菊 1

菊 1

あかあかと菊の咲きたる稲架を解く 岸本尚毅 舜
あかずの間むほん無きよの菊いじり 仁平勝 花盗人
あきつ羽の光りつめたし菊畠 内藤吐天
あけくれの涛声菊も乱れ伏し 福田蓼汀 山火
あさましき桃の落葉よ菊畠 蕪村 秋之部 ■ 菊に古笠を覆たる畫に
あそばする牛さへ菊の匂ひかな 立花北枝
あづま菊女身のひかりすぐ纏ふ(三浦半島剣崎) 河野南畦 『広場』
あはれ気もなくて此菊あはれなり 正岡子規
あまたなる菊の一つに日が当る 林翔 和紙
あまりにも菊晴れて死ぬかもしれず 槐太
あれあれの菊に手を入れるふと厭になる 梅林句屑 喜谷六花
いざよひのいづれか今朝に残る菊/十六夜の月と見やはせ残る菊 松尾芭蕉
いちりんの菊うきうきと通夜の客 穴井太 土語
いつしかに入り来し墓地の菊日和 森田峠 避暑散歩
いつせいに今朝の食堂菊の卓 星野立子
いつまでも菊咲かせたり河豚の宿 楠目橙黄子 橙圃
いでさらば投壺まいらせん菊の花 蕪村 秋之部 ■ 山家の萩見にまかりけるに、あるじの翁、紙硯をとうでゝ、ほ句もとめければ
いのこ祭もすぎた菊だが もたせてやる 吉岡禅寺洞
いのちかな菊は乱れて色増しぬ 林原耒井 蜩
うしろよりさし込む夕日菊花展 深見けん二
うつむいて菊に触れたり角かくし 佐野青陽人 天の川
うづくまる女ばかりよ菊畑 宮坂静生 雹
うは露も御覧を経たり今日の菊 尾崎紅葉
うるしせぬ琴や作らぬ菊の友 山口素堂
うれしさや聞えぬ耳で菊の花 菊 正岡子規
えぞ菊の暮れゆくばかり巴里は巴里 小池文子 巴里蕭条
えぞ菊や西は西色つのりゆき 小池文子
おくるとて庵主灯しを菊の雨 及川貞 榧の實
おのが名の菊挿して堪ふる日のありぬ 稲垣きくの 牡 丹
おのれ揺り揺れておどろく菊の虻 篠田悌二郎 風雪前
おばさんを先生にして菊作り 高澤良一 石鏡
おほどかに草踏む畑の菊とびとび 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
お十夜の小菊嗅がれて買はれけり 高澤良一 ねずみのこまくら
お十夜の菊を手桶に蜑の家 武井風華
お国柄花つつましき丁字菊 高澤良一 宿好
お流れや千代に八重さく菊の水 貞室
お菊見や酒をたまはる供の者 菊の酒 正岡子規
かかるのは手間のみ「如何菊作り」 高澤良一 燕音
かかる世の菊たべて菊いとほしむ 中尾寿美子
かき合はす襟美しき風の菊 阿部みどり女 笹鳴
かくれ家やよめ菜の中に残る菊 服部嵐雪
かざしみる眼鏡に汚れ菊日和 高澤良一 素抱
かしづきの官女も出さず菊雛 高橋淡路女 梶の葉
かしづけるもの遅れつゝ菊見かな 大橋櫻坡子 雨月
かち渡る杣のしぶきや菊日和 大峯あきら 鳥道
かの世でも菊作りして過ごされよ 大井戸辿
かはらけの手ぎは見せばや菊の花 榎本其角
かやふきの細殿あれて菊の花 菊 正岡子規
からしあへの菊一盞の酒欲れり 角川源義
かるた切るうしろ菊の香しんと澄み 龍太
かんばせのほかは白菊棺の母 松尾隆信
きのふけふ鴨湧く空や菊作り 菊地一雄
きらきらと山羊に小菊がこゑかけて 飯田龍太
ぎつしりと小菊つつみし新聞紙 京極杞陽 くくたち上巻
ぎつしり車に黄菊積んで咲かせてきた シヤツと雑草 栗林一石路
くさの戸の用意おかしや菊の酒 炭 太祇 太祇句選後篇
くれといへはしたゝかくれし小菊哉 菊 正岡子規
けし残れ菊の太夫が庵の跡 膳所-素顰 俳諧撰集玉藻集
けなげなる娘御ありて菊悲し 京極杞陽
けふぞ人のおぼこもはねん菊の淵 安昌 選集「板東太郎」
けふになりて菊作うと恩ひけり 二水 選集古今句集
けふに成て草臥(くたびれ)おかし菊作り 千代尼
けふの菊中稲の食のうまみかな 才麿
けふの菊中稲の飯のうまみかな 才麿
けふの菊御堀の水をのまうよ 菊 正岡子規
けふの菊朗詠集は御家やう 斯波園女
けふの菊朗詠集を御家流 園女 俳諧撰集玉藻集
けふの菊秋の泣顔洗ひけり 高井几董
けふばかり見てすむものを菊の花 千代尼
こころもち懸崖菊の鉢廻す 橋本美代子
ことさらにつくらぬ菊ぞ九日なる 加舎白雄
こともなげに菊咲かせたる小家哉 菊 正岡子規
このことの慰めはなし菊の縁 高木晴子 晴居
こののちの菊を託せる杖立つる 高田美恵女
この別れ酔菊に杖を與へおく 高田蝶衣
この国の菊吹く風となりしとは 加藤耕子
この暗き坂の途中の菊作り 永末恵子 留守
この船に妃の宮おはす菊の花 五十嵐播水 埠頭
この菊の白さは人をあやめるほど 後藤昌治
この部屋やよき壺によき菊挿され 大橋櫻坡子 雨月
この高木菊いたゞきも来るとかや 高浜虚子
こもり居の門辺の菊も時雨さび 杉田久女
こりゃあびっくり菊に跨りゐる蟷螂 高澤良一 石鏡
これもうし菊に晴着の黒小袖 菊 正岡子規
これよりは残んの菊を束ねんか 佐々木六戈 百韻反故 初學
これを死と言ふや人来て菊を置く 岡本差知子
こんなふうに咲きたいのだらうか菊よ 武井清子
さもかうも香さへ菊さへいつもさへ 上島鬼貫
さりげなき小菊の白や十三夜 野村喜舟 小石川
さゝげもつ菊みそなはせ観世音 杉田久女
ざわめける廻転寿しや菊日和 長田美智子
しくるゝや隣の小松庵の菊 時雨 正岡子規
しくるゝや鶏頭黒く菊白し 時雨 正岡子規
しくれしてねぢけぬ菊の枝もなし 時雨 正岡子規
しくれつゝも菊健在也我宿は 時雨 正岡子規
しぐるゝや地を這ひ咲ける小菊の黄 大場白水郎 散木集
しぐるゝや鶏頭黒く菊白し 正岡子規
したたかに水打つて菊据えられる 津根元 潮
したたかに生きて母似の菊づくり つじ加代子
したたむる残んの菊の五六行 相生垣瓜人 微茫集
しづかなること百鉢の夜の菊 田村木国
しほしほとかざられにけり菊雛 飯田蛇笏 山廬集
しほしほと飾られにけり菊雛 飯田蛇笏
しほ~と飾られにけり菊雛 飯田蛇笏
しみじみと思ふ菊白き日本 室生犀星 犀星発句集
しみじみと照る日の菊のみだれそめ 林原耒井 蜩
しら菊にたぐへむよりはたかりけり 久保田万太郎 流寓抄
しら菊に明けて黄菊の日和かな 卓池
しら菊に赤味さしけり霜の朝 青蘿
しら菊は白しむかしの物かたり 支考
しら菊や庭に余りて畠まで 蕪村遺稿 秋
しら菊や日に咲ふとはおもわれず 千代尼
しろしろと花びら反りぬ月の菊 杉田久女
すがれたる菊に初冬の塀高し 阿部みどり女 笹鳴
すてた餌に鶏もとる菊畠 菊 正岡子規
すでに亡きあとゝも知らず菊だより 及川貞 榧の實
すべもなき颱風の菊丹精の菊 林原耒井 蜩
せわしなや桔梗に来り菊に去る 正岡子規
その菊を剪れば淋しとおしとどめ 千原 叡子
たそがれてなまめく菊のけはひかな 宮沢賢治
たのしさや二夜の月に菊添へて 山口素堂
たましひのしづかにうつる菊見かな 飯田蛇笏(1885-1962)
たましひの艶はげて菊のさかり病む 原コウ子
たまはるや大盃の菊の酒 菊の酒 正岡子規
ためらはず歩は向いてをり菊畑 菅家瑞正
だまされし今日の天気や菊句会 阿部みどり女 笹鳴
ちからなく菊につつまるかな 山口素堂
ちよとかいた万菊丸の鼾かな 尾崎紅葉
つぎこぼし千代の余りやかをる菊 調鶴 選集「板東太郎」
つぎつぎに風が木を出て菊日和 飯田龍太 遅速
てつぺんの一花を競ひ菊花展 嶋田麻紀
ときめきし炮ろく蒸しや菊の酒 井月
とく起きぬ菊のささやき聴きたくて 志村正治
とく遅く菊此頃の楽しさよ 召波
とこしへに面はさみしと菊に彫る 野見山朱鳥
とも~に齢かさねて菊の賀に 木下洛水
とりかえてくれた瓶の 菊の白さにも おびえる 吉岡禅寺洞
とりどりの菊もて死者の隙塞ぐ 津田清子 礼 拝
どの墓もさかりの菊の手向かな 吉武月二郎句集
どの家も多少多少や菊畑 是木 二楽
どの色をわけて折らなんけふの菊 そめ 俳諧撰集玉藻集
どの路地も小菊咲かせて不景気ね 菖蒲あや
どの部屋もみな菊活けて海が見え 吉屋信子
なきがらに投げたる菊の弾みけり 岸本尚毅 舜
なきがらの冷え白菊にまさりけり 小川原嘘帥
なつかしや菊は手(た)をらじ湯のにほひ 立花北枝
なつかしや菊は手折らじ湯の匂ひ 北枝(山中桃*よう亭にて、一日翁の懐旧の後、菊は手をらじの念記をはいす)
なほ残る小菊さし替へ一葉忌 立花豊子
なま鮭や擦生姜の匂ひ菊に似たり 渡邊水巴 富士
のこり咲く嵯峨菊臥せり后の如 長谷川かな女 花寂び
ののさんに供えむ菊の露浴びて 高澤良一 石鏡
ののさんの残んの菊の炎なす 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
のびのびて衰ふ菊や秋の暮 許六 九 月 月別句集「韻塞」
はつ菊や大原女より雁の文 飯田蛇笏 山廬集
はつ雪や松にはなくて菊の葉に 立花北枝
はやぶさの地にさす影か風のきく(菊) 早野巴人 (はじん)(1676-1742)
はるしや菊咲き韓の血を窯に継ぐ 神尾季羊「暖流」
はるばると孫守りに来て菊の秋 阿部みどり女
ひえびえと海に色ある小菊かな 藺草慶子
ひかりといふ静けきものに懸崖菊 齋藤愼爾
ひたすらに菊に対ひて疲れけり 中尾白雨 中尾白雨句集
ひた走る馬は賭けられ菊の前 小泉八重子
ひとさをは河東にぬめる小菊かな 加藤郁乎 江戸桜
ひとの子を膝下に襁褓菊に干す 及川貞 榧の實
ひやゝかなひとたまゆらを菊に佇つ 中尾白雨 中尾白雨句集
ふところの小菊判紙とりでゝ小春かな 道芝 久保田万太郎
ふとさめて佇つ白菊に驚けり 中尾白雨 中尾白雨句集
ふと覚めつ菊明暗に澄みゐけり 林原耒井 蜩
ふりそでの模様か波のくるひ菊 幸田露伴
ふるさとに母は健やか菊咲けり 伊藤敬子
ほぐれ初む嵯峨菊莟おひねりめく 高澤良一 燕音
ほこほこと菊の宴の炬燵の火 木村蕪城
ほどほどに生きて小菊に囲まるる 松本進
ほろ~と菊が残るや石のそば 高浜虚子
まいた餌に鶏もどる菊畠 菊 正岡子規
ますらをの心しづかに黄菊かな 河野静雲 閻魔
まつすぐに菊に注ぎし水の跡 川崎展宏
まなじりのやさしき皺や菊日和 松永美重子
まぼろしの母いつまでも菊を摘む 巻 良夫
ままごとも湖を見つつよ霜の菊 草間時彦 櫻山
まみえたき願ひ虚しく菊仏 山田弘子 初期作品
まらうどに礼をつくして菊白し 飯田蛇笏 雪峡
まゝごとの姉妹の静か菊日和 石井とし夫
みちのくの八戸の菊いまぞ摘む 山口青邨
みちのくの菊のひかりにつまづくや 黒田杏子 木の椅子
みどり子の覚めては眠る菊日和 大峯あきら 宇宙塵
みほとけに菊畑のこす年用意 山田孝子
み仏のゆたかなる胸菊の花 福田蓼汀 山火
み空より雀窺ふ菊の数 村越化石
むせるほど匂う盲学校の菊 根岸たけを
もたいなき程もてなされ菊の宿 横井拙々
もたれあふことなき菊や菊花展 大木あまり 火球
ものいはず客と亭主と白菊と 蓼太
ものつくる程の田もなし菊の花 菊 正岡子規
もののうれし小菊の莟鳥の声 正岡子規
ものの蔭に貧苦ひそめり菊日和 成瀬櫻桃子 風色
ものゝうれし小菊の莟鳥の聲 菊 正岡子規
やがて気づく菊の小雨や秋袷 阿部みどり女 笹鳴
やれ菊のけふと思へばややたのし 広瀬惟然
ゆかしさはさしみのつまの黄菊哉 菊 正岡子規
ゆく雁や屑屋くづ八菊四郎 道芝 久保田万太郎
ゆゝしさや九輪咲いたるけふの菊 菊 正岡子規
よい節供でござるどなたも菊のはな 広瀬惟然
よき便り立ち読む庭や菊日和 伊東麦秀
よく続く菊の日和の一と日かな 高濱年尾 年尾句集
よべの虫生きて明るし菊畑 碧雲居句集 大谷碧雲居
よもぎふや袖かたしきて菊の酒 一茶
よろこびに、うるむ目、菊にかはしけり 久保田万太郎 流寓抄以後
わがいのちさびしく菊は麗はしき 水原秋櫻子
わがいのち菊にむかひてしづかなる 秋櫻子
わが家には菊まだのこるしぐれかな 室生犀星 犀星発句集
わが手よりつめたき今日の菊を摘む 鶴見恭子
わが為の菊日和とも思はるゝ 高濱年尾
わざくれに小菊買けり霄薬師 高井几董
わらはずに恋囁くか菊の前 石川桂郎 含羞
われも加ふ波郷仰臥の胸の菊 福永耕二
アンドロメダ星雲さながら懸崖菊(けんがい)は 高澤良一 燕音
カンテラや蕾少き市の菊 菊 正岡子規
カーメルの雉翅ひろげ菊の鉢 伊藤敬子
コスモスは乾けり菊は乾かざる 山西雅子
ストマイ幾本打ちて癒ゆるや菊の朝 角川源義
ダム底になるといふ村野菊晴 日比野悟
バスの菊挿しかへて車掌運転手 佐野良太 樫
ババリアの市に出会ひし菊車 山田弘子 懐
ピアノ借りに少女来今日は菊抱きて 林翔 和紙
フィアンセに菊束捧ぐトピアリー 高澤良一 素抱
ベティさんの睫毛よろしく友禅菊 高澤良一 暮津
ヨモギスジハモグリバエの跡か是れ(菊) 高澤良一 暮津
リヤカーに積みて白菊黄菊かな 大村 孝
一うねりうねるにてこそ菊の水 服部嵐雪
一つづゝ橋持つ家の菊の花 菊 正岡子規
一と抱へすべてが供華の海女の菊 三浦紀水 『湖その後』
一の酉菊も売るなる社道 阿部みどり女 笹鳴
一僧の少し乱れぬ菊の酒 上野 泰
一夜さの菊の被綿匂ふなり 和田順子
一山のふもとの坊の菊真白 久野幸子
一年の丹精こゝに菊の花 菊 正岡子規
一年を菊にかけたる男かな 坂本ひろし
一手ある二上山や菊の華 立花北枝
一文字菊(いちもんじ)出来たり舟型十五弁 高澤良一 燕音
一方に乱れる菊やひざまくら 廣嶋美恵子
一日無事なれば菊の主人たり 石井露月
一月の菊畑つづく当麻みち 南部憲吉
一村は南部曲り屋菊日和 三船魯帆
一束の菊の近事を虚(うそ)言と聞く 宇多喜代子
一枝は荷にさしはさむ菊の花 菊 正岡子規
一生に一死残りし菊の酒 中里麦外
一葉一葉裏返し見るや菊の虫 西山泊雲 泊雲句集
一軒に嵯峨菊盛る初瀬みち 櫛田と志子 『繭玉』
一鉢にしてこぞり立つ小菊かな 藺草慶子
一鉢の菊見つくしぬまのあたり 増田龍雨
一露もこぼさぬ菊の氷かな 芭蕉
丁子(ちょうじ)釜けふなん菊の梺川 山夕 選集「板東太郎」
七本立厚物菊のここが顔 高澤良一 宿好
万葉にもれしや不思議菊に下戸 幽山 選集「板東太郎」
万蕾のことごとく露菊畑 岡本眸
丈六に 膝を正せば 菊明り 伊丹三樹彦 花恋句集二部作 夢見沙羅
三たび茶を戴く菊や灯さずに 石川桂郎 含羞
三井寺や十日の菊に小盃 許六
三河路の菊の見頃に集ひけり 伊藤敬子
三錢と札の付いたる小菊哉 菊 正岡子規
下谷黒門町地鶏屋の小菊かな 大木孝子
下駄にのる踵小さし菊日和 鈴木真砂女
不遠慮に公家の来ますや菊の宿 高井几董
世に出ずる菊の小門をあけにけり 吉井莫生
世に置きてゆく勲章も菊鉢も 吉川禮子
世や捨てんわれも其名を菊の水 菊 正岡子規
世上の医者朝寝の種やけふの菊 口慰 選集「板東太郎」
中菊や地に這ふばかり閑なる 炭 太祇 太祇句選後篇
丸ふ咲て月に見せけりけふの菊 横井也有 蘿葉集
丸盆に白菊を解く匂かな 高井几董
丹田へとくくそそぐ菊の酒 川崎展宏
丹精の菊に喰ひ入る根切かな 渡辺彦陽
丹精の菊みよと垣つくろはず 久保田万太郎 流寓抄
主好む僅なれども菊の畝 高濱年尾 年尾句集
久かたや朝のよるから空の菊 上島鬼貫
久に逢ふ順々よ菊白く赤く 臼田亞浪 定本亜浪句集
乗る馬も痩せて甲斐なし宿の菊 尾張-左次 俳諧撰集「藤の実」
乙女らの胸の茶ふくさ夜の菊 五十嵐播水 埠頭
九十媼ひと休みして菊手入 原田碧明子
乱れざる菊を描きて乱れしむ 相生垣瓜人 微茫集
乱れ菊括られてより満開に 小笠原須美子
乱菊となり放題を抱き起す 倉橋羊村
乱菊にけさの露霜いとゞしき 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
乱菊に明るうなりぬ夕づく日 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
乱菊のはしりのりたる巌かな 鶏二
乱菊やわが学問のしづかなる 山口青邨(1892-1988)
乱菊や散りこみし葉はそのままに 川島彷徨子 榛の木
乱菊や蜑が伏屋の網まがき 楠目橙黄子 橙圃
乱菊わが学問のしづかなる 山口青邨
乱菊をかすめてはやき月の雨 飯田蛇笏 霊芝
乱菊を掻き天領に筋目立つ 古舘曹人 砂の音
乳児の力ぐいぐい闇に菊の香あり 加藤知世子
亀菊があふぎもふるし年の暮 斯波園女
二三本菊倒れ伏す草の雨 菊 正岡子規
二人のめ四百歳づゝ菊の花 菊 正岡子規
二分咲の胸板薄し菊の武者 平井さち子 鷹日和
二本づつ菊まいらする佛達 蕪村遺稿 秋
二本松晴れの或る日を菊花展 高澤良一 石鏡
二軒見て通り過ぎけり菊細工 菊細工 正岡子規
二面石いづれも善に菊日和 渡辺恭子
五つ色もあろうか垣の乱れ菊 高澤良一 ぱらりとせ
五島より杜氏の来たる菊日和 岡村武子
五月雨の旱のと菊の手入れかな 五月雨 正岡子規
井戸ばたの菊花少女がたてまつる 萩原麦草 麦嵐
井戸端に一うね菊の赤きかな 菊 正岡子規
些かの意地つらぬきて菊の酒 藤本享史
亡き人の鉢も加はる菊花展 小林千穂子
亡き夫に叙勲の知らせ菊旺ん 鎌田 栄
亡き母を友ありて讃ふ夜の菊 林翔 和紙
亡き父母に告ぐることあり菊白し 松尾隆信
人がらも古風になりて黄菊かな 史邦 芭蕉庵小文庫
人ごった返す懸崖菊のまへ 高澤良一 宿好
人どつと来て菊を観て居る如し 京極杞陽 くくたち上巻
人なき喪菊おのおのゝ捧げぶり 横光利一
人に秘す墓参の菊の匂ひ立つ 殿村莵絲子
人の世話で手もうつくしき菊合 千代女
人の死に菊と扉の多い家 宇多喜代子
人動き菊の匂ひも動きけり 星野椿
人去つて空しき菊や白き咲く 芥川龍之介
人形がかざしてゆるる笠の菊 水原秋桜子
人形に仕立おろしの如き菊 後藤比奈夫
人形のならぶ小店や菊の花 菊 正岡子規
人形の脱ぎし菊とてうつろ咲き 今瀬剛一
人形の菊こそ花の乞食かな 尾崎紅葉
人形の襟より菊を著せはじむ 佐賀白梅
人形をきざむ小店や菊の花 菊 正岡子規
人影のをりをりよぎる菊籬 坂根白風子 『彩雲』
人心しづかに菊の節句かな 召波
人様の家の百菊羨しとも 高澤良一 石鏡
人生の双六上がり菊薫る 仲川記代
人隔て菊の香隔てられぬ垣 一宮十鳩
今いぬる隣の客に門の菊 高井几董
今日の日を開ききつたる黄菊かな 渡辺寿子
今日はまた今日のこゝろに菊暮るゝ いはほ
今日シヤトームートン開けん菊の宴 稲畑廣太郎
今生の白菊にほふ別れかな 佐藤国夫
仏にも神にも手向け菊の酒 針ヶ谷里三
仏前や婆が小菊のくそつかみ 尾崎紅葉
仏壇に十日の菊のにほひかな 蝶夢 選集古今句集
仏壇の菊しばらくはかたきかな 金田咲子 全身 以後
仏書と置いて青いクロースの菊の此書 梅林句屑 喜谷六花
伊勢菊の蕾弾けて(かむろ)咲き 高澤良一 宿好
会ふことも老いたることも菊の前 遠藤梧逸
低空を古型機飛ぶ菊花展 右城暮石 上下
体育の祭典菊花節と永遠 石塚友二 方寸虚実
何にでも顔出す男菊捨てに 倉橋羊村
何も彼も遅れおらんだ菊蒔けり 殿村莵絲子 牡 丹
何事もなき世なりけり菊の花 菊 正岡子規
何處となう畏き菊の前に立つ 高澤良一 燕音
佛壇の灯暗く菊の匂ひかな 菊 正岡子規
作り~作らぬ誇る小菊かな 幸田露伴 拾遺
佳き話出雲便箋菊だより 今泉貞鳳
例ながら明星白し菊の霜 上島鬼貫
供華となすべき蝦夷菊の花盛り 福田甲子雄
俄に咳く息もて供ふ菊厚咲き 北野民夫
俳諧につぐ闘菊や西鶴忌 飯田蛇笏 霊芝
俳諧の町を宰して菊に健 遠藤梧逸
借りかけし庵の噂やけふの菊 内藤丈草
倦怠や暮るる小部屋に菊薫ず 江里昭彦 ラディカル・マザー・コンプレックス
偲びゐむ障子白きを菊咲くを 及川貞 榧の實
偲び居む障子白きを菊咲くを 及川貞
傘さして菊細工見る小雨哉 菊細工 正岡子規
傘添へにゆく暮れ方の菊畑 加藤耕子
傾ける銀河系模し懸崖菊 高澤良一 素抱
働きて日曜のあり菊日和 久保ともを
僧正や忘るゝ齢菊の品ン 野村喜舟 小石川
先生あり菊花の中に先生あり 山西雅子
先生はいつも留守なり菊の花 菊 正岡子規
光秀は眉カタと吊り菊夕ベ 高井北杜
入賞の菊に疲れの見え初めし 箕輪ミサヲ
入院日決まりし父の菊を挿す 矢口由起枝
全旗して舳をそろへ祝ぐ菊日和 五十嵐播水 埠頭
八十の翁なりけり菊作り 菊 正岡子規
八百号出来しを告げる菊の暮 星野椿
八重菊も今日九日の匂ひかな 乙由
兵士なほ帰り来らず菊となる 横光利一
其中に淵明と銘す白き菊 寺田寅彦
其中に白菊に名を問はれけり 月居
其中に莟の多き黄菊かな 菊 正岡子規
其中に菊は忘れず鍬序 支考 (新宅)
其儘に萎びし菊や手水鉢 寺田寅彦
写楽画の変化ちぬるを菊に見ぬ 森川暁水 淀
冷かに菊市けふときこえけり 道芝 久保田万太郎
冷かや咲きて久しき畑の菊 龍雨
冷かや咲て久しき畑の菊 増田龍雨 龍雨句集
冷やかや咲いて久しき畑の菊 増田龍雨
凩に菊こそ映ゆれ田居辺り 芝不器男
凩や白菊痩せて庭の隅 凩 正岡子規
出勤の門辺の朝の菊をかぐ 原田種茅 径
出勤や路地をふさげる菊車 木村蕪城 一位
出品と同じ育ちの菊もらふ 河田青嵐
出展に洩れて淋しき年増菊 岩波浩吉郎
刃を研ぐは人おもうこと野柑菊 澁谷道
刈る母と刈らるる菊の阿吽かな 上田みちよ
初夢や砲火の中に菊澄みし 林翔 和紙
初曾我や団十菊五左団小団 正岡子規
初菊やほじろの頬の白き程 服部嵐雪
初菊や拈華微笑の香を今に 林昌華
初菊を活けて朝餉の豊かなり 川村はるか
初雪や松にはなくて菊の葉に 北枝
初霜に負けて倒れし菊の花 初霜 正岡子規
初霜や束ねよせたる菊の花 初霜 正岡子規
初霜や菊冷え初むる腰の綿 芭蕉
前栽に菊遠景に豊の稲架 後藤比奈夫 めんない千鳥
剰し挿すコップの小菊身に親し 篠田悌二郎 風雪前
勝菊は大名小路もどりけり 一茶 ■文政元年戊寅(五十六歳)
勝菊や力み返て持奴 一茶 ■文化十一年甲戊(五十二歳)
匂ふても菊にみがけることし米 椎本才麿
化粧して十日の菊の心地かな 櫂未知子
十六夜のいづれか今朝に残る菊 芭蕉
十字架の形丸形に菊そなへ 高木晴子 晴居
十字架を埋めつくせる菊白し 阿部みどり女 笹鳴
十輪院前の花屋に菊降ろす 石黒哲夫
千代ませと菊も舞ひたる姿かな 上島鬼貫
千姫の脱ぎたるあとの菊の嵩 吉田寿子
千年後の空を見上げる黄菊かな 鈴木光彦
千駄木の友訪ふ道や菊細工 菊細工 正岡子規
升のみの酒の雫や菊の花 菊の酒 正岡子規
半分は男ともだち菊に酌む 田畑美穂女
半睡のほとけに対す菊明り 和田悟朗 法隆寺伝承
半身の影を濃く入れ菊花展 川崎展宏
卓上の菊灯を浴びて昏れてゆく 京極杞陽 くくたち下巻
卓上や菊の盃菊の酒 石井露月
南大門菊売る媼立て膝に 上野さち子
南山にもたれて咲くや菊の花 菊 正岡子規
南朝の板碑旧家に菊香る 須賀遊子 『保津川』
南縁の焦げんばかりの菊日和 松本たかし(1906-56)
単線のホームに駅長菊作り 内海節代
卵売麦藁菊をもたらせし 西本一都 景色
厚物と言はるる菊の名は言はず 後藤比奈夫 めんない千鳥
厚物の菊が舌出す二三片 黒米満男
厚物の菊の顱頂に蜘蛛の子来 高澤良一 宿好
厠にも菊の明るさ持ち込めり 高澤良一 石鏡
去る人と知らず小菊に文を書く 龍胆 長谷川かな女
去来忌や相逢うて酌む菊の酒 茂里正治
去来忌や菊の白きを夜のもの 野村喜舟 小石川
又とはん菊より後の根深畑 也有 (某別墅記)
収まりの良き茶碗なり菊点前 岡田カヨ子
受付も菊に埋もるる菊花展 川村ひろし
口切りに残りの菊の蕾かな 松瀬青々
口少し歪める壺や菊栄ゆ 横光利一
口緘ぢて通り過ぎをり菊白し 加藤楸邨




古き香に白菊さける手向哉 菊 正岡子規
古き香に白菊咲いて手向かな 菊 正岡子規
古家にあるじは知らず菊の花 菊 正岡子規
古庭に白菊白し星月夜 星月夜 正岡子規
古庭に芒散る菊の莟かな 菊 正岡子規
古町や稲架にかくれて菊きいろ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
句碑開眼成りし一山菊の秋 伊東宏晃
吉原の菊のうはさも夜寒かな 久保田万太郎 草の丈
吉原は菊の盛りや紅葉忌 増田龍雨
吉日をえらむ弘めや菊日和 永井荷風
同じ香に菊や匂ひて色かはり 卯七妻 俳諧撰集玉藻集
名月や菊の御紋の丸瓦 名月 正岡子規
君が代は菊の花こそ大きけれ 菊 正岡子規
君の清貧に菊咲けば菊の花たべてゐるか 海藤抱壺(かいどう・ほうこ)(1902-40)
君は今小菊のもとにくるみ焼き 阿部みどり女
吹上やびいどろしたゝる菊の水 西望 選集「板東太郎」
吾が乳房潰るるほどに菊抱けり 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
吾が余生いくばく有りて菊を見る 津村青岬 『南紀』
吾が夜の菊の葉しづまり張れる葉 梅林句屑 喜谷六花
吾なりに菊の好みを云へば野趣 高澤良一 暮津
吾子と菊壁を病院のものたらしめず 篠原梵
味噌桶をめくつて菊の花咲きぬ 菊 正岡子規
命得し吾に黄菊のよく匂ふ 安野良子 『篝火草』
和服の胸張りていそいそ菊日和 高澤良一 随笑
和田城の門移されし菊館 木暮烏峯
咲きさうにしながら菊のつぼみかな 菊 正岡子規
咲きわるゝ菊の夜寒をみいでけり 道芝 久保田万太郎
咲花をいくらか捨ててけふの菊 千代尼
哀れにもなくて此菊哀れ也 菊 正岡子規
唐崎や菊の籬の舟繋ぎ 尾崎迷堂 孤輪
唐櫃の菊の御紋や祈年祭 原ひろし
喝士殿に盃さすや菊の酒 菊の酒 正岡子規
喪の衿の哭くほかはなし菊抱きて 都筑智子
噴く水の田毎に白し菊日和 石川桂郎 含羞
嚊殿に盃さすや菊の酒 菊の酒 正岡子規
四五日の旅行く妻に菊日和 石塚友二
四五茎の菊括られし大暑かな 波多野爽波 『湯呑』
四目垣次ぎ小柴垣菊花壇 後藤夜半 底紅
団子坂の菊盛りなり京は今 会津八一
団欒や民喜びの菊の酒 河東碧梧桐
図体の肥ゆるにまかせ菊の中 斎藤玄 雁道
国原や到るところの菊日和 日野草城
国賓の雨を厭はぬ菊花展 中山允晴
園丁の仰臥を許す菊日和 品川鈴子
園遊する天刑達や菊好み 仁平勝 花盗人
團洲の似顔愛づるや菊細工 菊細工 正岡子規
土俵櫓菊の香蘭(あららぎ)小学校 中戸川朝人 残心
土用白菊弟の嫁を棺に閉じ 相原左義長「地金」
地震のあと心にしみる菊しぐれ 西本一都 景色
型通り並べて菊花展の菊 高澤良一 燕音
垣ごしに菊の根わけてもらひ鳬 摘草 正岡子規
垣の根の黄菊白菊ちびけたる 寺田寅彦
垣の菊ほのぼの赤しつぼみつつ 深見けん二
垣越に覗きて菊を絶やさぬ家 高澤良一 石鏡
城下まで自転車で来て菊花展 高澤良一 石鏡
城中にバリアフリーの菊花展 高澤良一 石鏡
城内の厠借りけり菊花展 高澤良一 石鏡
城壁に矢弾の痕や菊花展 小路智壽子
城趾の菊に硯の瓦かな 菊 正岡子規
埴輪観る画廊は菊の香に満てり 西島麦南 人音
堅物は菊にもありて塵寄せず 高澤良一 燕音
場末の夜店の菊を見たままで帰つてしまつた シヤツと雑草 栗林一石路
塗物にうつろふ影や菊の花 木導 九 月 月別句集「韻塞」
墓參の歸りを行くや菊細工 菊細工 正岡子規
墓場僧来て去る菊の吹かれをり 石川桂郎 含羞
墨東や萩も小菊も箱づくり 角川照子
売文は明日へまはして菊の酒 加藤郁乎(1929-)
壺に菊寡黙の夜の訪れ来 樋笠文
壺の菊影をしづかに教授たち 柴田白葉女 『朝の木』
壺の菊齢しづかに灯に坐せり 柴田白葉女 花寂び 以後
夕づつやわけても艶に菊畑 手塚美佐 昔の香
夕凪や菊畑の人ものをいふ 有風
夕市や手もと明るく黄菊買ふ 館岡沙緻
夕日いま百株の菊に沈まんと 阿部みどり女 笹鳴
夕涼や眼鏡をかけて菊の蟲 佐藤魚淵
夕陰や露触る菊のしろたへに 西島麥南
夕風や盛りの菊に吹渡る 樗良
夜にかけて臼摺る宿や菊の花 金尾梅の門 古志の歌
夜にひとの賜ひし菊をめで飽かぬ 下村槐太 天涯
夜の白き菊に山国寂しけれ 石昌子
夜の白菊氷かくとき母はげし 桜井博道 海上
夜の菊の白妙に読む禁書かな 朔多恭
夜の菊や思ひ出す顔一つづゝ 碧雲居句集 大谷碧雲居
夜の菊や掌に茶碗あたゝかし 碧雲居句集 大谷碧雲居
夜の菊や胴のぬくみの座頭金 竹中 宏
夜の菊冷えびえと葉の濃かりけり 石原舟月 山鵲
夜の菊街の繁華のそこここに 波多野爽波 鋪道の花
夜の雨もつてのほかの菊賜ぶよ 角川源義 『神々の宴』
夜は兜脱ぐかも知れず菊の武者 木村里風子
夜を照るや黄紫二枝の瓶の菊 石塚友二 方寸虚実
夜昼の菊花大会明治節 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
夜更なり身の匂ふまで菊活けて 朝倉和江
夜長びと濤のごとくに菊づくり 宇佐美魚目 天地存問
大仰にほめて疲れて菊花展 永野ヤヨイ
大会の菊覇取らんとならび立つ 阿波野青畝
大原女の「いらんかえー」と菊車 高垣妙子
大同は二年慶応は三年の菊の秋 久米正雄 返り花
大名の如き白菊家にあり 阿部完市 無帽
大君のあれましせし日や菊の花 菊 正岡子規
大君のあれましゝ日や菊の花 菊 正岡子規
大和大路団栗下ル菊盛り 如月真菜
大囲ひされ一鉢の菊香る 西村和江
大地より起きあがらんと残る菊 小路紫峡
大地より起き上がらんと残る菊 小路紫峡
大寺もなくて谷中は菊の頃 依光陽子
大幅に余命を削る菊の前 相馬遷子 山河
大幅に命を削る菊の前 相馬遷子
大手門入り金賞の菊に遇ふ 加藤富美子
大方は似顔なりけり菊細工 菊細工 正岡子規
大星雲すがるゝ菊にうちけぶり 渡辺水巴 白日
大根もよろしさうなり菊の華 立花北枝
大瓶に菊の長者となりにけり 立花北枝
大胆に描きし菊を早や厭ふ 相生垣瓜人 微茫集
大菊に吾は小菊を愛すかな 菊 正岡子規
大菊やわづかに支へられにけり 把刀
大菊や金持めかす家構 菊 正岡子規
大菊や金持めかす門搆へ 菊 正岡子規
大菊を養ひ得たる隱士かな 菊 正岡子規
大輪のかわきおそさよ菊筵 杉田久女
大輪の十六瓣の黄菊かな 野村喜舟 小石川
大輪の白菊の辺がまづ暮れぬ 楸邨
大輪の菊を咲かせて駐在所 川口 洋
大輪の菊を活くるに高さあり 稲畑汀子 汀子句集
大輪の菊活けて死をみつめをり 中川宋淵
大輪の菊銀行は根っこなし 森田智子
大門は開け放ちある菊日和 千原叡子
天が下菊の名にして大黄河 宮坂静生 青胡桃
天日とこの菊ありていふことなし 下村梅子
天棚を捲きあげしより菊日和 遠藤梧逸
天高く地に菊咲けり結婚す 野見山朱鳥
太々や小判ならべて菊の花 榎本其角
太刀持の脊中に菊の日なた哉 高井几董
夫の菊虻来蝶来て猫跳んで 及川貞 夕焼
夫恋へば好きに生きよと菊薫る 田中丸とし子
夫留守の淋しさ菊の門を出でず 高濱年尾 年尾句集
失ひし書に悔多し菊にあれば 森川暁水 淀
奥の間のはや暮れかかり菊日和 大峯あきら 宇宙塵
女の子欲しと思ひぬ菊の秋 阿部みどり女 笹鳴
妊るを娘に知らさるる菊日和 安野良子 『篝火草』
妻と菊恋しく艦をあがりけり 野村喜舟 小石川
妻子等を書斎に逃げて菊黄なり 遠藤梧逸
妻生きて黄菊の時を盗むなり 齋藤玄 『玄』
姉が目の敵に菊畑の斑雪 塚本邦雄 甘露
姉だけに小菊の中に残るかや 娘-いち 俳諧撰集玉藻集
姫路城お菊の井戸にしぐれけり 南雲秀子
媼らの日向選りゆく菊花展 高野喜八郎
嫁が来る畳を掃いて菊籬 遠藤梧逸
嫗の背のえぞ菊紅紫につばめ帰る 古沢太穂 古沢太穂句集
嬰児を抱かせてもらふ菊日和 滝 志げ子
子ども手にかなふ盛りや菊の花 千代尼
子の秋や菊あげ拝む観世音 長谷川かな女 雨 月
子の胸の傷の五寸に菊の影 鈴木鷹夫 渚通り
子の靴の脱ぎざまや暮るゝ鉢の菊 碧雲居句集 大谷碧雲居
子を思ふ日ねもす捨菊見えてをり 石田波郷
子育てもかくやと並ぶ菊花展 石井達郎
存へてかつての菊の友とかな 村越化石
学童の育てし大輪菊薫る 富田たけ
安らかや自作の菊に埋れ逝く 神田しのぶ
安達太良の応えつづける菊日和 山本貫志
宗達忌おときの椀の菊模様 山科杏亭
宗鑑が手も売りに出よ菊の市 立花北枝
実(げに)や菊焙炉になりし人の肌 篭口 俳諧撰集玉藻集
宮います船の菊の灯かがやかに 五十嵐播水 埠頭
宮様の菊の御紋の初便 平田縫子
宵浅み菊見るひとの女がち 太田鴻村 穂国
家々の入口ふさぎ残る菊 片山由美子 水精
家あれば菊あり村あれば薄紅葉 紅葉 正岡子規
家ぬち明け放し咲き出しの縁の庭の菊 梅林句屑 喜谷六花
家元の菊の立花は幕のうち 中田余瓶
家買ふて古菊の根を分ちけり 摘草 正岡子規
宿の菊天長節をしらせばや 天長節 正岡子規
宿命の貌は捨てたし菊の闇 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
寄そめて菊をいくつも重ねうぞ 上島鬼貫
寄り添へば菊華やげり去れば澄み 立子
富士の雲散つて裾野の小菊かな 幸田露伴 拾遺
寡婦となり菊の好日めぐり来ぬ(多美子へ) 阿部みどり女 『微風』
寧ろ花の小さかれと菊の根も分けず 摘草 正岡子規
審査員何處見て菊の出来不出来 高澤良一 燕音
寺近く住みなりはひの菊作り 村上喜代子
寿ぎの舞終へて注がるゝ菊の酒 中村芳子
小座敷や袖で拭ひし菊の酒 一茶
小春日の明治の艦に菊の紋 下田稔
小橋かけて黄菊鷄頭なと見えぬ 菊 正岡子規
小短う序を書く菊の朝かな 才麿
小菊にも埋もれがちの遺影なる 山田弘子 こぶし坂
小菊剪る直なるはなき短かさよ 遠藤 はつ
小菊咲く母の小さな庭なりし 星野 椿
小雨して小袖に菊の香をしたむ 菊 正岡子規
少し離れて歩み共にす菊日和 嶋田麻紀
尼が摘み散華の華筥(けこ)の菊となる 後藤夜半
尼が摘み散華の華筥の菊となる 後藤夜半
尼の菊落葉をかぶらざるはなく 大峯あきら 鳥道
屍室まで抱きゆく菊を看護婦嗅ぐ 伊丹三樹彦 人中
展示日に間に合ふ菊の咲かせ方 高澤良一 宿好
屠蘇つげよ菊の御紋のうかむまで 本田あふひ
屯田の祖神の杜や菊薫る 坂内保二
山々や友なりはひの菊畑に 及川貞 榧の實
山でらの馳走に菊の酢あへかな 水田正秀
山に家をくつつけて菊咲かせてる 尾崎放哉
山に開く土蔵の小窓菊日和 福田蓼汀 山火
山の日が一尺とびぬ菊畑 萩原麦草 麦嵐
山一つとり込む離宮菊うらら 越智協子
山中や菊はたおらぬ湯の匂 芭蕉
山中や菊は手折らぬ湯の匂ひ 芭蕉
山入りも数ふるほどに菊作り 宇佐美魚目 天地存問
山坂の影に入りけり菊車 吉田成子
山猫をよぶ主艶也菊の花 菊 正岡子規
山菊の葉ももみぢせり柴隠れ 高田蝶衣
山菊は文人作りされにけり 伊藤敬子
山路経るこゝちや菊にえのき茸 服部嵐雪
山里を行きつゝ菊の香に触れぬ 石橋辰之助 山暦
岨に向く片町古リぬ菊の秋 芝不器男
岩室には剪りし菊満つ歡び何 竹中宏 饕餮
岩木山菊畑より聳えけり 増田手古奈
岳の下野菊の川原ひろからず 大島民郎
島原や菊くづれ咲く西の門 中村みえこ
崖落葉なだるるに菊珍らしき 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
嵐去り菊おこし夫と垣おこす 殿村菟絲子 『繪硝子』
嵐雪が黄菊白菊庵貧し 菊 正岡子規
嵐雪の黄菊白菊庵貧し 菊 正岡子規
嵐雪忌懸崖の菊保ちけり 永田青嵐
嵐雪忌残る白菊黄菊かな 魚里
嵯峨菊のかんざし挿して太夫(たゆう)咲き 高澤良一 宿好
嵯峨菊の一糸一糸の翳りかな 西村博子
嵯峨菊の暮光も天にのぼりけり 水原秋櫻子
嵯峨菊は火花打ち出す燧石 高澤良一 ぱらりとせ
嵯峨菊も十日の菊となりにけり 加藤三七子
嵯峨菊や何為さば友よろこばむ 石田あき子
嵯峨菊や尼様が買ふいろ干菓子 井本洋子
嵯峨菊や文字美しき道しるべ 齊藤獏
嵯峨菊や逆縁ふたりの仏前に 阿部みどり女
嵯峨菊を括りて不出来目立ちけり 山田弘子 初期作品
川舟や木槿の垣根菊の背戸 木槿 正岡子規
工夫らの藥鑵の大き菊日和 原田青児
差し入れの菊嗅げば生れ故郷の雲がある 橋本夢道 無禮なる妻抄
市に卸す菊を小舟に積んで来て 中 常森
布団売ぼそぼそ菊をほめて去る 中尾杏子
帯の菊つくろひこぼす人形師 大橋櫻坡子 雨月
帯合せ一度で決まる菊日和 北原智香
帰り花菊をむかしの翁哉 闇指 (悼蕉翁)
帰来て菊の香に在るしばし哉(帰庵) 石井露月
常連の名札が並び菊花展 川添歓一
干してある蒲団に菊の虻とまる 上野泰 佐介
干すものに知らるる貧富菊日和 成瀬櫻桃子 風色
干畳一枚菊のほとりにも 清原枴童 枴童句集
年々の菊の簀古び尽しけり 後藤夜半 底紅
年々や菊に思はん思はれん 菊 正岡子規
幾露と朝待つ菊の笑顔かな 上島鬼貫
庇より高くは飛ばず菊の虻 上野泰 佐介
床に菊夜雨音たてて家包み 成瀬正とし 星月夜
店先に賣れざる菊の盛哉 菊 正岡子規
店先の菊美しやあづま鮨 寺田寅彦
座敷犬赤き舌出し菊の寺 辻桃子
庭に出て主の欠伸菊日和 高澤良一 石鏡
庭の菊天長節の蕾哉 菊 正岡子規
庭の菊帰れば暮れて見る日なく 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
庭の菊男の子等は母が好き 高木晴子 晴居
庭掻いて菊を傷めし熊手かな 芝不器男
庭箒十日の菊に凭れあり 大島雄作
庭荒れて名なしの菊の盛哉 菊 正岡子規
庵の菊さかりの時のなく過ぎぬ 下村梅子
庵の菊剪りて粗末や月舟忌 阿部みどり女 笹鳴
廓外に楽市楽座菊日和 多々良敬子
廻廊をわが影連れて菊の晴 河野南畦 湖の森
強くなる雨脚を菊怖れけり 高澤良一 石鏡
彩廟の南庭にして菊日和 千代田葛彦 旅人木
影待や菊の香のする豆腐串 松尾芭蕉
往診医まづ大輪の菊を賞づ 堀 政尋
後から朝日さす菊の花壇哉 菊 正岡子規
後れ来て灯せる菊の客となりぬ 西山泊雲 泊雲句集
後ろ手に盆栽菊の仕立て聞く 高澤良一 石鏡
後列の一際誉れ高き菊 高澤良一 宿好
後園のその菊に立ちわれは客 高濱年尾 年尾句集
後苑の菊の乱れを愛しつゝ 高浜虚子
御園生やところところに菊の家 菊 正岡子規
御所の雨菊拜觀の草履哉 菊 正岡子規
御空より発止と鵙や菊日和 茅舎
御空より発矢と鵙や菊日和 川端茅舎
御菊見の物運ぶらし女官だち 菊 正岡子規
御階近く大菊の花亂けり 菊 正岡子規
徳利に袴をはかせ菊の酒 佐野克男
心愉し傷のなかなる小菊買ふ 耕二
心愉し菊のなかなる小菊買ふ 福永耕二
心憎き菊の主の蔵書かな 高橋淡路女 梶の葉
忌ふたつ黄菊白菊手向くべし 福田蓼汀 山火
志万両剪るも菊剪るも 後藤比奈夫 めんない千鳥
志賀越とありし被(かづき)や菊の花 服部嵐雪
志賀越とありし被や菊の花 服部嵐雪
快よきねざめとなりぬ菊の朝 伊藤たけ
思ふことなしたゞ白菊の吹き散るか 赤尾兜子
急逝の友の特選菊花展 熊田鹿石
恋草や女舜挙が菊の花 井原西鶴
恙なき余生重ねて残り菊 三ツ木竹子
恙夫さそひ出てあふ菊の雨 阿部みどり女 笹鳴
愁無き笑顔の遺影菊に在り 吉屋信子
愚か妻蛸と買ひ来し菊二本 遠藤梧逸
憎きまで菊に慾ある隣かな 松岡青蘿
懸崖に菊見るといふ遠さあり 後藤夜半
懸崖のしめし合はせてひらく菊 檜紀代
懸崖の滝のひびきて菊花展 村上辰良
懸崖の菊に仕事の机向 滝井孝作 浮寝鳥
懸崖の菊に幔幕短くす 森田峠 三角屋根
懸崖の菊の飛沫の蕾跳ね 上村占魚 『霧積』
懸崖の菊正面に立ちてこそ 片山由美子 風待月
懸崖の菊玄関を小さくし 皆川甲丙
懸崖の菊見るといふ遠さあり 後藤夜半 底紅
懸崖の菊運ばるるみんな見る 京極杞陽 くくたち上巻
懸崖菊あらまあ真っ正面にかな 高澤良一 石鏡
懸崖菊いかな高さに置くならん 山口誓子
懸崖菊両翼ありて飛ばむとす 山口誓子 紅日
懸崖菊夕日の色を重ねけり 福島孝子
懸崖菊花に遅速の多々あるを 高澤良一 素抱
成仲(なりなか)の松の祝ひをけふの菊 斯波園女
我が膚のぬくもりに菊の夜店見る 右城暮石 声と声
我に又別の世ひらけ菊日和 深川正一郎
我のみの菊日和とはゆめ思はじ 高浜虚子
我今年牡丹に病んで菊に起きし 菊 正岡子規
我庵や黄菊白菊それもなし 菊 正岡子規
我生きて在るは人死ぬ菊花哉 永田耕衣 殺祖
我菊や形にもふりにもかまはずに 一茶 ■文化十二年乙亥(五十三歳)
戦なき国かたまつて通草熟れ 菊地千恵子
戦後五十年菊の根を分つこと 田中裕明 先生から手紙
戸あくれば紙燭のとゞく黄菊哉 菊 正岡子規
手のうちの端こぼるゝ菊の露 榎本其角
手の荒れを防ぐも一事残る菊 鈴木真砂女 夕螢
手ほどきの菊の三本仕立てはかう 高澤良一 燕音
手を挙げて寝に落つ菊の源義像 石原八束 断腸花
手を放し稚児を歩ます菊花展 右城暮石 上下
手作りの皇帝 俄か作りの菊 仁平勝 花盗人
手折りもす五色の香の今日の菊 石口光子
手折捨る山路の菊のにほひ哉 高井几董
手燭して色失へる黄菊かな 蕪村
手燭して色矢へる黄菊哉 蕪村 秋之部 ■ 菊に古笠を覆たる畫に
投げし菊海の香に立ち香に沈む 加藤知世子
折々は酢になる菊の肴かな 松尾芭蕉
折ふしは酢になる菊のさかなかな 芭蕉
折れし菊捨てがたければ池に捨つ 及川貞 榧の實
抱かれてもかのひとを恋ふ夜の菊 谷口桂子
招かれて下戸われうたふ菊の前 鳥居おさむ
拝謁の短き間にて菊香る 杉本寛
括り菊宇陀の川風夕ベより 山本洋子
拭きて掃きてのこる一日の菊暮色 古賀まり子 緑の野
挿菊の湿り香の根は黄泉にあり 松浦敬親(麻)
捨てむとて掴みし菊の匂ひけり 朝倉和江
捨て水も菊の匂ひの稽古果つ 古賀まり子 緑の野
捨て菊や故なく妻子陥しめし 小林康治 玄霜
捨菊とつぶやくにさへ白かつし 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
捨菊のまはりから水漬しけり 中村草田男
捨菊や棺もろとも逃げ遅れ 仁平勝 花盗人
捨菊や非常階段裏見えて 草間時彦
捨菊をまはりから水漬しけり 中村草田男
掛乞に八日の菊を見せにけり 高井几董
掛軸を替へむと菊の風通す 品川鈴子
提げとほる菊の匂ひや生姜市 石田勝彦 秋興
提げ歩く供華に虻来る菊日和 大橋敦子 手 鞠
携へし我が菊賤し菊に立つ 山田雨雷
搾取のない世が来たように花屋に菊あふる 橋本夢道 無礼なる妻
撫でおろす頬骨かたし菊の中 柿本多映
故郷の菊はいくさに踏まれけん 菊 正岡子規
故郷の菊十月も咲きにけり 船山
故郷や菊の籬の草の山 尾崎迷堂 孤輪
故郷や菊芳しく父母在す 寺田寅彦
故里にしばらく菊の奴かな 比叡 野村泊月
散紅葉してゐる菊の障子かな 比叡 野村泊月
敬老の日の菊活けてくれにけり 村上母人
数へ日の黄菊白菊布団柄 森 澄雄
文廟に菊の丈なる階を攀づ 桂樟蹊子
文弱の酒こぼすなり菊の夜 清水基吉
新ひ米のねばり強かり菊祭 横光利一
新婚ふたりかくるる菊紫苑 石川桂郎 含羞
新米に菊の香もあれ小六月 小六月 正岡子規
新酒賣る家は小菊の莟かな 新酒 正岡子規
旅ごろも馬蹄のちりや菊がさね 素堂
旅の寝の深夜目覚に菊にほふ 岸風三樓
旅終へて凡て遠のく菊の月 阿部みどり女
旅語り黄菊もありて時移る 横光利一
旗は菊は人は錦のむら紅葉 菊 正岡子規
旗一本菊一鉢の小家かな 菊 正岡子規
旗汚れ垣は頽れて小菊かな 菊 正岡子規
既にして東雲明り菊にあり 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
日々掃いて日々の軽さよ菊の塵 高田美恵女
日だまりに菊百鉢や御命講 清水基吉
日でりどし伏水の小菊もらひけり 蕪村 秋之部 ■ 十三夜の月を賞することは、我日のもとの風流也けり
日にかざす指輪きらめきし菊の庭 阿部みどり女 笹鳴
日に向いて菊の莟のはぜかゝる 菊 正岡子規
日に酔うてひとまどろみも菊日和 福田蓼汀 山火
日の旗や淋しき村の菊の垣 菊 正岡子規
日の柱立ちて動かぬ菊畑 斎藤玄 玄
日の翳り易きむらさき食用菊 高澤良一 暮津
日出づるところの天子菊の宴 福田把栗
日曜やけふ菊による人の蟻 菊 正岡子規
日本の頬うつくしや菊の前 室生犀星 犀星発句集
日本は海なり机上菊白し 渡邊水巴 富士
日本道に山路つもれば千代の菊 井原西鶴
日脚そこを過ぎたる菊の畑かな 京極杞陽 くくたち下巻
早く咲け九日も近し菊の花 松尾芭蕉
旭に向くや大輪の菊露ながら 菊 正岡子規
昇降機菊もたらせし友と乗る 石田波郷
明家や旗はなけれど菊の花 菊 正岡子規
明治より前の日淡く菊の靄 飯田蛇笏 雪峡
明耿々朝日に竝ぶ菊花? 菊 正岡子規
昔なら菊百鉢は並ぶ庭 吉田もりよし
昔めくことこそよしや菊の露 菊 正岡子規
昼酒をけふはゆるせよすがれ菊 碧童
時計巻く音の庫裡より菊日和 田中英子
時雨るゝや尚現ッなる菊鶏頭 尾崎迷堂

以上
by 575fudemakase | 2016-11-12 13:57 | 秋の季語 | Trackback | Comments(0)
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次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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