蜜柑の俳句

蜜柑の俳句

蜜柑の例句


蜜柑 補遺

*かりんありあかき蜜柑と交らず 百合山羽公 寒雁
あからさまに蜜柑をちぎり且啖ふ 西東三鬼
あまたの街角街娼争い蜜柑乾く 金子兜太
いちにちのいよいよ無口蜜柑摘み 鷹羽狩行
いでたちの蜜柑摘らし籠を負ひ 清崎敏郎
うべなうて春の昏さの蜜柑山 松村蒼石 雪
おのが蜜柑山にて長脛行く自在 橋本多佳子
かの夫人蜜柑むく指の繊かりしが 安住敦
からかさを山の蜜柑がとんと打つ 西東三鬼
ここにして浜名湖見ゆる蜜柑山 清崎敏郎
さる帝蜜柑の数珠を持されけり 相生垣瓜人 明治草
すこし血のにじむ蜜柑を懐に 穴井太
その子いま蜜柑投ぐるよ何を言はん 石橋秀野
たらちねの遺愛の蜜柑霜よけす 政岡子規 霜除
だぶだぶの惚け蜜柑ぞ好もしき 相生垣瓜人 明治草抄
ついついと実をのり出して蜜柑山 鷹羽狩行
つぶらにて雪の信濃に伊予蜜柑 森澄雄
つれ~に剥いたる蜜柑あまかりき 日野草城
なまぬるき蜜柑相噛み血族(みうち)沙汰 中村草田男
ねんごろの地擦り豊年蜜柑なり 上田五千石『風景』補遺
ねんねこの児の掌蜜柑を持ち切れず 右城暮石 虻峠
はればれと笹子出会へる蜜柑山 岡井省二 明野
まだ生の重たさ蜜柑籠を負ひ 鷹羽狩行
みかん剥く世事に詳しき指短か 鍵和田釉子
めでたさや餝りの蜜柑盗まれて 政岡子規 飾
やはらかき蜜柑をさげてかへりけり 秋元不死男
わけて大きな落日 全島蜜柑畑 伊丹三樹彦
をさな児に蜜柑十兩瞬く間 石塚友二 磯風
をとめ今たべし蜜柑の香をまとひ 日野草城
ゴオホの線蜜柑の皮の感触あり 渡邊白泉
テレビ今英語の時間蜜柑あり 星野立子
マスクは鼻に蜜柑は指に人の前 金子兜太
丘の一つ家蜜柑の皮を数多捨てて 中村草田男
久しぶりに片目が蜜柑うりに来た 尾崎放哉 小豆島時代
乾鮭をもらひ蜜柑を贈りけり 政岡子規 乾鮭
二階なりや三階なりや蜜柑黄に 山口青邨
人住むや塵なだれさせ蜜柑の皮 山口青邨
人影消ゆ小粒蜜柑は花のごと 鍵和田釉子
伊勢も北の端れに多度の蜜柑山 山口誓子
侘びしげの蜜柑と春を惜しみけり 相生垣瓜人 負暄
健気にも種子を固守せる蜜柑あり 相生垣瓜人 負暄
僧頭を得て照競ふ蜜柑山 伊丹三樹彦
元日やしろかねの餅こかねの蜜柑 政岡子規 元日
入りて坐す蜜柑山日の当る場所 右城暮石 句集外 昭和三十九年
内海のまた内海の蜜柑山 百合山羽公 樂土
冬さるゝ小店や蜜柑薩摩芋 政岡子規 冬ざれ
冬されや蜜柑に竝ふさつま芋 政岡子規 冬ざれ
冬待ちつやゝ黄ばむ庭の蜜柑哉 政岡子規 冬近し
冷凍みかん溶けゆく郷愁宴あと 鍵和田釉子
冷凍蜜柑の露 風に散り 臨海線 伊丹三樹彦
出湯の山のぼるにつれて蜜柑山 上村占魚 球磨
初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山 石田波郷
到来の蜜柑箱柿詰りゐし 右城暮石 散歩圏
刻かけて吸う 掌の蜜柑 雪国ゆく 伊丹三樹彦
十月の海は凪いだり蜜柑船 政岡子規 十月
啄み痕燦と滴る蜜柑かな 林翔
喰ひ残す蜜柑の皮の蚊遣哉 政岡子規 蚊遣
喰積もなくて酒のむ蜜柑十 内藤鳴雪
囲む火の色に蜜柑の皆にわたる 中戸川朝人 残心
墓地買うて初蜜柑二個食べにけり 秋元不死男
夜の詩の如くに卓の蜜柑二個 上田五千石『琥珀』補遺
夜は汽車の灯に熟れいそぐ蜜柑山 鷹羽狩行
大足に傾斜踏まへて蜜柑採る 橋本多佳子
大鍋に吹革祭の蜜柑かな 政岡子規 鞴祭
天草の蜜柑小諸の林檎とて 後藤比奈夫
太陽の国の蜜柑の実の裸 鷹羽狩行
太陽の膝下に岬蜜柑摘み 鷹羽狩行
女らの鳩首の割勘みかん狩 平井さち子
好日の山の蜜柑は紅に富む 百合山羽公 寒雁
子に蜜柑食はせ大きな冬の山 細見綾子
子の熱のくちびる勁く蜜柑吸ふ 能村登四郎
実を食べて濡れを拭はず蜜柑山 鷹羽狩行
家裾の夕靄なつかし蜜柑村 大野林火 白幡南町 昭和三十三年
寧き夜を賜へ時かけて蜜柑食ふ 石田波郷
少年の雲白ければむく蜜柑 富澤赤黄男
屋根苔も丸みて見せぬ蜜柑村 香西照雄 素心
山の子にどどと瀧なす熟蜜柑 飯田龍太
山の神仕舞蜜柑も腐らせず 百合山羽公 寒雁
山ふところ日のふところに蜜柑摘み 鷹羽狩行
山火事を消しに登るや蜜柑畑 前田普羅 普羅句集
山盛り蜜柑潰えて家塾事始 林翔 和紙
山頂に脾腹をあづけ蜜柑食ふ 佐藤鬼房
床頭台に蜜柑を置きて顧みず 岸田稚魚 紅葉山
店先に蜜柑腐りぬ蕗の薹 政岡子規 蕗の薹
思ひつめし心ほどけぬ蜜柑むく 日野草城
急坂を来し息見せず蜜柑採る 津田清子 礼拝
憚らず直哉旧居に蜜柑焼く 平畑静塔
投蜜柑波にのこりてよき船出 阿波野青畝
拙なわが世蜜柑のすぢをとるも憂き 渡邊白泉
採り了へて蜜柑山海に突出せり 中戸川朝人 残心
探しもの又して疲れ蜜柑むく 星野立子
摘唄もなく生年の蜜柑山 鷹羽狩行
撓む枝籠吊ればなほ蜜柑摘 山口青邨
新茶飲み古き蜜柑も亦食へり 相生垣瓜人 負暄
旅に病んで春の蜜柑を求めけり 政岡子規 春
旅の空北より晴れて蜜柑酸し 橋閒石
旅人の蜜柑くひ行く枯野哉 政岡子規 枯野
日あしのび春の蜜柑はやはらかき 日野草城
日向ぼこ蜜柑山にて糖化して 山口誓子
春深く腐りし蜜柑好みけり 政岡子規 春深し
春霖や接台植うる蜜柑山 河東碧梧桐
曳売蜜柑待ちがての日よ石鼎忌 石田波郷
朝の日がとびつく蜜柑一顆一顆 清崎敏郎
朝霧の凝りて蜜柑の千顔哉 尾崎放哉 大学時代
朽ちて明るい旧軍港に蜜柑抛る 穴井太
来し方の貧しき思ひ蜜柑むく 木村蕪城 寒泉
杯盤狼藉蜜柑の皮のところどころ 正岡子規 蜜柑
東京を一夜離れぬ蜜柑山 山口青邨
柿の艶蜜柑の艶や家籠 森澄雄
柿山をのぼりて蜜柑山くだる 右城暮石 虻峠
柿蜜柑園遊會の用意哉 政岡子規 柿
棟あげや棟の上なる餅蜜柑 正岡子規 蜜柑
槍も蜜柑も玉や海士の畑 阿波野青畝
樹の蜜柑愛撫す二重(ふたへ)顎のごと 西東三鬼
樹齢五十蜜柑千顆を黄に照らし 橋本多佳子
水軍の墓に蜜柑を唯一顆 山口誓子
流人碑に その後の蜜柑山の蜜柑 伊丹三樹彦
海の日に実をまるだしの蜜柑山 鷹羽狩行
海光に一日ひびかふ蜜柑摘み 鷹羽狩行
海峡の雨来て蜜柑しづく垂る 西東三鬼
海彦をときどき呼んで蜜柑摘み 鷹羽狩行
海見えずして海光の蜜柑園 野澤節子 存身
湖碧し蜜柑の皮を投げ入れし 深見けん二
濃かりける日蔭日向や蜜柑山 松本たかし
濃くなりつ狭まる海や左右に蜜柑 香西照雄 対話
瀟洒な牛舎蜜柑手にのせ唄はづむ 佐藤鬼房
灯台の罅蜜柑山熟れきつて 鷹羽狩行
炭焼の七つ道具に蜜柑あり 石田勝彦 百千
烏瓜ひいて来たりし蜜柑山 岩田由美 夏安
熊野灘見ゆ蜜柑山上り来て 右城暮石 句集外 昭和四十六年
熟れ蜜柑畑実の数をあらそはず 飯田龍太
熱の瞳のうるみてあはれ蜜柑吸ふ 杉田久女
熱下りて蜜柑むく子の機嫌よく 杉田久女
燻れるは蜜柑の皮と睨んだり 日野草城
独語する除夜や最後の蜜柑剥く 上田五千石『田園』補遺
玻璃の桟黄金分割蜜柑の樹 上野泰 佐介
珍らしきみかむや母に參らする 政岡子規 蜜柑
生きてゐる山の蜜柑を食べ散らす 百合山羽公 寒雁
畑の家柿も蜜柑も時雨の木 右城暮石 句集外 昭和二年
病廊の曳売蜜柑みな小さき 石田波郷
病牀に蜜柑剥くなり屠蘇の醉 政岡子規 屠蘇
皮むけば青煙たつ蜜柑哉 正岡子規 蜜柑
相共に蜜柑も我も惚けにけり 相生垣瓜人 負暄
着きて早や西日になりし蜜柑山 右城暮石 句集外 昭和四十二年
矮樹にて百年の齢蜜柑生る 山口誓子
福蜜柑と云はれて福を乞ひにけり 鷹羽狩行
立浪を瓦当(がとう)に並べ蜜柑村 中戸川朝人 星辰
童女ぎんの墓とある 雪上に一蜜柑 伊丹三樹彦
箱の中犇々ありしかたち蜜柑に 篠原梵 年々去来の花 皿
籠置きて傾斜あきらか蜜柑山 鷹羽狩行
紀の国の文左出で来よ蜜柑山 村山故郷
紀の国の蜜柑となりしてん手鞠 能村登四郎
紀の川をさかのぼり来し蜜柑狩 右城暮石 句集外 昭和五十年
索道のはや油ぎり蜜柑山 鷹羽狩行
老い惚けて蜜柑も今や好々果 相生垣瓜人 負暄
耳冷ゆとしも青空の熟蜜柑 飯田龍太
色映えて晩手蜜柑の小春かな 高浜年尾
苗床となりて濡れゐる蜜柑箱 飴山實 少長集
草枯の長づゝみ蜜柑山のあり 河東碧梧桐
荒海へ供養の蜜柑投げ続く 相生垣瓜人 明治草
荒涼たる中に蜜柑の甘き吸ふ 山口誓子
菰冠せ神饌の蜜柑の鈴生りに 山口誓子
落蜜柑 ほたほた 流人の浮魂よ 伊丹三樹彦
落蜜柑かため置くみなここにゐよ 山口誓子
葉むらより逃げ去るばかり熟蜜柑 飯田蛇笏 椿花集
葬のあといつものごとく蜜柑食ふ 岸田稚魚 紅葉山
蓬莱の蜜柑ころげし座敷哉 政岡子規 蓬莱
蓬莱や南山の蜜柑東海の鰕 政岡子規 蓬莱
藥のむあとの蜜柑や寒の内 政岡子規 寒
虚子塔の手向の蜜柑にも粉雪 阿波野青畝
蜜柑、籠に蜜柑山下りて來る女 正岡子規 蜜柑
蜜柑うるる耳のごとくに葉を垂らし 上村占魚
蜜柑くふて咳入春の風邪哉 政岡子規 春
蜜柑たべてよい火にあたつて居る 尾崎放哉 小豆島時代
蜜柑にも枝垂れがありて地へ垂れる 山口誓子
蜜柑の皮をむいて咳いてしまつた 尾崎放哉 小豆島時代
蜜柑の皮干してあるなり中宮寺 福島壺春
蜜柑の籠日のふりそそぐ木のもとに 大野林火 早桃 太白集
蜜柑の香染みたる指を洗はずに 山口誓子
蜜柑むき人の心を考へる 深見けん二
蜜柑むくはてこんなことしてゐては 雨滴集 星野麥丘人
蜜柑むくや書き虐げし指沁みつ 能村登四郎
蜜柑むく病む日の指の汚れなく 鷲谷七菜子 黄炎
蜜柑もぐ心動きて下りたちぬ 杉田久女
蜜柑もぐ海の半ばの色しづか 飯田龍太
蜜柑を好む故に小春を好むかな 政岡子規 小春
蜜柑を焼いて喰ふ小供と二人で居る 尾崎放哉 須磨寺時代
蜜柑剥いて棄てたるここが陸の果 山口誓子
蜜柑剥いて皮を投げ込む冬田かな 政岡子規 冬田
蜜柑剥く爪先黄なり冬籠 政岡子規 冬籠
蜜柑剪る借りし鋏を鳴らし合ひ 百合山羽公 寒雁
蜜柑啣ふ鴉の嘴に夕日燦 林翔
蜜柑喰ふその深緑の葉を無視し 平畑静塔
蜜柑囲ふ唐招提寺前の家 右城暮石 句集外 昭和十一年
蜜柑園日中の海を昏うせり 飯田蛇笏 春蘭
蜜柑地に落ちて腐りて友の恋 西東三鬼
蜜柑売る媼は海を見あきたり 古舘曹人 能登の蛙
蜜柑山かへりみる妻海と在り 香西照雄 素心
蜜柑山から下りて来たらしい媼磯の波 中川一碧樓
蜜柑山かゞやけり児らがうたふなり 種田山頭火 自画像 層雲集
蜜柑山その斜面にて今日遊ぶ 山口誓子
蜜柑山には白梅も低木なり 山口誓子
蜜柑山の光うづまけり谷かけて 水原秋櫻子 残鐘
蜜柑山の路のどこ迄も海とはなれず 尾崎放哉 大正時代
蜜柑山の雨や蜜柑が顔照らす 西東三鬼
蜜柑山ゆく目遺しの汽車煙 鷹羽狩行
蜜柑山ゆく電線のぼろ錦 山口誓子
蜜柑山より下りきたる礼者かな 石田勝彦 秋興
蜜柑山より指呼にして蜜柑山 清崎敏郎
蜜柑山より真白な雲お正月 川崎展宏
蜜柑山上へ上へと黄なるかな 後藤比奈夫
蜜柑山中年のこゑあぶらぎる 上田五千石『田園』補遺
蜜柑山仕切りに神の注連を張る 山口誓子
蜜柑山出でて古色の汽車煙 鷹羽狩行
蜜柑山南へ袖を両開き 山口誓子
蜜柑山女の肌に血肉満ち 桂信子 晩春
蜜柑山寺ありてその墓が立つ 山口誓子
蜜柑山尾根深山をなしにける 平畑静塔
蜜柑山抜け来し双手はばたかす 岡本眸
蜜柑山日当り背ナに墓石積む 中戸川朝人 星辰
蜜柑山日暮れて暗く峯そびゆ 右城暮石 句集外 昭和四十年
蜜柑山沸きたつ満潮の照り返し 上田五千石『田園』補遺
蜜柑山落顆とどまる平あり 鷹羽狩行
蜜柑山見つづけて来し蜜柑狩 右城暮石 句集外 昭和四十四年
蜜柑山長山腹の長索道 山口誓子
蜜柑山飛天放屁もあるやらん 永田耕衣 人生
蜜柑山黄のまんだらに大き寺 大野林火 月魄集 昭和五十六年
蜜柑山黄の微粒子が蜜柑なる 山口誓子
蜜柑山黄の微粒子の確と見ゆ 山口誓子
蜜柑島めぐる潮の瀬激ち合ふ 水原秋櫻子 帰心
蜜柑得てうれしき支那のたより哉 正岡子規 蜜柑
蜜柑抱きしたり顔なる檻の猿 清崎敏郎
蜜柑担く重さに押され山下る 橋本多佳子
蜜柑摘み嬋妍の指あはれにほふ 山口青邨
蜜柑摘むみるみる籠を満たしては 清崎敏郎
蜜柑摘むランプ一つを消すごとく 小田木弥栄子
蜜柑摘む白きのんどのやはらかく 鷹羽狩行
蜜柑摘む穴師をとめら籠並めて 阿波野青畝
蜜柑木々にみつる島なり着きて仰ぐ 及川貞 榧の實
蜜柑村飯場の昼燈二つどまり 香西照雄 素心
蜜柑枝垂れて直土に吻をつけ 山口誓子
蜜柑校げ日本シリーズ了りけり 水原秋櫻子 旅愁
蜜柑照る丘葛城の眠りを前 橋本多佳子
蜜柑燒くや太祇の手紙よみながら 正岡子規 蜜柑
蜜柑狩して原色を溢れしむ 右城暮石 天水
蜜柑狩余りし時間もて余す 右城暮石 散歩圏
蜜柑狩少年蜜柑弄ぶ 右城暮石 句集外 昭和四十六年
蜜柑狩鵯を締出す萬國旗 百合山羽公 樂土
蜜柑生る国麒麟草少なけれ 山口誓子
蜜柑生る裏山控へ札所寺 高浜年尾
蜜柑盛るプロシャンブリューの浅目の鉢 星野立子
蜜柑索道すぐ下に蜜柑滴む 鷹羽狩行
蜜柑老樹万顆の重み根より耐へ 津田清子 礼拝
蜜柑老樹母のごとくに熟れ給ふ 山田みづえ 忘
蜜柑色してをちこちのこちの山 石田勝彦 雙杵
蜜柑色柿色村を彩どれる 右城暮石 天水
蜜柑蔵それも具さに見せ貰ふ 後藤比奈夫
蜜柑見えぬまで蜜柑山遠ざかる 右城暮石 上下
蜜柑負女にまつはりて犬も下る 鷹羽狩行
蜜柑買ひて爆心踏むよ一女体 加藤秋邨
蜜柑買ふて里子見に行く小春哉 政岡子規 小春
蜜柑食ぶ食べよと言ふは妻のこゑ 石田勝彦 百千
蜜柑黄に熊野灘波とどろかす 村山故郷
裏側はゑのころばかり蜜柑山 岡本眸
裾波は夜を織る白紗 蜜柑山 伊丹三樹彦
西遮ぎる山近づきて蜜柑の山 右城暮石 句集外 昭和三十九年
詰まつてゐた形のまゝである蜜柑 川崎展宏
豚汁の後口渇く蜜柑かな 正岡子規 蜜柑
貰ひたる多度の蜜柑を夜に食うぶ 山口誓子
賀といふも蜜柑をむいて卓よごし 富安風生
賽したる足もて歩く蜜柑山 山口誓子
赤き肉煮て食ふ蜜柑山の上 西東三鬼
赤飯のべんたう葉桜城趾にて(小田原蜜柑山) 細見綾子
路売の蜜柑そこばく 不就学 伊丹三樹彦
転宅や巷に蜜柑出盛りて 村山故郷
農協の秤や蜜柑堰切れず 百合山羽公 寒雁
道々に蜜柑の皮をこぼし行く 高浜虚子
道南紀州に入つて蜜柑畑 正岡子規 蜜柑
達治碑の 蜜柑一箇に 直歩して 伊丹三樹彦
選果機に乗らずめでたき大蜜柑 百合山羽公 寒雁
選果機を落ちて苦界へ蜜柑ゆく 百合山羽公 寒雁
重き実に風吹き渡る蜜柑山 山口誓子
野の茶屋に蜜柑竝べし小春哉 政岡子規 小春
鈴生りの一樹が見張り蜜柑山 鷹羽狩行
長脛をがくがく蜜柑負ひ下る 橋本多佳子
闇ふかく蜜柑をひとつ探りえつ 加藤秋邨
隣る木と重さ訴へあふ蜜柑 鷹羽狩行
雨の日は昼の灯多し蜜柑村 中村草田男
霜除の蜜柑山わが見舞ふのみ 百合山羽公 寒雁
霞む方海か山かと蜜柑狩 岩田由美 夏安
青ぐもる山どの山も蜜柑山 右城暮石 句集外 昭和三十九年
青洲の里に術無き落蜜柑 山口誓子
頭陀袋蜜柑の国の蜜柑負ふ 山口誓子
顔すすけ腐つ蜜柑をよよと吸ふ 山口誓子
風いつか止み枝重き蜜柑山 鷹羽狩行
風の日の風にも熟れて蜜柑山 鷹羽狩行
風出でて蜜柑粛蕭去年今年 森澄雄
飯くはで蜜柑を好む病哉 正岡子規 蜜柑
餅ぬくき蜜柑つめたき祭りかな 政岡子規 鞴祭
高台の学園を前蜜柑熟る 飯田蛇笏 雪峡
鳶飛んで海には出でず蜜柑山 上田五千石『風景』補遺
鴨の聲蜜柑ひそかに母にやる 永田耕衣

みかん 補遺

ずべみかんてふ小みかんを吊し売る(埼玉県毛呂町、流鏑馬) 細見綾子
みかん一つころがつてをり畳替 山口青邨
みかん山その上の寺木の実干す 百合山羽公 寒雁
みかん黄にふと人生はあたたかし 高田風人子
山笑ふ三寶柑を臍みかん 百合山羽公 樂土
正月の末にとゞきぬ支那みかん 政岡子規 正月
畫架それぞれ混血児が描く庭みかん 及川貞 夕焼
笹鳴や鰯配給みかん配給 星野立子
結果みかんの皮散らし果つ患者会 楠本憲吉 孤客
背の窓に島山の月みかんむく 及川貞 榧の實
草のいろは冬まだ遠しみかん山 及川貞 榧の實

蜜柑 続補遺

おそろしく蜜柑喰ふたる蚊やり哉 馬場存義
かゞみ餅蜜柑はうまき時分也 許六
すゝ掃や蜜柑の皮のやり処 許六
だい~を蜜柑と金柑の笑て臼 杉風
みな月や蜜柑の秋も今三日 支考
やよ給へみかん橙年の餅 田川鳳朗
下積の蜜柑ちいさし年の暮 浪化
乕のみかみかんも皮をとゞめけり 三宅嘯山
乗懸に春の蜜柑や宇津の山 許六
兀として海と蜜柑と真夏哉 百里
埋み置灰に音を鳴くみかん哉 黒柳召波
寒菊や蜜柑もともに仏いろ 野坡
山寒しせめて火桶の焼蜜柑 加藤曉台
年の暮蜜柑とり込干鯛箱 野童
日のさしてふるや蜜柑に初しぐれ 卓池
柚子蜜柑会式の箔を命哉 支考
橘田蜜柑はむしるけふの月 野坡
煤掃や蜜柑の皮のやり所 許六
甘みつく店の蜜柑や春のかぜ 三宅嘯山
粟ちぎる空は蜜柑の曇かな 素行
紀の国は蜜柑できくや郭公 許六
良薬口に苦み出けり焼みかん 三宅嘯山
行ちがふ蜜柑根ぶかの匂ひかな 乙訓
酢がとれて蜜柑も年の名残哉 諷竹
雉子啼や蔵のあちらの蜜柑畑 桃先

以上

by 575fudemakase | 2017-01-26 04:14 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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