水洟 の俳句

水洟 の俳句

水洟

例句を挙げる。

「買ってやるよ」水洟の子へうるみ声 香西照雄 素心
この世また夢の水洟すすりけり(夢違観音) 細川加賀 『生身魂』
この家の子か水洟の立派なる 宇多喜代子 象
ねもごろに土饅頭盛り水洟す 栗生純夫 科野路
仏恩も水洟とゞむすべなけれ 篠塚しげる
各各の水洟顔や金の事 会津八一
呟き稼ぐ老ひし軽子の水洟は 小林康治 玄霜
夢殿を出づる水洟見られけり 浦野芳南
女教師が水洟すする皆笑ふ 楠節子
子亡き妻の水洟泣くにはあらじかと 香西照雄 素心
帰る母子の水洟を跼み拭く 柴田白葉女 遠い橋
彼老いぬ水洟とめどなかりけり 高浜年尾
念力もぬけて水洟たらしけり 阿波野青畝
恋の唄水洟すすり花筵織る 小原菁々子
方丈記説く水洟の老教師 岩淵喜代子 朝の椅子
水洟かなし病母に語り及ぶとき 赤城さかえ
水洟が「情緒」の項に入つてる 櫂未知子 貴族
水洟が出て仕方なし仕方なく 京極杞陽 くくたち下巻
水洟と泪に喉の痛むかな 石川桂郎 四温
水洟にかくれて何を企めるや 稲葉直
水洟にからすき星のありにけり 田中冬二 麦ほこり
水洟になんとも意気地なくなりし 小原寿女
水洟にもうなりふりもなくなりし 稲畑汀子
水洟に暮るるも北の金木駅 藤田あけ烏
水洟に諭すふびんの煙草つく 米沢吾亦紅 童顔
水洟のさびしさの日に幾度か 林田紀音夫
水洟のたらで仕舞ひし一日かな 会津八一
水洟のついといでたるおどろけり 瀧澤伊代次
水洟のとめどもなうて味気なや 日野草城
水洟のほとけにちかくなられけり 森川暁水 黴
水洟の句を愛弟子のために書く 百合山羽公 故園
水洟の同じ背丈の母と歩めり 秋元不死男
水洟の定家しはぶく老の戀 筑紫磐井 野干
水洟の富士の白毫久しかり 齋藤玄 飛雪
水洟の師の一喝をおそれけり 大橋櫻坡子 雨月
水洟の徒弟・老工並び尿る 佐藤鬼房
水洟の毛坊主の説く観世音 森田公司
水洟の水色膝に落つ故郷 永田耕衣
水洟の男が拝む神の陰 加藤知世子 花寂び
水洟の皆相当な悪(わる)ばかり 高澤良一 燕音
水洟の鼻ネクタイの上に据ゑ 猿橋統流子
水洟も光点日に透くコップ酒 香西照雄 素心
水洟も泪も気配して寝ぬる 皆吉爽雨
水洟も郷里艶めく橋の上 飯田龍太
水洟やうとましき老の到る見る 青峰集 島田青峰
水洟やお茶碗ひとつ箸一ぜん 後藤綾子
水洟やことさらふかく争はず 望月健
水洟やことりと停まる秩父線 大嶽青児
水洟やすこし機嫌の名士面ら 石原八束 空の渚
水洟やどこも真赤な実南天 爽波
水洟やなさけなかりし我が法話 河野静雲
水洟やのつぴきならぬ火吹竹 松根東洋城
水洟やわが三界の引越荷 阿部完市 無帽
水洟やわれも暮色の一つとなる 宮坂静生 青胡桃
水洟や下ろしてみても貧しき灯 相馬黄枝
水洟や仏具をみがくたなごころ 室生犀星
水洟や仏観るたび銭奪られ 草間時彦
水洟や佛具をみがくたなごころ 室生犀星 魚眠洞發句集
水洟や土盛ることの手馴れしわざ 栗生純夫 科野路
水洟や塩を詰め込む魚の腹 宮坂静生 青胡桃
水洟や大志抱きしはそのむかし 木田千女
水洟や女歌舞伎の老二人 会津八一
水洟や娑婆ッ気つひに微塵なく 龍岡晋
水洟や孔雀の間より鳳凰ヘ 佐々木六戈 百韻反故 初學
水洟や小菊清らに押しもあて 野村喜舟
水洟や引導の香語あともどり 河野静雲 閻魔
水洟や我孫子の駅のたそがれて 石田波郷
水洟や手遅れ患者叱しつゝ 相馬遷子
水洟や押して事なき盲判 西島麦南
水洟や拭うて首魁たる者は 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
水洟や指をいのちの陶作り 中島寿銭
水洟や捺してことなき盲判 西島麥南
水洟や放蕩の涯行き暮れて 石塚友二
水洟や日暮れて仰ぐ梁柱 千代田葛彦 旅人木
水洟や晩学の道遅々として 六久保 碧水
水洟や樹齢壮んに夜の欅 千代田葛彦 旅人木
水洟や母の如くに老いにけり 松本 ます枝
水洟や波濤のほかは見るものなし 杉山岳陽 晩婚
水洟や添削されてゐるやうな 佐々木六戈 百韻反故 冬の皺
水洟や灯をかかげたる机前の子 飯田蛇笏 山廬集
水洟や父母の代の日暮見え 上田五千石
水洟や石に腰かけ日暮待つ 草間時彦
水洟や秋刀魚にうすき骨のこる 四月草
水洟や紅ふふめるは猫やなぎ 松村蒼石
水洟や落人の裔たらしむも 土井爽晴子
水洟や貧しき者は欺かる 菅 裸馬
水洟や追はぬに農夫を牛曳きそめ 香西照雄 素心
水洟や遠日矢の嶺消えたれど 杉山岳陽 晩婚
水洟や鈍の恋など捨てむまで 小林康治 玄霜
水洟や鮟鱇鍋の夜としぬ 森澄雄
水洟や鼻の先だけ暮れ残る 芥川龍之介(1892-1927)
水洟をあやふんで居る炭団かな 会津八一
水洟をかみて法座に加はりぬ 富安風生
水洟をかむを憚り第九聴く 稲畑廣太郎
水洟をかむ仕種まで無器用な 稲室草竹
水洟をかむ百姓の大事な金 榎本冬一郎 眼光
水洟をかめばサンタの声がする 仙田洋子 橋のあなたに
水洟をかんで大きな音なりし 高浜年尾
水洟をすすり一茶の墓に来し 青柳志解樹
水洟をすすり寒鯉売つて居り 田中冬二 麦ほこり
水洟をすゝるとき顔ゆがみたる 高浜年尾
水洟をも傍観受験の吾子死なせし 香西照雄 素心
水洟を拭き仏像と闇にあり 林 徹
水洟を拭き引導の声を張る 西田孤影
水洟を滴る良寛のむかしより 山口誓子
水洟を落して恥ぢてひとりかな 副島いみ子
水洟を袖にまるめて蜆売 宮坂静生 青胡桃
水洟を貧乏神に見られけり 松本たかし
牛糶つてゐる水洟の男かな 浅賀渡洋
禁断の恋水洟に破れけり 稲畑廣太郎
老のよろこび水洟の句を得たり 松村蒼石 雁
老判事水洟啜ること勿れ 山内年日子
花になほ水洟たらす念仏かな 松瀬青々
須彌壇に水洟のひと咳のひと 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
馬思ふ御者も水洟垂れにけり 雉子郎句集 石島雉子郎
鼻長きキリスト吾は水洟かむ 山口誓子
洟水もをさまり四十雀が啼く 臼田亞浪 定本亜浪句集
水っ洟俳諧は奥深きかな 宇咲冬男
風の日は雲呑が佳し水っ洟 高澤良一 素抱
海苔採の身を削ぐ風に水っ洟 高澤良一 素抱
句を敲き敲き歩きぬ水っ洟 高澤良一 暮津
大塔宮を目指せる水っ洟 高澤良一 暮津
左義長を渚に待てる水っ洟 高澤良一 暮津


水洟 補遺

「買ってやるよ」水洟の子へうるみ声 香西照雄 素心
あんぽん柿井上靖水洟すする 角川源義
この拳涙拭き水洟を拭き 山口青邨
さむうして水洟すするひとりかな 飯田蛇笏 山響集
とめどなき水洟一日過ぎてゆく 大野林火 月魄集 距和五十七年
人に見られゐて水洟を拭きゐたり 大野林火 方円集 昭和五十二年
呟き稼ぐ老ひし軽子の水洟は 小林康治 玄霜
夏冬もなき水洟や老を知る 阿波野青畝
嫻雅なる鼻の水洟かまれけり 日野草城
子亡き妻の水洟泣くにはあらじかと 香西照雄 素心
手力の水洟であり火入れ前 佐藤鬼房
指磊塊見えぬ水洟繁く拭かる 中村草田男
櫂糠の妻水洟をすゝりけり 日野草城
死をききしとき水洟のはしりけり 能村登四郎
水洟すする時天を向き砂金採り 岸田稚魚 負け犬
水洟と泪に喉の痛むかな 石川桂郎 四温
水洟のとめどもなうて味気なや 日野草城
水洟の上飛ぶ鴎姉訪はな 秋元不死男
水洟の句を愛弟子のために書く 百合山羽公 故園
水洟の同じ背丈の母と歩めり 秋元不死男
水洟の富士の白毫久しかり 齋藤玄 飛雪
水洟の徒弟・老工並び尿る 佐藤鬼房
水洟の泪にまじる余寒かな 正岡子規 余寒
水洟の神父の顔にまみえけり 百合山羽公 春園
水洟の酔ひか嘆きか若布和 石田波郷
水洟の鼻のけだかき夫人かな 日野草城
水洟まで涎まで父母生きざりき 中村草田男
水洟も光点日に透くコップ酒 香西照雄 素心
水洟やさすらふかぎりうすあかり 上田五千石 天路
水洟や一字々々の整はず 高野素十
水洟や主婦の仕種の咋日今日 角川源義
水洟や仏に咲いて銅の蓮 上田五千石 琥珀
水洟や仏観るたび銭奪られ 草間時彦 中年
水洟や吹きつさらしに富士と暮れ 上田五千石 天路
水洟や喜劇の灯影頬をそむる 飯田蛇笏 春蘭
水洟や喜劇の燈影頬をそむる 飯田蛇笏 山響集
水洟や子規なら一斗と言はむほど 林翔
水洟や山の教師に山鳴る日 村山故郷
水洟や山神さまに何願ひ 上田五千石『琥珀』補遺
水洟や我孫子の駅のたそがれて 石田波郷
水洟や手遅れ患者叱しつつ 相馬遷子 雪嶺
水洟や月謝の包み手に取む 伊藤白潮
水洟や殖えず減らずに麓の燈 上田五千石『天路』補遺
水洟や灯をかかげたる机前の子 飯田蛇笏 山廬集
水洟や父母の代の日暮見え 上田五千石『琥珀』補遺
水洟や盤鋸す鼻の大いなる 日野草城
水洟や石に腰かけ日暮待つ 草間時彦
水洟や見舞うて帰る夕まぐれ 大野林火 白幡南町 昭和三十二年
水洟や読切に似たる一日了ふ 山田みづえ 忘
水洟や貧につながる手記一綴 秋元不死男
水洟や追はぬに農夫を牛曳きそめ 香西照雄 素心
水洟や鈍の恋など捨てむまで 小林康治 玄霜
水洟や鼻を拉げば鴨飛んて 森澄雄
水洟をかみては拝む比企の墓 山口青邨
水洟をかみて五十になんなんと 日野草城
水洟をかみ足りしかばこゝろよし 日野草城
水洟をかむたくさんの小菊紙かな 日野草城
水洟をかんで近づく寒牡丹 岸田稚魚 紅葉山
水洟をこらへしよりの視野くもる 能村登四郎
水洟をも傍観受験の吾子死なせし 香西照雄 素心
水洟を一気にかみて耳つんと 高浜年尾
水洟を感じてよりの強気失せ 能村登四郎
水洟を押へもやらぬ様子かな 高浜年尾
水洟を泪とおもふ旅まくら 能村登四郎
水洟を滴る良寛のむかしより 山口誓子
水洟を白紙に拭ふ机辺かな 河東碧梧桐
水洟を貧乏神に見られけり 松本たかし
水鼻にわひて山家のもみち哉 正岡子規 水洟
水鼻に旅順を語る老女かな 正岡子規 水洟
洟のせんかたもなく喪に籠る 正岡子規 水洟
洟水もをさまり四十雀が啼く 臼田亜郎 定本亜浪句集
洟水を拭ひたまはず一尊者 富安風生
煙管たたきて水洟漁夫の不漁ばなし 能村登四郎
老のよろこび水洟の句を得たり 松村蒼石 雁
老は突如水洟「白鬚大明神」中村草田男
花冷えのまた水洟をこぼしけり 岸田稚魚 負け犬
鼻長きキリスト吾は水洟かむ 山口誓子

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 07:23 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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