枯園 の俳句

枯園 の俳句

枯園

例句を挙げる。

たとへばや春の七草枯園に 久保田万太郎 流寓抄
二つ三つ足袋干す音を枯園に 井上雪
南京の月枯園にたかきかな 久保田万太郎 草の丈
小鳥来て枯園の水ひきしまる 泉 春花
心まづ濡れ枯園の雨あたたか 古賀まり子 洗 禮
手術径てはじめての雨枯園に 石田波郷
枯園としてのやすらぎ水音にも 後藤比奈夫
枯園にいまの没日と別れをり 有働亨 汐路
枯園にこころ忘れていで来る 阿部みどり女
枯園に何か心を置きに来し 中村汀女
枯園に何処より来しと訊かれをり 柏禎
枯園に入りて無言の人となる 滝 峻石
枯園に向ひて硬きカラア嵌む 山口誓子
枯園に大きな日なたありにけり 村山古郷
枯園に改宗迫る人の来て 安富すゝむ
枯園に日は和なれや大涅槃 石塚友二 光塵
枯園に白鳥ばかり胸を反り 飴山實 『おりいぶ』
枯園に紅きもの母の狂気かも 斎藤愼爾
枯園に考へる人青錆びぬ 沢木欣一
枯園に降りそそぐ星癒えて生きて 百崎左人
枯園のいつもどこかに水の音 相川紫芥子
枯園のベンチ一人しかかけられない 加倉井秋を
枯園の一点光り独楽舞へり 内藤吐天 鳴海抄
枯園の低き日人の上にあり 深川正一郎
枯園の何にさはりし手の匂ひ 辻田克巳
枯園の吐息のごとく山羊がをり 大串章
枯園の奥に磔刑を受けたまふ 佐野まもる
枯園の女に染まる水の意ぞ 古舘曹人 能登の蛙
枯園の日にポケツトのものぬくもる 古沢太穂 古沢太穂句集
枯園の木馬は青き目をもてる 岩崎照子
枯園の青年独り鹿を愛す 井上美子
枯園の音なきひゞきすさまじき 国弘賢治
枯園へ時報つづいてデモの鬨 田川飛旅子
枯園やまづ枯れしづむ芭蕉の穢 久保田万太郎 流寓抄
枯園や天にも地にもとげをさし 対馬康子 吾亦紅
枯園や汎神論の如き裸婦 対馬康子 吾亦紅
枯園や白き大猫よぎり去る 木下夕爾
枯園や神慮にかなふ薔薇一つ 中田みづほ
枯園や通る犬の尾にぎやかな 田村木国
枯園や靴音家の中行ける 相生垣瓜人 微茫集
枯園を亡骸いつせいに見られ行く 石田波郷
枯園を出ていづこへか行かんとす 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
枯園を少年少女駆けて逢へり 小池文子 巴里蕭条
枯園ヘペテロのごとく歩み出づ 辰巳 宏
橋影や吾も渡りゆく枯園へ 永井龍男
無職日日枯園に美術館ありき 下村槐太 天涯
犬と来て枯園の陽にまみれけり 大津信子
猫ねむり枯園の陽は黄と澄めり 中尾白雨 中尾白雨句集
現世の枯園過ぎし乳母車 岩永佐保
睡しや妻枯園の雨川瀬めく 石田波郷
いたづらに石のみ立てり冬の庭 蝶夢
つくばひの水かへてあり冬の庭 大場白水郎 散木集
のら猫の糞して居るや冬の庭 子規句集 虚子・碧梧桐選
ルオー描かば明るしや「杭ある冬の庭」 加藤知世子 花寂び
伽羅くゞる庇の下や冬の庭 長谷川かな女 雨 月
冬の庭伐られし桐の生々と 阿部みどり女 笹鳴
冬庭や伐り来し竹を五六本 松藤夏山 夏山句集
冬庭や月もいとなる虫の吟 芭蕉
冬庭や飯時知りて犬来る 吉武月二郎句集
妻も子も何か音持ち冬の庭 加藤秋邨 怒濤
妻出づるやひたき騒げる冬の庭 原石鼎 花影以後
枯るゝ苔に樹々応へなし冬の庭 雑草 長谷川零餘子
落ちて直ぐ湿る白布や冬の庭 永田耕衣 物質
枯庭掃く妻を見てゐて見ぬふりす 加倉井秋を 『風祝』
枯庭の趣尾振る犬にあり 後藤夜半 底紅
冬園のベンチを領し詩人たり 木下夕爾
ぶらんこを昔下り立ち冬の園 三橋敏雄
伐株や紅尽きし冬の園 正岡子規
冬の園出てたそがれし松仰ぐ 阿部みどり女
冬の園楽しき子等に父母あり 富安風生
冬の園片足折れしフラミンゴ 安斎君子
大木とベンチがありて冬の園 阿部みどり女 笹鳴
孤児どもが群れて威をなす冬の園 小寺正三
枯苑の亭に媼の口うごく 横山房子


枯園 補遺

ある日ひとり来て枯園の枯ベンチ 安住敦
うどの大木襤褸の如く園枯るる 山口青邨
かれ~てもの寂わたる冬の園 杉風
さんざしの赤き実一つ園枯るる 山口青邨
たまたま蟻を見付け冬の庭を歩いて居る 尾崎放哉 須磨寺時代
つぎはぎの診療着園枯るゝ中 西東三鬼
のら猫の糞して居るや冬の庭 正岡子規 冬
ぶらんこを昔下り立ち冬の園 三橋敏雄
わが庭に枯芒とはそれもよし 山口青邨
わが庭のごとく枯野をゆく齢 林翔 和紙
わが庭の夕ベを澄める枯木かな 日野草城
シヤガールの恋人昇天園枯るる 山口青邨
ホテルの部屋厚き硝子に園枯れたり 山口誓子
ラプラード描ける枯園の恋夢む 山口青邨
人の家の庭をとほりぬ冬の草 岡井省二 有時
伐株や紅盡きし冬の園 正岡子規 冬
元日や枯菊殘る庭のさき 正岡子規 元日
冬の園噴水石に落ちて白し 山口青邨
冬の園女の指を血流れたり 西東三鬼
冬の園楽しき子等に父母あり 富安風生
冬の夜や果樹の園主が論議稿 河東碧梧桐
冬の庭たひらかにして古りにけり 日野草城
冬の庭はらからせちに忍び泣く 村山故郷
冬の庭より戻りくる下駄の音 日野草城
冬枯や平等院の庭の面 鬼貫
冬枯や曰く庭前の松樹子 正岡子規 冬枯
冬枯や水の溜りし寺の庭 前田普羅 普羅句集
冬枯や隣へつゞく庵の庭 正岡子規 冬枯
冬枯をのがれぬ庵の小庭哉 正岡子規 冬枯
北庭の枯草もなく凍し哉 正岡子規 枯草
南縁に坐りて庭を泣き枯らす 山口誓子
古庭の菊も芒も枯れにけり 正岡子規 枯菊
喪の庭に黄を尽したる冬の柚子 佐藤鬼房
喪の庭や風がつぶやく枯柏 草間時彦 中年
園丁が枯れゆく庭に集むもの 中村汀女
園枯るるほほづき網の中にまどか 山口青邨
園枯れて鞦韆をひくく垂らしける 大野林火 海門 昭和十三年
夜の庭しのべばありぬ枯牡丹 山口青邨
妻も子も何か音持ち冬の庭 加藤秋邨
妻出づるやひたき騒げる冬の庭 原石鼎 花影以後
孤児の園枯れたり汽車と顔過ぐる 西東三鬼
庭に出て踏む草の名も枯れはじむ 細見綾子
庭前枯菊庭後もつとも枯茗荷 安住敦
庭枯れて夜の雨ひびき易きかな 村山故郷
庭枯れて遺愛の一間炭火燃ゆ 渡邊水巴 富士
庭石や草皆枯れて石蕗の花 正岡子規 石蕗の花
忽然と枯園に我来りけり 高野素十
我庭の年忘れ草枯れにけり 正岡子規 年忘
手術経てはじめての雨枯園に 石田波郷
括られて咲くものばかり冬の庭 後藤比奈夫
故園枯れ水は透きゆくばかりなり 大野林火 月魄集 距和五十七年
木犀は縄ひとからげ冬の庭 高野素十
木立枯れて夜半の庭火のあらは也 正岡子規 枯木
末枯のみちべの庭をかなしめり 山口青邨
末枯の庭に女房まぎれゐる 山口青邨
末枯の庭蒼浪と薔薇高く 山口青邨
末枯れし少しの庭に吾子遊ぶ 高田風人子
本を読む三四郎いまも冬の園 山口青邨
枯れ庭に水音するは明るかり(関野準一郎画伯の庭) 細見綾子
枯園いま雁足こぞり華道展 山口青邨
枯園としてのやすらぎ水音にも 後藤比奈夫
枯園なほむくむく土を這ふものよ 山口青邨
枯園にぎやかパントマイムの蝶と蜂 山口青邨
枯園にぎやか花殻はまた白く赤く 山口青邨
枯園にひとの言葉をかみ砕く 桂信子 月光抄
枯園によその親子とあひて無縁 安住敦
枯園に一滴涙の光り落つ 西東三鬼
枯園に何か心を置きに来し 中村汀女
枯園に向けて極彩磔刑図 鷹羽狩行
枯園に向ひて硬きカラア嵌む 山口誓子
枯園に大きな日なたありにけり 村山故郷
枯園に日は和なれや大涅槃 石塚友二 光塵
枯園に枯れてゐぬもの見て歩く 後藤比奈夫
枯園に発する美術館の石階 上田五千石『田園』補遺
枯園に白鳥ばかり胸を反り 飴山實 おりいぶ
枯園に聖母(マメール)の瞳碧をたたへ 橋本多佳子
枯園に見ゆとほき廊ゆく囚衣の列 能村登四郎
枯園に話して深くうなづけり 岡本眸
枯園に足音盗む如く歩す 高浜年尾
枯園のスワン紫紺の牡丹咲く 角川源義
枯園の女に染まる水の意ぞ 古舘曹人 能登の蛙
枯園の手入といふは目に立たず 後藤比奈夫
枯園の日なたに蝶を見失ふ 村山故郷
枯園の日にポケットのものぬくもる 古沢太穂 三十代
枯園の水栓に口あてて飲む 細見綾子
枯園の花みな花束となりて舞ふ 山口青邨
枯園の見下ろすものに枯蓮田 鈴木真砂女 居待月
枯園の隼ひとつ地をあゆみ 百合山羽公 春園
枯園へ入る切符に列をなす 後藤比奈夫
枯園へ来て捨つるもの何もなし 後藤比奈夫
枯園へ玻璃戸十枚磨きこむ 岡本眸
枯園や右眼もつともあやふかり 亭午 星野麥丘人
枯園や島の夕焼さめやすし 角川源義
枯園や芭蕉青葉に妹とわれ 山口誓子
枯園や遠目の温室のあをあをと 日野草城
枯園や靴音家の中行ける 相生垣瓜人 微茫集
枯園ゆかしみな隠紅寝白粉 山口青邨
枯園より見えて寝嵩やうすれけむ 石田波郷
枯園を亡骸いつせいに見られ行く 石田波郷
枯園を師が去りしかばみつめをり 石田波郷
枯園を平らと地下の階を降る 山口誓子
枯園出品さても万年青の実青木の実 山口青邨
枯園出品むらさきしきぶうめもどき 山口青邨
枯園雨惨憺として紅の茎 山口青邨
枯庭に出づ稿不機嫌に断りて 安住敦
枯庭に米くれられし雀ども 岱水
枯庭の趣尾振る犬にあり 後藤夜半 底紅
枯松葉青松葉秋の行く小庭 行く正岡子規 秋
枯焚いて庭しばらくは小豆菊 及川貞 夕焼
枯菊に庭一ぱいの日南かな 正岡子規 枯菊
母の襁褓庭ふかく乾し末枯るる 能村登四郎
水寒く石あたたかく冬の園 後藤比奈夫
濕気多き根岸の庭や冬の菊 正岡子規 寒菊
無職日日枯園に美術館ありき 下村槐太 天涯
畜生の糞こちこちに園枯るる 秋元不死男
石蕗の黄の二輪やなべて庭枯れぬ 伊丹三樹彦
神の留守療園枯の始まりぬ 角川源義
空たかく教師の家の庭枯れぬ 大野林火 海門 昭和十二年
竹林にこもれる音や冬の庭 細見綾子
聖鐘がひびく枯園に天心に 上田五千石『田園』補遺
胸抱きて枯園となるを待ちてをり 石田波郷
船の笛丘の枯園にきて絶ゆる 大野林火 海門 昭和十三年
芭蕉枯れて緑乏しき小庭哉 正岡子規 枯芭蕉
苔庭の匂ひもなくて枯れし木々 村山故郷
草枯るゝ庭の日向や洗濯す 正岡子規 草枯
菊枯て筆塚淋し寺の庭 正岡子規 枯菊
菊枯れて冬薔薇蕾む小庭かな 正岡子規 枯菊
菊枯れて庭にも一つ藁塚を 河東碧梧桐
菖蒲の葉一枚生きて冬の園 山口青邨
萩刈りし庭のかなたや枯芒 正岡子規 枯薄
蘆枯るゝ水辺もありて庭の景 高浜年尾
蜂の巣のいまはあらはに園枯るる 山口青邨
避寒宿枯山水の庭は持たず 鈴木真砂女 居待月
部屋の鍵ズボンに匿れ枯園に 山口誓子
野の冬の序に枯つ庭の萩 田川鳳朗
金魚一鱗末枯の庭わが愛す 山口青邨
鉄打つ音枯園を幾往復す 津田清子 礼拝
風情無き枯木の庭となりにけり 正岡子規 枯木

以上

by 575fudemakase | 2017-01-24 16:26 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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