枇杷の花 の 俳句

枇杷の花 の 俳句

枇杷の花


例句を挙げる。


あたたかな夜風が顔に枇杷の花 岸本尚毅 鶏頭

あらそひの古文書ばかり枇杷の花 大島民郎

くちそそぐ花枇杷鬱として匂ひ 橋本多佳子

このあたり黄泉比良坂枇杷咲けり 加藤三七子

このさきの齢のいろや枇杷の花 北見さとる

この家には犬が居る筈枇杷の花 高澤良一 随笑

しばらくは存ふるらし枇杷の花 六本和子

つまりたる背戸の日影や枇杷の花 野径 俳諧撰集「藤の実」

ふるさとに墓のみ待てり枇杷の花 福田蓼汀 山火

また少し耳遠くなり枇杷の花 西山誠

また空を噴煙とほる枇杷の花 大岳水一路

むく犬はどこに眼ありや枇杷の花 中村草田男

わが刻を今日はわが待つ枇杷の花 林 翔

チエロ弾くに似合ふは三十路枇杷の花 和田耕三郎

一人とはもう減らぬこと枇杷の花 阿部正調

二階にはあまり上らず枇杷咲けり 舘野たみを

亡夫より亡父の匂ひ枇杷の花 中嶋秀子

人の声して暮れすさみ来よ枇杷の花 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく

仏壇の小さき戸じまり枇杷の花 檜紀代

他人ごとを空に放つて枇杷の花 天野素子

何処までを幸とや言はむ枇杷の花 長屋せい子

佳き子たちみな佳き妻に枇杷の花 林翔 和紙

修善寺物語あり枇杷の花 池内たけし

初日さすや古葉の中の枇杷の花 碧雲居句集 大谷碧雲居

医師もどり喪章をはづす枇杷の花 大島民郎

午後すでに海暗澹と枇杷の花 大村昌徳

又の日を思ひ枇杷咲く牟婁を去る 高橋淡路女 淡路女百句

君が詠む山河切々枇杷の花 古賀まり子 緑の野

吟行のわれら老いたり枇杷の花 高澤良一 さざなみやっこ

咲き満ちてどこか不機嫌枇杷の花 小檜山繁子

善人と歩く日向の枇杷の花 寺井谷子

土の上にある日花枇杷にある日 長谷川素逝 暦日

声のなき言葉湧きつぎ枇杷の花 加藤知世子 花 季

妻激して口蒼し枇杷の花にたつ 飯田蛇笏 山廬集

定かなり得難き人と枇杷の花 高澤良一 寒暑

実を底に持ちてたのもし枇杷の花 上島鬼貫

客俳人主俳人枇杷の花 遠入たつみ

寂けさに疲れもぞする枇杷の花 相生垣瓜人 微茫集

寒き日にきつとがましや枇杷の花 広瀬惟然

少年の窓やはらかき枇杷の花 攝津幸彦

崩え果てし夢また育つ枇杷の花 久保田晴朗

帰化人の住居淋しき枇杷の花 撲天楼

帰国子に買ふ日本地図枇杷の花 武田光子

弓かかへきてさきがけの枇杷の花 中田剛 珠樹

役者絵の花押にほふや枇杷の花 北川みよ子

故郷に墓のみ待てり枇杷の花 福田蓼汀

新薬の効き目追ひ追ひ枇杷の花 高澤良一 さざなみやっこ

旅に獲し言葉一つや枇杷の花 石田波郷

旅一と日短きことよ枇杷の花 阿部みどり女 笹鳴

日ざし来て仏偲べと枇杷の花 永井龍男

日に幾度郵便局へ枇杷の花 藤田あけ烏 赤松

日を経ては褒貶遠し枇杷の花 大島民郎

日影なき花枇杷の風枯れきしや 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく

昼からの余りある日や枇杷の花 高澤良一 ぱらりとせ

時雨れてもしぐれても枇杷の花同じ 河合未光

晩年の帰る地もなし枇杷の花 皆川白陀

月まどか島の坂みち枇杷咲いて 及川貞 榧の實

月蝕の戸を閉め庭の枇杷の花 長谷川かな女 牡 丹

本郷の学生寮の枇杷咲けり 高澤良一 鳩信

来る年の身もたのもしや枇杷の花 上島鬼貫

枇杷の花くりやの石に日がさして 古沢太穂

枇杷の花しきりにおつる日なりけり 石原舟月 山鵲

枇杷の花しくしく氷雨下りけり 臼田亞浪 定本亜浪句集

枇杷の花そこはかとして癒ゆる傷 高澤良一 鳩信

枇杷の花たつた一人の発明家 皆吉司

枇杷の花ちぢれる家を越にけり 室生犀星

枇杷の花ちる光陰の水明り ほんだゆき

枇杷の花とり懐さるゝ土蔵かな 上村占魚 鮎

枇杷の花ひまなく薄日ぬすみけり 松村蒼石 雁

枇杷の花までたちあがる焔あり 山西雅子

枇杷の花らしからぬこの純白は 夏井いつき

枇杷の花われらかうしてまた会へて 高澤良一 ぱらりとせ

枇杷の花チョッキを吊すドアの裏 田川飛旅子 花文字

枇杷の花五瓣揃ひしものを見し 米田ゆき子

枇杷の花休息もまたわがつとめ 古賀まり子 緑の野以後

枇杷の花侘しき夕日とどめをり 椎橋清翠

枇杷の花同色の蜂を呼び集め 瀧 春一

枇杷の花唇あつき独逸語教師 二村典子

枇杷の花四十路の坂が迫り来ぬ 五十崎古郷句集

枇杷の花大やうにして淋しけれ 高浜虚子

枇杷の花妻のみに母残りけり 本宮銑太郎

枇杷の花家守る妻にのみ咲ける 原田種茅 径

枇杷の花宿のくらさに気がつまる 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣

枇杷の花少年肘をあげて泣く 島田まつ子

枇杷の花尼の消息誰も知らず 岡田扶佐子

枇杷の花散るや微熱が去るやうに 東浦六代

枇杷の花族の目鼻の子が並ぶ 小松崎爽青

枇杷の花日あたることをわすれたる 長谷川素逝 暦日

枇杷の花日輪薄目してゐたり 神蔵 器

枇杷の花暮れて忘れし文を出す 塩谷はつ枝

枇杷の花枢送りしあとを掃く 庄田春子

枇杷の花母とこゑ和すことふえて 上田日差子

枇杷の花母に会ひしを妻に秘む 永野鼎衣

枇杷の花母娘と住みてなまめしき 室生犀星 犀星発句集

枇杷の花海に陰謀あるごとし 高澤良一 さざなみやっこ

枇杷の花海荒るゝ日は船遠く 今井杏太郎

枇杷の花犬も主も微恙あり 堀口星眠 青葉木菟

枇杷の花老顔鏡の中にあり 瀧井孝作

枇杷の花胸厚き教師病むという 岡本政雄

枇杷の花薄日さす寺の古疊 四丁句集第一巻 鵜沢四丁

枇杷の花虻より弱き黄なりけり 野村喜舟 小石川

枇杷の花霰はげしく降る中に 野村喜舟

枇杷の花風の乾きにからびけり 広江八重桜

枇杷咲いて揚舟乾く輪中邑 石野冬青

枇杷咲いて湊まづしくありにけり 目迫秩父

枇杷咲いて紙漉一戸一乙女 赤松[ケイ]子

枇杷咲いて草屋はいまも鄙の塔 古舘曹人 砂の音

枇杷咲いて長き留守なる館かな 松本たかし

枇杷咲いて鼻の先まで年の暮 石塚友二

枇杷咲きぬ朝歩蒼惶晩歩縷々 林翔 和紙

枇杷咲きぬ病忘れし日とてなく 福田蓼汀 山火

枇杷咲きぬ面影知らぬ生母の忌 林 翔

枇杷咲くか裏庭とんと用のなく 大橋敦子

枇杷咲くと平一門の墓乾ぶ 有働 亨

枇杷咲くやくろずむ梁の聖母像 原 俊子

枇杷咲くやしのび足なる疲労感 岡本まち子

枇杷咲くや下船の列のすぐに尽き 西村和子 かりそめならず

枇杷咲くや村長耶蘇とうとまれて 大谷句佛 我は我

枇杷咲くや百姓馬の毛を刈りぬ 仲岡楽南

枇杷咲くや足の踏み場のみな古墳 百合山羽公

枇杷咲けり人小さく乗る藁ふとん 長谷川かな女 雨 月

枇杷咲けり街音ここも止む間なし 中村汀女

棲みついてここがふるさと枇杷の花 笹本千賀子

椽(たるき)には木練釣りけり枇杷の花 加州-ノ松 俳諧撰集「藤の実」

横顔はさみしきさがの枇杷の花 小池文子 巴里蕭条

死ぬやうに思ふ病や枇杷咲けり 塩谷鵜平

母と経し月日長かり枇杷の花 樋笠文

母を見て旅心なし枇杷の花 碧雲居句集 大谷碧雲居

水汲みに僧が出てきぬ枇杷の花 星野麥丘人

水汲みを寒むがりぬ枇杷咲き初めて 乙字俳句集 大須賀乙字

淋しさもその淡さほど枇杷の花 斎藤道子

無住寺に人来る日あり枇杷の花 大峯あきら

煤煙に又も暗さや枇杷の花 阿部みどり女 笹鳴

熔岩のみち急に落ち枇杷咲くところ 高濱年尾 年尾句集

父母も夫も在はすお寺や枇杷の花 龍胆 長谷川かな女

父祖の地を終のすみかに枇杷の花 後藤澄子

生花に事欠く頃や枇杷の花 賀瑞

男合羽の女ゆく岬枇杷の花 武政 郁

病む妻に嘘いくつ言ふ枇杷の花 能村登四郎

病む窓に日の来ずなりぬ枇杷の花 大下紫水

白壁にひたと影置く枇杷の花 阿部みどり女

皆人の匂ひはいはじ枇杷の花 上島鬼貫

皆忘れて仕舞ふこの頃枇杷の花 高澤良一 素抱

硝子戸に月のぬくもり枇杷の花 矢島渚男 采薇

笹鳴の渡りすぎけり枇杷の花 室生犀星 犀星発句集

箒目は人住むあかし枇杷の花 大岳水一路

翔つ鳥の火山灰を飛ばせり枇杷の花 大岳麗子

胸に飼ふこの日の無音枇杷の花 栗林千津

腹背に貧乏神や枇杷の花 橋本夢道 無類の妻

舟宿のうらに猿出づ枇杷の花 浜 明史

舟還る熔岩の入江や枇杷の花 野上 水穂

芭蕉生家花枇杷を揺る風もなし 大島美代子

花枇杷につゞく曇りや炭を切る 十黄第一句集 小田島十黄

花枇杷に不良兄弟ひそみいる 長谷川かな女 花 季

花枇杷に手拭落す温泉宿かな 龍胆 長谷川かな女

花枇杷に暗く灯せり歓喜天 岸川素粒子

花枇杷に色勝つ鳥の遊びけり 前田普羅

花枇杷の無音を言へり病んでをり 栗林千津

花枇杷の真下かわかぬ忌なりけり 鳥居美智子

花枇杷は口重き花わが窓に 渡邊千枝子

花枇杷やどやと人通る門の暮 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく

花枇杷や一日暗き庭の隅 岡田耿陽

花枇杷や昼の月魄いまいづこ 芝不器男

花枇杷や月のぼるまで村の闇 大峯あきら 鳥道

花枇杷や病む放浪に金散じ 八牧美喜子

花枇杷や盛衰もなき老医師 隈柿三

花枇杷や石つむに似てひと日果つ 小島千架子

花枇杷や職業欄に主婦と書く 矢口由起枝

荒城の石打つ雨や枇杷の花 石塚友二 光塵

菅浦は家ひとならび枇杷の花 細川加賀 生身魂

葉の上に花粉こぼせる枇杷の花白き花弁をのぞかせてをり 松坂弘

薫物のもれてやにほふ枇杷の花 史邦 芭蕉庵小文庫

藪の家や冬を質さば枇杷の花 尾崎迷堂 孤輪

蜂のみの知る香放てり枇杷の花 右城暮石 上下

誰か来さうな空が曇つてゐる枇杷の花 種田山頭火 草木塔

贋作に歳月の艶枇杷の花 中戸川朝人

軒裏の蜂の古巣や枇杷の花 会津八一

遠母の一消息や枇杷の花 細川加賀 『傷痕』

里人は信長贔屓枇杷の花 藤本時枝

降灰の島畑くらき枇杷の花 下村ひろし 西陲集

雨までは淡くも日あれ枇杷の花 渡辺水巴 白日

雪嶺より来る風に耐へ枇杷の花 福田甲子雄

願かけの絵馬の古びて枇杷の花 下間ノリ

風の音空にかたまり枇杷咲けり 滝川 壺風

飼ふとなく棲みつきし犬や枇杷の花 冬葉第一句集 吉田冬葉

養生のその後は如何に枇杷の花 高澤良一 燕音

駅構内0番地なる枇杷咲けり 西村和子 夏帽子

野暮ったき枇杷の咲き出す頃もよき 高澤良一 宿好

有難味薄るゝ旗日枇杷の咲く 高澤良一 石鏡

度忘れは人ごとでなし枇杷の花 高澤良一 石鏡


枇杷の花 補遺


おのが葉を暗くかぶりぬ枇杷の花 山口青邨

かわかわと翼たたまれ枇杷の花 橋閒石 無刻

くちそそぐ花枇杷鬱として匂ひ 橋本多佳子

さはるべき雲さへ持たず枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

さゝなける丘もにほひて枇杷咲けり 百合山羽公 春園

はきだめの臭き中より枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

ひそかなるもの木にもあり枇杷の花 山口青邨

ふるさとに墓のみ待てり枇杷の花 福田蓼汀 山火

みごもりの睡り寧かれ枇杷の花 能村登四郎

むく犬はどこに眼ありや枇杷の花 中村草田男

わが刻を今日はわが持つ枇杷の花 林翔 和紙

三代も人の世淡し枇杷の花 上田五千石『琥珀』補遺

世に遅れ人に隠れて枇杷の花 山口青邨

丘上の牛が声だす枇杷の花 飯田龍太

乾拭の顔に日当る枇杷の花 波多野爽波

佳き子たちみな佳き妻に枇杷の花 林翔 和紙

冬うらら雑草園は枇杷も咲く 山口青邨

北庭や日影乏しき枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

十露盤塾裏は枯藪枇杷の花 山口青邨

午後といふゆるみの刻の枇杷の花 能村登四郎

咲いて散りし北の家陰の枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

咲て散りし家のうしろの枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

土の上にある日花枇杷にある日 長谷川素逝 暦日

声出して黒木積む子や枇杷の花 飴山實 花浴び

夜見の国まるごと見えて枇杷の花 佐藤鬼房

好日の虻溺れきる 枇杷の花 伊丹三樹彦

妻激して口蒼し枇杷の花にたつ 飯田蛇笏 山廬集

嫂に遠くなりけり枇杷の花 燕雀 星野麥丘人

家の子とけさたつ丘の枇杷咲きぬ 百合山羽公 春園

家売つて行く人ありぬ枇杷の花 星野麥丘人

寂けさに疲れもぞする枇杷の花 相生垣瓜人 微茫集

山水の曲折しぶく枇杷の花 上田五千石 森林

山門や妙な處に枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

岩窟に薪を貯ふ枇杷の花 清崎敏郎

旅に獲し言葉一つや枇杷の花 石田波郷

日は天にまろくあたたか枇杷の花 山口青邨

昼夜を分かたず枇杷の花浮ぶ 右城暮石 句集外 昭和二十三年

晴れてすぐ崩れて午後へ枇杷の花 岡本眸

月まどか島の坂みち枇杷咲いて 及川貞 榧の實

枇杷が咲く金の指輪の指細り 三橋鷹女

枇杷の花この日しづかにしてゐたき 右城暮石 句集外 昭和十四年

枇杷の花さくころの忌の三つほど 岸田稚魚

枇杷の花しくしく氷雨下りけり 臼田亜浪 定本亜浪句集

枇杷の花しんしんと降り大男 飯島晴子

枇杷の花となりは法華滅罪寺 亭午 星野麥丘人

枇杷の花とり懐さるゝ土蔵かな 上村占魚 鮎

枇杷の花はつきりしないのが勝か 飯島晴子

枇杷の花はや咲く隠耶蘇部落 山口青邨

枇杷の花ひまなく薄日ぬすみけり 松村蒼石 雁

枇杷の花人は心を洗はるる 後藤比奈夫

枇杷の花匂へると寄る匂ひけり 飯島晴子

枇杷の花夕日さしこめばあはれ見ゆ 山口青邨

枇杷の花夜はそくばくの星かかげ 大野林火 冬雁 昭和二十二年

枇杷の花幽かにつもるわが臥処 飯島晴子

枇杷の花散りて石蕗今を盛なり 正岡子規 石蕗の花

枇杷の花日あたることをわすれたる 長谷川素逝 暦日

枇杷の花暁けそむるより憩らはず 石田波郷

枇杷の花海の光の山に来て 山口青邨

枇杷の花窓に学会小さき会 山口青邨

枇杷の花軸の茶色を尚思ふ 細見綾子

枇杷の花遺影に辞して帰る時 細見綾子

枇杷の花雑草園はいまさびし 山口青邨

枇杷咲いてこそりともせぬ一ト日かな 村上鬼城

枇杷咲いて海照り昇り来るごとし 高濱年尾

枇杷咲いて草屋はいまも鄙の塔 古舘曹人 砂の音

枇杷咲いて鼻の先まで年の暮 石塚友二 曠日

枇杷咲きたり渋茶をのみて甘み残る(金沢にて) 細見綾子

枇杷咲きぬ朝歩蒼惶晩歩縷々 林翔 和紙

枇杷咲きぬ病忘れし日とてなく 福田蓼汀 山火

枇杷咲きぬ魚てふ魚は乾物のみ 橋閒石 雪

枇杷咲くや寺は鐘うつ飯時分 正岡子規 枇杷の花

枇杷咲くや足の踏み場のみな古墳 百合山羽公 樂土

植込のうしろの方や枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

歳月の屋根のなだれを枇杷咲けり(松島瑞巌寺) 細見綾子

水汲みに僧が出てきぬ枇杷の花 星野麥丘人

火雲湧き熔岩にすがるる枇杷の花 角川源義

炊事道具を池につけあり枇杷の花 右城暮石 句集外 昭和八年

熔岩のみち急に落ち枇杷咲くところ 高濱年尾

物にはかに乏しくなりぬ枇杷の花 松崎鉄之介

病む妻に嘘いくついふ枇杷の花 能村登四郎

病床に身を乗り出せば枇杷の花 石田波郷

職業の分らぬ家や枇杷の花 正岡子規 枇杷の花

花枇杷に帚捨てつるにはあらず 阿波野青畝

花枇杷に色勝つ鳥の遊びけり 前田普羅 普羅句集

花枇杷や砂丘をひらき家と墓 角川源義

荒城の石打つ雨や枇杷の花 石塚友二 光塵

葉の形チ見ても寒さよ枇杷の花 右城暮石 句集外 昭和十三年

蔵ひらく音のしてゐる枇杷の花 鷲谷七菜子 花寂び

蕗茗荷荒れて久しく枇杷が咲く 細見綾子

蜂のみの知る香放てり枇杷の花 右城暮石 上下

衣食足り血の足らぬとよ枇杷の花 藤田湘子 てんてん

裏庭は日ざし離れぬ枇杷の花 石田波郷

誰か来さうな空が曇つてゐる枇杷の花 種田山頭火 草木塔

遠ざけし人恋ふ枇杷の咲きてより 鷲谷七菜子 黄炎

鉄橋の影が白洲に枇杷の花 飯田龍太

雨までは淡くも日あれ枇杷の花 渡邊水巴 白日

養生の食かろく枇杷咲き出しぬ 岡本眸


枇杷の花 続補遺

いつ咲ていつちるやらん枇杷の花 尚白
かり寄た木馬すえるや枇杷の花 鈴木道彦
しぐれうとおもふて咲や枇杷の花 野坡
たのもしき葉の広がりや枇杷の花 李由
ひよ鳥のひだるふ啼や枇杷の花 吾仲
冬の日をひそかにもれて枇杷の花 曲翠
咲たともをれはおもはじ枇杷の花 除風
夜るはげに昼もあやなし枇杷の花 尚白
夜嵐の雨に日たけぬ枇杷の花 早野巴人
実を底に持ちてたのもし枇杷の花 鬼貫
己さへすさまじ皃や枇杷の花 三宅嘯山
懺法ははじまつてあり枇杷の花 牧童
春待や顔も洗はず枇杷の花 亀洞
来る年の身もたのもしや枇杷の花 鬼貫
皆人の匂ひはいはじ枇杷の花 鬼貫
窓ふかく綿うつ音や枇杷の花 舎羅
薫物のもれてやにほふ枇杷の花 史邦
賢かうも竹に隠れつ枇杷の花 凉菟
道場の土蔵住りや枇杷の花 三宅嘯山
降らぬ日もふれと祈るか枇杷の花 露川

以上


by 575fudemakase | 2017-01-24 16:57 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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