石炭 の俳句

石炭 の俳句

石炭

例句を挙げる。

うづ高き石炭かすや白き薔薇 寺田寅彦
うららかや牛の子も積む石炭船 田中英子
ちちろ鳴く石炭の闇滑らかに 榎本冬一郎 眼光
ストーブに石炭をくべ夢多し 細見綾子 黄 炎
一塊の石炭くらき焔かな 栗内京介
一日のはじまり石炭を掬ふ音 徳永山冬子
卓上の石炭一箇美しき 三橋敏雄(1920-2002)
哄笑のうちに石炭かつと燃えにけり 青峰集 島田青峰
夕涼石炭くさき風が吹く 正岡子規
岬颪朝の石炭殻捨てに出て 平井さち子 鷹日和
復活祭石炭船は黒き眼積む 磯貝碧蹄館 握手
慇懃去った石炭町の フランスパン 伊丹公子 アーギライト
手に重し大塊りの石炭は 橋本鶏二
明日が見える闇を石炭箱に満たす 寺田京子 日の鷹
月の出や石炭殻山裾に葱育て 友岡子郷 遠方
水母ゐるむかし石炭積出し港 花田由子
河豚釣りやボロ石炭船入港す 村山古郷
海の上に夕の雨の寂しく降り石炭はこぶ船一つをり 小泉苳三
港内皆石炭船や海月汐 楠目橙黄子 橙圃
満載して対岸に倦む石炭舟 榎本冬一郎
無言貿易石炭を骸(おどろ)かす雪 竹中宏
燃ゆる石炭棄てて運河の落葉照らす 加藤楸邨
石炭にシャベル突つ立つ少女の死 西東三鬼
石炭の太古無となる炎かな 上野泰
石炭の尽きし山々紅葉せる 山口誓子
石炭の露頭芒を生ひしめず 森田峠 逆瀬川
石炭を口あけ見惚れ旅すすむ 金子兜太
石炭を投じたる火の沈みけり 高浜虚子
石炭を挽く馬の肋骨へ雑草がのびてゐる 嶺達二
石炭を掬ふ音冬遠からず 山口誓子
石炭を欲りつゝ都市の年歩む 竹下しづの女句文集 昭和十四年
石炭を運びこぼしぬ海深し 雑草 長谷川零餘子
石炭箱は牛の骨格山ざくら 小檜山繁子
石炭箱を靴に踏まへし暖炉かな 雑草 長谷川零餘子
石炭船来めし屋の葵旗のごとし 高井北杜
石炭船流るゝ菊を押し戻す 殿村莵絲子 遠い橋
石炭車門司へ入りくる長々と 楠目橙黄子 橙圃
索道の石炭落す麻畠 山口誓子
聖霊の御名に由り石炭を焚き添ふる 山口誓子
船頭の石炭がよく燃えて夜汐があげる 橋本夢道 無禮なる妻抄
荒蝦夷の石炭の火のにほひかな 中條 明
貧児の眼石炭の炉に到るかな 青峰集 島田青峰
起重機の影が石炭山走る 島崎芳月
車上の石炭一箇美しき 三橋敏雛
駅凍てぬ石炭卸し絶間なく 杉本寛
鶴来たる石炭の街眠る夜に 対馬康子 愛国
石炭紀の模型蜻蛉に秋が来て 高澤良一 ももすずめ
大井鐵道
汽車走らす石炭一屯水七屯 高澤良一 石鏡


石炭 補遺

うまごやし露頭の石炭をかくすなき 山口誓子
こぼれたる石炭春の地にて艶 伊丹三樹彦
さむき日も自然のけぶり石炭山に 山口誓子
そくばくの石炭あればちちろ虫 山口誓子
クリークは石炭搬び砧打ち 阿波野青畝
ストーブに石炭をくべ夢多し 細見綾子
ビラに裸女照る 陸へ 石炭船密着 伊丹三樹彦
一塊の石炭にある歴史かな 上野泰
事務室や石炭箱の大いなる 松本たかし
卓上の石炭一箇美しき 松崎鉄之介
土筆犬ふぐり石炭殼の山 佐藤鬼房
地表の石炭の上に火の気焚く 山口誓子
夕涼石炭くさき風が吹く 正岡子規 納涼
奉迎や石炭がくれ石炭夫 百合山羽公 春園
寒星に石炭掬ひやまざるも 山口誓子
平和おそれるや夏の石炭蓆かぶり 金子兜太
施餓鬼船常は石炭船にして 右城暮石 句集外 昭和四十二年
春潮に起重機石炭(たん)をしたたらす 渡邊白泉
月涼し貯炭場蛙鳴き渡る 小林康治 玄霜
業の貯炭場閑すや開くや松の内 小林康治 玄霜
毒溜めて生き貯炭場に暑く住む 佐藤鬼房
河豚釣りやボロ石炭船入港す 村山故郷
波のうら~石炭拾ふ二人の児かな 種田山頭火 自画像 層雲集
海中に立ち石炭を焚き進む 渡邊白泉
炎天の石炭の山影もたず 右城暮石 句集外 昭和二十六年
白息交し貯炭場家族煤け果つ 小林康治 玄霜
石炭にシャベル突つ立つ少女の死 西東三鬼
石炭の太古の眠り燃え上り 上野泰
石炭の太古無となる炎かな 上野泰
石炭の尽きし山々紅葉せる 山口誓子
石炭の山やわが歩は世紀の歩 中村草田男
石炭の火を消す湯気の吹きざらし 右城暮石 句集外 昭和二十八年
石炭の碧く露けし人夫達 右城暮石 句集外 昭和二十九年
石炭の粉が目刺す野は輝やけり 橋閒石 朱明
石炭の荷を数珠つなぎ秋航す 阿波野青畝
石炭の荷揚場に塵一つなし 右城暮石 句集外 昭和二十八年
石炭の裸の山を踏み働く 右城暮石 句集外 昭和二十五年
石炭の車ならぶや散る桜 正岡子規 散桜
石炭を口開け見惚れ旅すすむ 金子兜太
石炭を掬ふ音冬遠からず 山口誓子
石炭を掬へる音の夜明がた 山口誓子
石炭を置けば夏草ものすごし 山口誓子
石炭を運び胡同をよごしけり 松崎鉄之介
石炭殻に沼埋められつつ鳰浮ぶ 伊丹三樹彦
索道の石炭落す麻畠 山口誓子
聖霊の御名に由り石炭を焚き添ふる 山口誓子
花菜照る石炭船に黒牛積む 松崎鉄之介
蝌蚪踊る貯炭場の水よきことあれ 小林康治 玄霜
貯炭場に出て療園の空気澄む 右城暮石 上下
貯炭場に綿入れ赤し鉱区萌え 飴山實 おりいぶ
貯炭場に舌強く生き寒雀 鷹羽狩行
貯炭場のあはれ青草しげらせぬ 大野林火 海門 昭和十四年
貯炭場の犬稗その他厚埃 佐藤鬼房
雪に灯す貯炭場流人島めくよ 小林康治 玄霜
雪の河岸石炭船の白く寄る 鷹羽狩行
霜の鳩貯炭場楽園めくときも 小林康治 玄霜
霜降らむ襤褸曳き閉す貯炭場を 小林康治 玄霜
霜降るや貯炭場雀さやぎをり 小林康治 玄霜
露無明貯炭場千鳥啼き連れて 小林康治 玄霜
露霜に鍋釜晒す貯炭場暮し 小林康治 玄霜
駅にむかしの貯炭場と寒雀 鷹羽狩行
駅中の貯炭場光る夏となり 山口誓子
麦笛や駅の貯炭場ちかく行き 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 05:59 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

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設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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