狩 の俳句

狩 の俳句


例句を挙げる。

ひかり来しは猟銃音のあとの鳩 石川桂郎 含羞
一湾をたあんと開く猟銃音 誓子
人間嫌猟銃ねんごろに磨き 佐野まもる
冬の猟銃忘却かけし遠こだま 寺山修司 未刊行初期作品
冬芒猟銃音を肩すかし 百合山羽公 寒雁
助手席へ猟銃を据ゑ出発す 奈良文夫
包まれてゐて猟銃と解る丈 野村仙水
四日はや猟銃音が雪に鳴る 太田 嗟
山険し猟銃の口下方に向け 右城暮石 声と声
弾罩めし猟銃にして是非撃ちたし 津田清子
持てるだけの綿菓子猟銃の森に入る 八木三日女 落葉期
晩餐を待てば猟銃森に鳴る 大島民郎
森を行く夫婦に猟銃音一つ 加倉井秋を 『隠愛』
次を待つ猟銃音のつひになし 原田青児
死火山に食ひ込みし空猟銃音 鍵和田[ゆう]子 未来図
流れはやし猟銃肩に渉る 山口誓子
煤隠りして猟銃を磨きをり 石原八束 『幻生花』
熱高き猟銃音ののちの黙 石川桂郎 含羞
猟銃が俳人の中通りけり 矢島渚男 天衣
猟銃のこだまは別の銃のごと 皆吉爽雨
猟銃の一発に沼引き締まる 町田しげき
猟銃の三代三丁木天蓼酒 中戸川朝人 星辰
猟銃の角度変らず野を進む 林 翔
猟銃の重さ殺生知らぬわれ 百合山羽公 寒雁
猟銃の鉄の感触少女に貸す 草間時彦
猟銃の銃口ひかる軒つらら 佐川広治
猟銃もて川底覗ふ若き工員 殿村莵絲子 牡 丹
猟銃も女も寝たる畳かな 吉田汀史
猟銃をさげし女のイヤリング 矢口由起枝
猟銃をむけるや犬の眼あをみたる 川島彷徨子 榛の木
猟銃を手にして父の墓通る 右城暮石 声と声
猟銃を折るサディズムや水仙に 田川飛旅子 『山法師』
猟銃を抱かせてもらふ桜の夜 鳥居真里子
猟銃を拭ひ憑きたるもの落とす 藤井亘
猟銃を提げ農園の雪みだす 民郎
猟銃を鹿は静かに見据ゑけり 櫂未知子 貴族
猟銃音ありたる方へ魅せらるる 猪俣千代子 秘 色
猟銃音いつしか鬼を養ひぬ 小泉八重子
猟銃音かへらざる友ばかりなり 堀口星眠 青葉木菟
猟銃音たちまち過去へ雪降りつむ 千代田葛彦 旅人木
猟銃音ふたたび水の流れそむ 大串章 百鳥
猟銃音タァーンとひとつ冬霞 行方克己 無言劇
猟銃音ネッカチーフがたしかに赤 原コウ子
猟銃音山重なるを知らすなり 林火
猟銃音散るは雪光と見たるのみ 鷲谷七菜子 銃身
猟銃音殺生界に雪ふれり 橋本多佳子(1899-1963)
猟銃音水面すれすれ鴫か逃げ 石川桂郎 四温
猟銃音渓をさまよふ暮色かな 石田阿畏子
猟銃音湖北の天を深くせり 長田等
猟銃音湖氷らんとしつゝあり 相馬遷子 山國
猟銃音父母の墓山その裏山 杉本寛
猟銃音青菜畑に蝶がゆれ 大井雅人 龍岡村
猟銃音鳥落つ空を捨て切れず 河野南畦 湖の森
疎林にて猟銃音に狙撃さる 佐野まもる
眉を引く鏡の中へ猟銃音 平林恵子
石仏猟銃音に目覚めしや 山本歩禅
磨きあげし猟銃置かれ白い河床 川崎展宏
細い猟銃肩にして月夜の坂を下りる 人間を彫る 大橋裸木
舌荒れてをり猟銃に油差す 小澤實 砧
言葉ころす猟銃に弾罩めし後は 津田清子 礼 拝
鏡台や猟銃音の湖心より 藺草慶子
間を置かぬ猟銃音に殺意満つ 山本歩禅
雪の原猟銃音がわれを撃つ 遷子
雪嶺や一つ猟銃音ありしのみ 猪俣千代子 堆 朱
こんにやく村逢ひし猟夫も犬も老ゆ 中戸川朝人 残心
しづもれり猟夫と犬の入りし径 品川鈴子
しなやかに吊橋わたる狩の犬 三田きえ子
たちざまにぬくみはらへり狩の犬 裕
とどまればさらにきよらか狩の犬 橋本鶏二
ふつつかな娘といふは狩の犬 茨木和生 往馬
ふる雪に犬も退屈狩の宿 三好雷風
キャディラックよりとび降りし狩の犬 田中高志
一瞬を捉えて走る狩の犬 今村征一
付き纏ひ来て狩の犬らしからず 茨木和生 往馬
初猟の犬まだ馴れぬ山歩き 黒米松青子
初陣と云ふ狩の犬よく吠ゆる 早水秋水
右の耳無くて老いたり猟の犬 小泉静石
吊橋を渡りて待てる狩の犬 若月南汀
子育ての乳房ひきしめ猟の犬 津田清子 礼 拝
放たれてたちまち狩の犬となる 遠藤若狭男
梅が香や山路猟入る犬のまね 向井去来
水の面を駆けゆくごとし狩の犬 小原弘幹
氷柱なめ立ち止りをる狩の犬 魚目
火の島に犬連れ渡り猟名残 吉田孤岳
炬燵より半身出して狩の犬 辻桃子
熊狩の犬別積みに出発す 茨木和生 倭
犬つれて老少将や狩の道 河野静雲 閻魔
犬と息合せて猟夫機を狙ふ 山下美典
犬と犬猟夫と猟夫すれちがふ 田中九青
犬にパン与ふ猟夫の何も食はず 右城暮石 上下
犬の眼と鋭さ同じ猟夫の眼 松村竹炉
犬先きに戻りてをりし蛍狩 玉置昊洋
犬馴らす牧の猟夫の肥後訛 坂本竜門
狩くらや雪を押しゆく犬の胸 魚目
狩の犬一声鳴きし二日かな 日原傳
狩の犬今日伴はず猟名残 水見寿男
狩の犬勢ひて視野を失せにけり 梶尾黙魚
狩の犬夜は田仕舞の火を守りぬ 平賀 扶人
狩の犬巌の上に立ちにけり 西尾一
狩の犬憩へる時も耳動く 堀之内和子
狩の犬棚田跳び降り吠え登る 福田蓼汀 秋風挽歌
狩の犬狩の眼のまま眠りゐる 安倍日出
狩の犬遠き雪崩に耳立てたり 米沢吾亦紅 童顔
狩の犬重なる木だまつくりけり 米沢吾亦紅 童顔
狩の犬魔王の森を出できたる 依田明倫
狩名残り犬荒息で馳けて来る 迫力太郎
狩小屋の夜明なりけり犬の鈴 一茶
狩犬の繋がれてゐて峡日和 鈴木圭子
猟の犬今日伴はず猟名残 水見寿男
猟名残犬のふぐりは咲きみてる 松村蒼石 寒鶯抄
猟夫の目犬の目風の中を行く 畑中次郎
精悍に跳ねても見せて狩の犬 吉村ひさ志
縞目なす森の朝日や狩の犬 草間時彦
耳うごくときはつきりと狩の犬 後藤比奈夫 祇園守
耳立てるとき尾も立てて狩の犬 岬雪夫
蘆分けの舳に立てる猟の犬 後藤夜半 翠黛
野に出でて縦横かけり狩の犬 皆吉爽雨
銃口の前を犬ゆき猟名残 井沢正江 以後
頃合の飢に慣らして狩の犬 水見寿男
飼ひ主を嚊ぎに戻りし猟の犬 右城暮石 上下
鼻筋の傷の雄々しき狩の犬 岩田公次
残雪や狩くら神の泉鳴る(御射山) 角川源義 『冬の虹』
狩座に入りなんの穂を掴みたる 宮坂静生 樹下
狩座に高嶺の月を仰ぎけり 安達素水
狩座の皇子たち駆くる野の涯 筑紫磐井 野干
狩宿の猪さばき場といふ流れ 村上杏史
雲すきや尾越の鹿のねらひ狩 嵐竹 芭蕉庵小文庫
熊を貼り猪を敷き狩の宿 若井菊生
猪狩のくはだて月に覗かるる 白井新一
猪狩の焚く火鞍馬の闇の奥 佐野美智
猪狩の獲物広げし通し土間 杉原美代子
猪狩の男けものの眼で走り 宮坂敏美
猪狩の衆を恃みて押通る 細川加賀 生身魂
猪狩や甲斐も信濃も境なし 小島千架子
窯焚かぬ日の荒男たち猪狩れる 榎本冬一郎
しんかんと猟期ま近き山の樹々 船越淑子
どどーんと轟く連山猟期入る 藤田真寛
はたと逢ふ夜興引(よこひき)ならん岩の角 夏目漱石 明治三十二年
万葉の阿騎野は狩場鳥渡る 金田美那
主より犬の逸りて猟期来る 篠田和子
夜興引に柴漬に夜を徹しけり 会津八一
夜興引の上手とはかり愚直哉 尾崎紅葉
夜興引の厩の横手をのぼりけり 宮坂静生 春の鹿
夜興引の更けて落ち合ふ野寺かな 会津八一
夜興引の袂わびしきはした錢 蕪村遺稿 冬
夜興引の面あらためし老婆かな 暮情
夜興引やそびらに重き山刀 寺田寅彦
夜興引や犬のとがむる塀の内 蕪村 冬之部 ■ 浪花遊行寺にてばせを忌をいとなみける二柳庵に
夜興引や犬心得て山の道 子規句集 虚子・碧梧桐選
夜興引や飛騨の質屋も過ぎにけり 矢田挿雲 第一挿雲句集
大沼に雲霧こめて猟期来ぬ 石原舟月
天使飛ぶ 鹿飛ぶ 狩猟の城は石のレース 伊丹公子 機内楽
天竜へ山崩れつつ猟期来ぬ 徳永山冬子
姥百合の猛き実こぞり猟期来る 星野 秀則
宿屋出て秋の狩場を通りけり 松瀬青々
寄生木の実の艶かに猟期来ぬ 岡田 貞峰
御狩場の天に犇めく冬木の芽 加藤 一郎
敷きのべし夜具のひかりや猟期来る 藺草慶子
日月の竝び懸かれる狩場かな 橋本鶏二
杣のみち靄がゝりして猟期畢ふ 飯田蛇笏 霊芝
林中に火の香が走り猟期来る 白岩 三郎
枯芒狩場の割符拾ひけり 青嵐
檜の幹の暗紅しるく猟期来る 正木ゆう子 静かな水
水草の茎あをあをと猟期来る 大木あまり 火球
深谿に揺れ入る日の班猟期果つ 鷲谷七菜子 雨 月
湾青し猟期最後の雉子撃たれ 大岳水一路
湿林に曾比かがやきて猟期了ふ 松村蒼石 寒鶯抄
牧がすみ西うちはれて猟期畢ふ 飯田蛇笏 山廬集
牧霞西うちはれて猟期畢ふ 飯田蛇笏 霊芝
狩猟器の弧を壁に掛け 昼傾く 伊丹公子 パースの秋
狩猟期に入りたり寺の裏山も 茨木和生 遠つ川
狩猟期の朝の殺気を正面にす 小松崎爽青
狩猟期の風音さとき芒原 鷲谷七菜子 花寂び
狩猟音鳥膚だちて川流る 平井さち子 紅き栞
猟期はやとしごろの目のうつくしく 田中裕明 花間一壺
猟期をはる少年のゆめ少女のゆめ 石田郷子
猟期来て帳は厚みくはへたる 梅田津
猟期終ふ随身門の白馬かな 秋山重子
碧落に日の座しづまり猟期来ぬ 飯田蛇笏
秀峰を北に重ねて狩場かな 大峯あきら 宇宙塵
縄とびの大波小波猟期くる 大木あまり 雲の塔
縄文の裔の血騒ぐ猟期かな 加藤房子
蒟蒻に馬の踏こむ狩場哉 巣兆
裏阿蘇の乾く風音猟期来る 野見山ひふみ
豊胸ぐんぐん伸びゆくばかり狩猟月 赤尾兜子
野の梅の咲くとしもなく猟期了ふ 米沢吾亦紅 童顔
額縁に犬の賞状猟期来る 中戸川朝人 星辰
高空を鞭打つ風や猟期来ぬ 岡田貞峰
鮒鮨の熟れて湖北に猟期来る 若松徳男
鶴立つもこゝら狩場の冬田かな 喜谷六花
猪撃ちに取り憑かれたる脂顔 高澤良一 ぱらりとせ
猪撃ちの口鉄砲をつづけをり 高澤良一 ぱらりとせ
猪撃ちの黙殺に遇ふ峠道 高澤良一 ぱらりとせ
猟犬のごとく切り込み初ゴール 高澤良一 暮津

狩 補遺

あす越ゆる天城山あり狩の宿 福田蓼汀 山火
おのづから湖も明け暮れ猟期待つ 阿波野青畝
この國のながき雪解に猟期去る 百合山羽公 春園
たそがれや道にたゝずむ狩の犬 百合山羽公 春園
ただ一つよき部屋をもつ狩の宿 山口青邨
たちざまにぬくみはらへり狩の犬 原裕 葦牙
ひかり来しは猟銃音のあとの鳩 石川桂郎 含羞
ひと橋をわたり来れる狩の犬 石田勝彦 秋興以後
まみどりの朝餉に狩の祖父ら来る 佐藤鬼房
もどり路に靄濃ゆかつし狩の幸 阿波野青畝
やごとなき客伴ひぬ狙ひ狩 正岡子規 照射
ハンターに蹤き猟犬の走りづめ 鷹羽狩行
一湾をたあんと開く猟銃音 山口誓子
三冬のホ句もつづりて狩日記 飯田蛇笏 山廬集
仔沢山儲け遊べり狩の大 阿波野青畝
体業のひそかにつらし狩疲れ 飯田蛇笏 山廬集
便乗す猪狩の自動車に 飯島晴子
八重山に遠嶺そびえて猟期来ぬ 飯田蛇笏 山響集
冬の雁朽ちて僅かに狩の弓 百合山羽公 故園
冬山の狩の憩ひのところとや 高野素十
冬芒猟銃音を肩すかし 百合山羽公 寒雁
刈田直踏めば先祖の狩ごころ 平畑静塔
助手席に猟犬おのれにて座る 平畑静塔
厨芥牽く老いた猟犬 ネオンの斑 伊丹三樹彦
口太き猟銃憎む吾が為し得ること 山口誓子
吹きなびく片葉の芦は猟期待つ 阿波野青畝
吾が立てる野を猟銃の弾走れり 山口誓子
城飾る額画ら 狩猟貴族の国 伊丹三樹彦
夕狩の野の水たまりこそ黒瞳 金子兜太
夜もすがら猟犬さわぐ宿の月 高野素十
大霧の霽れかかるより小鳥狩 松本たかし
奥の間の軸は古俳句狩の宿 山口青邨
孤狩の暗く赤い自動車の内部 飯島晴子
実物を嗅がせ猟犬訓練す 右城暮石 散歩圏
小鳥狩したるその夜の小句会 松本たかし
山険し猟銃の口下方に向け 右城暮石 声と声
弾罩めし猟銃にして是非射ちたし 津田清子 礼拝
忌々しこの狩の季節の水腹は 佐藤鬼房
懐中灯わたされ狩の戸に寝ねぬ 阿波野青畝
戻るとき水しぶかせて狩の犬 鷹羽狩行
撃たれざる猟銃光る冬の壁 赤尾兜子 蛇
日本敗れたり猟銃音あざやかに 鷹羽狩行
朧にもなき夜のさまや泊り狩 正岡子規 泊り山
杣のみち靄がゝりして猟期畢ふ 飯田蛇笏 霊芝
林中にて吐胸衝かるる猟銃音 山口誓子
柚子山にけふ点晴の猟銃音 野澤節子 存身
梅干に狩の行厨いきいきと 山口誓子
残雪や狩くら神の泉鳴る 角川源義
水郷に猟銃の身細かりき 山口誓子
沼涯のけむりが空に冴えて猟期 古沢太穂 火雲
流れはやし猟銃肩に川渉る 山口誓子
深谿に揺れ入る日の斑猟期果つ 鷲谷七菜子 銃身
渓流を渡る猟銃手にしかと 右城暮石 句集外 昭和二十八年
湿林に曾比かがやきて猟期了ふ 松村蒼石 寒鶯抄
熱高き猟銃音ののちの黙 石川桂郎 含羞
燃えつきしあと水打つて猟期去る 飯田龍太
牧がすみ西うちはれて猟期畢ふ 飯田蛇笏 山廬集
牧霞西うちはれて猟期畢ふ 飯田蛇笏 霊芝
犬つれて狩に出る日や鵙の聲 正岡子規 鵙
狩うどの背にぐつたりと獲物栄え 阿波野青畝
狩くらに啼くははるけき金の鵄 飯田蛇笏 雪峡
狩くらの凍てに大火の炎立ちけり 飯田蛇笏 椿花集
狩くらの雲にあらはれ寒の鳶 飯田蛇笏 霊芝
狩くらや北斗を心に夜もすがら 阿波野青畝
狩の刻荒鵜手縄(たなは)をみな結はれ 橋本多佳子
狩の宿へんろのみちの淋しさに 阿波野青畝
狩の犬棚田跳び降り吠え登る 福田蓼汀 秋風挽歌
狩宿の五右衛門風呂の熱し~ 高野素十
狩山に入りて猟犬まづ漏らす 平畑静塔
狩座(かりくら)の径のすりきれたるところ 鷹羽狩行
狩犬の貌のほとりも昏れかゝる 百合山羽公 春園
狩猟期の風音さとき芒原 鷲谷七菜子 花寂び
狩疲れ星のちらばりあきらかに 阿波野青畝
狩競(かりくら)のもう十年かまだ十年 鷹羽狩行
猟期待つものらの煙草火 銃砲店 伊丹三樹彦
猟犬と思へど一犬走るのみ 山口誓子
猟犬と猟人道路鏡を来る 右城暮石 虻峠
猟犬の仔犬枯野を嗅いでばかり 中村草田男
猟犬の嗅ぎとゞまりし焚火跡 右城暮石 上下
猟犬の嗅ぐ香うすれし青麦畑 右城暮石 声と声
猟犬の嚊ぎ来し匂ひ日南に消ゆ 右城暮石 上下
猟犬の木につながれて吠えやめず 右城暮石 虻峠
猟犬の狩入る草の嵐かな 村上鬼城
猟犬の目差遥かなる濁流 飯島晴子
猟犬の瞼を撫でて疲れ癒す 鷹羽狩行
猟犬の行き当りたる水を呑む 右城暮石 声と声
猟犬の音聞きつける夏野哉 正岡子規 夏野
猟犬は天に及ばず地に唸る 平畑静塔
猟犬は眠り主は酒を酌む 高野素十
猟犬も丹田光を知りてゐし 右城暮石 上下
猟犬をまつ白樺のほとりかな 水原秋櫻子 葛飾
猟犬をみないたはれる車中の眼 右城暮石 句集外 昭和三十二年
猟犬を妬み番犬よく吠ゆる 阿波野青畝
猟犬を放ちたし大湿地帯 右城暮石 虻峠
猟犬を放ち遊ばす猟期前 右城暮石 天水
猟犬猛り猪出ず月が出たそうな 金子兜太
猟銃に山川の涸れひびきたり 山口誓子
猟銃の一文字ひく谺かな 清崎敏郎
猟銃の筒先吾へ向けて寄る 山口誓子
猟銃の重さ殺生知らぬわれ 百合山羽公 寒雁
猟銃の鉄の感触少女に貸す 草間時彦 中年
猟銃の音ひろがりて海辺なす 山口誓子
猟銃を手にして父の墓通る 右城暮石 声と声
猟銃を持たせてもらひすぐ返す 藤田湘子
猟銃を肩にして行く鴉ばかり 右城暮石 句集外 昭和二十四年
猟銃を肩に松よき名勝地 山口誓子
猟銃を肩に雪解の山の町 松崎鉄之介
猟銃音わが山何を失ひし 橋本多佳子
猟銃音出て見れば田の霧ふのみ 山口誓子
猟銃音吾が発熱の地つづきに 山口誓子
猟銃音山重なるを知らすなり 大野林火 飛花集 昭和四十五年
猟銃音散るは雪光と見たるのみ 鷲谷七菜子 銃身
猟銃音歩む腓に響きたり 山口誓子
猟銃音殺生界に雪ふれり 橋本多佳子
猟銃音水面すれすれ鴫か逃げ 石川桂郎 四温
猟銃音湖氷らんとしつゝあり 相馬遷子 山国
猟銃音紺色の服畦遠く 大野林火 青水輪 昭和二十四年
猟銃音而して後ひと歩む 山口誓子
猟銃音電線走り去るごとし 鷹羽狩行
猪狩や睾丸脂滲む山やま 永田耕衣
猪狩岳より涼風をほしいまま 山口青邨
猪狩青嶺蒟蒻畑軒端まで 山口青邨
病む妻に走る猟犬朝の虹 金子兜太
病臥駭けば猟銃つづけ撃つ 山口誓子
砂浜の駭きやみし猟銃音 山口誓子
碧落に日の座しづまり猟期きぬ 飯田蛇笏 春蘭
種まきや狩出したる泥鼠 正岡子規 種蒔
空海の禅定に消ゆ狩の犬 佐藤鬼房
筒先太し梅天指して狩猟神 松崎鉄之介
筒燻れる猟銃の受け渡し 鷹羽狩行
籠を出て羽ばたくは鵜の狩ごころ 鷹羽狩行
縛されず猟犬歩き来るに会ふ 山口誓子
縞目なす森の朝日や狩の犬 草間時彦 中年
老人も猟犬も走るよ虹の渚 金子兜太
耳うごくときはつきりと狩の犬 後藤比奈夫
舟下りてまづ背振ひの狩の犬 鷹羽狩行
芭蕉葉や池にひたせる狩ごろも 飯田蛇笏 山廬集
草じらみ猟犬己には脱げず 平畑静塔
薬莢の笛猟犬を呼び戻す 右城暮石 虻峠
藁仕事その傍らに狩の銃 阿波野青畝
蝦夷狩の名の入江道粃の穂 佐藤鬼房
言葉ころす猟銃に弾罩めし後は 津田清子 礼拝
豊胸ぐんぐん伸びゆくばかり狩猟月 赤尾兜子 歳華集
身を振ふ猟犬の耳朶激動す 山口誓子
雪の原猟銃音がわれを撃つ 相馬遷子 山河
雪の日や鴨場の御狩せられけり 河東碧梧桐
静臥の身猟銃の音沁み終る 山口誓子
静臥の身猟銃音の圏の中 山口誓子
首狩に酢の薄れゆく蝋の闇 佐藤鬼房
鴫走る田水猟期の初めかな 河東碧梧桐
鶏を追ふ駄犬ゐて猟期待つ 阿波野青畝
麦萌えて猟期の芒苅らずあり 河東碧梧桐
龍胆の花踏まれあり狩の場 山口誓子

狩 続補遺

ある皇子の忍び歩行や初鳥狩 西鶴
たか狩や沓かご持が腮たゝき 猿雖
十六夜も牧狩以後のとらが顔 越人
夏草に狩入犬の見えぬ也 黒柳召波
寒月や白紙の飛狩のあと 加舎白雄
小三太が一の手柄やねらひ狩 卓池
弓張も空にかゝるや小鳥狩 三宅嘯山
旅ごろも狩の出立やほうづゝみ 野坡
水仙やいつの御狩に主めす 一笑(金沢)
狩くれて馬のうへなる月見哉 樗良
狩倉の矢来出来たり暮の春 黒柳召波
狩入て露打払ふ靱かな 黒柳召波
畠踏む似せ侍や小鳥狩 炭太祇
稲妻や綱曳きりし狩の犬 卓池
草の戸に茶ひとつ乞り狩の君 黒柳召波
草先や追鳥狩のむばら抓 史邦
雲すきや尾越の鹿のねらひ狩 嵐竹
鷭一羽御狩にもれていく程ぞ 加舎白雄

以上

by 575fudemakase | 2017-01-26 09:18 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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