生身魂

生身魂 

あかときの柴を刈る報謝蓮飯に 赤松子
あの山の向うは知らず生身魂 木内怜子
ある時はありのすさみや蓮の飯 調和 選集「板東太郎」
うき我に誰々まつる生身魂 加舎白雄
うつし絵の父娘みめよき生身魂 石橋秀野
おいぼれにあらず吾こそ生御魂 草間時彦
お迎へが来ぬとうそぶく生身魂 小原紫光 『めくら縞』
かけ違ふ服のボタンよ生身魂 菊池輝子
くらがりに藻の匂ひして生身魂 中村苑子
じっくりと聞く耳持てり生身魂 高澤良一 暮津
すぐそこに飼葉桶あり生身魂 佛原明澄
それぞれに妻子を持てり生身魂 平井照敏 天上大風
だうしてかよく蚊に喰はると生身魂 高澤良一 暮津
どぜういんげんこまめに摘んで生身魂 高澤良一 ねずみのこまくら
にぎやかなこと好き暮の生御魂 茨木和生 往馬
にぎやかに死後の話を生身魂 細川知子
はらからは女ばかりや生身魂 田中柏文
ひらき食し食して蓮飯葉をたたむ 皆吉爽雨 泉声
ふところに沼風入れて生身魂 今井杏太郎
へうと水のみに起ちたる生身魂 高澤良一 寒暑
また命鯖そへけりな蓮の飯 信徳
まだまだと稲を刈らせず生身魂 東出ひろ
みどり子に竹筒負せて生身魂 炭 太祇 太祇句選
みどり子に竹筒負はせて生身魂 太祇
もろこしの一束茹でし生身魂 鈴木太郎
をんじきとはいせつをこそ生身魂 岩城 久治
ネーム入り傘を貸し呉れ生身魂 高澤良一 暮津
ピタゴラスの定理すらすら生身魂 上原瑞子 『燈台草』
一寸づゝおかずに手をつけ生身魂 高澤良一 暮津
一箸に満ちたまひけり生身魂 細川加賀 生身魂
一言も挟まず聞けり生身魂 高澤良一 暮津
一言も言はぬ貫禄生身魂 八木くに
三人の娘かしづく生身魂 稲畑汀子
世に活きて腹こやしけり蓮の飯 月居
亡き母のものがたりして生身魂 阿波野青畝
今もまだ本気で叱る生身魂 池田綾子
今年また祝はれてゐる生身魂 岡安仁義
今朝の雨知らぬと云へる生身魂 岩田由美 夏安
佐久の鯉添へて蓮飯届けらる 久保方子
何ごとも呵々大笑の生身魂 岡本輝久
健啖を褒められてゐる生身魂 山田弘子
八十のあとは忘れし生身魂 日下部宵三
出迎への手を握り合ふ生身魂 工藤 貞
割箸に紅生姜あと生身魂 鷹羽狩行
古里にふたりそろひて生身魂 阿波野青畝(1899-1992)
合掌をもて人迎へ生身魂 谷口小糸
団扇もて人に指図や生身魂 岩田由美 夏安
囲まれて聞こし召しゐる生身魂 岡村須恵男
塩魚の塩こぼれけり蓮の飯 白雄
声かけて二階に在す生身魂 毛利令
天界に遊ぶ座睡を生身魂 高澤良一 暮津
奥の間に声おとろへず生身魂 鷲谷七菜子
姿見の奥に映れる蓮の飯 松本澄江
婉転とみやこことばを生御魂 茨木和生 倭
孫の名を呼び違へたり生身魂 広満ヒサヱ
宛転と都ことばを生御魂 茨木和生 倭
寅さんの映画に行けり生身魂 蟇目良雨
対の箸まあたらしくて生身魂 若井新一
小盃うけてまはすや生身魂 成美
岩魚酒回して飲めり生身魂 長村雄作
年ごとに飲む水うまし生身魂 田中裕明 先生から手紙
年寄りて信心かたし生身魂 飯田蛇笏 山廬集
座したまゝ睡りに落ちる生身魂(座睡といふ語ありて) 高澤良一 暮津
座りたる膝の薄さや生身魂 島津貴美子
座睡して楽土に遊ぶ生身魂 高澤良一 暮津
弟が本家を継ぎし生身魂 小林一行
怪物という名をもらい生身魂 富田潮児
捨て湯して今日が始まる生身魂 高澤良一 暮津
方言にもつたいをつけ生身魂 木場田秀俊
方言の身振り大きく生身魂 小玉真佐子
日がくれて踊りに出たり生身玉 踊 正岡子規
松の葉につつむ心を蓮の飯 支考
正座して月を見るふり生身魂 百瀬ひろし
死ぬといふ嘘を重ねて生身魂 石垣幸子
母の顔知らぬまま老い生身魂 矢野たけし
水かけし草木の色や生身魂 山本洋子
水槽の窓を訪ふ鯤生身魂 竹中宏 饕餮
水面の雨粒まろし生身魂 山口昭男
海人の家ふどしひとつの生身魂 角川春樹
涼風に蓮の飯喰ふ別かな 中村史邦
涼風に蓮の飯喰ふ別れかな 史邦 俳諧撰集「藤の実」
燈籠にならでめでたし生身魂 支考
爐灰かく白き腕みせ生身魂 如月真菜
父縁にうすきわれかも生身魂 松尾 立石
猫の鈴つけかへてゐし生身魂 大木あまり 雲の塔
玻璃戸の玻璃も風霜経たり生身魂 中村草田男
瓜畑に水気失せたる生身魂 森 澄雄
生国は波の上にと生御魂 橋本榮治 逆旅
生御魂われを指さしひゃあと言ふ 辻 男行
生御魂縄文杉を称へけり 石河義介
生御魂餅肌つつむ餡の玉 成田千空 地霊
生盆やわあわあ囲む涎姫 伊藤希眸
生盆や京の菓子提げ子の来る 須原正子
生盆や実の乳の木のなりどころ 岡井省二
生盆や扇ケ谷に母ひとり 宮下翠舟
生盆や竹林幹を打ち合へる 岩田 諒
生盆や縞黒檀の対の箸 吉田紫乃
生盆や隠口(こもりく)村のかくれ川 角川源義
生盆や隠口村のかくれ川 角川源義 『秋燕』
生身玉やがて我等も菰の上 一茶
生身玉其又親も達者なり 生見玉 正岡子規
生身魂いきいき宣ふ独り言 高澤良一 寒暑
生身魂いきいき独り言をいふ 高澤良一 寒暑
生身魂いよよ小さくあどけなく 高橋千恵子
生身魂おん眉落しまゐらする 磯部杳坡
生身魂きざす涙を笑ひ草 阿波野青畝
生身魂けぶらふごとき起居かな 木村敏子
生身魂こころしづかに端居かな 阿波野青畝
生身魂こゝろしづかに端居かな 阿波野青畝
生身魂しづかに盲ひたまひけり 岩村牙童
生身魂しらばつくれておはしけり 黛執
生身魂すずしく箸を使ひけり 秋山幹生
生身魂だうした訳からっきょ好き 高澤良一 暮津
生身魂ちちははの父忘れがち 肥田埜勝美
生身魂ちちはははもう在らねども 宇咲冬男
生身魂ちゝはゝいますごときかな 川端茅舎
生身魂とてひとの手は借りませぬ 林昌華
生身魂とは人ごとでなかりしよ 能村登四郎
生身魂などと呼ばれてなるものか 中尾杏子
生身魂ならび皺より笑み給ふ 瀧澤伊代次
生身魂のどに飴ある声を出す 中戸川朝人
生身魂ひとに好き顔して見する 杉山瑞恵
生身魂ひよこひよこ歩み給ひけり 細川加賀
生身魂ほほゑむ姉となりにけり 鈴木公二
生身魂まづ酔ひ給ふ昼の酒 瀧澤伊代次
生身魂ようこそ柱の見えぬ家 二村典子
生身魂わが影薄くなりにけり 京極杞陽
生身魂われを指さしひやあと言ふ 辻 男行
生身魂テレビをテレヴィと書く世代 高澤良一 寒暑
生身魂ルーペ当てがひ新聞読む 高澤良一 暮津
生身魂七十と申し達者也 生見玉 正岡子規
生身魂何出て来てもマヨネーズ 高澤良一 暮津
生身魂信夫郡は父が国 村松 堅
生身魂兄弟齢をとりにけり 成瀬櫻桃子
生身魂八十路の母へ妻逢ひに 近藤一鴻
生身魂前のはだけしこと知らず 中戸川朝人 尋声
生身魂好き嫌ひなく膳のもの 高澤良一 暮津
生身魂妙高紺を全うす 大峯あきら 鳥道
生身魂寡婦となる身の親不孝 鈴木須美枝
生身魂小さく存し給ふかな 門野知影
生身魂引つ込めておく手足かな 飯島晴子
生身魂思ひつづれぬ影のあり 吉武月二郎句集
生身魂我は芋にてまつられん 正岡子規
生身魂我は芋にて祭られん 生見玉 正岡子規
生身魂戞々と靴ならし来て 田中裕明 先生から手紙
生身魂日向あるいてきたりけり 木下野生
生身魂日日好日と申すべし 山縣輝夫
生身魂昼湯のあとの酒五勺 板谷芳浄
生身魂海より鯛のとどきけり 松本ヤチヨ
生身魂海老の尻尾は残しけり 伊奈冬花
生身魂生くる大儀を洩らさるる 大橋敦子
生身魂生涯言はぬこと一つ 鈴木真砂女
生身魂畳を擦りて小用に 高澤良一 暮津
生身魂痩せてとほりし中学生 田中裕明 花間一壺
生身魂白蚊帳にとく寝ねたまふ 下田稔
生身魂真白の髪を切りそろへ 山下道子
生身魂祖母の乳房を見てしまふ 松山足羽
生身魂縄文杉を称へけり 石河義介
生身魂老斑つねの静けさに 水口郁子
生身魂袱紗さばきの衰へず 三木夏雄
生身魂蹠ふませてゐたまへり 清川とみ子
生身魂達者なものよ卵焼く 高澤良一 暮津
生身魂酔ひて泣く癖ありにけり 清水基吉
生身魂野菜サラダに目の無くて 高澤良一 暮津
生身魂錠剤一粒掌より逃げ 堤高嶺
生身魂門辺の夕日浴びにけり 八木林之介 青霞集
生身魂雨あし長き日本海 大峯あきら
生身魂雨沛然と来りけり 岸 風三楼
生身魂雨脚ながき日本海 大峯あきら
生身魂青蚊帳ぐるみ透きたまふ 眞鍋呉夫
生身魂靴下なんどはき給ひ 藤田あけ烏 赤松
生身魂髭剃られつつ眠りたり 松川洋酔
田回りに背広着てゆく生身魂 武田伸一
白桃の汁したたらし生身魂 有山八洲彦
百年の皺のかんばせ生身魂 稲松錦江
目と耳のほか健やかや生身魂 広谷春彦
眼の端の笑つてをりぬ生身魂 石嶌岳
笑みて座すことも千金生身魂 堀内咲子
笹漬の小鯛酢にせよ生身魂 飴山實 『次の花』
紅うすく刷いて酒酌む生身魂 葛西節子
経本の糸のほつれや生身魂 江見甦虹
耳しいとなられ佳き顔生身魂 鈴木寿美子
耳遠くして健啖や生身魂 藤松遊子
舶来の香水匂ふ生身魂 長崎玲子
色白におはする母や生身魂 野村喜舟
芋粥をあつしあつしと生身魂 原 裕
花切手鳥切手嘗め生身魂 攝津幸彦 鹿々集
花柄のパジャマの似合ふ生身魂 裏木里美
草の香にうもれしこども生身魂 田中裕明 櫻姫譚
蓮の飯やあまりさびしき供へ物 大場白水郎 散木集
蓮の飯大器なる葉より食す 皆吉爽雨 泉声
蓮飯に母の削りし蓬箸 横田 和
蓮飯の箸のはこびの葉を破る 皆吉爽雨 泉声
蓮飯やあまりさびしき供へ物 大場白水郎
蓮飯や海の明るさ暗さいふ 宇佐美魚目
蓮飯や白き器も仏の日 龍胆 長谷川かな女
蓮飯や鴉のつつく無縁墓地 永沼弥生
裏木曽の豆田を守りて生身魂 松井慶太郎
酒舐めて睡くなりたる生身魂 宝栄将崇
雀らもせうばんしたり蓮の飯 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
離室より今日は出たまひ生身魂 亀井糸游
雨降れば雨を拝みて生身魂 如月真菜
電灯をこまめに消せり生御魂 茨木和生 丹生
飯支度お手のものなる生身魂 高澤良一 暮津

以上
by 575fudemakase | 2016-08-31 13:39 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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