干菜 の俳句

干菜 の俳句

干菜

例句を挙げる。

あらたまる寒のすがたの干菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
うら山の子狐鳴ける干菜風呂 内田 雅子
かりそめにかけし干菜のいつまでも 高浜虚子
この家のくらし干菜のひとならび 釘宮 のぶ
この頃の昼月濃ゆき干菜かな 大峯あきら
ばばばかと書かれし壁の干菜かな 高濱虚子
ふきおちて土になづめる干菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
ふるさとは干菜あかりの墓のみち 長谷川双魚 風形
まつくらな干菜風呂より出て寝たり 吉岡句城
よく燃ゆる拾ひ薪や干菜風呂 鈴木鈴蘭
よぢれどほしの干菜の影や母在らず 小島千架子
わが家の干菜に日射し来る時刻 星野立子
をちかたに鳰のくれゆく干菜かな 清原枴童 枴童句集
一村の干菜祭りが来るやうに 神尾久美子 桐の木
上置の干菜切れとや夕千鳥 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
人が来てふためく鼠掛干菜 西山泊雲 泊雲句集
人声の過ぎてゆきける干菜かな ふけとしこ 鎌の刃
住みながらよろひつくろふ干菜かな 阿波野青畝
侘び住むといふにはあらず干菜吊る 石丸萩女
僧坊の干菜に羽子のあがりけり 米沢吾亦紅 童顔
兎みな干菜の風に耳たてて 平沢桂二
冬中を倹約しつゝ来し干菜 星野立子
冷腹を暖め了す干菜汁 高濱虚子
北国の冬三日水の干菜風呂 土岐錬太郎
卵うみて鳴き居る鶏や釣干菜 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
厨窓の内よりとりし干菜かな 雑草 長谷川零餘子
厩の前に干菜掛けあり馬戻る 比叡 野村泊月
古塀に鼠の上る干菜かな 河東碧梧桐
吊干菜忌の重なりしごとくなり 長谷川双魚
夕づきてけむの匂へる干菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
夜ふかしを妻に叱られ干菜汁 沢木欣一 往還
夜風出て干菜の水の抜けゆくよ 藤原たかを
大和絵に見らるゝ径の干菜かな 米沢吾亦紅 童顔
大川に突き出し窓の干菜かな 高橋春灯
大鍋に総本山の干菜汁 上田正久日
如来禅さて婆子禅の干菜かな 野村喜舟 小石川
学校の渡り廊下の干菜かな 上原富子
家毎の干菜の村のなつかしく 安田 ただし
家郷いつも誰かが病めり干菜汁 関戸靖子
富士聳え 干菜の匂ひたかかりき 吉岡禅寺洞
寒雀干菜つゝくや尾羽しがみ 西山泊雲 泊雲句集
寺々の中に家ある干菜かな 岡本松浜 白菊
小屋牛に干菜を食はす冬至かな 森澄雄
少年工のふるさと干菜に雪つまる 中戸川朝人 残心
山荘の嬉しきものに干菜風呂 西修子
山裏のまだ明るくて干菜村 綾部仁喜 寒木
山鳴りの他は聞えぬ干菜汁 小林輝子
峡の人干菜の如く笑ひけり 大串章 百鳥
川づらを風さかのぼる干菜かな 藤田あけ烏
干からびてちぎれなくなる干菜かな 高浜虚子
干菜していつのほどにか二階住 銀漢 吉岡禅寺洞
干菜して三千院も果ての坊 米澤吾亦紅
干菜して村のどこにも日向媼 北沢瑞史
干菜して祇園の昼の抜け小路 桂樟蹊子
干菜てふ匂ひの痩せてをりにけり 小田三千代
干菜の尾やみくもに飛機ひびき去る 成田千空 地霊
干菜の香母の香生家煤厚し 佐竹千代子
干菜一聯吹きとばしたる吹雪かな 西山泊雲 泊雲句集
干菜吊り部屋内かくす湯治宿 原 柯城
干菜吊るうなじに落つる軒雫 高田虹谷
干菜吊るまこと信濃の空たかく 高橋鏡太郎
干菜吊るゆらりと歩く豊後牛 保坂知加子
干菜宿踏切の鳴る夜が来り 藤田湘子 春祭
干菜揺れゐるはいやいやにはあらず 長谷川双魚
干菜汁ふるさとの闇温めて 戸川稲村
干菜汁みちのくに住み五十年 鈴木綾園
干菜汁仏縁の日に当りけり 鈴木芋村
干菜汁妻との会話そつけなし 清水基吉
干菜汁徹夜ののんど通りけり 藤田あけ烏 赤松
干菜汁田舎育ちの抜けきれず 石川久
干菜湯におほじがふぐりふやけたり 茨木和生 往馬
干菜湯に曠野の匂ひ少し嗅ぐ 上野さち子
干菜湯に濡れたる髪をとく女房 橋本鶏二 年輪
干菜湯に誰れ入り居るや音のなし 湯室月村
干菜湯の匂ひまとひしまゝ逢ひぬ 関戸靖子
干菜湯や世を捨てかねて在り経につ 日野草城
干菜竿連ねて坂の七戸かな 宮田正和
干菜落ちて塀にもどさん人もなし 銀漢 吉岡禅寺洞
干菜落ちて少しく霜を置きにけり 清原枴童 枴童句集
干菜袋抱へてじつと風呂の中 藤波銀影
干菜見えて男鰥にあらざりき 銀漢 吉岡禅寺洞
干菜風呂に祖母のこゑして山眠る 伊東美也子
干菜風呂夜更けて雪のなほ止まず 鳥越憲三郎
干菜風呂日々欠かさずに自愛かな 芝原無菴
干菜風呂火の粉は闇を好みけり ながさく清江
干菜風盥の濯着凍てゝあり 金尾梅の門 古志の歌
干菜風遠火事を見て閉す戸かな 吉武月二郎句集
干菜鳴り吹雪く恵那にも年立ちぬ 加藤春彦
干菜鳴り啄木旧居灯りけり 三上良三
平安貴族性交解剖圖ゑがかむか胃の底の干魚(ひを)干菜(ほしな)干飯(かれいひ) 高橋睦郎 飲食
庭先を汽車行く家や釣り干菜 内田百間
息しづかに山の音きく干菜風呂 日美井雪
手拭ひに匂ひが残り干菜風呂 斎藤花辰
日を迎へ日を送り軒の干菜かな 星野麦人
旧居訪ふ書斎干菜をして存す 皆吉爽雨
月光をあつめて干菜湯をわかす 宮坂静生 春の鹿
木戸閉づやかくれし干菜押もどし 西山泊雲 泊雲句集
梟や干菜で足蒸す夜頃なり 富田木歩
水音に暮るる信濃の干菜竿 前田時余
河内女や干菜に暗き窓の機 大魯
泣くために早くねる妹干菜風呂 増田達治
海鳴りの日々続きゐて干菜汁 井波美雪
湧水のほとり灯ともす干菜宿 土屋未知
灯ともして寒き干菜の影となる 千代田葛彦 旅人木
烈風の入江を走る干菜汁 大木あまり 火球
烏午王干菜の間ゆ日のとどき 中戸川朝人 星辰
玄賣を世にみる様か干菜賣 榎本其角
生きるゆゑみな尻持てり干菜風呂 和田耕三郎
生涯を利尻に住ふ干菜かな 長尾岬月
由布岳を庭の景とし干菜宿 千代田景石
短檠や干菜の風にきゝ澄ます 西山泊雲 泊雲句集
禅林の干菜の縄を杉へ杉ヘ 皆吉爽雨
窓口を除けて釣りたる干菜かな 西山泊雲 泊雲句集
笑ふとき父の老見ゆ干菜汁 木附沢麦青
背戸をうつ風の荒息干菜風呂 森 ひろ
荒壁へわざとしからぬ干菜かな 小杉余子 余子句選
荒海へ干菜をよろふ小家かな 小杉余子 余子句選
落月に簷すさまじや釣干菜 西山泊雲 泊雲句集
薪抱いて軒の干菜をすれ~に 西山泊雲 泊雲句集
虚子旧居出でて曲れば干菜の家 上野 泰
蜂一つついてゐたりし干菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
蜑が家の干菜顧みられもせず 森田峠 避暑散歩
裏庭のよき月夜なり干菜宿 橋本鶏二 年輪
見送るや干菜の窓に顔を出し 西山小鼓子
言の葉も湯気ももてなし干菜汁 岡部名保子
谿昏れてより遠吠の干菜村 角川春樹
貧しくて干菜の縄の大たるみ 木下夕爾
貧富なき暮しもよしや干菜汁 翁長日ねもす
貧居士の窓を暗うす釣干菜 浜田波静
貧農の身をあたたむる干菜汁 金谷土筆
赤星も青星もある干菜かな 大峯あきら
足袋と干菜とうつる障子かな 室生犀星 魚眠洞發句集
軒干菜齢に深入りしたるかな 長谷川双魚 『ひとつとや』
農の終焉壁を一と重に干菜鳴る 成田千空 地霊
遠き世の旅に在るごと干菜風呂 都筑智子
遠山に雪来てゆるぶ干菜綱 渡辺文雄
釘くらく打ちて干菜のひとつらね 長谷川双魚 『ひとつとや』
釣干菜おろすやにぎりたしかめて 西山泊雲 泊雲句集
釣干菜それ者と見ゆる人の果 永井荷風 荷風句集
釣干菜の影散乱す風の月 西山泊雲 泊雲句集
釣干菜夜々の狐火誘ふかな 野村喜舟 小石川
釣鐘にくくりつけたる干菜かな 会津八一
雪匂ふ御嶽の闇や干菜風呂 市村究一郎
電燈の一つ下がりし干菜汁 滝沢伊代次
青き色の残りて寒き干菜かな 高浜虚子
靴洗ひ干菜吊すや一千年 岩淵喜代子 硝子の仲間
音立てて干菜の乾く山の晝 児玉輝代
風の中三日月あげし干菜宿 奥脇きぬ恵
風の月壁はなれとぶ干菜影 西山泊雲 泊雲句集
風ふけば軒を動かす干菜哉 竹冷句鈔 角田竹冷
風三日干菜に色の出でにけり 大石悦子 聞香
風折々月の干菜をうごかしぬ 原 石鼎
馬子焚火馬は干菜を食うて居る 比叡 野村泊月
馬柵の陽当る方へ干菜吊る 菅原文子
馬車発つて垣に残れる干菜かな 銀漢 吉岡禅寺洞
駅前の自転車置場干菜吊る 房川喜三男
鶏の首とゞかする干菜かな 松根東洋城
干葉つるところ子供にふざけながら友来る 梅林句屑 喜谷六花
干葉飯(ひばめし)の後段や四方の雪がすみ 中村史邦
懸菜鎧ふ欅の夕日移りけり 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
梟や干葉で足蒸す夜頃なり 木歩句集 富田木歩
湖照りのたえずきびしき懸菜かな 木村蕪城 寒泉
眼光の懸菜を貫かんばかり 岸本尚毅 舜
虚子舊居出でゝ曲れば懸菜の家 上野泰
飢餓の春に父のすきけん干葉の飯 中勘助


干菜 補遺

したゝかに干菜つりたり一軒家 正岡子規 干菜
ほの白しとはレダの声干菜鳴る 佐藤鬼房
まれびとに日かげる干菜干大根 上田五千石『琥珀』補遺
ヂプシーにならばと干菜かける度 平畑静塔
下々の地の一茶の里に干菜鳴る 松崎鉄之介
住みながらよろひつくろふ干菜かな 阿波野青畝
元伊勢に干菜を噛んでゐたりけり 岡井省二 鯨と犀
兄たちの干菜にのこす微笑かも 飯島晴子
冬中を倹約しつゝ来し干菜 星野立子
古塀に鼠の上る干菜かな 河東碧梧桐
外遊の間に出来上りゐし干菜 後藤比奈夫
小屋牛に干菜を食はす冬至かな 森澄雄
峡はるか干菜宿見ゆ猫も居る 富安風生
嶺かくす雪雲 懸菜縮みきる 伊丹三樹彦
干菜湯や世を捨てかねて在り経つつ 日野草城
干葉(ひば)粥と若死の祖母重なり来 佐藤鬼房
干葉(ひば)粥をすするまも谿こだまする 佐藤鬼房
懸干菜より逆立ちて芽を吹ける 高野素十
旅籠屋や山見る窓の釣干菜 正岡子規 干菜
最明寺入道の忌や干菜汁 松崎鉄之介
枯木影月の干菜にかゝらうとす 原石鼎 花影
湖照りのたえずきびしき懸菜かな 木村蕪城 寒泉
潮風にあはれは瑞の干菜かな 上田五千石『琥珀』補遺
虚子旧居出でて曲れば干菜の家 上野泰
風折々月の干菜をうごかしぬ 原石鼎 花影

干菜 続補遺

いつの日も吹残されぬ釣干菜 基継
うぐひすの啼世にしたり干菜寺 鈴木道彦
くゝだちにもう取附クや干菜寺 句空
わが宿や干菜をのけて釣粽 桜井梅室
一夜~さむき姿や釣干菜 探丸
凩の風干葉は窓をうがつて去ル 杉風
山里や干菜焼らん雪の中 一笑(金沢)
干葉汁も去年のかさや梅の花 露川
明たての簀戸にちぎれる干菜かな 寥松 八朶園句纂
昔誰か軒端の薫り干菜飯 不周 富士石
河内女や干菜に暗き窓の機 露印
玄賓を世にみる様か干菜売 其角
身に添て嵐や通る懸菜売 調葉 東潮独[口金]抜露集
鴬にさぞな横川も干菜汁 吾仲

以上

by 575fudemakase | 2017-01-25 20:59 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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