天の闇に告ぐ 山口誓子
競泳の最後の一人飛沫揚ぐ 伊丹三樹彦
競泳の猛者にあひけり夜の町 原石鼎 花影
範泳あざやか行きどころなきプールの波 津田清子 礼拝
縋るもの寄るものなくて海女泳ぐ 山口誓子
美青年泳ぎ来りし脛毛濃し 山口誓子
群として屈伸す屈伸す泳ぎの前 山口誓子
群はなれ泳ぐ誤植の蝌蚪一つ 有馬朗人 知命
群泳に逆行一尾 敗者でなく 伊丹三樹彦
群泳の鰯壁なす人丸忌 上田五千石 天路
老いづまの泳ぐに水着かなしめり 三橋鷹女
老人の静かに泳ぐ椰子がくれ  上野泰
老人も泳ぐ 水牛のしぶき浴び 伊丹三樹彦
老友の古き泳法海に見す 百合山羽公 寒雁
老後とや荒海にして鯛泳ぐ 三橋鷹女
耳立てて泳ぐや沖の声なき声 西東三鬼
肉たるみたる祖父と泳ぎに来し 山口誓子
肉白き泳ぎの父を恥ぢらへり 山口誓子
肩一つ高めて山の娘が泳ぐ 中村草田男
背が紅く生簀の鯛の游泳す 山口誓子
背の溝を深めて戻る夜の泳ぎ 鷹羽狩行
背を出して生簀に泳ぐ囮鮎 右城暮石 虻峠
胸に海享けて入り行く夜の泳ぎ 右城暮石 上下
胸深く入れて水鳥沖泳ぐ 山口青邨
胸肩の波やをとめの泳げずに 山口誓子
能登わらべ乗りて泳ぎて馬冷す 森澄雄
脛毛濃く 泳ぐ 展墓で来た故郷 伊丹三樹彦
船めぐり夕潮泳ぐ船員は 右城暮石 句集外 昭和四十一年
船溜に頬骨白け泳ぐなり 佐藤鬼房
艦の片蔭にて基地の子ら泳ぐ 鷹羽狩行
苔くさい雨に唇泳ぐ挽肉器 赤尾兜子 虚像
若き日のけふを荒浪にも泳ぐ 山口誓子
若布刈女が足泳がする藻の林 藤田湘子 途上
若者ら泳ぎて滝を弄ぶ 津田清子
草刈れば背の子が泳ぐ草の上 香西照雄 対話
草叢や露草泳ぎ花一つ 山口青邨
荒巌に臀食入らせ泳ぎの子 能村登四郎
荒海の泳ぎを見れば隠るゝも 山口誓子
萱草の花の朱湖に人泳ぐ 岡井省二 山色
葉月潮澄み泳ぎ子の声も澄む 松本たかし
葭簀張毀てば水練校はなし 山口誓子
葭雀泳ぎ女の衣嵩もなし 石田波郷
藻が胸にふぐりにあたり泳ぐなり 岡井省二 猩々
藻に深く金魚ほのかに泳ぎけり 尾崎放哉 大学時代
藻の花や人取池に泳ぐ子等 正岡子規 藻の花
蛇の衣泳ぎ杣女の脱ぎしもの 鷹羽狩行
蛇泳ぎ切りて対岸にてひかる 右城暮石 句集外 昭和三十三年
蛇泳ぐすこしも波の立たぬ水 後藤比奈夫
蛇泳ぐ波をひきたる首かな高野素十
蛇泳ぐ葭の繁みに寄らで過ぎ 山口誓子
蛇泳ぐ蘆間の水にどを沈む 高浜年尾
蛙子の風ある方へ泳ぎけり 原石鼎 花影
蛭泳ぐ余呉湖の田螺蜷黒し 右城暮石 天水
蛭泳ぐ曇天遠く爆破音 右城暮石 声と声
蜑の子や並んで泳く八九人 正岡子規 泳ぎ
蜩の湖なす声へ泳ぎ入る 林翔
蝌蚪泳ぐ円光をはやひとつづつ 藤田湘子 てんてん
蟇鳴くとつられて亀の泳ぎけり 藤田湘子 てんてん
血がにじむ手で泳ぎ出た草原 尾崎放哉 須磨寺時代
行商の眼に泳ぐ子の胡麻粒大 伊丹三樹彦
西行忌車の波に杖泳ぐ 百合山羽公 寒雁
訴涼のくらきへ蔓の泳ぎけり 臼田亜浪 旅人 抄
誰か立つ真珠筏に泳ぎ着き 山口誓子
谷川に泳ぎ高きへ帰りゆく 鷹羽狩行
谷川の泳ぎの四肢の見下ろされ 鷹羽狩行
跪坐のわが腋毛を出でて泳ぐ蛭 佐藤鬼房
踊る夜もくろがねの輪の水練児 百合山羽公 寒雁
身体拭くうちに泳ぎの海の暮 山口誓子
逃げし鮎比良山荘の溝泳ぐ 右城暮石 一芸
遂に潜泳の一頭 沐浴河岸 伊丹三樹彦
運河なり泳ぐ顔二つ睨みあふ 加藤秋邨
遠く死がとり巻いてゐる沖泳ぎ 能村登四郎
遠泳のおのれはげます声々よ 能村登四郎
遠泳の先着つきし砲を聞く 上村占魚 鮎
遠泳の天を汚せる船煙 山口誓子
遠泳の子に駈く罐の飴鳴らし 能村登四郎
遠泳の子らにつきそひ救助船 杉田久女
遠泳の帽子に縫へる徽章かな 清崎敏郎
遠泳の薄れざるべき記憶かな 相生垣瓜人 明治草
遠泳の頭の小さきを連ねけり 松崎鉄之介
遠泳やむかひ浪うつ二三段 飯田蛇笏 霊芝
遠泳や青藻かかりし身のけがれ 山口誓子
遠泳や高浪越ゆる一の列 水原秋櫻子 葛飾
遠泳を見てか向日葵沖に向き 鈴木真砂女 夕螢
遠雷や泳ぎ子よりも低き辺に 中村汀女
鄙びたる鏡に泳ぎより帰る 山口誓子
金魚ふと我が回想にふれ泳ぐ 有馬朗人 母国
金魚よく泳げる家を鍵し出づ 中村汀女
金魚泳ぐ聖玻璃に紅頒たれて 鷹羽狩行
釣りし鯖生簀を泳ぐ海の色 右城暮石 句集外 昭和五十二年
鉄橋の下を泳ぎて疲れたり 鷹羽狩行
鉄管へ泳ぎし髪の潮しぼる 秋元不死男
鎌の刃の研斑ひかる川泳ぎ 飯島晴子
長兄と泳がで帰る女童と 山口誓子
陸を眼の前に遠泳折り返す 右城暮石 上下
隊伍来しときのごとくに泳ぎの徒 山口誓子
雨の日の隠れ泳ぎや魚になれ 佐藤鬼房
雲を背に立つ母の辺へ泳ぎつきぬ 中村草田男
雲白く遠泳の母なくならず 平畑静塔
露の夜や出湯に泳ぐ痩父子 石田波郷
青嶺聳つふるさとの川背で泳ぐ 大野林火 潺潺集 昭和四十年
青年のごとく身ほてる泳ぎし後 能村登四郎
頤に雫し泳ぎ冷えし子上りけり 原石鼎 花影
頬ずりの冷たさ泳ぎより戻り 鷹羽狩行
風みちにはなびら泳ぐ花菖蒲 上田五千石『森林』補遺
風吹けり子ら泳ぎいづ淵のうへ 高屋窓秋
風邪見舞のみなよく泳ぐ金魚かな 渡邊水巴 白日
飢ゑでもなし暗夜に泳ぐ*ささげ手 佐藤鬼房
首ひとつ据ゑて泳いでゐるらしく 石田勝彦 秋興以後
首振つて穀象泳ぐ合の米 小林康治 四季貧窮
馳けくだる家の真下に泳ぎの川 右城暮石 句集外 昭和三十五年
駅と駅の中間海に一人泳ぐ 右城暮石 声と声
高原の湖にして泳ぐ子等 高浜年尾
高麗の子の泳ぐ高麗川高麗郡 山口青邨
鬼燈のあからむ頃もひと泳ぐ 山口誓子
鮠に石擲ちゐしが又泳ぐ 木村蕪城 一位
鯉の子の束ね泳ぎの涼しさよ 鷹羽狩行
鯉幟泳ぎては波の秀とそろひ 山口青邨
鯉幟王氏の窓に泳ぎ連れ 西東三鬼
鯛泳ぐとも炎天の彩褪せず 原裕 葦牙
鯰泳ぐや何を言ふとも聞えねば 永田耕衣
鰓そろへ*うぐい泳げり丹生大師 岡井省二 鯛の鯛
鱒泳ぎ出て早春の日をぱくり 細見綾子
鳰の子のおくるるに親泳ぎ寄り 中村汀女
鳰の子の泳ぎぞめする濁りかな 正岡子規 鳰の子
鳰一つ首をふりふり泳げるよ 清崎敏郎
鴉群れる干潟へ泳ぎ抜く少女 金子兜太
鴨の子の泳ぎぞめする濁り哉 正岡子規 子鴨
麩によらで鯉泳ぎ去る蓮の昼 正岡子規 蓮
黄濁を見ざれど泳ぐ海ならじ 山口誓子
黒頭浮かべ泳げる漁港かな 右城暮石 虻峠

以上
by 575fudemakase | 2016-08-21 16:50 | 夏の季語 | Trackback | Comments(0)
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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