枯芦 の俳句

枯芦 の俳句


枯蘆

例句を挙げる。

ああ幼き日この道をもらわれて来し枯芦 松尾あつゆき
この風にこの枯蘆に火かけなば 橋本多佳子
とどまれる陽に花あげて芦枯るる 中村汀女
ひしひしと冬浪寄せて枯葦なり 村上しゆら
ほそぼそと枯葦そろふ古沼かな 飯田蛇笏 山廬集
むせぶとも蘆の枯葉の燃しさり 曾良
やすらぎは枯蘆の魂風に乗り 松村蒼石 雪
よんどころなく枯葦となりゐたり 行方克巳
一と刷毛の枯芦に釣人を置く シヤツと雑草 栗林一石路
三月の枯葦原は遠くうすれ 松村蒼石 雁
凍てほそり来るや枯葭片よりつ 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
刈りすゝみゆき枯芦に囲まるる 稚魚
刈葦の枯葦に立てかけてある 京極杞陽 くくたち下巻
古利根の夕日に灼けて蘆枯れし 石井とし夫
古利根や枯蘆に日の留まれる 中村千代子
埋立つる枯芦の水溢れて臭ふ 原田種茅 径
墓穴暗む路傍枯葦ざんばらに 成田千空 地霊
夕日どき製鉄所も影を枯芦へ 宮津昭彦
夕星の寒さ枯芦の根より石間より シヤツと雑草 栗林一石路
夕暮のひかりとなりて芦枯るる 青柳志解樹
夕茜枯芦くらき波まとふ 鷲谷七菜子 雨 月
大沼の島に紅葉と枯葭と 高木晴子 晴居
大淀の景をひろげて蘆枯るる 塩見武弘
大阪の出はづれに芦枯れにけり 久保田万太郎 流寓抄以後
太陽へ枯芦をたつ大鴉 佐野美智
対岸の枯蘆までは道狭く 星野椿
川なりに川巾なりに葦枯るる 榎田きよ子
川に近づきて枯葦の葉のひかり 中拓夫 愛鷹
己が影枯葦原を移りゆく 斎藤キヌ子
底にとどく櫂の手ごたへ葦枯れて 桂信子 花寂び 以後
底焼きし船横ふや蘆枯るゝ 大須賀乙字
影さして舟の鵜籠や蘆枯るゝ 飯田蛇笏 霊芝
彼岸過ぐ枯葦がうすももいろに 蒼石
恋するも恋はるるも葦枯れてのち 柿本多映
捨てゝあるもんどりらしや芦枯るゝ 高濱年尾 年尾句集
揖斐川の葦枯れたりし昼夜帯 伊藤敬子
旅は北へ枯芦の風先立てて 山口草堂
枯れ芦の擦れ合ふ音に日の匂ひ 斉藤たま江
枯れ蘆の日に日に折れて流れけり 闌更
枯芦におよぶわづかの日を愛す 安住敦
枯芦に一句捻るか白鷺は 高澤良一 燕音
枯芦に名を知らぬ鳥のむくろかな 島村元句集
枯芦に大阪沈む煙かな 橙黄子 (淀川)
枯芦に対す先師に対すごと 高澤良一 燕音
枯芦に春風吹けば目高かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
枯芦に昼のちかづく仄かなり 松村蒼石
枯芦に曇れば水の眠りけり 阿部みどり女 『微風』
枯芦に沼浪荒くなりにけり 松藤夏山 夏山句集
枯芦に火を放ちたり渡守 竹冷句鈔 角田竹冷
枯芦に田舟を負うて戻りけり 冬葉第一句集 吉田冬葉
枯芦に男出でたり鶏提げて 宮田正和
枯芦に越流堤の風尖る 町田しげき
枯芦に黄昏色の童女ゆく 阿部みどり女
枯芦のそよぎ静かなる夕ベを見返る 人間を彫る 大橋裸木
枯芦の一本づつのちがふ声 長田等
枯芦の一本づつの日暮かな 岸田稚魚
枯芦の中あたゝかき舟の路 比叡 野村泊月
枯芦の中に沈めり沈み橋 阿部 美津子
枯芦の中の水路も海の色 北澤瑞史
枯芦の中へ~と道のあり 池内たけし
枯芦の中淋しめば空仰ぐ 山田弘子
枯芦の光量この世だけでよし 倉橋羊村
枯芦の匂ひまとひて帰りけり 仙田洋子 雲は王冠
枯芦の微塵もとめず吹きなびく 松村蒼石 寒鶯抄
枯芦の日に呟くを俳言と 高澤良一 燕音
枯芦の日に日に折れて流れけり 闌更
枯芦の明るさあふみに来た甲斐あり 高澤良一 燕音
枯芦の昼五位鷺を沈めをり 坊城としあつ
枯芦の景に入りゆくわが齢 文挟夫佐恵
枯芦の最後の絮も翔ばしけり 高橋利雄
枯芦の枯るるをいそぐほかはなし 木下夕爾
枯芦の根元に萌ゆるそれも芦 鈴木真砂女 夕螢
枯芦の根水に夕日映りけり 大谷句佛 我は我
枯芦の水路は鮒の通りみち 高澤良一 燕音
枯芦の沈む沈むと喚びをり 柿本多映
枯芦の沖へ沖へと耳立つる 山田みづえ 草譜
枯芦の玲瓏と空ばかりかな 村上麓人
枯芦の空の海あるさま シヤツと雑草 栗林一石路
枯芦の葉をちぎりたるつむじかな 松藤夏山 夏山句集
枯芦の葉屑浮く水動きをり 高澤良一 燕音
枯芦の西は太陽のほか行かず 鷹羽狩行 平遠
枯芦の遠きものより夕焼す 山田みづえ 手甲
枯芦の音聞いて来し耳飾 佐藤和夫
枯芦の風音通ふ旅寝かな 草間時彦 櫻山
枯芦は静かな水の面を剌せり 高橋馬相 秋山越
枯芦も塔もやさしきたたずまひ 稲垣きくの 黄 瀬
枯芦やうす雪とぢし水の中 木歩句集 富田木歩
枯芦やされどひらけし景一つ 久保田万太郎
枯芦やにぶき艪音の近づきて 芳賀雅子
枯芦やぽつぽつと雀飛び出たり 北原白秋 竹林清興
枯芦やわれを導く星を見つ 野見山朱鳥
枯芦や低う鳥たつ水の上 麦水
枯芦や大沢の雪降る池にやすらぎぬ 橋本夢道 『無類の妻』以後
枯芦や日かげ小暗らき家そがひ 木歩句集 富田木歩
枯芦や日に~風の騒はしき こさふえ(胡沙笛) 秋元洒汀、市岡傳太編
枯芦や渡良瀬川は風の川 岸田稚魚
枯芦や破船一隻突きさゝり 徳永山冬子
枯芦や舟に乗せたる犬騒ぐ 雉子郎句集 石島雉子郎
枯芦や野原の中の昼の月 古白遺稿 藤野古白
枯芦や難波入江のささら波 鬼貫
枯芦をあひる廻つて来りけり 松藤夏山 夏山句集
枯芦を刈りて洲崎の廓かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
枯芦を手懸かりにして氷かな 立花北枝
枯芦を金色の日がつつむなり 柴田白葉女
枯芦を隔てたる人倉に入る 木村蕪城 寒泉
枯芦暮色音すべて消ゆ刻のあり 川村紫陽
枯葦にひと日平らな空と水 桂信子 黄 瀬
枯葦に曇れば水の眠りけり 阿部みどり女
枯葦に火をつけしとき列車過ぐ 松村蒼石 春霰
枯葦に舫ひありしは海の船 行方克巳
枯葦に薄明いずこより来たる 和田悟朗
枯葦に雨しと~と年いそぐ 竹下しづの女 [はやて]
枯葦のさやげる音を刈り減らす 羽部洞然
枯葦の丈高きまま水ゆかず 鳥居美智子
枯葦の刈られし株もなほ枯るる 吉野義子
枯葦の只中に入り枯れにけり 町田しげき
枯葦の折れ重なりて蟹の穴 寺田寅彦
枯葦の撥止とかへす吾が歌声 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
枯葦の水の中なる葉のみどり 拓夫
枯葦の沈む沈むと喚びをり 柿本多映
枯葦の肥後に海なし湖の色 古舘曹人 能登の蛙
枯葦の色なく立てる日矢の中 鷲谷七菜子 黄 炎
枯葦の茫々と艶雪解川 澤木欣一
枯葦の辺に夜の路をうしなひぬ 竹下しづの女句文集 昭和十五年
枯葦の風の形にでんでら野 久保羯鼓
枯葦や叫びたきとき息殺す 鍵和田釉子
枯葦や大河は持たぬ川の音 中村明子
枯葦を手折りて持てばこぼるる日 原裕 葦牙
枯葦を掴めば風の手に聞こゆ 金箱戈止夫
枯葦を瞳につめこんでたちもどる 富澤赤黄男
枯葦原たつぷりと日の匂あり 小野恵美子
枯葦原他界のひかりはばからず 和田知子
枯葦原必死のいろに火を待てり 蒼石
枯葭の隔つ荒磯と麦畑と 高濱年尾 年尾句集
枯蘆におよぶわづかの日を愛す 敦
枯蘆にくれなゐ残るはつかかな 高橋睦郎 舊句帖
枯蘆にしろがねの猫うづくまる 鶏二
枯蘆にたゝみて消ゆる湖の波 福井圭児
枯蘆にやゝぬきん出て湖中句碑 三沢久子
枯蘆に傾城町の夕日哉 百里
枯蘆に娼婦のうたの洩る月夜 瀧春一 菜園
枯蘆に岸の椿や隅田ほとり 喜谷六花
枯蘆に庭の紅梅香ぞいどむ 竹下しづの女句文集 昭和二十三年
枯蘆に日のあたゝかき渡舟かな 金尾梅の門 古志の歌
枯蘆に晝のちかづく仄かなり 松村蒼石 雪
枯蘆に曇れば水の眠りけり 阿部みどり女
枯蘆に江口の渡いまはなき 大橋櫻坡子 雨月
枯蘆に沓や残して池の鴨 乙由
枯蘆に舟の火屑をこぼしゆく 山田桂梧
枯蘆に蠣殻捨てし漁村かな 青嵐
枯蘆に逆潮迅き藤戸川 上杉緑鋒
枯蘆に遊びて痛みなかりし胃 相生垣瓜人 微茫集
枯蘆に酒のさめゆく俥かな 清原枴童 枴童句集
枯蘆に風吹くかつてここに立ちし 奥坂まや
枯蘆に鶴のたむろのひそかなる 新田 郊春
枯蘆に鶴の脛そふ洲崎哉 猶存
枯蘆のはて銀婚の影落す 古舘曹人 能登の蛙
枯蘆の中とゞまらず夕日落つ 石井とし夫
枯蘆の中にごそつく蛙哉 正岡子規
枯蘆の中に火を焚く小船かな 正岡子規
枯蘆の中へ~と道のあり 池内たけし
枯蘆の中より出でて地を測る 中根美保
枯蘆の吹き凹みたる葎かな 上村占魚 鮎
枯蘆の墨絵に似たる雀哉 荊花
枯蘆の大明りとも立ち尽くす 手塚美佐 昔の香
枯蘆の天をこぼれて蘆すずめ 辻桃子
枯蘆の川わかれゆく波紋あり 斉藤夏風
枯蘆の微塵もとめず吹きなびく 松村蒼石 露
枯蘆の折レ葉ひとつに入帆哉 一晶(遠浦帰帆)
枯蘆の支へあひつつ立ちにけり 中杉隆世
枯蘆の日にかゞやけるゆくてかな 久保田万太郎 流寓抄
枯蘆の景に入りゆくわが齢 文挟夫佐恵 遠い橋
枯蘆の月に鮭船出そめたり 金尾梅の門 古志の歌
枯蘆の沖へ沖へと耳立つる 山田みづえ
枯蘆の泣く風よとも水仕女の 廣江八重櫻
枯蘆の穂は獣毛と異ならず 誓子
枯蘆の空の海あるさま 栗林一石路
枯蘆の茫々と艶雪解川 欣一
枯蘆の遠きものより夕焼す 山田みづえ
枯蘆の青麦のわが胃は痛み 林原耒井 蜩
枯蘆の麁相にあける月夜哉 乙二
枯蘆やうす雪とぢし水の中 木歩
枯蘆やされどひらけし景一つ 久保田万太郎 流寓抄
枯蘆やしるべして行く雨の声 暁台
枯蘆やたゞ高き日のとゞまれる 田村木国
枯蘆やはたはたと立つ何の鳥 寺田寅彦
枯蘆やぽつぽつと雀飛び出たり 北原白秋
枯蘆やわれを導く星を見つ 野見山朱鳥
枯蘆や低う鳥たつ水の上 麦水
枯蘆や同じ処に捨小舟 正岡子規
枯蘆や名をかき寄る潮頭 東潮 (悼芭蕉)
枯蘆や夕を浪の尖りつゝ 野村喜舟
枯蘆や夜々に折れ込む鴨の上 素丸
枯蘆や川を乱りて渡すべく 坂本四方太
枯蘆や振りかへりゐて風の音 仙田洋子 橋のあなたに
枯蘆や揖斐の渡舟のなほ存す 帚木
枯蘆や日ざす水漕あふれつつ 佐野良太 樫
枯蘆や日月遠く継ぎゐたり 河野多希女 納め髪
枯蘆や朝日に氷る鮠の顔 惟然
枯蘆や朽ち盡したる澪標 寺田寅彦
枯蘆や浅間ヶ嶽の雪ぐもり 村上鬼城
枯蘆や白き鳥一羽舞ひ下りる 寺田寅彦
枯蘆や網を干したる河の岸 寺田寅彦
枯蘆や西日あかるき穂のなびき 碧童
枯蘆や起て戦ふ一しぐれ 淡々 (探題修羅道)
枯蘆や遊んでをれば日が暮れて 大石悦子
枯蘆や難波入江のさゝら波 鬼貫
枯蘆や靡きそろひて相摶たず ゐの吉
枯蘆を刈りて洲崎の廓かな 子規
枯蘆を手かゝりにして氷哉 北枝
枯蘆を瞳につめこんでたちもどる 赤黄男
枯蘆を落ちゆく夕日刈られけり 小林康治 『存念』
枯蘆中すでに枯蘆退路断つ 橋本多佳子
正月の多摩の枯芦雅やか 細見綾子 天然の風以後
水車一軒とかく住む芦枯れにけり 乙字俳句集 大須賀乙字
水郷の風音となり蘆枯るる 石川多歌司
汐がひききつた枯芦刈りに来ている 橋本夢道 無禮なる妻抄
沼舟に錠をおろして芦枯るる 富安風生
浚渫船あかき旗たて葦枯るゝ 岸風三楼 往来
浮寝鴨薄眼入日の金枯葦 桂信子 花寂び 以後
海道や蘆枯川をしば~に 尾崎迷堂 孤輪
涅槃西風枯芦の根の残る雪 大谷句佛 我は我
湖や枯葦に降る白き雪 裕
真菰枯れ芦枯れ沼辺黄なりけり 水原秋桜子
睡り深しいま白鳥も枯葦も 角川照子
破魔矢とて湖国枯葦かざし舞ふ 加藤耕子
翡翠の枯蘆に来て華やげり 久田山海子
舟みちの真ん中に蘆枯れてをり 今井杏太郎
船の窓見るは枯葦枯葦のみ 相馬遷子 山国
芦枯るる風が研ぎ出す太虚の日 山口草堂
芦枯れてはてなきものの始りぬ 古館曹人
芦枯れてより川波の荒々し 樋笠文
芦枯れて富士逆富士ひかり合ふ 川村紫陽
芦枯れて日の当りけり鍋の尻 竹冷句鈔 角田竹冷
芦枯れて水の明るさ地にあふる 古賀まり子 降誕歌
芦枯れて水流は真中急ぎをり 森澄雄
芦枯れて池の広さをとりもどす 阿部寿雄
芦枯れて空と水とに月ふたつ 福田蓼汀
芦枯れて鳥も啼かずよ北近江 鈴木真砂女
芽蘆枯蘆日暮れを鳴ける雀かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
若蘆の枯蘆まじりそだつなり 太田鴻村 穂国
萌え出でて枯芦むらの裾を染む 篠田悌二郎
葦枯るる着水はどこか儚い 本田ひとみ
葦枯るる迂路の電柱うなり立つ 成田千空 地霊
葦枯れておほらかに見ゆ吾家かな 竹下しづの女句文集 昭和十五年
葦枯れてすらりと舟を通しけり 片山由美子 水精 以後
葦枯れて山脈キシキシとあとずさる 富澤赤黄男
葦枯れて水流は真中急ぎをり 森澄雄
葦枯れて生きものの眼が光るなり 長田等
葦枯れて空と水とに月ふたつ 福田蓼汀
葦枯れて髄となりゆく風の音 岡本まち子
葦枯れる流れぬ水の端々に 桂信子 黄 瀬
葭きりが鳴く高葭の枯葉かな 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
蓬髪のわれより高く蘆枯れたり 大野林火
蘆枯るる風のけはひに病臥かな 富田木歩
蘆枯るる風鋭角の音落とし 河野多希女 納め髪
蘆枯るゝ出水汚れをせしまゝに 石井とし夫
蘆枯るゝ天気に田舟しまひけり 金尾梅の門 古志の歌
蘆枯れてただ一と色にうちけむり 深見けん二
蘆枯れてはてなきものの始りぬ 古舘曹人 能登の蛙
蘆枯れてひかり忘れし余呉の月 井口 秀二
蘆枯れて水流は真中急ぎをり 澄雄
蘆枯れて沼の捨舟傾ぎけり 金子きくゑ
蘆枯れて沼は没日を放さざる 館岡沙緻
蘆枯れて見るからに旭のやはらげり 松村蒼石 雪
蜘蛛走る枯葦中の水溜り 松村蒼石
誰も居ぬ船小屋のあり蘆枯るゝ 江口文男
遠く吹く風にもそよぎ蘆枯るる 麦生
遠望さそはるゝ枯芦に緑まじり 子郷
鉄うつひびき枯芦に釣りつつ虚し 原田種茅 径
雄物川とや枯蘆を夜の視野 文挟夫佐恵 雨 月
雲轟きして鳥のつく枯蘆や 廣江八重櫻
靡きたるときのかゞやき蘆枯るゝ 石井とし夫
風うけて蘆の枯葉や流れ行く 立子
風にゆれ水にゆれつゝ葦枯るゝ 久留島 広子
風の中枯蘆の中出でたくなし 橋本多佳子
風邪の目に枯蘆の黄のうつるのみ 森川暁水 淀
鳥の目をして枯葦を透かし見る 茨木晶子
たまさかに日当るは贅枯芦原 高澤良一 燕音
横十間川(よこじゆつけんがわ)に日が射し芦枯らす 高澤良一 暮津


枯芦 補遺

この風にこの枯蘆に火かけなば 橋本多佳子
とどまれる陽に花あげて芦枯るる 中村汀女
やすらぎは枯蘆の魂風に乗り 松村蒼石 雪
ゆくひとを水に映さず枯蘆は 山口誓子
一方へ傾きて蘆枯れつゞき 清崎敏郎
人去んで枯蘆の鳴る夕かな 石橋秀野
刈りて横たへ枯蘆のこの長さ 山口誓子
北近江枯芦折るは風の咎 鈴木真砂女 居待月
四五本の枯蘆なれど隅田川 加藤秋邨
堆き砂の寄りけり蘆枯れて 河東碧梧桐
夕茜枯芦くらき波まとふ 鷲谷七菜子 銃身
好日や枯芦雀追ひに追ひ 飯島晴子
影さして舟の鵜籠や蘆枯るゝ 飯田蛇笏 霊芝
折れ折れて枯あし川をうつめけり 正岡子規 枯芦
日々や蘆枯れて伏し枯れて伏し 安住敦
春嵐枯葭に寄りスワンの恋 角川源義
枯あしの折れこむ舟や石たゝき 正岡子規 枯芦
枯あしや名もなき川の面白き 正岡子規 枯芦
枯れあしやおとなしからぬ風の聲 正岡子規 枯芦
枯芦に稲まぎれぬる谷田刈る 山口青邨
枯芦のかざす黒穂は病む穂なり 山口誓子
枯芦のそこの海照り洋へ継ぐ 角川源義
枯芦のなかに笹子のきてゐたる 森澄雄
枯芦のむかうの橋を春着の娘 山口青邨
枯芦の一葉は軽し舟もまた 山口青邨
枯芦の微塵もとめず吹きなびく 松村蒼石 寒鶯抄
枯芦の日の穂そろひぬ水の上 岡井省二 山色
枯芦の根元に萌ゆるそれも芦 鈴木真砂女 夕螢
枯芦の沖昇りくる熱気球 野澤節子 八朶集以後
枯芦の立ちゐて地には雪を敷く 山口誓子
枯芦の西は太陽のほか行かず 鷹羽狩行
枯芦の青める中ゆ雲雀あがる 大野林火 早桃 太白集
枯芦の風音通ふ旅寝かな 草間時彦 櫻山
枯芦や汽車騒ぎつゝ遠くより 渡邊白泉
枯芦を焚いて夫婦の音としぬ 岡本眸
枯芦を隔てたる人倉に入る 木村蕪城 寒泉
枯芦折る傾くをなほ傾けて 岡本眸
枯葭にとりつき攀づる一焔 高野素十
枯葭のひかりに酔ひて行処なし 飯島晴子
枯葭の黒穂は鴨に色合はず 山口誓子
枯葭洲なびく赤旗も生けるもの 山口誓子
枯蘆と軟土ばかりの枯蘆原 山口誓子
枯蘆につゞく千住の木立かな 正岡子規 枯芦
枯蘆に春の風吹く湖水哉 正岡子規 春風
枯蘆に春風吹くや鳰の海 正岡子規 枯芦
枯蘆に春風吹けば目高哉 正岡子規 春風
枯蘆に昼のちかづく仄かなり 松村蒼石 雪
枯蘆に遊びて痛みなかりし胃 相生垣瓜人 微茫集
枯蘆に風の止み間の音があり 右城暮石 句集外 昭和二十二年
枯蘆のはて銀婚の影落す 古舘曹人 能登の蛙
枯蘆の下から青む湖辺かな 正岡子規 芦の芽
枯蘆の中にごそつく蛙哉 正岡子規 蛙
枯蘆の中に火を焚く小船哉 正岡子規 枯芦
枯蘆の入日ぬくとし浮寝鳥 三橋鷹女
枯蘆の吹き凹みたる葎かな 上村占魚 鮎
枯蘆の折れも盡さす捨小舟 正岡子規 枯芦
枯蘆の水に濯げる男かな 松本たかし
枯蘆の沖へ沖へと耳立つる 山田みづえ 草譜
枯蘆の穂は獣毛と異ならず 山口誓子
枯蘆の遠きものより夕焼す 山田みづえ 手甲
枯蘆の間を硝子の水流れ 上田五千石 天路
枯蘆やこえ船歸る夕月夜 正岡子規 枯芦
枯蘆や同じ處に捨小舟 正岡子規 枯芦
枯蘆や沼地つゞきの薄氷 正岡子規 枯芦
枯蘆や鶺鴒ありく水の隈 正岡子規 枯芦
枯蘆を刈りて洲崎の廓哉 正岡子規 枯芦
枯蘆中すでに枯蘆退路断つ 橋本多佳子
根に夕日射して枯芦立ちきれず 岡本眸
正月の多摩の枯芦雅やか 細見綾子
水郷見るものに蘆枯れたり 尾崎放哉 小豆島時代
池の芦枯れ探幽の雁を呼ぶ 山口青邨
沼の隅に枯蘆殘る氷哉 正岡子規 氷
湖も北の果てなる浪や蘆枯るる 村山故郷
湖北村芦枯れ初めし入江あり 村山故郷
片岸の蘆ことごとく枯れにけり 正岡子規 枯芦
胸うすく芦枯れ水が波紋する 細見綾子
芦の芽のうへに枯芦鳶の笛 岡井省二 明野
芦刈の来て枯芦の総毛立つ 能村登四郎
芦枯るる柏まで行く女舟 山口青邨
芦枯れし潟見下すは女同志(片山津柴山潟三句) 細見綾子
芦枯れたり昔路通が行きし道 村山故郷
芦枯れてともども湖もやつれけり 鈴木真砂女 居待月
芦枯れて来ては遠くの灯の見ゆる 岸田稚魚 紅葉山
芦枯れて野佛の顔枯以上 平畑静塔
芦枯れて鳥も啼かずよ北近江 鈴木真砂女 居待月
蓬髪のわれよりたかく芦枯れたり 大野林火 海門 昭和十四年
蘆枯るる信濃川面に雪嶺の秀 森澄雄
蘆枯るゝ水辺もありて庭の景 高浜年尾
蘆枯れてはてなきものの始りぬ 古舘曹人 能登の蛙
蘆枯れて水流は真中急ぎをり 森澄雄
蘆枯れて烏ものくふ中洲哉 正岡子規 枯芦
蘆枯れて立つ真直ぐなるものは佳し 山口誓子
蘆枯れて見るからに旭のやはらげり 松村蒼石 雪
野の池の凍て枯蘆をめぐらせる 三橋鷹女
防戦に焼かれし村や蘆枯るゝ 河東碧梧桐
障子に近く蘆枯るる風音 尾崎放哉 小豆島時代
風の中枯蘆の中出でたくなし 橋本多佳子
風立ちぬ日の枯芦に芦の音 鷲谷七菜子 銃身
魚籠の中何かが鳴けり末枯蘆 能村登四郎

枯芦 続補遺

むせぶとも芦の枯葉の燃しさり 曽良
枯芦に伏れる春や波のおと 三宅嘯山
枯芦に傾城町の夕日かな 百里
枯芦に氷をのこす夜汐哉 岱水
枯芦に沓や残して池の鴨 中川乙由
枯芦に雪の命や波の隙 角上
枯芦に雪の残りや春の鷺 怒風
枯芦のかれなりけりに春の雪 早野巴人
枯芦の日に~折て流れけり 高桑闌更
枯芦の粗相に明る月夜哉 松窓乙二
枯芦やひだるき我に猶みゆる 松窓乙二
枯芦や低う鳥たつ水の上 堀麦水
枯芦や朝日に氷る鮠の皃 惟然
枯芦や難波入江のささら波 鬼貫
枯芦を手懸りにして氷哉 北枝
枯蘆の日に~折れて流れけり 高桑闌更
枯蘆やしるべして行雨の声 加藤曉台

以上

by 575fudemakase | 2017-01-24 16:11 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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by 575fudemakase

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例1 残暑 の例句を調べる

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いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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