葱 の俳句

葱 の俳句

葱 の例句


葱 補遺

あかときのチグリスわたる葱車 加藤秋邨
ある夜葱筑波颪に折れ盡せり 正岡子規 葱
ある日真砂女葱の高値を嘆じけり 安住敦
いっしんに葱きざむ兵ちちはははや 伊丹三樹彦
いつまでも葱青く牡蠣煮ゆるなり 下村槐太 天涯
うしろ姿が葱ぬくよ鮮明に執拗に 橋閒石 荒栲
おのづから流るゝ水葱(なぎ)の月明り 杉田久女
きらりきらりと峡の索道葱を運ぶ 加藤秋邨
ぐい呑にきざみ葱あり良夜にて 能村登四郎
ここにても荒海のひびき葱畠 中川一碧樓
ことごとく折れて真昼の葱畑 鷹羽狩行
ことごとく青折鶴の葱畑 福田蓼汀 秋風挽歌
この里の露霜の葱あまかりし 能村登四郎
さむざむと葱束ねつつ古き顔 飯田龍太
じりじりと敗北露の葱を剥く 能村登四郎
すりおろす葱の根つこも十二月 上田五千石 天路
ぞつくりと葱浅間へかけて雪 大野林火 白幡南町 昭和三十三年
たそがれの葱抜いてゐる少女あり 飯田龍太
ただ拾ふごとく王葱収穫す 山口青邨
ちり鍋やぎんなん覗く葱の隙 石塚友二 曠日
つるりとむげて葱の白さよ 種田山頭火 草木塔
とくと見ておくべきものに葱の種 飯島晴子
となりにも雨の葱畑 尾崎放哉 小豆島時代
なめくぢも夕映えてをり葱の先 飴山實 辛酉小雪
はしための葱の香しみし濡手かな 西島麦南 人音
まっしぐらまっしぐら蹤いて葱走れ 下村槐太 天涯
みどり濃き葱は紫ならんとす 山口青邨
わが蓬頭を擲るなしか今日もこの葱畑をゆく 中川一碧樓
エレベーター出て葱の香と別れけり 加藤秋邨
オノコ口島青玉葱の流れ着き 山口誓子
バスで通る葱の深谷はここなりと 山口青邨
レポートに葱の匂ひすどの顔ぞ 加藤秋邨
一日の暑さうすらぎ葱きざむ 細見綾子桃は八重
丁寧に日輪のぼる村の葱 岡井省二 明野
三ケ日つかはぬ葱のにほひ来つ 能村登四郎
三月や長老沼は水浅葱 佐藤鬼房
下京の工場沿ひに葱青し 右城暮石 句集外 昭和五十六年
下仁田の葱を庖丁始かな 藤田湘子
串焼きの葱の熱さよ三の酉 鷹羽狩行
二三本葱を手にして螢取り 右城暮石 句集外 昭和五年
二三本葱買ふて行く人貧し 正岡子規 葱
二人居の一人が出でて葱を買ふ 細見綾子 冬薔薇
亡母去る葱の白根に土かぶせ 三橋鷹女
人が呉れし葱蹌踉と厨かな 山口青邨
人の世へ覚めて朝の葱刻む 三橋鷹女
人妻よ薄暮のあめに葱やとる 飯田蛇笏 山廬集
人日も過ぎし思ひの葱きざむ 能村登四郎
今宮に残りの畑の葱作り 右城暮石 句集外 昭和五年
伏せ葱に夕三日月の影しけり 臼田亜郎 定本亜浪句集
伏葱に紅葉かつ散る庵せり 富安風生
伐折羅見て葱あをあをと茂るかな 大野林火 方円集 昭和五十二年
住みつくや葱一と畝を青々と 細見綾子
修忌の蕪参らする葱も一束ね 河東碧梧桐
傘の輪の雨白く落ちをり夜葱切る 阿波野青畝
冬に入る葱刻みたる声となり 加藤秋邨
刃ごたへの堅き葱はも弥生尽 鈴木真砂女 夕螢
切口のまるうにはじけ雪の葱 右城暮石 句集外 昭和八年
別れ霜葉牡丹の青き葱の黄なる 河東碧梧桐
北風にあへなく折るゝ葱ばかり 日野草城
受け止めて腰泳がせぬ菰の葱 石塚友二 磊[カイ]集
古里に根深畠は荒れにけり 正岡子規 葱
名もゆかし一夜明さん刈葱畑 正岡子規 刈葱
君焼く間の葱の青さの闇添うまで 古沢太穂 火雲
味噌これぞ葱鉄砲をくらひても 石川桂郎 高蘆
喰へさうな草萌てあり葱畠 右城暮石 句集外 昭和四年
嚏してややありて葱を抜くらしき 加藤秋邨
土の葱干す村々を馳り過ぐ 山口青邨
墓原は時雨に葱の畝たてゝ 石橋秀野
墓過ぎて葱畑の青現身に(能登一の宮、折口信夫先生墓のほとり) 細見綾子
夕凍ての葱のにほひにうしろの世 飯田龍太
夕日いつまで出漁船に葱の束 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
夕映えに出て葱抜いて故郷かな 飯田龍太
夕暮の葱の香の家に生きて帰る 能村登四郎
多摩の子は葱畑より凧揚ぐる 山口青邨
夜の客に手探りに葱引いて来し 中村汀女
夢の世に葱を作りて寂しさよ 永田耕衣
大根引て葱淋しき畠哉 正岡子規 大根引
大根引て葱畠は荒れにけり 正岡子規 大根引
太陽は葱の此方に寂しきかな 永田耕衣
太陽や農夫葱さげ漁夫章魚さげ 西東三鬼
女峰よりもたらせしもの行者葱 山口青邨
好きやねん大根畑と葱畑 星野麥丘人 2001年
妻恙葱の一本買ひもして 星野麥丘人 2005年
妻病めり切口乾く葱蕪 草間時彦 中年
家うちに葱の香こもる日短 鈴木真砂女 居待月
寒タ焼人をもてなす葱買ひに 鈴木真砂女
寒厨や心貧しく葱を断つ 日野草城
寒燈が照らせる葱に子を待てり 細見綾子
寒風に葱ぬくわれに絃歌やめ 杉田久女
尊農祭めとるにとほき葱を刈る 細谷源二 鐵
少年の放心葱畑に陽が赤い 金子兜太
尻からげして葱ぬいて居る 尾崎放哉 須磨寺時代
山がつに葱の香つよし小料理屋 飯田蛇笏 山廬集
山へ帰る荷に葱すこし年の暮 右城暮石 声と声
山を抜く力で葱を抜かんかな 橋閒石俳句選集 『和栲』以後(Ⅱ)
山上の御坊に届く葱一荷 松崎鉄之介
山畑や葱につまずく霧のなか 能村登四郎
山里や木立を負ふて葱畠 正岡子規 葱
工場に沿ひて長々葱の畝 右城暮石 句集外 昭和五十五年
市に住んで葱買ひに行く隣哉 正岡子規 葱
師走八日の葱真青に明けきたる 加藤秋邨
引かれたる葱のごとくに裸身なり 川端茅舎
忘れ居し葱を見れば芽生かな 河東碧梧桐
戦の今日もチグリス越ゆるか葱車 加藤秋邨
折れてなほ瑞のあをさよ雪の葱 鷲谷七菜子 銃身
折れ葱の伸びんとにほふ俄寒 能村登四郎
抜く葱に地の香ただよふ忌なりけり 飯田龍太
指五本葱の雫落るべう 正岡子規 葱
捨て葱に雪ふりかかる一二片 森澄雄
掛とりもせねばならずと葱きざむ 鈴木真砂女 夕螢
日かげりて緑冷えたり葱畑 日野草城
日さす葱閨中の語はみなわする 加藤秋邨
旧正やたくはへし葱納屋にあり 上村占魚
星勁し葱千切りの音もまた 飯田龍太
晩年やつるりと熱き葱の芯 鷹羽狩行
普化宗の寺の跡なり葱畑 正岡子規 葱
月にねむる峯風つよし葱をとる 飯田蛇笏 山廬集
木を伐て根深畠に倒しけり 正岡子規 葱
杉山の根方十坪の葱の苗 岡井省二 明野
枯れてさがる檐の葱の氷柱哉 正岡子規 氷柱
枯葱に未明の親は打たれてをり 飯島晴子
楚々として象牙のごとき葱を買ふ 山口青邨
業平の祭浅葱に晴れたる日 後藤夜半 底紅
武蔵野や流れをはさみ葱白菜 臼田亜郎 定本亜浪句集
武藏野の明星寒し葱畑 正岡子規 寒し
死にたしと言ひたりし手が葱刻む 加藤秋邨
死んでから黒髪の去る葱畑 飯島晴子
母が出て抜くにもかばひ素人葱 石川桂郎 含羞
母に呼ばれて葱を抜く年用意 廣瀬直人
母の忌や母来て白い葱を裂く 中村苑子
母子寮の厨に見えて葱白し 臼田亜郎 定本亜浪句集
水葱流る心はるばる来し如く 中村汀女
水葱畳向うを藻えび舟が行く 高浜年尾
水葱畳枯蘆原と別にあり 高浜年尾
汗拭を草に干しけり葱摺 正岡子規 汗巾
江戸の市に白根の長き根深哉 正岡子規 葱
沈痛の青を凝らせる葱畑 山口誓子
沿線の濃き一枚の葱畑 鷹羽狩行
泥鰌らも知りぬいて居る葱畑 永田耕衣
洗ひ上げて葱真白なり真直なり 林翔
洗ひ葱白きあたりが雫せり 能村登四郎
流れあり洗ひ甲斐ある葱の泥 能村登四郎
海もいま青からむ葱にこの冬日 大野林火 青水輪 昭和二十六年
湖の浅葱に晴れぬ楝の実 岡井省二 山色
湯豆腐のまづ箸にして葱甘し 石川桂郎 高蘆
満月に葱折れてより交を絶つ 秋元不死男
滄浪の水清めらば葱を洗ふへし 正岡子規 葱
濡葱を握るてのひら夕ごころ 日野草城
火にかざす妻の濡れ手や葱の香も 能村登四郎
火を埋めるやうに日暮れて囲ひ葱 岡本眸
炭はぜて葱に飛びたり夜新し 細見綾子
燈台の下にて葱の白根剥かる 木村蕪城 寒泉
牛鍋につゝき崩せし根深哉 正岡子規 葱
牡蠣鍋の葱の切つ先そろひけり 水原秋櫻子 晩華
牡蠣雑炊あつし葱の香振りかけて 水原秋櫻子 蘆雁
猪煮るや二度ほど雪の来たる葱 細見綾子
王孫を市にあはれむ葱哉 正岡子規 葱
珈琲や葱を想いて熱かりき 永田耕衣 物質
生葱のうつる古池四五在らむ 永田耕衣
生葱を噛めば軒うつ氷雨かな 加藤秋邨
田荷軒耕衣夢葱居士薄 永田耕衣
男傘さして掘りゐる囲ひ葱 能村登四郎
畜類の肉もこのもし葱の味 飯田蛇笏 山廬集
病む妻が刻みて葱の切先よ 草間時彦
痩せ葱と海苔なき海苔簀錯落す 林翔 和紙
白が青に染まるあたりの葱うつくし 能村登四郎
白葱の一皿寒し牛の肉 正岡子規 葱
白葱の束ねどころや海の道 永田耕衣
白葱を二三本ぬき鼓うつ 橋閒石 和栲
白隠の機の白葱の泥気かな 永田耕衣
百花終るに葱坊子急ぎけり 松村蒼石 雁
短日や樫木原の葱細 村上鬼城
石あまた夕冷えの葱林立す 橋閒石 朱明
砂地踏みそこは葱畑海へ出る 木村蕪城 寒泉
磨かれし浅葱の空や蕗の薹 佐藤鬼房
禅寺の外には葷の葱畑 山口誓子
禿頭をもてやつしたる葱生かな 岡井省二 鯨と犀
種葱をのこしおくなり桃畑(山梨県一の宮二句) 細見綾子
立ち葱 折れ葱の遠景 はねつるべ 伊丹三樹彦
端居して葱をあふぐ団哉 正岡子規 団扇
紙漉きて一と畝の葱一と畝の菊(埼玉県小川町三句) 細見綾子
終電や踏みて匂はす忘れ葱 加藤秋邨
老妻の忘れし如く葱埋けて 山口青邨
聖職やひそかに伸びし忘れ葱 能村登四郎
肉は鴨下仁田葱のすぐ蕩け 阿波野青畝
肉を買ひ葱を買ひさて一人とは 岡本眸
肉・葱・馬鈴薯ごつた煮にして走り梅雨 能村登四郎
背戸廣し根深の果の遠筑波 正岡子規 葱
腓にて立ちて葱生のおもてなれ 岡井省二 前後
舟すぎて葱の高畝土こぼす 能村登四郎
草枯れて一畝の葱を青うしぬ 日野草城
萱束に葱を合掌囲ひせり 右城暮石 天水
落ちゆく日はやく影もつ葱の列 山口青邨
落日の一切終る葱畑 岡本眸
葛飾に残る葱畑割下水 松崎鉄之介
葱うゑる夕影の土やや冷えぬ 飯田蛇笏 山響集
葱がよく出来てとつぷり暮れた家ある 尾崎放哉 須磨寺時代
葱きざみつつ雲に入る夕ごころ 飯田龍太
葱さげて世の片隈にくらし立て 鈴木真砂女 夕螢
葱すいと割いて庖丁始めかな 秋元不死男
葱どれも折れざるはなし道に鶏 下村槐太 天涯
葱にそふて寒菊咲ぬ鷦鷯 正岡子規 寒菊
葱に土やるを見て山中に刻すごす 大野林火 潺潺集 昭和四十一年
葱ぬいて訪ひ来し婢をばもてなせり 杉田久女
葱ぬくや確かに我を呼ぶなりけり 橋閒石 和栲
葱の根の白さしのぼるごとくなり 能村登四郎
葱の皮男が剥ける寒露かな 能村登四郎
葱の空量も無くまた質も無し 永田耕衣 人生
葱の芽の毛ほどの青さ守り育て 加藤秋邨
葱の荷に玄関埋ること数日 大野林火 方円集 昭和五十三年
葱の葉に行きてもどらぬ人ありぬ 飯島晴子
葱の葉の古色を遊び廻るなり 飯島晴子
葱の青よりその黒土に見惚れをり 能村登四郎
葱の青吹雪がくれにちら~と 日野草城
葱の青葱の白ここにきはまりぬ 山口青邨
葱の香がして風邪癒ゆる青畳 加藤秋邨
葱の香が怒りの最中ながれくる 能村登四郎
葱の香す思ひ屈して瞑れば 佐藤鬼房
葱の香に夕日のしづむ楢ばやし 飯田蛇笏 山廬集
葱の香のまつすぐにきて立ちにけり 加藤秋邨
葱の香の女弟子ゐて愛くるし 能村登四郎
葱の香の後さびしさも流れくる 能村登四郎
葱の香の念死も寛き深味哉 永田耕衣
葱の香の面に移る寂しさよ 永田耕衣
葱の香は直進し蘭の香はつつむ 加藤秋邨
葱の香を恋うて暮れゆく三日かな 鷲谷七菜子 一盞
葱は無く鮭や切身に世紀寒 永田耕衣 物質
葱ほこゆぽつくり寺を風除に 右城暮石 虻峠
葱めづる詩が鉄めづる詩に続く 相生垣瓜人 微茫集
葱も見つ元日の道まつすぐに 渡邊水巴 富士
葱や菜や青し人住むあとどころ 加藤秋邨
葱よりも遠き思ひ出ふと湧けり 加藤秋邨
葱を切るうしろに廊下つづきけり 下村槐太 天涯
葱を引く武蔵野のすぐそこに富士 右城暮石 上下
葱を新しと言うなり秋の暮 永田耕衣
葱を見る男の夕ベ勝れたり 永田耕衣
葱一本横たへて何始まるや 能村登四郎
葱伏せてその夜大きな月の暈 廣瀬直人
葱切つて溌剌たる香悪の中 加藤秋邨
葱刻む楽しさ知りぬ妻の留守 林翔
葱刻む音にさそはれ灯が早し 草間時彦
葱匂ふ厨へ墨の水とりに 百合山羽公 故園
葱味噌や一克居士も世に古りて 石塚友二 玉縄抄
葱味噌を嘗め疑はず酔ひにけり 草間時彦 櫻山
葱咲けりくらきところに野鍛冶の火 伊丹三樹彦
葱囲ひをりはるかなる電話鳴り 能村登四郎
葱囲ふ妻の傍に居りしのみ 佐藤鬼房
葱囲ふ牡丹囲ひし地続きに 安住敦
葱埋めてほかに男のすることなし 安住敦
葱太しバルザックには手を出さず 亭午 星野麥丘人
葱屑の水におくれず流れ去る中村汀女
葱嶺より朱ヶを流して出水川 松崎鉄之介
葱引きに出て鶏卵を掌に 上村占魚
葱引く老婆に 島の白昼 眩しすぎる 伊丹三樹彦
葱抜いてわが常凡に妻も倣ふ 能村登四郎
葱抜いて虹稚しと思いけり 橋閒石 卯
葱抜きしあとのぞきをり僧一人 加藤秋邨
葱抜くをんな寒の夕焼炉のごとく 飯田龍太
葱抜けば身の還るべき地の香あり 飯田龍太
葱掘るやあら逃亡のあで姿(ルオー老漢の「逃亡者」に献ず) 永田耕衣 人生
葱提げて帰る家あり秋の暮 伊丹三樹彦
葱提げて枯野の渚渉り来し 上田五千石 天路
葱断つて強き香に在る目鼻かな 日野草城
葱断つて目鼻厭へる女かな 日野草城
葱月夜袂を以つてあるきけり 岡井省二 前後
葱束より一本抜けりゆるみもせず 能村登四郎
葱根深大根白菜底曇 石塚友二 光塵
葱植うる夫に移しぬ廂の灯 杉田久女
葱植ゑてまつ直ぐな青立ちにけり 加藤秋邨
葱洗ふや月ほのぼのと深雪竹 飯田蛇笏 山廬集
葱洗ふや野川の町に入る處 正岡子規 葱
葱洗ふ浪人の娘痩せにけり 正岡子規 葱
葱焼いて世にも人にも飽きずをり 岡本眸
葱煮ゆる炭に火移りゆきにつゝ 細見綾子
葱煮るや還りて夢は継ぎ難し 森澄雄
葱畑に散り込む欅落葉かな 細見綾子
葱畑の暮色や通夜に早すぎて 能村登四郎
葱畑の畝を雲雀の頭かな 石田勝彦 百千
葱畑の葱が真つ青鍬初め 飯田龍太
葱畑やとぼとぼと山日暮るるよ 岡本眸
葱白く象牙の如し肉と飾る 山口青邨
葱白し子ひとりでゐる家の中 飯田龍太
葱積んで行く朝の舟女漕ぎけり 尾崎放哉 小豆島時代
葱突出してをり風呂敷は派手なれど 岡本眸
葱籠老婆から聞く 某家没落史 伊丹三樹彦
葱苗の葱千本の青さかな 平井照敏 猫町
葱苗を植ゑしばかりやほととぎす 細見綾子
葱蒼し出で行く先に敵いくたり 村山故郷
葱蕪大根年譜など要らず 岡井省二 鯨と犀
葱負うて雪庇の青き下来る 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
葱買ふや枯木のうらの風からび 小林康治 四季貧窮
葱賣の兩國わたる夕かな 正岡子規 葱
葱青々と寒雨つゞくかな 尾崎放哉 大正時代
葱青し字と団地を分け隔つ 百合山羽公 樂土
葱青し陰山が噴くアルカリに 加藤秋邨
葱食えば浮世石橋黄なるかな 永田耕衣
蕪村忌や葱の香毛馬を流るるも 赤尾兜子 玄玄
薄明にて葱を剥きゐる息しづか 能村登四郎
藻は黒く立ち鯉は浅葱冬の水 山口青邨
裏畑は葱の緑に暮るゝかな 日野草城
見えかゝる叔父の閑居や葱のぎぼ 正岡子規 葱の擬宝
親疎十年交りたゆる葱の月 飯田蛇笏 山廬集
話すことなくとも愉し釣葱 鈴木真砂女
谷水のみ葱一本のおそろしき 飯島晴子
豚盡きて葱を貪る主かな 正岡子規 葱
貧厨や葉先枯れたる葱一把 日野草城
起重機の下に葱洗ふ顔出して 加藤秋邨
越年や葱そこばくを縁の下 安住敦
足だるく川筋の葱喰ひいそぐ 飯島晴子
農の友つかつかと入り葱呉れし 伊丹三樹彦
逆上の人枯葱をかゞやかす 飯島晴子
野と隔つ垣破れたり葱畑 正岡子規 葱
釣瓶落し家裏に抜く葱二本 相馬遷子 山河
鉄扉一枚開いて葱買ふ雪催 岡本眸
鍋物に焦げつく葱や獺祭忌 石川桂郎 四温
闇にして刈葱の畝を感じをり 岡井省二 鯛の鯛
闇の中闇かたまつて葱畑 岡本眸
闇老いて葱浮々と洗われけり 永田耕衣
雪に応へて階段裏の葱にほふ 能村登四郎
雪の暮微塵刻みに葱溢る 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
雪雫洗ひし葱に飛んでつく 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
霜凪や味噌汁の具の九條葱 寒食 星野麥丘人
霜月のうら枯れんとす葱畠 正岡子規 葱
霧の葱畑この青を一会とし 金子兜太
霧晴れて葱に露のたまりけり 正岡子規 霧
霧襖ながら 葱華の 霊廟よ 伊丹三樹彦
露のチヤペル紺青の葱珠天に澄み 山口青邨
露の葱さげて日の海かへりみる 飯田龍太
風呂吹に葱味噌とわが山家ぶり 石塚友二 玉縄抄
鳥の色うごく二日の葱畠 橋閒石 朱明
鶯の鳴く山がけに葱すこし 右城暮石 句集外 昭和七年

葱 続補遺

から風や葱折ふせる西の京 三宅嘯山
しぐるゝや葱の台の片柳 其角
たれか見む葱畠の今朝の霜 許六
とても年葱くらふてうとまれん 鈴木道彦
はたをりも朝葱結べよい日和 鈴木道彦
はる寒く葱の折ふす畠かな 炭太祇
わゝしさの知られし嚊の葱哉 三宅嘯山
三筋ほど葱喰美女のひそみ哉 三宅嘯山
交りは葱の室に入にけり 炭太祇
冬枯るゝ目もまだ伸びぬ葱ばたけ 素丸 素丸発句集
寒き野を都に入や葱売 高井几董
小灯に葱洗ふ川や夜半の月 黒柳召波
庖丁に葱のにほひや今朝の雪 馬場存義
星あひや露は一つの葱畑 里東
時雨ゝや葱台の片柳 其角
月ともに氷れる葱やうす衣 早野巴人
染らねば時雨匂はす葱ばたけ 野坡
水仙は葱のきはにて咲にけり 成美 成美家集
氷室山里葱の葉白し日かげ草 其角
痩葱にさかな切込磯家かな 高井几董
百日の野葱をふんで雲雀哉 野紅
盗ませる葱も作りて後の月 香以 俳家新聞
荒畠やはつかに霜の折葱 露印
葱にもかぎりある日や后の月 杉風
葱の玉神のお留守とにほふなり 夏目成美
葱の香や浮世をわたる其中に 建部巣兆
葱の香や馬士の罵行暮の辻 三宅嘯山
葱もまいる禅師手ひどき示哉 三宅嘯山
葱喰ぬ御児や法のうつはもの 三宅嘯山
葱洗ふ五十の川のゑぼし髪 早野巴人
葱白しまことの冬になるほどに 鈴木道彦
葱買うて枯木の中を帰りけり 与謝蕪村
蝶の来て一夜寝にけり葱のぎぼ 半残
青眼に葱の白根を喰けり 三宅嘯山
鶏やひよこ遊ばす葱畑 猿雖

以上

by 575fudemakase | 2017-01-25 20:31 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/26583457
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

実朝忌 の忌日
at 2017-04-22 09:12
茂吉忌 の俳句
at 2017-04-22 09:09
義仲忌 の俳句
at 2017-04-22 09:07
えり挿す の俳句
at 2017-04-22 09:04
かまくら の俳句
at 2017-04-22 09:01

外部リンク

記事ランキング