案山子 の俳句

案山子 の俳句

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案山子 補遺

あたかかし人に爪色ほめらるる 細見綾子
あたたかき案山子の脚を掴み抜く 鷹羽狩行
あるが中に最も愚なる案山子哉 正岡子規 案山子
うすうす見えて案山子雨夜の愁ひあり 大野林火 海門 昭和七年以前
おてもやん赤襷なる案山子かな 阿波野青畝
かかし傘の月夜のかげや稲の上 飯田蛇笏 山廬集
かたむきて身空を映す種案山子 上田五千石『森林』補遺
かぶりたる帽を真深に案山子かな 清崎敏郎
くづれてはむかしにかへるかゝしかな 正岡子規 案山子
こけし村此処よここよと案山子呼ぶ 阿波野青畝
こけもせでやつれ行く身の案山子哉 正岡子規 案山子
ここの梅しづかかしこの梅ひそか 山口青邨
こしらへて案山子負ひ行く山路哉 正岡子規 案山子
さるほどに弓矢すてたるかかしかな 飯田蛇笏 山廬集
しがらみにひつかかり立つ案山子かな 清崎敏郎
しきたりも律気や佐久の案山子揚げ 及川貞 夕焼
たそがれて顔の真白き案山子かな 三橋鷹女
つくり終へて門川越ゆるかかしかな 飯田蛇笏 山廬集
どう見ても案山子に耳はなかりけり 正岡子規 案山子
どちらから見てもうしろの案山子哉 正岡子規 案山子
ながの留守西山荘に案山子立て 平畑静塔
ぬき衣紋してたふれたる案山子かな 阿波野青畝
ぬす人のふりかへりたる案山子哉 正岡子規 案山子
ひるげどき案山子の空のひかりたり 大野林火 海門 昭和七年以前
ひるのかかしかげをながして苗代田 大野林火 冬青集 雨夜抄
みちのくに親しき友の案山子翁 山口青邨
みちのくのつたなきさがの案山子かな 山口青邨
みちのくの水漬く案山子に雲重し 角川源義
やがてまた下雲通る案山子かな 飯田蛇笏 霊芝
ゆく秋やかかしの袖の草虱 飯田蛇笏 山廬集
わが目にも真に迫らぬ案山子立つ 相生垣瓜人 明治草
をかしうに出來てかゞしの哀也 正岡子規 案山子
モジリアニの女の顔の案山子かな 阿波野青畝
ワイシヤツの腕たくし上げ種案山子 後藤比奈夫
ヴェネチアの案山子の髭の黒々と 有馬朗人 立志
一俵の重みは知らず種案山子 鷹羽狩行
不器用に出來て案山子のあはれ也 正岡子規 案山子
世の中につれぬ案山子の弓矢哉 正岡子規 案山子
世の中の人や案山子の出來不出來 正岡子規 案山子
両手伸べてみな~今朝の案山子かな 渡邊水巴 白日
人に似て月夜の案山子あはれなり 正岡子規 案山子
人をみなからすと思ふかゞし哉 正岡子規 案山子
人立つて鳥追舟の案山子哉 正岡子規 案山子
仆れたる案山子につよき泥の耀り 桂信子 花影
伊勢女とて案山子にも女かな 阿波野青畝
何にせし案山子かと見て近寄りぬ 右城暮石 句集外 昭和六十三年
倒れたる案山子の顔の上に天 西東三鬼
兀然ときりかぎ畑の案山子哉 正岡子規 案山子
八ケ嶽一目よと立つ案山子かな 阿波野青畝
其中にもつとも愚なるかゝし哉 正岡子規 案山子
其中に把栗の如き案山子かな 正岡子規 案山子
兼平の塚を案山子の矢先かな 正岡子規 案山子
冬に入る風に案山子の眼揺れ 飯田龍太
凡そこの世は案山子の口の情なし 藤田湘子 てんてん
刈あとやひとり案山子の影法師 正岡子規 案山子
別所勢残る案山子とおもひけり 阿波野青畝
励む書く見えるところに案山子立ち 秋元不死男
十字にてぶつきら棒の案山子なり 山口誓子
十年の狂態今に案山子哉 正岡子規 案山子
参勤交替の蓑被て案山子かな 鷹羽狩行
双の手をひろげて相違なき案山子 後藤夜半 底紅
古拙とも言はば言ふべき案山子立つ 相生垣瓜人 明治草抄
向きあふて何を二つの案山子哉 正岡子規 案山子
君が代は案山子に殘る弓矢哉 正岡子規 案山子
夕月のたへにも繊き案山子かな 水原秋櫻子 葛飾
大学生わめき案山子に声を刺す 平畑静塔
大案山子可も不可もなく吹かれをり 村山故郷
大水を踏みこたえたるかゞし哉 正岡子規 案山子
妻も子も忘れて案山子立つてをり 村山故郷
妻や子を思ひて案山子立つてをり 村山故郷
婆羅門の貧しき村の捨て案山子 有馬朗人 天為
宮島の杓文字は島の案山子かな 阿波野青畝
家路となる案山子にまがふ翁かな 阿波野青畝
小藩分立由利一郡の案山子かな 河東碧梧桐
山かげの田に弓ン勢の案山子かな 村上鬼城
山びこに耳かたむくる案山子かな 飯田蛇笏 霊芝
山畑は笠に雲おく案山子哉 正岡子規 案山子
山葵守る孤つ案山子に畝規し 木村蕪城 寒泉
山颪くるや案山子の片くづれ 正岡子規 案山子
山高の案山子を典獄かと思ふ 平畑静塔
岩上田石燈籠が案山子の役 松崎鉄之介
峡に住む天城の顔は案山子にも 鷹羽狩行
川白く川中島の案山子かな 山口青邨
幽栖の公しのばるる案山子かな 阿波野青畝
御製にも入らで朽ちぬる案山子かな 内藤鳴雪
徳利の頬冠する案山子哉 正岡子規 案山子
忍者めく都の北の案山子かな 阿波野青畝
志一揆果たさぬ案山子かな 阿波野青畝
憩ふなり蔵王真向きに案山子の辺 村山故郷
我笠と我簑を着せて案山子かな 河東碧梧桐
戻りがけ影なくなりし案山子かな 大野林火 冬青集 雨夜抄
手作りの案山子しりへに農の棺 伊丹三樹彦
担ぎたる案山子の顔の大きさよ 稲畑汀子
捨案山子御陵へ道岐れたり 村山故郷
捨案山子雑兵倒れ伏すに似て 水原秋櫻子 殉教
提灯を提げし案山子に言問はん 福田蓼汀 山火
敵死して案山子の笠の血しほ哉 正岡子規 案山子
日あたるや案山子の顔の大きくて 臼田亜浪 旅人 抄
明治村虚子風生の案山子立つ 平畑静塔
朝見れば笠落したる案山子哉 正岡子規 案山子
木曽案山子操るものの吹きいでて 平畑静塔
村會や背戸の案山子もまかり出よ 正岡子規 案山子
林檎採る男に非ずして案山子 阿波野青畝
案山子かと見れば人なり稲熟るゝ 日野草城
案山子たつれば群雀空にしづまらず 飯田蛇笏 霊芝
案山子にも劣りし人の行へかな 正岡子規 案山子
案山子にも女心や夜の道 内藤鳴雪
案山子にも目鼻ありける浮世哉 正岡子規 案山子
案山子の白つぽいのを立てゝもう帰りゆく阿爺 中川一碧樓
案山子の脚晴れたる果ての雪秩父 大野林火 海門 昭和九年
案山子もがつちり日の丸ふつてゐる 種田山頭火 草木塔
案山子ものいはゞ猶さびしいそ秋の暮 正岡子規 秋の暮
案山子よりも淋しき顔に見送りぬ 中村汀女
案山子より詩を貰ひては鉛筆舐む 秋元不死男
案山子揚げ目鼻あらたに祀られぬ 大野林火 飛花集 昭和四十六年
案山子汝飛鳥を語らずや 阿波野青畝
案山子物言て猶淋しぞ秋の暮 正岡子規 秋の暮
案山子翁あち見こち見や芋嵐 阿波野青畝
案山子翁空の群雀仰ぐのみ 山口青邨
案山子老て秋は鳴子に暮にけり 正岡子規 暮の秋
案山子顔向くる灯明かき駅の方 右城暮石 句集外 昭和三十三年
梺田の夕日に多き案山子哉 正岡子規 案山子
水口をかためて風に種案山子 古舘曹人 樹下石上
汝かゞしそもさんか秋の第一義 正岡子規 案山子
浅間より雲来て案山子顔かくす 村山故郷
淋しさにたへてうつむく案山子哉 正岡子規 案山子
湖に向け素面の白の種案山子 上田五千石 風景
満を侍し放つことなき案山子の矢 鷹羽狩行
濤音に耳しひ立てる案山子共 水原秋櫻子 玄魚
火の中に永く案山子の片手燃ゆ 鷹羽狩行
父と子と肩にかけゆく案山子かな 下村槐太 光背
猪の牙にかけたる案山子かな 内藤鳴雪
甲斐盆地案山子が多く豊の秋 山口青邨
男ばかりと見えて案山子の哀れ也 正岡子規 案山子
畑中に唐もろこしと案山子かな 山口青邨
痩せ案山子祖神の如き白衣かな 有馬朗人 立志
痩骨をつき出してをる案山子かな 清崎敏郎
百姓の案山子に紛る遠ゆきて 伊丹三樹彦
真摯達責八の字寄せて夜の案山子 中村草田男
神ならず人ならず彼は案山子なり 津田清子
祭めくこけしどころの案山子かな 阿波野青畝
秋は門田の案山子も作り句も作り 安住敦
秋風としらずにやせる案山子哉 正岡子規 案山子
稗蒔に案山子の残る冬田かな 正岡子規 冬田
種案山子いづれうつむき相似たり 上田五千石『琥珀』補遺
種案山子波照の奥の鬼界島 角川源義
種案山子短き影を落しけり 山田みづえ 木語
稻雀案山子に射られ海に入 正岡子規 稲雀
立つてゐることが案山子でありしかな 稲畑汀子
笠とれたあとはものうき案山子哉 正岡子規 案山子
笠とれば跡は物うき案山子哉 正岡子規 案山子
笠ぬげて手拭かぶる案山子哉 正岡子規 案山子
笠落ちて案山子仰むく姿あり 正岡子規 案山子
筆硯や案山子に会へる旅の絶え 石川桂郎 四温
簔笠に雪待ち顏の案山子哉 正岡子規 雪
缺徳利字山田の案山子哉 正岡子規 案山子
耳遠く日のかすみたる案山子かな 飯田蛇笏
耳遠く目のかすみたる案山子かな 飯田蛇笏 山廬集
胸薄き案山子や蕎麦の花隣 石川桂郎 高蘆
苗代に案山子むかしいくさありき 山口青邨
草摺のちぎれて高き案山子哉 正岡子規 案山子
菅笠のくさりて落ちしかゞし哉 正岡子規 案山子
落つる瀬に案山子うなづくばかりなり 水原秋櫻子 玄魚
落武者を紛らしてやる案山子哉 正岡子規 案山子
藤か橘か山田案山子の目鼻立 上田五千石『風景』補遺
蛸かかし濤はしづかになりにけり 飯田蛇笏 雪峡
血に染むやいくさのあとのこけ案山子 正岡子規 案山子
行秋や案山子にかゝる鳴子繩 正岡子規 鳴子
西行の女に似たる案山子かな 阿波野青畝
試みに案山子の口に笛入れん 正岡子規 案山子
谷底へ案山子を飛ばす嵐かな 村上鬼城
豊年の案山子ゆんずるたるんだり 上野泰
豊秋の中尊寺田圃案山子立つ 山口青邨
里を向く案山子に病あるごとし 平畑静塔
釘隠しまでも梅鉢あたかかし 後藤夜半 底紅
銀閣寺門前の田の案山子かな 富安風生
鏡花めく唐縮緬の案山子かな 川端茅舎
霜に寐て案山子誰をか恨むらん 正岡子規 霜
露けしとあらぬ矢向や案山子翁 阿波野青畝
青丹よし奈良の案山子の脚水漬く 秋元不死男
青蘆のほとり案山子の母衣ふくるゝ 右城暮石 句集外 昭和二十三年
頼りなくあれど頼りの案山子かな 清崎敏郎
風吹て狂ふに似たる案山子哉 正岡子規 案山子
風狂の誰彼に似る種案山子 伊藤白潮
風簑を吹て案山子入相を勇むかと 正岡子規 案山子
風雨案山子墨の相好くずしゐて 上田五千石『田園』補遺
餘所のよりおのがつくつた案山子哉 正岡子規 案山子
首無くて黒装束の種案山子 阿波野青畝
魂はふくべなりけり痩案山子 正岡子規 案山子
鳥逐うて案山子の群に入り給ヘ 内藤鳴雪
黄昏れし顔の案山子の袖几帳 川端茅舎
黛をよそひて案山子法師かな 阿波野青畝

以上
by 575fudemakase | 2016-10-22 18:43 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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