冬の雲 の俳句

冬の雲 の俳句


冬の雲

例句を挙げる。

いそがしや脚もやすめぬ冬の雲 斯波園女
うごいてゐる空いつたいの冬の雲 中塚一碧樓
かへりみる墓ぬく~と冬の雲 佐野青陽人 天の川
この橋を駈けたら逢える 冬の雲 松本恭子 檸檬の街で
すべすべの師の手吾の手冬の雲 斉藤夏風
だしぬけにわたされしビラ冬の雲 木下夕爾
ひたすらに飛べるときあり冬の雲 波多野爽波 鋪道の花
ほんやりと峰より峰の冬の雲 惟然
ぼんやりと峯より峯の冬の雲 広瀬惟然
わたつみを抱く陸めける冬の雲 阿波野青畝
ペンさしてインキ壺あり冬の雲 福田蓼汀 山火
一生の負ひ目とならむ冬の雲 金箱戈止夫
人遠く思へる時よ冬の雲 高木晴子
伊吹嶺や風の象に冬の雲 辻 恵美子
倒木が沼に落ち込む冬の雲 斉藤 節
傾山と祖母山と連なり冬の雲 後藤 緒峰
其大を比すべきものに冬の雲 松瀬青々
冬の雲その後は杖も冷えしまま 宇佐美魚目 天地存問
冬の雲ひそかに藍を刷きにけり 久保田万太郎 流寓抄
冬の雲マーマレードを壜に詰め 佐野典子
冬の雲一箇半箇となりにけり 永田耕衣 與奪鈔
冬の雲土手築く町の果さびし 富田木歩
冬の雲捨田の水の黝みたる 豊長みのる
冬の雲生後三日の仔牛立つ 飯田龍太
冬の雲白いに松の木の枝々を訝かり 中塚一碧樓
冬の雲舞ひたはむれて暮れにけり 石原龍人
冬の雲透かせて洗う試験管 対馬康子 愛国
冬の雲那覇はかなしきことばかり 河野静雲
卵黄のごとくに日あり冬の雲 阿波野青畝
噴煙を追ふつぎつぎの冬の雲 高野素十
地にもの書きつゝいひけらく冬の雲 久保田万太郎 流寓抄
坐禅堂上を粛々冬の雲 高澤良一 随笑
壁穴や内外もなき冬の雲 栗生純夫 科野路
大山の吹き飛ばし居る冬の雲 引田逸牛
大空に飛石の如冬の雲 高浜虚子
実のあるカツサンドなり冬の雲 小川軽舟
屋根に干す煎餅冬の雲に隣る 田川飛旅子 花文字
屋根の上に帆ばしら見ゆれ冬の雲 金尾梅の門 古志の歌
山のべの鳥はをりをりにさけび冬の雲 中塚一碧樓
山羊なども気荒き日なり冬の雲 百合山羽公 故園
或時やフハリと遊び冬の雲 松根東洋城
日をつつみ己れ寒むがる冬の雲 西本一都
明暗に山肌分けし冬の雲 杉田竹軒
海見えて芙美子流転の冬の雲 岡澤康司
病む窓の日射しさへぎる冬の雲 並松 生代女
葬列に見知らぬ身内冬の雲 赤松[けい]子 白毫
覆ひ来る塚の名残りや冬の雲 立花北枝
雲動いても動いても冬の雲 稲畑汀子
あつまつて来て冬雲となる伊吹 山田松寿
ちぎれても厚き冬雲みちのくは 八牧美喜子
ひと寝入りせし間に寒雲空に満つ 篠原梵 雨
ゐざりゐる凍雲嬰児火と泣けり 川口重美
コンパスの一肢がおどり冬雲刺す 小暮洗葦
バルセ口ナの冬雲よごれた旅の髪 小木ひろ子
ビル巨体冬雲遠く寄らしめず 細木芒角星
一塊の冬雲巌より重し 乃木楚人
一日ゆれ冬雲たたくヘリコプター 桜井博道 海上
中年や冬雲に光りこもらせて 柴田白葉女 花寂び 以後
冬木立寒雲北に滞る 芹村
冬雲がつきはなしたる兵士の墓 熊谷愛子
冬雲が翳抱く故郷 乳房さがす 伊丹三樹彦 樹冠
冬雲におしつけられし山の線 京極杞陽
冬雲に向けてえいえいと貨車を押す 加藤楸邨
冬雲に機音何処かしのび寄る戦火 山岡敬典
冬雲に溢るる精気見たりけり 高木喬一
冬雲に眼が乗りてゆく樹林を出て 桜井博道 海上
冬雲に錦帯橋のとどきけり 荘所亀子
冬雲のはなやぎに充つ初老びと 原裕 青垣
冬雲のまばゆきをつつみ空暗し 川島彷徨子 榛の木
冬雲の三日月の金つゝみ得ず 野澤節子
冬雲の北のあをきをわが恃む 橋本多佳子
冬雲の厚き手ざはり朴落葉 渡辺恭子
冬雲の大きしじまに歩み入る 古沢太穂 古沢太穂句集
冬雲の折々星をかすめけり 雉子郎句集 石島雉子郎
冬雲の明るさに照り勝る梢 高澤良一 素抱
冬雲の池にうつりて魚動かざる 寒川鼠骨
冬雲の穴の青空移りゆく 猿橋統流子
冬雲の蓋豊岡にかかりをり 京極杞陽
冬雲の行方を誰が知りませう 三橋鷹女
冬雲の隣雲なすはただならね 太田鴻村 穂国
冬雲は薄くもならず濃くもならず 高浜虚子
冬雲は静に移り街の音 高濱年尾 年尾句集
冬雲やいたゞき尖る山そがひ 汽笛 勝峯晋風
冬雲や峯木の鴉唖々と啼く 飯田蛇笏 霊芝
冬雲や毎日通る肥車 前田普羅
冬雲や波郷が詠みし山毛欅峠 牛山一庭人
冬雲や父軍艦に朱を掲げ 宇多喜代子
冬雲や磔像のごと特攻碑 八牧美喜子
冬雲や竹のまなかに担ぐ人 小川軽舟
冬雲や釣り上げ鯛の眼の光 東洋城千句
冬雲をぬぎし一とき遠浅間 寺島きよ子
冬雲をわれは日暮にばかり見る 下村槐太 天涯 下村槐太全句集
冬雲を山羊に背負はせ誰も来ず 百合山羽公 故園
冬雲を截るや庭師の大鋏 山田健弘
冬雲を背に垂訓のおん姿 下村ひろし 西陲集
冬雲を踏まへ帆桁を洗ひをる 石田勝彦 秋興
冬雲を隕つるひかりに櫟原 瀧春一 菜園
冬雲負いうごめくは丸太の皮を剥ぐ 古沢太穂 古沢太穂句集
凍て雲に笙放つなり万燈会 角川春樹 夢殿
凍て雲や江上反れてひらき初む 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
凍雲が耳になるかも一揆塚 牧野桂一
凍雲として六甲を離さざる 田原憲治
凍雲と混濁し合ひ渦とこしヘ 古館曹人
凍雲に一筋届く煙あり 深見けん二
凍雲に父焼く煙とゞかざる 下村梅子
凍雲のしづかに移る吉野かな 日野草城
凍雲のふちの僅かに夕焼けし 高濱年尾 年尾句集
凍雲のやや焼けて来し遠い橋 柴田白葉女 遠い橋
凍雲の上を流るる雲ありき 菅原けい
凍雲の中の月光走りいづ 阿部みどり女
凍雲の影のとどまる柿畑 伊藤いと子
凍雲の憂歩百歩に栄えける 細谷源二 砂金帯
凍雲の裾明りして蝦夷地見ゆ 松尾緑富
凍雲の重なり合うて溜りけり 石田あき子 見舞籠
凍雲はみな根を山にけふ暮るる 山口青邨
凍雲やつづれさすがに家建ちて 石塚友二
凍雲や甲斐なき言をうしろ影 『定本石橋秀野句文集』
凍雲や芦は枯穂を打そろへ 増田龍雨 龍雨句集
凍雲をオリオンのまた一つ出し 篠原梵 雨
凍雲を剱岳はらへり句碑びらき 水原 春郎
凍雲を夕日貫き沈みけり 福田蓼汀 山火
凍雲を縫ひて飛行機雲速し 稲畑廣太郎
凍雲を船首しづかに上下せり 横山白虹
凍雲光れカール・ローザヘ祈るものに 古沢太穂 古沢太穂句集
呼びあえる冬雲生きて走られず 寺田京子 日の鷹
夕富士に寒雲こぞる別れかな 佐藤脩一
大食の粗食冬雲日を匿す 右城暮石 声と声
天闢くごとく寒雲きえゆけり 飯田蛇笏 雪峡
妹手拍つ冬雲切れて日が射せば 中村草田男
寒日をゆく寒雲や軒つらゝ 京極杞陽
寒雲に娘の歳月とどまりて 柴田白葉女 花寂び 以後
寒雲に角ごと向きて牛啼けり 北原志満子
寒雲のいま柿色に燃えつきて 三谷昭 獣身
寒雲のはびこるは糊塗するに似つ 相生垣瓜人 微茫集
寒雲のひねもす坐る峡の空 木下夕爾
寒雲の充ちをり更に充ち動く 右城暮石
寒雲の剥がれゆく日に烏賊洗ふ 木村蕪城 寒泉
寒雲の夕焼けはしいくさ勝つ 渡邊水巴 富士
寒雲の屯すところ二上山 細見綾子 天然の風
寒雲の影をちぢめてうごきけり 石原八束
寒雲の満ちをり更に充ち動く 右城暮石 声と声
寒雲の燃え尽しては峡を出づ 馬場移公子
寒雲の端かがやける小原かな 加藤耕子
寒雲へ浦上へ坂登るべく 林翔
寒雲やここが墳墓の地かも知れず 内藤吐天 鳴海抄
寒雲や吾が顎髭はアイヌ系 磯貝碧蹄館 握手
寒雲や太芽かざすは朴と橡 石田波郷
寒雲や尻骨隆く張りて牛 有働亨 汐路
寒雲や草木魚介畏めり 齋藤玄 飛雪
寒雲より垂れ来て塔や野菜市 有働亨 汐路
寒雲をこぼれし灯かも開拓地 堀口星眠 火山灰の道
寒雲を火の山に据ゑ鳶の舞 佐川広治
巌石の如き冬雲日をかくし 上野泰 佐介
戦艦の如く冬雲進みけり 本居三太
日出の凍雲もなく釈迦ケ嶽 飯田蛇笏 雪峡
早春の凍て雲にして山の端に 高濱年尾
束の間や寒雲燃えて金焦土 石田波郷
東京の上の冬雲襤褸のごと 松本たかし
母子寮の死や寒雲を窓に嵌め 三谷昭 獣身
沖へ行つて消ゆ凍て雲のゆくへかな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
灯るまで冬雲まみれ常夜燈 大峯あきら 鳥道
焼けをはるより寒雲となりゆくも 千代田葛彦 旅人木
熔岩をゆき冬雲厚き日なりけり 山口波津女 良人
父の忌の冬雲動くこともなし 津田汀々子
父の老凍雲起伏来し昭和 森 白樹
父逝くや凍雲闇にひそむ夜を 飯田蛇笏 春蘭
神の梅寒雲は夜もほのかなる 飯田蛇笏 春蘭
禅林の冬雲動く潦 高澤良一 随笑
移転の荷冬雲載せて傾きて 津田清子 二人称
諒闇の凍雲としてただ暗し 坊城としあつ
遠に冬雲夫の域には入り行かず 中村明子
野に赭らむ冬雲誰の晩年ぞ 堀井春一郎
鈴懸の木と凍雲といつまでも 石田郷子
長城や凍雲碧き傷ひらく(「日中友好定型詩討論会」に出席のため北京行) 石原八束 『幻生花』
隠れ田の水冬雲を遊ばする 鷲谷七菜子 花寂び
馬子唄に冬雲あそぶ浅間山 岡澤康司
黒雲の冬雲を見て牛怒る 萩原麦草 麦嵐
多摩蘭坂ぶるんと寒の雲の尻 安西 篤
寒の雲大き先生の死に遭ひぬ 内藤吐天 鳴海抄
牛乳うまし寒の入日の雲染めて 太田鴻村 穂国
老残の樹々が鎧える寒の雲 三谷昭 獣身
薬煮るやゐざり迫りに寒の雲 鷲谷七菜子 花寂び
冬雲のおもおも水平線迄覆ふ 高澤良一 石鏡

冬の雲 補遺

あはあはと心の翳と冬の雲 富安風生
いそがしや脚もやすめぬ冬の雲 園女
かぶさるは冬雲のみよ九十九里 松崎鉄之介
かりがねを湖北の雲に冬の風 飯田蛇笏 椿花集
はやてなす冬の雲たゞ走りをり 高浜年尾
はるか冬の稲妻左右の雲刺せり 中村草田男
ひたすらに飛べるときあり冬の雲 波多野爽波 鋪道の花
ひと寝入りせし間に寒雲空に満つ 篠原梵 年々去来の花 雨
ぼんやりと峯より峯の冬の雲 惟然
ものの胆洗ふ凍雲壁なすに 橋閒石 無刻
わが無帽 寒雲ひとつ額をはなれず 富澤赤黄男
わたつみを抱く陸めける冬の雲 阿波野青畝
オベリスク寒雲を挿す串にして 山口誓子
ペンさしてインキ壺あり冬の雲 福田蓼汀 山火
三日月も似合に凄し冬の雲 支考
丘を下り来て家居かそけし冬の雲 角川源義
今日会へば又散り散りや冬の雲 松本たかし
佐渡昏るるまでを冬雲墓標なす 岸田稚魚 負け犬
冬の雲 木馬は跳ねるすべをしらず 富澤赤黄男
冬の雲はびこり鉄の骨育つ 日野草城
冬の雲ひしめき天の晴の碧さ 日野草城
冬の雲みちのくは古き山河あり 村山故郷
冬の雲もないいちにちの暮れまえの夕日の雲 荻原井泉水
冬の雲一箇半箇となりにけり永田耕衣
冬の雲割れて青空しばしあり細見綾子
冬の雲古墳おほかた暴かれし 飯田龍太
冬の雲唯の硝子に染まず哀憐れ 山口誓子
冬の雲嶽のとどろきやむときなし 村山故郷
冬の雲春信ゑがく黄の帯か 山口青邨
冬の雲生後三日の仔牛立つ 飯田龍太
冬の雲白いに松の木の枝々を訝かり 中川一碧樓
冬雲うごき襤褸つづられ衣となる 中村草田男
冬雲か浦塩か荒鵜煤のごとし能村登四郎
冬雲が翳抱く故郷 乳房さがす 伊丹三樹彦
冬雲と電柱の他なきも罰 西東三鬼
冬雲にたたかへる間も地球めぐる 加藤秋邨
冬雲に憑かれて山に深入れる 上田五千石『田園』補遺
冬雲に段(きだ)あることを言ひ出だす 渡邊白泉
冬雲のいゆきはばかる双び塔 上田五千石 天路
冬雲のはなやぎに充つ初老びと 原裕 青垣
冬雲のぼろ屑飛べりビルの間 草間時彦 中年
冬雲の凝然として日暮るゝ 村上鬼城
冬雲の包囲へ 風見鶏の鬨 伊丹三樹彦
冬雲の北のあをきをわが恃む 橋本多佳子
冬雲の大きしじまに歩み入る 古沢太穂 古沢太穂句集
冬雲の幾重垂るるや鼻柱 藤田湘子 途上
冬雲の影も落さず姥捨野 上田五千石『琥珀』補遺
冬雲の流れもあへぬ月夜かな 日野草城
冬雲の端の照りあひて空強し 飯田龍太
冬雲の行方を誰が知りませう 三橋鷹女
冬雲の遊び点滴懸架台 石田波郷
冬雲の降りてひろごる野づらかな 村上鬼城
冬雲は垂りて凝れゝど薔薇の花 日野草城
冬雲は狂院の藪にせりあがる 中村草田男
冬雲やサラリーマンの首の鉄鎖 草間時彦 中年
冬雲や峡に棲みつく子の黒瞳 鷲谷七菜子 黄炎
冬雲や峯木の鴉唖々と啼く 飯田蛇笏 霊芝
冬雲よりも遥かを望み監視哨 能村登四郎
冬雲をみてゐて教壇をふみはづす 能村登四郎
冬雲をわれは日暮にばかり見る 下村槐太 天涯
冬雲を山羊に背負はせ誰も来ず 百合山羽公 故園
冬雲を濁点と置き白蔵王 山田みづえ まるめろ
冬雲を破りて峯にさす日かな 村上鬼城
冬雲を踏まへ帆桁を洗ひをる 石田勝彦 秋興
冬雲獲て芦ことごとく立ち騒ぐ 大野林火 早桃 太白集
凍雲が燃えてやむなく皿の魚 橋閒石 荒栲
凍雲にしばらく飛べる千鳥あり 山口青邨
凍雲に一筋届く煙あり 深見けん二
凍雲のしづかに移る吉野かな 日野草城
凍雲のその上は晴れて空路あり 高浜年尾
凍雲のその端にある碧き空 高浜年尾
凍雲のとけゆく如し牡丹畑 山口青邨
凍雲のなほ去りがたく船黒く 中村汀女
凍雲の垂れて酒蔵落着ける 後藤比奈夫
凍雲の急に拡がり軒くらく 高浜年尾
凍雲の憂歩百歩に栄えける 細谷源二 砂金帯
凍雲の日をこぼさんとして割るゝ 高浜年尾
凍雲の時にはゆるび日をふくみ 山口青邨
凍雲の窺ふ寒天の干し加減 後藤比奈夫
凍雲はみな根を山にけふ暮るる 山口青邨
凍雲は牡丹畑を圧し暗む 山口青邨
凍雲や甲斐なき言をうしろ影 石橋秀野
凍雲をふちどる光眠れよと 佐藤鬼房
凍雲をオリオンのまた一つ出し 篠原梵 年々去来の花 雨
凍雲を夕日貫き沈みけり 福田蓼汀 山火
凍雲を待つ北限の大蘇鉄 飯島晴子
凍雲光れカール・ローザヘ祈るものに 古沢太穂 三十代
北風に流れそめけり冬の雲 日野草城
卵黄のごとくに日あり冬の雲 阿波野青畝
噴煙を追ふつぎ~の冬の雲 高野素十
夕栄もなうて暮れけり冬の雲日野草城
大冬の雲なき群ら嶺ねむり入る 飯田蛇笏 白嶽
大食の粗食冬雲日を匿す 右城暮石 声と声
天はいま何たくらむや冬の雲 桂信子 草影
天闢くごとく寒雲きえゆけり 飯田蛇笏 雪峡
妹手拍つ冬雲切れて日が射せば 中村草田男
子を呼べり冬雲の下に一日ゐし 加藤秋邨
寒雲と会ひ颯颯とオリオン過ぐ 山口誓子
寒雲に落暉の洞のありにけり 渡邊白泉
寒雲のかげに魚焼きわれ死なず 三橋敏雄
寒雲のはびこるは糊塗するに似つ 相生垣瓜人 微茫集
寒雲の中を暗しと思ひつむ 三橋敏雄
寒雲の二つ合して海暮るゝ 渡邊白泉
寒雲の剥がれゆく日に烏賊洗ふ 木村蕪城 寒泉
寒雲の壮大なるに歎かるる 相生垣瓜人 負暄
寒雲の夕焼けはしいくさ勝つ 渡邊水巴 富士
寒雲の屯すところ二上山(大和、石光寺) 細見綾子
寒雲の擦過してゆく吾が頭上 山口誓子
寒雲の暁近みゐる嶺の肩 飯田龍太
寒雲の暮天はなやぐ山の音 角川源義
寒雲の満ちをり更に充ち動く 右城暮石 声と声
寒雲の片々たれば仰がるる 楠本憲吉 隠花植物
寒雲の翳島かとも太平洋 右城暮石 句集外 昭和四十九年
寒雲はほむらだてども暗き地や 橋閒石 無刻
寒雲へ浦上へ坂登るべく 林翔
寒雲や一片の詩語噛みつづけ 上田五千石『田園』補遺
寒雲や別れし友も衆の中 永田耕衣
寒雲や呆と別れし衆の中 永田耕衣
寒雲や草木魚介畏めり 齋藤玄 飛雪
寒雲を見詰めをりいまだ決し得ず 大野林火 冬雁 昭和二十一年
尿する女かばひをり冬の雲 岸田稚魚 負け犬
山のべの鳥はをりをりにさけび冬の雲 中川一碧樓
山羊なども気荒き日なり冬の雲 百合山羽公 故園
崩れんとして冬の雲重き日よ 稲畑汀子
巌石の如き冬雲日をかくし 上野泰 佐介
底曇りの雲の動きや冬の海 河東碧梧桐
悼歌のぼりゆく寒雲も昇りゆく 山田みづえ 手甲
懐手して 寒雲は流れやまず 富澤赤黄男
日もすがら寒雲は山誘へり 飯田龍太
日出の凍雲もなく釈迦ケ嶽 飯田蛇笏 雪峡
時刻来てともる燈台冬の雲 阿波野青畝
束の間や寒雲燃えて金焦土 石田波郷
東京の上の冬雲襤褸のごと 松本たかし
櫓さばきに老いのきざしや冬の雲 鈴木真砂女 卯浪
沖でわだかまる冬雲 癌年齢 伊丹三樹彦
沿ひ行けば夜の雲うつる冬の川 山口誓子
浅間あでやか冬雲の影を置き佐藤鬼房
海の上悪しき寒雲のみとなり 山口誓子
湖暮れて凍雲のひかり我におよぶ 角川源義
濃くも淡くも冬雲の深空かな 廣瀬直人
濡れ砂に冬雲映り巨き破船 中村草田男
濤来り冬雲来る岬に立つ 松本たかし
火の中に入りゆく冬の雲一朶 加藤秋邨
煤煙のまま凍雲となりて暮れぬ 橋閒石 朱明
父逝くや凍雲闇にひそむ夜を 飯田蛇笏 春蘭
犬吹や海狼のごとく冬の雲 角川源義
男体の雲騒ゐ冬の夕早し 村山故郷
石の家に形成るもの冬の雲 高屋窓秋
神の梅寒雲は夜もほのかなる 飯田蛇笏 春蘭
神の梅寒雲は宵も仄かなる 飯田蛇笏 心像
移転の荷冬雲載せて傾きて 津田清子
稲づまのある夜かよひぬ冬の雲 井上士朗
突堤へ電線二条冬雲飛ぶ 大野林火 雪華 昭和三十三年
紺天へむしりては投げ冬の雲 富安風生
肌着干す竿寒雲にさしわたし 飯田龍太
菜の上に雪をふらする冬の雲 右城暮石 句集外 大正十五年
落木に凍雲一つ拘泥す 富安風生
行月に手のうらかへす冬の雲 素覧
街果の凍雲遂に夕焼けず 橋閒石 雪
覆ひ来る塚の名残や冬の雲 北枝
遠ちの冬雲一面に照り形なさず 松崎鉄之介
金扇の雲浮かしたる冬の翳 飯田蛇笏 椿花集
長き貨車ゆきて寒雲を厚くせり 藤田湘子 途上
長子吾が目に肩に負ふ冬の雲 森澄雄
隠れ田の水冬雲を遊ばする 鷲谷七菜子 花寂び
頭上過ぎ去りし寒雲高さつづけ 山口誓子
食は腹に落ちゆき冬雲厚くなれり 中村草田男

以上

by 575fudemakase | 2017-01-22 06:24 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
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尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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