鮫 の俳句

鮫 の俳句


例句を挙げる。

*えいが一番鮫が二番と涼しかな 松山足羽
あふむけの鮫の子息をしてゐたり 大木あまり 雲の塔
いまわれは遊ぶ鱶にて逆さ富士 高柳重信
かしやくなき市場言葉に鮫長し 桂樟蹊子
かつぎ来る大鮫の歯の恐ろしき 皆川盤水
じんべい鮫ゆらり畳を拭く日なり 中北綾子
すさまじや船おろす鮫ばかりにて 鉄蕉
ふなびとら鮫など雪にかき下ろす 加藤楸邨
まっくろな水平線に鮫の花嫁 夏石番矢 楽浪
まぼろしの鱶が書斎を出てゆかぬ 池田澄子
わくらばや沖には白き鱶あそび 橋石 和栲
サボテンの花ながめつつ鱶料理 大島民郎
チョウ鮫が鰐の顔して冬休 高澤良一 寒暑
両眼は撞木の先や撞木鮫 白井冬青
予期せざる鱶の刺身や夏祓 長井通保
体内を鱶が泳いで春暮れる 坪内稔典
共に泳ぐ幻の鱶僕のやうに 三橋敏雄(1920-2002)
内海に鱶泳ぐ日の蒲団干し 江里昭彦 ロマンチック・ラブ・イデオ口ギー
冬の海より得しものの中の鮫 成瀬正とし 星月夜
冬の海鮫の百尾もゐるごとし 藤崎久を
冬鮫や漁師不在の積み重ね 平畑静塔
列島をかじる鮫たち桜咲く 坪内稔典(1944-)
初夏長江鱶などはぼうふらより小さい 金子兜太 遊牧集
初日さす横顔とわが一匹の鮫 鈴木六林男 国境
初雪や市にほのめく鮫の骨 会津八一
十三夜鱶のうごきて山殖ゆる 熊谷愛子
反歌とし鱶の眼として濡れる 久保純夫 水渉記
君もぼくも暮春の鱶のように寝る 坪内稔典
土佐鶴に鱶の湯晒し春の雨 高澤良一 寒暑
執刀はノコギリ鮫の某教授 高澤良一 鳩信
壱岐も対馬も鰐鮫の背も淡雪せり 高柳重信
夕月や鱶の酢味噌をつまみ喰ひ 皆川白陀
大水槽に鮫泳ぎゐる晩夏なり 辻美奈子
天上の鱶が目覚める牡丹雪 坪内稔典
太郎鮫血祭にして磯びらき 野見山朱鳥
岩壁に鮫裂き卯波走りこむ 伊藤白楊子
干し鮫の目を吹き抜くる雪解風 岸田稚魚 筍流し
庭の面は春の霰の鮫小紋 京極杞陽
或る日老いたり遠見の鱶に陽は遊び 折笠美秋
或る日老たり遠見の鱶に陽は遊び 折笠美秋 虎嘯記
日輪のかゞよふ潮の鮫をあぐ 水原秋櫻子
明日を恃み鮫獲り船の出でゆかす 村上しゆら
春の雪かかれる鮫を洋傘でつく 宮武寒々 朱卓
春吹雪鮫は生き身のままからぶ 加藤知世子 花寂び
春暁の雨の続きに鱶泳ぐ 坪内稔典
春暁や大いなる鮫獲れしとふ(大洗魚来庵) 原石鼎
昼過ぎのプラグが鮫の声を出す 坪内稔典
暗黒に五月まひるの鮫干場 和知喜八 同齢
本の山くづれて遠き海に鮫 小澤實 砧
柿吊るしては手に塗つて鮫油 辻桃子 童子
桜草砂場の鮫に子が消えて すずきりつこ
梅咲いて庭中に青鮫が来ている 金子兜太(1919-)
極寒期うまの合ひたる鮫とウクレレ 栗林千津
水槽の鮫が見ており冬帽子 久保砂潮
沖に鮫棲むと言ふ浜うるめ干す 川口利夫
浜五月尾がきかん気の小判鮫 野沢節子
海女沈む鮫除帯の朱を曳いて 久野一花
海峡を鮫の動悸と渡るなり 五島高資
港に/鱶は老い/遠き/海の大祭 高柳重信
港に鱶は老い遠き海の大祭 高柳重信
湯ざらしの鱶食べる音死者の家 坪内稔典
猫鮫の歯が欲し予後の初秋刀魚 橋本夢道 『無類の妻』以後
盲画家のやうに大陸をくぐれ鱶 竹中宏
真緑の鮫がとおるふぐの鰭 和知喜八 同齢
祭の中負籠の鮫の尾や撥ねて 岸田稚魚
秋航へ鮫の真紅の肺を見て 齋藤愼爾
紫陽花のあなたの鮫の口ひらく 坪内稔典
美女病みて水族館の鱶に笑む 西東三鬼
老いたる鮫急ぎぬ大水槽の内 池田澄子
胸中に春の鱶ゐて春の汗 辻桃子
英霊とゆられまぶしき鱶の海 鈴木六林男 荒天
蒲公英や鮫あげられて横たはる 水原秋桜子
記憶から光をたぐる鱶の海 中島斌雄
誰も襲わぬ鮫の遊泳日の終り 野田信章
足かけて鮫裂く女雪催 加賀美子麓
転がれる鮫のそこいら辷りがち 古内仰子
追羽子に舁きゆく鮫の潮垂りぬ 水原秋桜子
釣堀や鮫の上散る木の葉烏賊 石塚友二 光塵
鉤のんで結びし鮫の巨き口 鈴鹿野風呂 浜木綿
離陸機の鱶のやうなる胴露けし 高澤良一 さざなみやっこ
雪の夜棒鮫むつちりと煮えぬ 矢島渚男 船のやうに
雪汁や一尺鮫は雑魚と糶る 石川桂郎 高蘆
霧を来て鮫肌いろの両腕 高澤良一 随笑
魂魄を股よりおろす鱶の海 岡井省二
鮎鮫や風のをろぬき枝の花 調川子 選集「板東太郎」
鮫となり誰か沖ゆく春の海 徳弘純 麦のほとり 以後
鮫なつき扇のようにわらうなり 島津亮
鮫の外形吹雪の縞へぶら下る 齋藤玄 『玄』
鮫の歯のひそひそ噛みし紅葉かな 谷川雁
鮫の腹雪色一文字に剖(さ)くや 城佑三
鮫ばかり獲れつつ波頭しぶくなり 岡野風痕子
鮫を裂くうしろをすべり氷の荷 宇佐美魚目
鮫一つ雪の市場にあるばかり 津江碧雨
鮫一体植つかず糶の終りたり 熊谷愛子
鮫上げて梅雨の市場の人だかり 遠藤梧逸
鮫捌く小出刃鈍けき雪囲 呂木
鮫揚ぐる人々鯖を踏みしだき 水原秋櫻子
鮫洗ふささらの音のさむさかな 木導 極 月 月別句集「韻塞」
鮫洗ふさゝらの音の寒さ哉 木導
鮫狩りにゆきたる友や冬紅葉 皆吉司
鮫肌の動いて笑っている最中 杉浦圭祐
鮫船の腹に魚群れ潮澄めり 水原秋櫻子
鮮烈に十月を裂く鮫であり 岸本マチ子
鱶がいて台風圏の青いポポー 和知喜八 同齢
鱶の死に白一団の海女よぎる 友岡子郷
鱶の海流れて青きいかのぼり 宇多喜代子
鱶の白い腹浮く畳の北のへり 坪内稔典
鱶の胃に春の港と鴎鳥 阿部誠文
鱶の鰭乾す老体を襲う濤 鈴木六林男 第三突堤
鱶を飼うコーヒーいつも胃に溜まり 八木三日女 落葉期
鱶一つ大きく躍る夕立前 廣江八重櫻
鱶油塗る刳舟の楔寒ひでり 宮岡計次
鱶湯がく男が決まる死者の家 坪内稔典
鱶鰭のよく乾く日や室戸岬 岡崎筍林
ボンネットヘッドシャークの涼気過ぐ 高澤良一 燕音

鮫 補遺

きり売の*鮫のさしみや藤の花 沙明
ふなびとら鮫など雪にかき下ろす 加藤秋邨
よく見よと鯖走りは鮫ならん 阿波野青畝
わくらばや沖には白き鱶あそび 橋閒石 和栲
ピラニアも鮫も涼しき水槽に 稲畑汀子
一年の鮫のほこりや古男 馬場存義
三ヶ月に*鱶のあたまをかくしけり 諷竹
共に泳ぐ幻の鱶僕のやうに 三橋敏雄
切売の鮫のあたひや大唐籾 樗良
初夏長江鱶などはぼうふらより小さい 金子兜太
太郎鮫血祭にして磯びらき 野見山朱鳥 荊冠
婆の影伸びゆき鱶のひれ干さる 橋閒石 無刻
寄りて揚ぐる大マンボ鮫部落若葉 古沢太穂 捲かるる鴎
岬の人に墓は鮫色嵐は青 金子兜太
島多し海亀多し鱶多し 高野素十
干し鮫の目を吹き抜くる雪解風 岸田稚魚 筍流し
幾人もよしきり鮫を背負ひゆけり 岡井省二 大日
心地よく眉がばさ~鱶の鰭 岡井省二 猩々
日輪のかがよふ潮の鮫をあぐ 水原秋櫻子 新樹
春の夜の伊勢に食したる鱶の鰭 岡井省二 猩々
春の航夢にがぶりて鱶の腹 金子兜太
春日の鱶なりし砂絵かな 岡井省二 鯛の鯛
春暁や大いなる鮫獲れしとふ 原石鼎 花影
曳きずつて紺青鱶と言ふべかり 岡井省二 鯨と犀
月光の鱶の海(わたつみ)わたるなり 岡井省二 鯨と犀
木馬回る鱶のあくびの灰熱く 橋閒石 風景
未道化の鮫肌さらす野火明り 橋閒石 風景
柄鮫の南蛮黍も尾花かな 許六
梅咲いて庭中に青鮫が来ている 金子兜太
横たへし青鮫なれば跨ぎけり 岡井省二 鯛の鯛
歯が死にしのこぎり鮫の顔雪ふる 古沢太穂 捲かるる鴎
水底に目覚めて鱶の病んでをり 桂信子 草影
沿岸の泳者に鱶を警むる 山口誓子
泡あふれ鮫鎖鍋の蓋揚ぐる 阿波野青畝
海よ等身大の青鱶よ 岡井省二 猩々
灯台指すように水死の鮫曇れる 古沢太穂 火雲
猫鮫の水槽に凭り年惜しむ 飯島晴子
甚兵衛鮫の肚に煽られ仲の秋 岡井省二 大日
生き得の鱶の鰭食しゐたりけり 岡井省二 鯛の鯛
皓歯もて鱶の海より来し孤客 佐藤鬼房
破芭蕉障子に映る青鮫大 岡井省二 猩々
祭の中負籠の鮫の尾や撥ねて 岸田稚魚 負け犬
秋風や岬の果てに鮫飼はれ 安住敦
競りの声かからず鮫は凍てにけり 阿波野青畝
筑摩川春行水や鮫の髄 其角
網の目の鮫氷りてからまりぬ 阿波野青畝
繿縷を干す小春日和や鮫ヶ橋 正岡子規 小春
背を並べ日と人渡す秋の鱶 岡井省二 大日
若うどや大鮫屠る宵の冬 村上鬼城
蒲公英や鮫あげられて横たはる 水原秋櫻子 葛飾
衣更へつ甲板に出て鱶を見る 正岡子規 更衣
裸人みなよろめいて鮫計る 阿波野青畝
誕生日海図音たて鮫躍らせ 金子兜太
赤えいのなほ深き処を鮫ゆけり 山口誓子
近海へ入り来る鮫よ神無月 赤尾兜子 玄玄
追羽子に舁きゆく鮫の潮垂りぬ 水原秋櫻子 葛飾
釣堀や鮫の上散る木の葉烏賊 石塚友二 光塵
雪汁や一尺鮫は雑魚と糶る 石川桂郎 高蘆
霧の夢寐青鮫の精魂が刺さる 金子兜太
青鮫がひるがえる腹見せる生家 金子兜太
風圧のわれよ木よ海に鱶の交 金子兜太
魂魄を股よりおろす鱶の海 岡井省二 鯛の鯛
魚棚に鮫竝べたる霰かな 正岡子規 霰
魚河岸や鮫に霜置く冬の月 正岡子規 冬の月
鮫 跳ね わが逸眼の視野乱る 楠本憲吉 楠本憲吉集
鮫あげし室戸の船は松かざり 水原秋櫻子 新樹
鮫が描く黄円心の唇濡れ 橋閒石 風景
鮫が現れやがて消えたり麦の秋 橋閒石 微光以後
鮫ごろごろ石を城となす 阿波野青畝
鮫の尾の遠く沈めりあきの雨 加藤曉台
鮫の牙あとざまに植え時計朽つ 橋閒石 風景
鮫も蚊も人を食ふべく定めらる 相生垣瓜人 負暄
鮫汁に昆布なめらかな凝りやう 河東碧梧桐
鮫洗ふさゝらの音のさむさ哉 木導
鮫眠るそんなことにも驚く夏 金子兜太
鰐鮫とわが七浦は微雨の夏 佐藤鬼房
鱶いつも海路は西に行かんとす 岡井省二 大日
鱶の刺身を食すや櫃はあり 岡井省二 大日
鱶の日月眼が真つすぐ来 岡井省二 大日
鱶の沖へ老人の胸板ひろし 橋閒石 無刻
鱶の海その穹に吾が弥勒座あり 岡井省二 鯛の鯛
鱶の海にひた笑へりき 岡井省二 大日
鱶の海肉髻育ちをりにけり 岡井省二 鯛の鯛
鱶の鰭にほふ湾岸十三夜 佐藤鬼房
鱶七でござんす御殿へ褞袍着て 富安風生

以上

by 575fudemakase | 2017-01-26 16:35 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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