炬燵 の俳句

炬燵 の俳句

炬燵 の例句


炬燵 補遺

あたたかき深き空洞(うつろ)の炬燵かな 松本たかし
あたたかき炬燵を出る別れ哉 尾崎放哉 大学時代
ありがたや行火の寝床賜ひしは 石塚友二 磊[カイ]集
いくさから便とゞきし巨燵かな 正岡子規 炬燵
いちまいに海荒れてゐる置炬燵 古舘曹人 樹下石上
いとこはとこの似て似ぬ顔の昼炬燵 臼田亜浪 旅人 抄
うたたねに炬燵蒲団の胸よりは来ず 篠原梵 年々去来の花 雨
かの人をここの炬燵に呼びたくて 波多野爽波 鋪道の花
かりそめの苦説にすねる巨燵哉 正岡子規 炬燵
ぐい呑に炬燵酒声なせりけり 石川桂郎 四温
こたつで耳の遠い座談筆記終れるなり 荻原井泉水
その人のちち母炉より炬燵より 高野素十
たましいの脂ぬけゆく炬燵かな 橋閒石 微光
なきがらのはしらをつかむ炬燵かな 飯田蛇笏 山廬集
のぼせたる頬美しや置炬燵 日野草城
ひとり住むよきゐどころや古炬燵 飯田蛇笏 山廬集
ふつと訪ねてきそうな彼も故人で炬燵、君といる 荻原井泉水
ふるさとや炬燵ごもりも一夜二夜 臼田亜浪 旅人 抄
ほこほこと菊の宴の炬燵の火 木村蕪城 寒泉
ぼくたち火燵に君のひとりははいれるところ 荻原井泉水
みちのくの五月の炬燵嫂とあたる 山口青邨
みちのくの旅籠屋さびて巨燵哉 正岡子規 炬燵
もたいなや五月の炬燵帝の間 山口青邨
ゆく年の行火を股に鳰のこゑ 森澄雄
わたしの火燵にして君たち東西より来る 荻原井泉水
わびしさや巨燵にのばす足のたけ 正岡子規 炬燵
われは巨燵君は行脚の姿かな 正岡子規 炬燵
をんな泣きて冬麗日の炬燵かな 飯田蛇笏 山廬集
ペンの走り固しとおもひ行火抱く 臼田亜郎 定本亜浪句集
丁稚叱る身は無精さの巨燵哉 正岡子規 炬燵
三人の炬燵寝に波音もなく 高野素十
乗りて来し馬を火燵に見つゝをる 河東碧梧桐
乳房もて顔うちなぶる炬燵かな 飯田蛇笏 心像
亡き人の向ひをるよな火燵かな 河東碧梧桐
人もなし巨燵の上の草雙紙 正岡子規 炬燵
人老いぬ巨燵を本の置處 正岡子規 炬燵
人足らぬ巨燵を見ても涙かな 正岡子規 炬燵
今はですか 槌打つ格好の火燵守 伊丹三樹彦
何はなくと巨燵一つを參らせん 正岡子規 炬燵
何もかもすみて巨燵に年暮るゝ 正岡子規 炬燵
佛壇も火燵もあるや四疊半 正岡子規 炬燵
元日や炬燵の上に受験の書 相馬遷子 雪嶺
元朝や去年の火残る置炬燵 日野草城
児らは火燵に数よみて暮れそめし部屋に 種田山頭火 自画像 層雲集
兒の手を皺手に握る火燵哉 正岡子規 炬燵
出勤に暫し間のある火燵かな 内藤鳴雪
切炬燵夜も八方に雪嶺立つ 森澄雄
初春のものの中なる大炬燵 原石鼎 花影以後
初火燵してくれしかば逗留す 阿波野青畝
初炬燵して火の東歌を読む 秋元不死男
初炬燵といふ御馳走をいただきぬ 能村登四郎
別室の炬燵賑はひ居る様子 高浜年尾
十日夜の餅にぬくむに炬燵賜ぶ 大野林火 飛花集 昭和四十六年
喜ばしき時も淋しや置火燵 河東碧梧桐
堂守の時雨炬燵や引けば寄る 古舘曹人 砂の音
夜の炬燵憩へばわが身ひとつなり 鷲谷七菜子 黄炎
夜の雨晝の嵐や置巨燵 正岡子規 炬燵
大安と云ふも云はぬも初炬燵 相生垣瓜人 負暄
大山の火燵をぬけて下りけり 阿波野青畝
天狗の面柱に炬燵しつらひぬ 山口青邨
妹なくて向ひ淋しき巨燵哉 正岡子規 炬燵
妻と居て孤りごころの炬燵かな 松本たかし
婆々さまの話上手なこたつ哉 正岡子規 炬燵
婢が走り怒濤まぢかに置炬燵 古舘曹人 能登の蛙
婢もあてて屹度あはれむ炬燵かな 飯田蛇笏 山廬集
嫂や炬燵に遠く子を膝に 富安風生
子とあたる五月の炬燵旅もどり 木村蕪城 寒泉
子を抱いて巨燵に凧を揚げる人 正岡子規 炬燵
富士とぢし雲はうごかず朝火燵 村山故郷
富士晴るゝ待つ宿のあつき火燵かな 村山故郷
寒き家に住み馴れがほや置炬燵 松本たかし
山を見て夕ベまで居る炬燵かな 松本たかし
山冷にはや炬燵して鶴の宿 杉田久女
山墓へ残光ゆづり夕炬燵 香西照雄 素心
山茶花を折り戻りたる炬燵哉 右城暮石 句集外 昭和六年
岡惚の話はずめり置炬燵 日野草城
巨燵あけて蓋のしてある矢倉哉 正岡子規 炬燵
巨燵から見ゆるや橋の人通り 正岡子規 炬燵
巨燵して語れ眞田が冬の陣 正岡子規 炬燵
年取が済みて炬燵に炉に集ひ 高野素十
床下に風の通ひや古火燵 内藤鳴雪
店にさざめき夢のよに火燵なつかしむ 種田山頭火 自画像 層雲集
引きあふて火燵の上で泣かすなよ 正岡子規 炬燵
御玄猪や火燵もあけぬ長屋住 正岡子規 亥の子
忍ぶかと巨燵の猫に問はれけり 正岡子規 炬燵
恋ふ心悔ゆる心や置炬燵 上村占魚 鮎
恵那颪一日すべなき炬燵かな 松本たかし
愛宕山鳥居の下の炬燵酒 上田五千石『天路』補遺
我術の空中樓閣置巨燵 正岡子規 炬燵
手紙が待つていた炬燵におくれて着く 荻原井泉水
扶助料のありて長壽や置炬燵 杉田久女
掘りかへす炬燵埋火八方に 上野泰 佐介
掻きたてる炬燵の火の香顔をうつ 篠原梵 年々去来の花 雨
撰集の沙汰にくれたる巨燵哉 正岡子規 炬燵
放蕩の果さながらの炬燵寝や 上田五千石『天路』補遺
故郷の巨燵を思ふ峠かな 正岡子規 炬燵
教会の奥なる汚れ炬燵かな 波多野爽波
旅は梅に芭蕉の跡のはなしもこたつ四方山ばなし 荻原井泉水
旅先の真つ赤な電気行火抱く 岡本眸
日がなゐて夕しづもりの炬燵かな 松本たかし
晝中の傾城寐たるこたつ哉 正岡子規 炬燵
晩飯と治兵衞を起す巨燵哉 正岡子規 炬燵
更け炬燵聊斎志異のおもしろく 山口青邨
根の国に潮の寄せくる行火かな 古舘曹人 樹下石上
極月や裸の炬燵畳の上 日野草城
横顔を炬燵にのせて日本の母 中村草田男
正月や炬燵の上の朱短冊 松本たかし
殘る鴨何番の花置火燵 正岡子規 炬燵
水飲んで炬燵にもどる冬夜かな 右城暮石 句集外 昭和五年
泊月は昔の顔や置炬燵 高野素十
海恋ひの稿つぐ炬燵熱き上 鷹羽狩行
渓音と炬燵のぬくさ絶え間なし 中村草田男
湯女のいふ因幡の炬燵今日よりと 高野素十
溢れ蚊の漂ふあれど初炬燵 相生垣瓜人 負暄
潮騒やぬるきこたつの長谷の家 及川貞 榧の實
火を入れて櫓冷たき火燵かな 内藤鳴雪
火串ふつて闇の真中を上り行 正岡子規 串
火燵から見える処に梅の花 正岡子規
火燵にてあるじがまねの書見かな 河東碧梧桐
火燵にゐる母にうちあけず一日二日 中川一碧樓
火燵の間去ることもなく用足りぬ 河東碧梧桐
火燵ふとんの華やかさありて母老い給ふ 中川一碧樓
火燵売る店先旧師に邂逅せり 村山故郷
火燵描お八つ刻なく眠りをり 村山故郷
火燵猫亭主の調べ物の辺に 村山故郷
火燵猫地震に一ト声鳴きにけり 村山故郷
火燵猫無冠の髭を張つてをり 村山故郷
火燵猫耳立て何を盗み聞きし 村山故郷
火燵貼つて日脚余れる中々に 河東碧梧桐
火燵酒ひとりにされてしまひけり 阿波野青畝
炬燵あつし酒利きつもる小盃 飯田蛇笏 山廬集
炬燵ありと障子に書きし茶店哉 尾崎放哉 大学時代
炬燵あり火を入れしむる十三夜 木村蕪城 一位
炬燵あり雪見障子の欲しかりし 後藤比奈夫
炬燵あるらしき二階へ子を呼びし(清子様を訪ぬ) 細見綾子
炬燵から庭の指図をしていたり 橋閒石 微光以後
炬燵さめて我家に男の世界一つ 中村草田男
炬燵して公魚釣の小屋なりし 清崎敏郎
炬燵して在れば汝が来て施物かな 松本たかし
炬燵して大安楽や年の暮 日野草城
炬燵して渓声雨声暮れゆけり 水原秋櫻子 玄魚
炬燵して老艶の書に深入りす 能村登四郎
炬燵して鹿来る山を思ひけり 百合山羽公 寒雁
炬燵にて帽子あれこれ被りみる 波多野爽波
炬燵に屏風立てて鳩のきている聲 荻原井泉水
炬燵の向き足で変へしが日本の向き 香西照雄 対話
炬燵の妻且つ句を案じ且つ眠り 日野草城
炬燵の火よきほどにして左様なら 山口青邨
炬燵の辺友の赤児が袖振り泣く 中村草田男
炬燵の間母中心に父もあり 星野立子
炬燵よりおろかな猫の尻が見ゆ 平井照敏 猫町
炬燵より出てきて母の膝がよし 鷹羽狩行
炬燵より炬燵へ移り雪籠り 高野素十
炬燵二つ野沢菜漬も二鉢を 山口青邨
炬燵出て告別式に行く時刻 富安風生
炬燵出て尼が燈をやる女人堂 古舘曹人 砂の音
炬燵出て弾初の三味外しけり 日野草城
炬燵出て歩いてゆけば嵐山 波多野爽波
炬燵嫌ひながら夫倚る時は倚る 及川貞 夕焼
炬燵寝といふは淋しくなつかしく 高野素十
炬燵寝のつま帯かたく貌あげぬ 角川源義
炬燵寝の人に琴の音送りけり 波多野爽波
炬燵寝の吾子の薄目に十時鳴る 大野林火 青水輪 昭和二十三年
炬燵寝の妻を哀れむその形を山口誓子
炬燵寝の我々静かに待ちし客 松本たかし
炬燵寝の戦友も今四十路越す 松崎鉄之介
炬燵寝の若者起きて餅を搗く 木村蕪城 一位
炬燵寝の重い頭が鳥の巣に 佐藤鬼房
炬燵居になじみきたりし瀬々の音 清崎敏郎
炬燵居に何も聞えぬ山ばかり 大野林火 方円集 昭和五十二年
炬燵居のひと日動かず蕪村の忌 森澄雄
炬燵居のふた草あらぬ七日粥 角川源義
炬燵居の背中にタ日俄かなり 大野林火 早桃 太白集
炬燵板「上人伝記」のせて読む 阿波野青畝
炬燵熱く茄子花ずしの紺濃しや 大野林火 飛花集 昭和四十七年
炬燵猫もう先寝 星降る屋根の下 伊丹三樹彦
炬燵話仔馬別れの母迫ひしと 中村草田男
熱き炬燵抱かれしころの祖母の匂ひ 野澤節子 未明音
燠足して貧農の炬燵焦げんばかり 相馬遷子 雪嶺
片手つく形に寝おちぬ炬燵の子 古沢太穂 火雲
独り居て睡魔に負けぬ置炬燵 日野草城
猫老いて鼠も捕らず炬燵かな 村上鬼城
猫老て鼠もとらず置火燵 正岡子規 炬燵
獄を出て炬燵愛しむ膝頭 秋元不死男
獄出ればナイフあたたまる炬燵の上 秋元不死男
生姜湯や炬燵の上の卸し金 中村草田男
田舎源氏炬燵に伏せて髪をのせ 福田蓼汀 山火
男の童と女の童と遊ぶ巨燵哉 正岡子規 炬燵
眼を閉ぢて駒ケ嶽の雪照る炬燵かな 松本たかし
祝ごとの山の炬燵のただ熱し 木村蕪城 一位
神棚の下に炬燵や神も親し 山口青邨
神棚の燈のふもとなる炬燵かな 原石鼎 花影以後
神棚へ炬燵にのぼり手をのばし 高野素十
立つてゆく炬燵も一つ夕ごころ 三橋敏雄
竝べけり火燵の上の小人形 正岡子規 炬燵
筆いれて掻き探したる巨燵哉 正岡子規 炬燵
節分の熱き炬燵に宿直す 木村蕪城 一位
紅葉見て帰れば炬燵出来てあり 山口青邨
終の栖のふかぶかと切炬燵 鷹羽狩行
絵葉書とて富士十景火燵にちらかして書く 荻原井泉水
緋鹿子にあご埋めよむ炬燵かな 杉田久女
縫物の背中にしたる巨燵哉 正岡子規 炬燵
繪草紙に身の上を泣く巨燵哉 正岡子規 炬燵
置火燵客は宇治茶を好みけり 村山故郷
置火燵雪の兎は解にけり 正岡子規 炬燵
置炬燵四人の客にわがあふれ 石川桂郎 四温
老が身の何もいらざる炬燵かな 村上鬼城
老はものゝ戀にもうとし置火燵 正岡子規 炬燵
老ぼれて眉目死したる炬燵かな 村上鬼城
肉炙いてすぐに火燵の火となる火 下村槐太 天涯
船を家海を庭とし炬燵蜑 鷹羽狩行
花冷の炬燵一献よからずや 山口青邨
菊の宿夜は炬燵のあたたかく 木村蕪城 一位
華やかに炬燵布団の歌ぢらし 福田蓼汀 山火
落葉に雨 無音 母との一つ炬燵 伊丹三樹彦
薄目あけ人嫌ひなり炬燵猫 松本たかし
行火やめて今宵の茶の間四角なり 臼田亜郎 定本亜浪句集
行火より離れし知己や円通寺 阿波野青畝
観音を守りていつもの炬燵連 上田五千石『琥珀』補遺
豆撒きの手を守りゐる炬燵人 原裕 青垣
貧乏は掛乞も來ぬ火燵哉 正岡子規 炬燵
趙飛燕巨燵の上に舞はせばや 正岡子規 炬燵
蹠(あな)裏に炬燵の柱まるくぬくめる 篠原梵 年々去来の花 皿
身ぞ愛しやまとこたつのぬるいあたゝかい 中川一碧樓
鏝さしてぬるき炬燵よ妹が宿 木村蕪城 一位
除夜炬燵親子四人に隙間なし 能村登四郎
隠栖の松荒れてよし置炬燵 石橋秀野
隠耶蘇隠炬燵にわれもあたる 山口青邨
雛をさめ炬燵の上の筆硯 木村蕪城 一位
雪の日や巨燵の上に眠る猫 正岡子規 炬燵
電気炬燵のみを点滅万年床 右城暮石 上下
電気行火座右に竹山嵐きく 臼田亜郎 定本亜浪句集
霧しまき女来る間の炬燵熱し 岸田稚魚 負け犬
霧笛を入れて炬燵一個の部屋を鎖す 金子兜太
静まりゐて水輪生む鳥炬燵の母 香西照雄 対話
風呂を出て炬燵に入りて吉野山 日野草城
風呂敷を掛けたる晝の巨燵かな 正岡子規 炬燵
風呂欲しう思ひつゝ宿の火燵かな 河東碧梧桐
風狂を募らす雨と炬燵かな 能村登四郎
風邪引いて炬燵を愛す新緑裡 日野草城
飛び下りる子供を叱る火燵かな 内藤鳴雪
首入れて巨燵に雪を聞く夜哉 正岡子規 炬燵
首入れて巨燵をまぜる女哉 正岡子規 炬燵
高齢と相炬燵して従者めく 秋元不死男
鳩寿たり火燵の上の筆硯 阿波野青畝

炬燵 続補遺

あかるさのあるは火燵の座敷哉 土芳
あかるさの火燵よくとる座敷哉 土芳
あふ人に押やられけり置火燵 百里
いつとなくおとがいだるき火燵哉 一笑(金沢)
いびきにも火をふいてねる火燵哉 尚白
うかれ出る猫や火燵も閉ぎ時 中川乙由
うかれ女に取巻れたる火燵かな 中川乙由
うかれ女の皃にほのめく火燵かな 東皐
うぐひすやこたつの上の小盃 三宅嘯山
うつたてゝ火燵の癖やうせかぬる りん女
きさらぎや火燵のふちを枕本 嵐雪
こたつから出て又入も仕事哉 野紅
こたつ出てまだ目の覚ぬ霞哉 高井几董
しのぎかね夜着をかけたる火燵哉 桃先
すて果し身のゆく末もこたつかな 井上士朗
すゝ払や火のしに入る火燵炭 許六
せがめども小鍛冶動かぬこたつ顔 三宅嘯山
たばこ火にとればいやがる火燵哉 苔蘇
たばねあふ足の見立も火燵欲 朱拙
つくづくともののはじまる火燵かな 鬼貫
つとめよと親もあたらぬ火燵哉 嵐雪
づぶ濡れの大名を見る炬燵哉 小林一茶
なつかしや火燵の友の番代り 里東
のけて有火燵にあたる麁相哉 中川乙由
の声畳におつる火燵哉 野紅
はっ雪や火燵の上の馬ざくり 琴風
ほこ~と朝日さしこむ火燵かな 丈草
ものいはぬ火燵を友に草の庵 土芳
もろともに年を越ばや炬燵の火 杉風
もゝ尻の来てはせり合火燵哉 十丈
やかましき火燵あたりの小袖哉 林紅
わがせこが食櫃入る火燵かな 白雪
わたましの其夜親しむこたつ哉 三宅嘯山
下京をめぐりて火燵行脚かな 丈草
下京を廻りて火燵行脚かな 内藤丈草
下戸ひとり酒に迯たる火燵哉 炭太祇
世になしの火燵に暮す礼日哉 岱水
世の中の後はさむき火燵哉 朱拙
中~に火燵が明て寒さかな 小西来山
丸薬のちるや炬燵の前うしろ 三宅嘯山
五月雨のしめり暮てや置火燵 千川
五月雨や火燵の明て茶のにほひ 寂芝
人しれず火燵ににゆる雑煮哉 土芳
人老て炬燵にあれる踵かな 加舎白雄
人踏だ事思ひ出すこたつ哉 三宅嘯山
仁斎の炬燵に袴冬ごもり 黒柳召波
介病も一人前の火燵哉 去来
佗しさや炬燵に焦る蜘の糸 黒柳召波
侍は腹さへ切ルに火燵かな 支考
俤や火燵の際の此はしら 杉風
俤や足もさゝれぬ置火燵 尾頭
八本の足むつまじきこたつ哉 尚白
八畳の隅に目をもつ火燵哉 浪化
初雪の今朝は火燵の御留主哉 亀世
割膝の世に後向く炬燵かな 吐月 発句類聚
十月や昼の火燵の炭なだれ 史邦
卯の花に火燵置らん雪の暮 嵐雪
口に賃飼つゝふかす炬燵かな 三宅嘯山
口見せぬ遊女ぐらゐや置火燵 林紅
古火燵また足はさむわかれかな 小西来山
吉野見た足可愛がる炬燵かな 和田希因
吹れては火燵へもどる汐干かな 中川乙由
四方から火燵に寐ルや畳帋 支考
夜着かけてつらき袖あり置火燵 北枝
夜着かけて容いぶせきこたつ哉 高井几董
夜着掛てつらき袖有置火燵 素覧
娑婆にひとり淋しさおもへ置火燵 支考
媒をまねきおふせし火燵哉 りん女
子どもよる布袋の腹は火燵哉 土芳
子にめでゝ山猫うたふ火燵哉 馬場存義
子共よる布袋の腹は火燵かな 土芳
守りゐる火燵を菴の本尊哉 丈草
宿かへてまだ土くさき火燵哉 我峰
寒やみの火燵もほしや後の月 斜嶺
寒念仏聞て火燵を出にけり 知足
寒菊に奢がついて火燵かな 如行
寝ごゝろや火燵蒲団のさめぬ内 其角
寝心やこたつぶとんのさめぬ中 其角 猿蓑
小半で火燵しかけよ大根いし 除風
小畳の火燵ぬけてや花の下 丈草
小舅の機嫌をとりし火燵哉 岱水
小若衆に念者きはまる火燵かな 李由
居あまりて火燵や棚へとし忘 正秀
山は浅き火燵をむすぶ菴かな 其角
山やおもふ紙帳の中の置火燵 丈草
山寺は山桝くさき火燵かな 角上
山鳥の病妻へだつ炬燵哉 黒柳召波
師の坊の腰もむ夢や置火燵 史邦
年の気もどこやら寒きこたつ哉 智月尼
年寄の畳きはまるこたつかな 来川 たつのうら
年~の模様替りや置火燵 りん女
影法師の横になりたる火燵哉 丈草
御器量の蒲団喰はゆる火燵哉 林紅
心なく花盆のせるこたつかな 寥松 八朶園句纂
手の奴夜は休ませるこたつ哉 三宅嘯山
手をうつて火燵を出る便かな 塵生
手をさして瞽女かしこまる火燵哉 尚白
手枕の鋪居へかゝる火燵かな 魚日
押合て火燵にあかせいつもたび 諷竹
押合て目白のあたる火燵かな 木導
敷火燵しらず額や汗の滝 越人
旅の屋の次の火燵や柴の熾 猿雖
旅籠屋の客のおどりや置火燵 正秀
月なみのあはひ~や火燵講 野紅
朝晩はまだ火燵なり梅の花 如行
松島の足をさし込火燵かな 牧童
松風やこたつの底の炭の音 桜井梅室
柴の火は火燵の花や亭主ぶり 野坡
梅がゝや火燵を出て遠からず 凉菟
極楽の道へふみ込むこたつかな 蓼太 蓼太句集初編
歯朶*あぐる火燵の山にとし籠 中川乙由
残されて屏風一重や置火燵 りん女
残る火燵まだ山里はこころかな 鬼貫
残念といふものひとつ置火燵 凉菟
永日や火燵におきのなかりけり 羽笠
海士の子の火燵をしらぬそだち哉 探志
淀舟やこたつの下の水の音 炭太祇
火加減の甘塩を喰火燵かな 白雪
火燵からおもへば遠し硯紙 沙明
火燵からすべり落たる鏡かな 蘆本
火燵から友よびつぎの浜近し 凉菟
火燵から床のかけ絵を泪かな 一鷺
火燵から青砥が銭をひろひけり 其角
火燵きれと勧むる人を暦かな 貞佐 桑々畔発句集
火燵にて朝物かく男かな 一笑(金沢)
火燵にはいかにあたるぞ蛸の足 洒堂
火燵のうたゝねや夢に真桑を枕にす 其角
火燵より寐に行比は夜中哉 雪芝
火燵出てはじめに帰る礼義哉 土芳
火燵出て古郷戀し星月夜 言水
火燵切思案の中やはつしぐれ 吾仲
炬燵してくれる駅の馴染哉 黒柳召波
物おもひ火燵を明ていかならむ 舟泉
物かくに少はたかき火燵かな 猿雖
独居の谷の戸にして火燵かな 素丸 素丸発句集
瓜むいた様に寝ころぶこたつ哉 凉菟
生壁に畳も青き火燵かな 野坡
真夜半や火燵際迄月のかげ 去来
碁の友の紙に目をもる火燵哉 尚白
縫ものをたゝみてあたる火燵哉 落梧
置火燵後や花折ルふまへ物 園女
老の膝さぐりて見たし置火燵 りん女
耻かしやあたりゆがめし置火燵 炭太祇
脇ざしは背中にあそぶ火燵哉 万乎
腰かけてその時判官こたつかな 凉菟
腰ぬけの妻うつくしき炬燵かな 与謝蕪村
自由さや月を追行置火燵 洞木
草菴の火燵の下や古狸 丈草
行燈をあげて状かくこたつ哉 四睡
見台に髪ゆふうちの火燵哉 毛〔ガン〕
謎に負てまくつて迯るこたつ哉 三宅嘯山
起直る仕事にけふも火燵哉 野紅
跡さして火燵に寐たも夢なれや 破笠
踏のべて世をわすれたる火燵哉 含粘
身ひとつを定家かづらのこたつかな 寥松
鈴引て鼠のくゞるこたつ哉 三宅嘯山
革羽織とりかくされて火燵かな 史邦
頓阿来て双の岡の炬燵かな 三宅嘯山
頤で本をあけたるこたつ哉 朱拙
食継と猫と夫婦と火燵哉 挙白
飯櫃のうつり香つらき火燵かな 許六
髪を結ふ手の隙明て炬燵哉 千代尼
鷺も来て火燵にあたれ簑の雪 支考

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 05:33 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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