葛 の俳句

葛 の俳句

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葛 補遺

*かがひ跡たづねて行くや葛新し(筑波山) 細見綾子
「日の多き」人よ片岡に葛茂り 金子兜太
「有(した)しむ無」く岸にずらずら葛きずた 金子兜太
あな白し露葛の葉のうらがへり 川端茅舎
あの男真葛薙ぎゐて親不知 阿波野青畝
あるときはしるき温泉けぶり葛の雨 阿波野青畝
うごめいてゐて葛掘りの影となる 鷲谷七菜子 游影
うらがへる葛の葉飛騨も灼けそめぬ 大野林火 白幡南町 昭和二十九年
うらみ葛の葉風怨みつゝ谿白め 能村登四郎
うら返す葛の葉亂り心地なる 正岡子規 葛
かくれゆく旅のごとしや葛の谿 能村登四郎
かずかぎりなき葛の葉のうらがるる 上村占魚
かたつむり露の葛の葉食ひ穿ち 川端茅舎
きぬぎぬや明け易き夜を葛の風 正岡子規 明け易し
けふあすは誰も死なない真葛原 飯島晴子
こぼす露こぼさぬ露や萩と葛 正岡子規 露
さびしさと葛の裏葉のながれ寄る 能村登四郎
しがらめし葛に砂利あげ堰づくり 木村蕪城 寒泉
しばしだにゐず青葛の海の岸 山口誓子
しらつゆやすゝきにからむ葛かづら 西島麦南 人音
その花野葛の茂みにはじまりて 能村登四郎
てのひらに載る来し方は葛隠れ 斎藤玄 狩眼
なだれくる真葛を堰けり雪崩止 能村登四郎
なほ遠き葛の靡きに凭りにけり 斎藤玄 雁道
はひまとぶ葛にはげしき夕立かな 山口青邨
ふるさとや葛の風さへ荒々し 鈴木真砂女 夏帯
まぎれなき風の往来や葛かづら 岸田稚魚 筍流し
トンネルをぬけてトンネル葛の雨 右城暮石 句集外 昭和五十六年
一尾根に日向が逃げて葛しぐれ 上田五千石 琥珀
三伏の堰づくろひの真葛刈る 木村蕪城 寒泉
三月や枯蔓なかの葛一条 松村蒼石 雪
三段に滝落ち葛の葉をくぐり 大野林火 冬雁 昭和二十二年
不退寺のさればやここに真葛 森澄雄
乙女眠りがたく青葛土を這ふ 飯島晴子
乱も夢も葛と*きづたの河上る 金子兜太
乳をやり女はたのし葛の雨 山口青邨
人の居て葛の葉ゆれぬ木下闇 前田普羅 普羅句集
仔馬ゐる葛の葉ずれの音きこゆ 相生垣瓜人 微茫集
伊豆を辞す葛の葉繁る海の駅 山口誓子
俳諧の葛一袋夏見舞 高野素十
全山の葛のしじまの破れざる 松本たかし
兵の墓高く新し葛の崖 右城暮石 句集外 昭和三十二年
円匙・鶴嘴泉辺の葛無慙なり 能村登四郎
冬山に住んで葛の根搗きにけり 村上鬼城
切岸を真葛ぞ被う流離なる 金子兜太
初月に京女をつれて真葛原 飯田蛇笏 椿花集
初潮や岬を越ゆる葛の道 水原秋櫻子 磐梯
北上川うねりどころの葛尾花 能村登四郎
十津川のみなもと瀧ぞ葛を打つ 水原秋櫻子 旅愁
南瓜蔓伸び重なれり葛の上 右城暮石 句集外 昭和五十九年
口すゝぐ天の真名井は葛がくれ 杉田久女
口に出て嬬恋村や葛嵐 岸田稚魚
同し秋高低に成て萩と葛 正岡子規 萩
吹かるるごと僧の下りくる葛の山 鷲谷七菜子 游影
吹かれては山女を散す葛のひげ 飴山實 辛酉小雪
唖の子の唖々と佇つなり葛嵐 石田波郷
国道の歩橋を葛の渡りかけ 山口誓子
地獄谷へと葛の葉の総なだれ 鷹羽狩行
城砦綴りし葛の冬もみぢ 能村登四郎
墓掘りに風立つてきし真葛原 鷲谷七菜子 游影
壊え仏愛染と見し葛嵐 能村登四郎
夏山の葛風たゆるときのあり 飯田蛇笏 山廬集
夕月夜島山葛をうち纒ひ 松本たかし
夕立や葛屋の声の消えて行く 正岡子規 夕立
夜の葛人のぬくみのふつと過ぎ 岸田稚魚
夜を待てずして銀の月 真葛原 伊丹三樹彦
大いなる葛のくぼみのままの谿 阿波野青畝
大土手の葛のあらしのうねづたひ 山口青邨
大斜面役の行者の葛黄ばむ 右城暮石 上下
奈良坂の葛狂ほしき野分かな 阿波野青畝
奥多摩や電線に葛上りつめ 細見綾子
奥木曽村顔あげて過ぐ雨の葛 岸田稚魚
奥木曾村顔あげて過ぐ雨の葛 岸田稚魚 筍流し
妻つれて幾葛原をみちのく 山口青邨
妻病めば葛たぐるごと過去たぐる 能村登四郎
姥捨の絶壁の葛刈る男 山口青邨
安房の海や海女の胸うつ葛嵐 石田波郷
家ふかき蜑の呟き葛野分 能村登四郎
小座蒲団茶店に冷えし葛峠 桂信子 花影
少年の死地や真葛も紅・むらさき 能村登四郎
山墓の葛は地を這ふ別れかな 古舘曹人 樹下石上
山川の出水一綾の葛ひたし 山口青邨
山月や葛ともまがふ山葡萄 水原秋櫻子 緑雲
山荘やわが来て葛に夜々燈す 橋本多佳子
山葛の風に動きて旅淋し 正岡子規 葛
山裾に葛刈る姥よやすみやすみ 松本たかし
山風を怖るゝや葛の秋 原石鼎 花影
岩に置く魚籠にもしぶき葛の雨 飯田龍太
岩壁に足場探れば葛あらし 上田五千石『琥珀』補遺
峠路の秋はまだきの葛の風 松本たかし
島山の葛の夕凪来りけり 松本たかし
崖下りて葛の葉吾を迎へたり 山口誓子
崖覆ふ葛突きぬけて芒の穂 右城暮石 句集外 昭和六十二年
川音に融けこんで寝て葛の秋 石塚友二 玉縄以後
師の病みて風立ちづめの真葛原 鷲谷七菜子 天鼓
引かれたる葛蔓一つ現はるゝ 高野素十
弥生ケ丘真葛が原となり枯るる 山口青邨
弱き妻ひとりおくれぬ葛の径 草間時彦 中年
後れじとへくそ葛の黄ばみたり 右城暮石 天水
後山に葛刈り入りし葛さわぐ 能村登四郎
後山に葛引きあそぶ五月晴 飯田蛇笏 椿花集
後続の者生かされて 真葛原 伊丹三樹彦
心はや葛の露散るかなたかな 齋藤玄 飛雪
忘れめや実葛の丘の榻二つ 杉田久女
手にあそぶ一葉の先は葛嵐 林翔
挽臼にとりつく母娘葛の宿 富安風生
文に師の下痢の酒断ち葛茂る 石川桂郎 高蘆
断崖に葛の瓔珞竹生島 右城暮石 句集外 昭和四十五年
断崖の葛瓔珞を垂らしたり 右城暮石 句集外 昭和五十一年
新道路通じて葛をはびこらす 右城暮石 句集外 昭和五十九年
施療の日野葛の谷にノロを逐ふ 佐藤鬼房
旅の時間剰りさまよふ葛の駅 能村登四郎
旅人に行きそふ駄馬や葛の秋 飯田蛇笏 山廬集
旅人の腰かけ話葛の雨 木村蕪城 寒泉
日と月と憂心照臨葛の丘 金子兜太
暁けるより葛の葉がくれ燈籠泛く 飯田蛇笏 春蘭
暁や栗毛駆けぬく葛が露 齋藤玄 飛雪
曉けるより葛の葉がくれ燈籠泛く 飯田蛇笏 心像
月出でて山すさまじき葛の枯れ 能村登四郎
月山は椎の森かも葛黄葉 山口青邨
木曾谷の水晴れてをり真葛 森澄雄
木落し坂覗く危ふさ葛の蔓 能村登四郎
末枯れのさまにも葛の嵐かな 岸田稚魚 紅葉山
杣が頬に触るゝ真葛や雲の峰 原石鼎 花影
東京の谷間人住み葛かかり 山口青邨
根津に落つ本郷抜けし葛嵐 松崎鉄之介
気多までの古き宮路や真葛生ひ 能村登四郎
水澄みて緑の葛を垂らすなり 廣瀬直人
汐さして葛撫子の勢ひけり 前田普羅 能登蒼し
沸々の湯を得て葛は透きとほる 藤田湘子
泳ぎ子の投げかけ衣葛の上 松本たかし
洗ひ牛葛真つ青に昏れはじむ 石田波郷
深葛に聳景隈なくまろみたり 中村草田男
渓の湯に葛ながれ身も流さるゝ 能村登四郎
渓流へ葛蔓つかみ降りゆけり(黒部峡) 細見綾子
温泉客輓く老馬しきりに葛を欲る 飯田蛇笏 白嶽
湧き上る湯玉の瑠璃や葛の雨 杉田久女
湯の宿に鉄管あまた葛の蔓 百合山羽公 寒雁
滝不動真葛ごもりに守りけり 阿波野青畝
濁流を三つにわかち葛の雨 阿波野青畝
火の山の川すぐ濁り葛の雨 福田蓼汀 秋風挽歌
炊餐の昼餉の煙葛の谷 高野素十
片山に日あたり真葛嵐かな 石塚友二 光塵
牛頭没し葛の葉太く裏返り 川端茅舎
猪垣の網目を密に枯れ葛 能村登四郎
玉巻く葛碑ばかり日が当る 山田みづえ 手甲
玉巻の葛や裏葉のちなみもまだ 正岡子規 玉巻く葛
甘酒の薄かりし葛黄葉かな 清崎敏郎
男川に男の湍ち葛揺るる 能村登四郎
白といへば白と思へや葛裏葉 能村登四郎
白樺を葛からまんとしてゐたり 廣瀬直人 帰路
白眉を吹かるるひとに真葛原 鷲谷七菜子 游影
白砂に消え入る葛の走り水 加藤秋邨
白葛のたとへば遠くあるごとし 渡邊白泉
相寄りて葛の雨きく傘ふれし 杉田久女
真葛原ゆらゆら母の胎内も 廣瀬直人
真葛巻く巻きに巻く全容夏終る 金子兜太
真葛野に晴曇繁し音もなく 金子兜太
眼球の傷つくほどや葛茂る 波多野爽波
石棺を呼び醒ます日か葛に照り 廣瀬直人 帰路
石灰ふれり葛たるゝ崖の真上より 能村登四郎
石階を瀬音にくだる葛ありし 上田五千石『田園』補遺
磐石や二葉の葛のはひそむる 富安風生
秋暑く葛の葉がくり荒瀬澄む 飯田蛇笏 雪峡
秋郊の葛の葉といふちさき駅 川端茅舎
秋雨や葛這ひ出でし神の庭 前田普羅 普羅句集
空濠を真葛が蔽ふ梅雨最中 小林康治 玄霜
窈窕と人の露ふむ真葛原 飯田蛇笏 椿花集
篠原の葛原と葛匐ひわたり 山口誓子
細りつつなほも真直に葛の雨 石塚友二 磊[カイ]集
細径を崖に失ふ葛あらし 上田五千石『田園』補遺
群がれる葛の葉どつと眼に入る 山口誓子
羽博つごとし荒瀬にたれし葛の蔓 能村登四郎
舟をのぼると葛の葉の暑い日の日かげるころ 荻原井泉水
若竹の穂まで葛の葉匐ひ渡る 山口誓子
萩ゆられ葛ひるかへる夕かな 正岡子規 萩
葛からむ高き合歓の木見上げもし(慈光寺) 細見綾子
葛しげり季節がここに充ちてゐる(布引山を下る) 細見綾子
葛しげり電柱にまで及びけり 星野立子
葛しげる渓の水汲み善丁(ぜんちょ)たち 能村登四郎
葛しげる霧のいづこぞ然別 水原秋櫻子 晩華
葛すゝき烽火の山を邸とせり 山口誓子
葛その他草刈り負ひて若きはよし 相馬遷子 雪嶺
葛のため更に低頭今年竹 山口誓子
葛の中人を見すごす峠神 森澄雄
葛の山囲みて入江暗きところ 松本たかし
葛の葉が全山全樹覆ひたる 山口誓子
葛の葉と淵と風そふぎんのいろ 高屋窓秋
葛の葉に働く汗をふりこぼす 富安風生
葛の葉に農夫一代の鍬を拭き 能村登四郎
葛の葉に音して過ぎし夕立かな 森澄雄
葛の葉のところ~に夏草に 高野素十
葛の葉の一枚枯れて黄なりけり 山口青邨
葛の葉の何に驚く夕まくれ 正岡子規 葛
葛の葉の昼の裏見や親子牛 中村草田男
葛の葉の裏目にいでし思ひごと 能村登四郎
葛の葉の雨と思ひて一夜寝ぬ 山口青邨
葛の葉や何に驚く夕まぐれ 正岡子規 葛
葛の葉や沼尻の風ほとびをり 小林康治 玄霜
葛の葉や滝のとどろく岩がくり 飯田蛇笏 山廬集
葛の葉や翻るとき音もなし 前田普羅 普羅句集
葛の葉をたよりに露の降りはじむ 能村登四郎
葛の葉をふみ返したる別哉 正岡子規 葛
葛の葉を傳ふて松の雫哉 正岡子規 葛
葛の葉を敷いてたのしや夕立小屋 山口青邨
葛の葉茂る漠漠と少女も熟るる 金子兜太
葛の蔓とあそびてさびし馬の鼻 能村登四郎
葛の蔓ひけば手強き城址かな 百合山羽公 樂土
葛の蔓触れて踊れる出水川 右城暮石 句集外 昭和六十年
葛の蔓隔たる棚に渡らむと 富安風生
葛の谷いくつ吉野の山幾重 鷹羽狩行
葛の谷行けばだんだん家貧し 松本たかし
葛の豆たぐり寄せなど大山道 細見綾子
葛の雨鶴溜駅しぶきけり 石田波郷
葛の風三なび夜明けの眼をひらく 飯田龍太
葛はひて黄葉す隠れ耶蘇の墓 山口青邨
葛ひるがへる入鹿の野蝦夷の山 廣瀬直人 帰路
葛もみぢ磧も水にいたみたる 飴山實 次の花
葛も暑し提督ねむる砲身墓 小林康治 玄霜
葛を吹くへくそかづらを吹きし風 後藤夜半 底紅
葛を摶つ雨や小諸を去らむとす 石田波郷
葛を煮て衣となす女を恋いけらし 金子兜太
葛刈つて大禅定尼の墓の径 山口青邨
葛刈りてなまなまし工夫宿舎建つ 能村登四郎
葛原の一葉黄葉し雨上る 山口青邨
葛原の神や留守なる八重葎 高野素十
葛原や一夜の霜の葉を焦す 石川桂郎 四温
葛吹くや泥沼てふも去りがたき 齋藤玄 飛雪
葛垂るるままに静まる年用意 廣瀬直人
葛垂るる胸算用をたたみ出づ 石田波郷
葛垂れていたみはげしき大構 木村蕪城 寒泉
葛垂れて忿怒明王とも見えず 佐藤鬼房
葛垂れて日あたる漣の水すまし 飯田蛇笏 霊芝
葛太し小峠もとは塩の道 百合山羽公 樂土以後
葛山の 西に東に 死者の友 伊丹三樹彦
葛山を占むる晩夏の汽車の笛 大野林火 青水輪 昭和二十三年
葛山を嵐のいづる踊かな 飴山實 花浴び
葛嵐一山白うなりにけり 阿波野青畝
葛嵐恋はあらそふものと知れ 鷹羽狩行
葛嵐芋煮峠を白め過ぐ 能村登四郎
葛嵐隠亡の火を吹き起す 岸田稚魚 筍流し
葛折り 薪負う限りは地を睨み 伊丹三樹彦
葛掘りし家のほとりや山の月 原石鼎 花影
葛掘るは昨夜の歌舞伎の忠信か 上田五千石『琥珀』補遺
葛掘れば荒宅まぼろしの中にあり 赤尾兜子 歳華集
葛揺れて合掌部落が落す水 能村登四郎
葛村の茂平次寄進露の磴 飴山實
葛根掘る隠国に雲こもるかな 松崎鉄之介
葛桶に薄ら氷ゆらぐ宇陀にをり 能村登四郎
葛桶三つあるばかり爽なり 能村登四郎
葛橋二十重の葛の梅雨じめり 能村登四郎
葛滴り歪みリヤカーよく働く 能村登四郎
葛畳奈落を秘めしまま峠 阿波野青畝
葛繁る家に時報の余韻なほ 山口誓子
葛纏ける牧山はわが魔鬼の領 佐藤鬼房
葛若葉京みゆる方に蔓を伸ぶ 能村登四郎
葛茂り谷埋め若き妻隠す 金子兜太
葛蔓のたくましかりし花野かな 細見綾子
葛蔓を割くな蝮が寄りくるぞ 高野素十
葛見るは息ととのふるてだてかな 岸田稚魚 筍流し
葛谷に風の往来や厄日過ぎ 岸田稚魚
葛野萩薬餌提げ来て通ひ妻 石川桂郎 含羞
葛錆びて毛ばだちし豆こぞりつく 細見綾子
葛顔の句誰木枯しが灯を強め 細見綾子
葛黄ばむ崖あり朝の海を容れ 佐藤鬼房
葛黄葉あはれ一枚のみどり葉を 山口青邨
蔓切りし植林の葛匂ひ立つ 右城暮石 虻峠
薙がれゐてちぢれ乾きの裏葉葛 能村登四郎
藤棚はかく葛棚はかく枯るゝ 高野素十
藪深き美男葛や初日影 山口青邨
虫の夜の更けては葛の吹きかへす 飯田蛇笏 霊芝
蚋痒し葛の蔓先からみ合ひ 右城暮石 句集外 昭和五十四年
蝦夷塚はまどか真葛のはひまとひ 山口青邨
螢葛たぐりて余る師恩縷々 能村登四郎
蟲喰の穴ひとつなし真葛原 三橋敏雄
街寄りにいまも傾く真葛原 岡井省二 有時
西行碑真葛ヶ原に灼け給ふ 亭午 星野麥丘人
誰か見し時のみ盆の真葛原 斎藤玄 雁道
谷となり丘となり葛茂り合ひ 星野立子
谷も狭に真葛掩へり勿来路 能村登四郎
谷深に鬼無里口とや葛がくれ 富安風生
負梯子葛ひとすぢを搦ませて 能村登四郎
踊りの夜川に這ひでて葛の蔓(富山県、八尾風の盆三句) 細見綾子
迢空の葛踏みしだく砂熱し 山田みづえ まるめろ
遊び舟しばし真葛に維ぎけり 前田普羅 能登蒼し
道伸びて追分宿の真葛かな 星野麥丘人
遠葛のささやき膝に子の眠り 林翔 和紙
邯鄲やしばし葛吹く御師の門 水原秋櫻子 殉教
邯鄲や風の葉音は葛ばかり 水原秋櫻子 殉教
邯鄲をとる灯の葛を染めにけり 水原秋櫻子 殉教
都呂々浜にて降りし女や葛嵐 岸田稚魚
里雲雀葛上葛下暮れにけり 阿波野青畝
野となりて秋も真葛も流れけり 斎藤玄 雁道
野石菖葛ひろごれば隠れむに 能村登四郎
門の葛庭の鶏頭広大会 高野素十
陀羅尼助含めば夜目に真葛が原 佐藤鬼房
陶土の紺筒袖に葛葉裏(福原達朗氏窯) 細見綾子
雨雲とびしよぬれの葛相迫り 阿波野青畝
雪国に葛の玉巻く夏は来ぬ 高野素十
雷遠く雲照る樺に葛さけり 飯田蛇笏 山響集
電柱に葛辿り着き盆来る 百合山羽公 寒雁
霜はまづ襤褸の葛の葉に降れり 能村登四郎
霧の葛一葉二葉とひるがへる 佐藤鬼房
霧罩めて日のさしそめし葛かな 飯田蛇笏 霊芝
露けしや真葛がもとの蝉塚は 小林康治 玄霜
露の葛風一面に丘を越え 川端茅舎
露涼し鎌にかけたる葛の蔓 飯田蛇笏 霊芝
青葛の山隧道の口が開く 山口誓子
音重なりてかさなりて葛の雨 鷲谷七菜子 一盞
風強し眞葛か原の師走哉 正岡子規 師走
風邪ひいて葛ねつて喰ふ初冬かな 細見綾子
風雲の垂れて枯れざる葛もなし 水原秋櫻子 殉教
首塚の葛の葉引けば山動く 古舘曹人 砂の音
馬追にラムプの低き葛家哉 正岡子規 馬追
高原療舎見ゆるや葛のきりぎりす 水原秋櫻子 残鐘
高浪の葛に必死のみどりかな 飯田龍太
高温の雲を放てる山の葛 廣瀬直人 帰路
鬼城忌の風這ひのぼる葛の山 鷲谷七菜子 游影
鬼無里村とて粗き毛の葛の蔓 能村登四郎
鬼貫忌真葛ケ原のゆれにゆれ 岸田稚魚
鮎焼くや葛を打つ雨また強く 富安風生
鱒池に葛はちぎつて棄ててあり 細見綾子
鶯や真葛か原の思ひもの 正岡子規 鶯
鹿笛や鹿走り行く葛の風 正岡子規 鹿笛
麒麟草真葛ケ原の中に立つ 山口誓子
黄葉して昔のところ葛の棚 高野素十

葛 続補遺

うき別葛の帆かげに似るまで 千那
うぐひすや下谷をいづる番葛哉 寥松
うなひ子が葛けはひたる涼み哉 嵐雪
うらむとは小萩が申葛のこと 松窓乙二
うらめしき世に芽を出すや葛の蔓 句空
からうすの五条に似たり壁の葛 凉菟
きのふけふ葛葉にあらし吹ことよ 加舎白雄
こまやかに這て恐し葛かづら 三宅嘯山
ころがらん夏の青みの葛哉やま 惟然
のら猫の真葛わけ入しみづ哉 夏目成美
世の口に葛のうらとも日の初 角上
五月雨や躰身はらふ青葛 野坡
人目も耻もしどろに葛の枯葉かな 加藤曉台
人目も草もしどろに葛の枯葉哉 加藤曉台
初午や一日葛のうらづたひ 馬場存義
初雪に真葛が原のめかけ哉 其角
名月や更になわにも葛にも 紫道
吹つけしまゝや葛葉にねる螢 桜井梅室
夏木立真葛が原を鎖しけり 三宅嘯山
山葛や秋をあしらふ葉のひねり 沙明
山雀にくるみや鞠に葛袴 北枝
彦山や雲はひのぼる葛根ほり 正秀
影ちるや葛の葉裏の三日の月 杉風
手に足に玉巻葛や九折 桃隣
早乙女の葛葉ふみこむ山田かな 加舎白雄
松の葉の葛屋に立や霜の朝 正秀
松を見て身をしる葛の若葉哉 支考
松原の葛とよまれし住ゐかな 支考
棚葛華ぞの寺の組天井 西鶴
歯の跡のあり葛の葉の裏表 嵐雪
海はあれど翁まいりぬ葛の宿 支考
玉巻葛ちぎりて行や笈の脚 野坡
玉葛やとしにこゆとも星の門 野坡
直道のうらも一みち葛の華 馬場存義
真葛葉のあれほどの風は聞えたり 尚白
石仏にかゝれる葛や値偶の縁 三宅嘯山
秋たつやはじめて葛のあちら向 千代尼
竹の子に傾かゝる葛屋かな 挙白
葛さらす門の小川や鳴雲雀 沙明
葛のわか葉吹切て行嵐かな 加藤曉台
葛の葉にぬき合せけり蝉の衣 野坡
葛の葉のうらみぬ秋は淋しいぞ 鈴木道彦
葛の葉のうらみは花ではらしたり 朱拙
葛の葉のうらみをやるや川柳 白雪
葛の葉のうらをも見せぬあつさ哉 諷竹
葛の葉のおもて作るに習ふなよ 越人
葛の葉のかゝる有礒や雨の月 支考
葛の葉のどちらも見へる蛍かな 三宅嘯山
葛の葉のむかしの森は庄屋裏 野坡
葛の葉の火風によわる鵜川哉 桜井梅室
葛の葉の秋まちがほや羅漢達 支考
葛の葉の落ぬ構や蜘の糸 桃隣
葛の葉の表は見せじ長送り 露川
葛の葉の赤い色紙を恨哉 其角
葛の葉は先に立たる枯野哉 路青
葛の葉は背中表の*ふき師哉 土芳
葛の葉やどちらむきても秋の風 支考
葛の葉や世に腰懸ぬうら表 洒堂
葛の葉や吹れ~て馬かまず 句空
葛の葉や篠田男の蝿をなみ 加藤曉台
葛の葉や裏を働くはしり馬 凉菟
葛の葉や酒天童子が二おもて 其角
葛の葉をかさねて夢の古さうし 夏目成美
葛の葉をつなぎて下る氷柱哉 紫貞女
葛の葉を打かぶせたる山路哉 杉風
葛の道都に似ぬをうらみかな 椎本才麿
葛は又根から花から面白し 中川乙由
葛ほるや深山持ぬる寺の所務 三宅嘯山
葛めせといふ裏みれば散柳 千那
葛よりも茶になつかしや礒清水 凉菟
葛原もまだ静なるあつさ哉 杉風
葛原や尼のありつく藁の家 素覧
葛屋奥あり針木林むら辛夷 尚白
葛屋深く人は牡丹に隠れけり 乙訓
葛掘るや桜に染るよしの山 三宅嘯山
葛時分花はなけれどよし野哉 仙化
葛葉よりかさつく比のしぐれ哉 許六
足弱の杖にからまる真葛哉 建部巣兆
音よきは葛のころもの砧かな 桜井梅室
鹿の跡見よとや葛葉のうら表 加舎白雄

以上
by 575fudemakase | 2016-10-08 11:27 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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