葛湯 の俳句

葛湯 の俳句

葛湯

例句を挙げる。

あつけなく湯気の固まる葛湯かな 長谷川櫂 古志
あはあはと吹けば片寄る葛湯かな 大野林火(1904-84)
うすめても花の匂ひの葛湯かな 渡邊水巴
さましゐて冷ましすぎたる葛湯かな 片山由美子 水精 以後
しみじみとひとりの燈なる葛湯かな 岡本眸
ははの喪の明くる葛湯をときにけり 村岡 悠
みよしのの薄紅いろの葛湯かな 大橋敦子
むらさきに海昏れのこる葛湯かな 樋口桂紅
ものなべて淡きがよけれ葛湯また 轡田 進
やほらかき雨となりたる葛湯かな 中田剛 竟日
わが息のかゝりて冷めし葛湯かな 萩原麦草
一握の雪を溶かして葛湯かな 長谷川櫂 蓬莱
一椀の葛湯をたのむ地震のひま 大石悦子 百花
一茶忌を忘れずゐたる葛湯かな 森澄雄
下京やさくら葛湯の夜の底 堤 保徳
人間にはなびらがある葛湯吹き 清水径子
仏間なき家なり葛湯吹きくぼめ 小林康治 『叢林』
他愛なく男の笑ふ葛湯かな 岩田由美 夏安
侘び住みの尼のふるまふ葛湯かな 小路智壽子
匙重くなりて葛湯の煮えにけり 草間時彦
吉野より娶りし妻が葛湯かな 藤井瀞汀
吾が息のかゝりて冷めし葛湯かな 萩原麦草 麦嵐
夕空の美しかりし葛湯かな 上田五千石(1933-97)
安らかに生命を繋ぎ葛湯吹く 雨宮抱星
已むを得ぬ一人ぐらしの葛湯かな 岡本 眸
恋の句の一つとてなき葛湯かな 岩田由美
断層の上に住みゐて葛湯吹く 中村ふみ
母が欲る葛湯きまつて風の夜に 茂里正治
母に匂ひありしかと思ふ葛湯かな 川崎展宏 冬
母ねむり葛湯さめゆく花の昼 桂信子 黄 瀬
熟睡子をかたへや葛湯吹きに吹く 関戸靖子
生きたれば待つ日またくる葛湯かな 秋元不死男
癒ゆること信じまゐらす葛湯かな 太田育子
目まひして夫かなします葛湯かな 石田あき子 見舞籠
秋月の葛湯の中に雪が降る 穴井太 原郷樹林
立春の息添へて呑む葛湯かな 村越化石 山國抄
腰痛に葛湯いただく返り梅雨 松村蒼石 寒鶯抄
葛湯して佳境にちかき水滸傳(寂び寂びとして渡るに) 飴山實 『次の花』
葛湯して匙の足らざる温泉宿かな 前田普羅
葛湯して父の隣に座りけり 黒田杏子 一木一草
葛湯して病少しと子に便り 良藤 き代
葛湯てふたよりなきもの喉を落つ 島谷征良
葛湯とき哀歓あはくなりしかな 村越化石
葛湯とく呪文唱ふるここちして 高澤良一 さざなみやっこ
葛湯とく雨かもしれぬ風の音 正木ゆう子 悠
葛湯のむひるの鶏鳴谷づたひ 宇佐美魚目 秋収冬蔵
葛湯より浮きしかきもち芳しく 明石たゞを
葛湯吹き今日討ち入りの日と思ふ 冨田みのる
葛湯吹くかまくらの灯に招かれて 伊藤いと子
葛湯吹くすきまだらけのそびらかな 細川加賀 生身魂
葛湯吹くはんなり赤き帯垂らし 小川斉東語
葛湯吹く母はありけりわが前に 八木林之助
葛湯吹く鑑真の像くらやみに 宇佐美魚目 秋収冬蔵
葛湯啜り花の盈つるを待ちにけり 渡辺恭子
葛湯溶き何か謀りてゐるごとし 片山由美子 天弓
葛湯溶き年金ぐらし長丁場 高澤良一 随笑
葛湯溶き病のほかを思へとよ 大石悦子 百花
葛湯煮て寝そびれ夫婦あそびをり 草間時彦
葛湯飲みある夜は花鳥夢に見る 村越化石
薄めても花の匂ひの葛湯かな 渡辺水巴
諦めの色になりたる葛湯かな 内田美紗 魚眼石 以降
透きとほる葛湯さみしき寝正月 中村苑子
遺されし湯呑大きく葛湯溶く 西尾照子
降り出しぬ葛湯の匙は灯を掬ひ 三上芙美子
電球のほのと灯れる葛湯かな 長谷川櫂 虚空
風落ちて月現るゝ葛湯かな 前田普羅
風邪の手に朱塗の盆の葛湯とる 阿部みどり女
馬酔木咲く葛湯のやうな空の色 ふけとしこ 鎌の刃

葛湯 補遺

あつあつのうすき葛湯を漱石忌 森澄雄
あはあはと吹けば片寄る葛湯かな 大野林火 潺潺集 昭和四十年
うひうひしく病みあがりたる葛湯かな 上田五千石 天路
しみじみとひとりの燈なる葛湯かな 岡本眸
その日より遺著となりたり葛湯とく 能村登四郎
久々に雨の日となる葛湯かな 鷹羽狩行
二日はや風邪をたまひて葛湯かな 森澄雄
口に入れてより熱くなる葛湯かな 右城暮石 散歩圏
吐きすてもならず葛湯をもて余す 右城暮石 散歩圏
土に還るまでのゆとりの葛湯かな 橋閒石 卯
夕空の美しかりし葛湯かな 上田五千石 風景
已むを得ぬ一人ぐらしの葛湯かな 岡本眸
母ねむり葛湯さめゆく花の昼 桂信子 新緑
生きたれば待つ日またくる葛湯かな 秋元不死男
笹子ゐる昼の葛湯を吹いてをり 森澄雄
糸底にまはる熱さの葛湯かな 能村登四郎
腰痛に葛湯いただく返り梅雨 松村蒼石 寒鶯抄
若年にして世を見たる葛湯かな 藤田湘子
葛とくや紋なき頬の片ほてり 鷲谷七菜子 黄炎
葛湯して佳境にちかき水滸傅 飴山實 次の花
葛湯して匙の足らざる温泉宿かな 前田普羅 普羅句集
葛湯して心養生とぞ思ふ 上田五千石『琥珀』補遺
葛湯して日常身辺の句を殖す 安住敦
葛湯して頬ぬくもれる夜更けかな 森澄雄
葛湯たのしまま子白つ子などできて 上田五千石 風景
葛湯ふくや妻が居らねばわれ如何に 村山故郷
葛湯吹き灯影がほどの恙あり 藤田湘子 てんてん
葛湯煮て寝そびれ夫婦あそびをり 草間時彦 中年
風落ちて月現るゝ葛湯かな 前田普羅 普羅句集
風邪気の葛湯の寒晒しの葛の白さで 荻原井泉水

以上

by 575fudemakase | 2017-01-26 06:57 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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