着ぶくれ の俳句

着ぶくれ の俳句

着ぶくれ

例句を挙げる。

おどろきて銀婚夫婦着膨れぬ 細川加賀 生身魂
かじめ切る背へ着膨れ子どつと泣く 柏禎
かまきりの巣と云ふを見る着膨れて 高澤良一 ももすずめ
たなご釣着膨れて畦踏みはづす 田島 秩父
なりふりもかまはずなりて着膨れて 高浜虚子
にこにこと断り上手着膨れて 川村紫陽
人待つごと人厭ふごと着膨れぬ 石田波郷
体ごと振り向く男着膨れて 小泉八重子
共同湯木戸開け着膨れ婆ぬっと 高澤良一 燕音
患者皆着膨れ病院狭くする 高澤良一 随笑
朝市の女早くも着膨れて 河本好恵
物拾ふとき着膨れてをりにけり 山田弘子 懐
着膨れし体内深く胃痛む 松本たかし
着膨れたやうな俳句の道具立 高澤良一 素抱
着膨れてじっと一日家の中 高澤良一 宿好
着膨れてただおろおろと老いてゆく 田中湖葉
着膨れてなんだかめんどりの気分 正木ゆう子(1952-)
着膨れてゐてはごたつく句ばかり出来 高澤良一 ぱらりとせ
着膨れてポストが遠くなりにけり 細川加賀 『玉虫』
着膨れて体重計に近寄らず 水原秋櫻子
着膨れて児に唱合はす三十路はや 木附沢麦青
着膨れて入れたり出したり旅支度 増田豊子
着膨れて唯唯診察待つばかり 高澤良一 宿好
着膨れて山王さんに頼み事 高澤良一 燕音
着膨れて後部座席を占めにけり 高澤良一 ももすずめ
着膨れて心臓外科に繋がれぬ 高澤良一 ぱらりとせ
着膨れて敬老の日の俄寒 水原秋櫻子
着膨れて書店の中が祭めく 岩淵喜代子 硝子の仲間
着膨れて月を見るにも耳澄ます 正木ゆう子 静かな水
着膨れて柔剛二心闘はす 川村紫陽
着膨れて母読む三代烈女伝 川村紫陽
着膨れて海豹の貌してゐたる 長谷川櫂 虚空
着膨れて矢面に立たされてゐる 角光雄
着膨れて籤運恃むこともなし 石塚友二
着膨れて解説雪村贔屓かな 高澤良一 鳩信
着膨れて財布まさぐる一患者 高澤良一 宿好
着膨れて遅参の弁をこもごもと 高澤良一 ももすずめ
着膨れて重荷となりぬ山河かな 小野藤花
着膨れて金貯めて欲つきざるや 相馬遷子 雪嶺
着膨れのもたもた脱いで診察室 高澤良一 宿好
着膨れの過ぎし上着を手にだらり 高澤良一 さざなみやっこ
着膨れ聞くこむら返りの直し方 高澤良一 宿好
福神のわれもひとりや着膨れて 吉田鴻司
胸変と見られたくなく着膨れぬ 阿波野青畝
足弱り来しははそはの着膨れよ 小林英子
路傍仏人も着膨れ来る日向 村越化石 山國抄
おささらの白衣の下は着ぶくれて 岸野千鶴子
おすわりの出来かけし子の着ぶくれて 稲畑汀子
お被せする姥も着ぶくれおしらさま 佐野美智
つかまり立つ子となりてはや着ぶくれぬ 大熊輝一 土の香
ぼろ着て着ぶくれておめでたい顔で 山頭火
われを最も軽視する妻も着ぶくれぬ 猿橋統流子
をなごらもどてら着ぶくれさみだるゝ 日野草城
エプロンの紐のよじれて着ぶくれし 高橋うめ子
ラッシュアワー着ぶくれ姿を置き去りに 小俣由とり
世を呪ふ麻疹の顔や着ぶくれて 堀口星眠 営巣期
世事疎く棲む着ぶくれの老教授 小原菁々子
二尺蟹糶るに応へて着ぶくれて 石川桂郎 高蘆
人の世の荷をそれぞれに着ぶくれて 河邊式江
今をすぐ忘るる母や着ぶくれて 山田みづえ 手甲
他人に帰せし薄き血縁着ぶくれ街 平井さち子 完流
仮の世や賽の河原に着ぶくれて 長谷川せつ子
光負ふ雲の如くに着ぶくれて 奈良碧
勲章を宝に夫の着ぶくれて 添野光子
古雛は着ぶくれたまふ佳かりけり 水原秋櫻子
基地をたたかうモンペ着ぶくれ日本の母 赤城さかえ句集
女坂をんな同士と着ぶくれて 松村多美
女老ゆ春著を着ても着ぶくれて 菖蒲あや 路 地
妻の座の揺ぎ無きかな着ぶくれて 水原 春郎
定位置に着ぶくれ宝くじを売る 三木夏雄
山国の媼ひとりも着ぶくれず 茨木和生 倭
幸福に初雀より着ぶくれて 富安風生
心まで着ぶくれをるが厭はるる 相生垣瓜人(1898-1985)
文化財中住みて見られて着ぶくれ子 鍵和田[ゆう]子 未来図
文机の前こそ墓穴着ぶくれて 赤松[ケイ]子
旅の身の着ぶくれ參ず聖夜ミサ 小原菁々子
日筋踏んでくる着ぶくれのたまご売 中山純子 沙羅
村人も祢宜も着ぶくれ神祀る 小野 久仁子
桑も瘤着ぶくれて皆夜祭へ 荒井正隆
槇売りの着ぶくれて頸失へる ながさく清江
海を見に魂までも着ぶくれて 小泉八重子
港よりヘッドライト着ぶくれてをり 折井紀衣
父が来て母が来て由美子着ぶくれさす 阿部完市 無帽
父の忌へ着ぶくれし身の重さかな 猿橋統流子
父は鰊場ただ着ぶくれて遊びをり 能村登四郎
父母もてばふるさとに着ぶくれてゐる冬 シヤツと雑草 栗林一石路
生きざまの着ぶくれてゐる影法師 赤尾冨美子
百貨店めぐる着ぶくれ一家族 草間時彦
着ぶくれしわが生涯に到り著く 後藤夜半
着ぶくれし子に発掘のもの並ぶ 浜崎素粒子
着ぶくれし影ぞ裸木の影へ触れぬ 香西照雄 対話
着ぶくれし無口いよいよ寄り難き 山野邊としを
着ぶくれし身をつらぬいて足二本 今瀬剛一
着ぶくれてあり雪国に誰よりも 茂里正治
着ぶくれてある日は神の眼を盗み 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
着ぶくれてあれば刻にも追ひこされ 井沢正江 以後
着ぶくれていやしからざるおとな瞽女 西本一都
着ぶくれてかたまつて棺舁きゆけり 藤井 亘
着ぶくれてきりまんじゃろにあこがるる 松澤昭
着ぶくれてくらき大河を見てゐたり 伊藤いと子
着ぶくれてそこなる夫をかへりみず 赤松[ケイ]子
着ぶくれてそのおのおのの机かな 斎藤夏風
着ぶくれてどこへも行けぬ万治佛 北見さとる
着ぶくれてなほ着ぶくれて人の恩 中山純子 沙 羅以後
着ぶくれてなんだかめんどりの気分 正木ゆう子
着ぶくれてふくら雀の如き子よ 田中冬二 俳句拾遺
着ぶくれてまぶしむものに白燈台 中山純子 沙 羅以後
着ぶくれてみちのく乙女細面 八牧美喜子
着ぶくれてよその子どもにぶつかりぬ 黒田杏子 一木一草
着ぶくれてわが潮騒を葬りぬ 櫂未知子 蒙古斑以後
着ぶくれてゐて愛などと真赤な嘘 伊藤トキノ
着ぶくれてゐて祝はるる勿体なや 村越化石
着ぶくれてゐて著こなしの粋な人 高橋幸子
着ぶくれてをりて母恋ふことばかり 塩川雄三
着ぶくれてプールヘ通ふ日曜日 柏原ひろお
着ぶくれてペンギン歩きして吾子は 轡田進
着ぶくれて丹後の織娘礼深き 石原八束
着ぶくれて亡母の貫禄わが継がむ 石田あき子 見舞籠
着ぶくれて人に無視され人無視し 久米清
着ぶくれて人の墓にも詣でたる 細見綾子
着ぶくれて人の流れにさからへり 太田 昌子
着ぶくれて人の涙を見てをりぬ 大木あまり 火球
着ぶくれて人間国宝とは見えず 宮本由太加
着ぶくれて仏の貌の石拝む 岡本まち子
着ぶくれて俄に刻のゆるびけり 金久美智子
着ぶくれて俳句に狎れしをとこども 小島千架子
着ぶくれて出て見渡して茶の木畑 加倉井秋を 午後の窓
着ぶくれて列車に辞儀をいたしけり 岩田由美 夏安
着ぶくれて千代女の国を徒歩く 須永かず子
着ぶくれて受く警策の鈍き音 尼崎たか
着ぶくれて合唱団の中にゐる 大石雄鬼
着ぶくれて否応なしの外階段 加藤正尚
着ぶくれて吾も伽藍のエンタシス 津田清子
着ぶくれて善人なれど茹玉子 吉田素糸
着ぶくれて喉に小骨の刺さりけり 原光 栄
着ぶくれて噂話を躱し得ず 間宮あや子
着ぶくれて女系家族の主たり 中野 貴美子
着ぶくれて子が可愛いといふ病 中村草田男
着ぶくれて客観といふよりどころ 正木浩一
着ぶくれて寄れば机の拒みもす 皆吉爽雨
着ぶくれて富麻の寺へ詣でけり 山本洋子
着ぶくれて己れなぐさめゐたりけり 澤村昭代
着ぶくれて市の采配ふるつてる 明石洋子
着ぶくれて建国の日を肯ぜず 轡田進
着ぶくれて引揚船を待つばかり 松山足羽
着ぶくれて忘るることに逆らはず 斎藤 道子
着ぶくれて怖ろしきものなくなりぬ 原田喬
着ぶくれて恐るるもののなかりけり 多賀谷榮一
着ぶくれて悪の愉しさ謀りをり 村上古郷
着ぶくれて我が一生も見えにけり 五十嵐播水
着ぶくれて手足縮まる牡丹の芽 殿村莵絲子 花寂び 以後
着ぶくれて抱けとばかりに諸手あげ 西村和子 夏帽子
着ぶくれて捨て上手にはなれませぬ 鈴木華女
着ぶくれて探鳥レンズにとらえらる 甚上澤美
着ぶくれて教師気質の抜け切れず 下山宏子
着ぶくれて明日信じていると言えり 寺井谷子
着ぶくれて更に旅券は胸の奥 大島民郎
着ぶくれて朝の村人楔形文字 児玉悦子
着ぶくれて来し松島の保育園 皆吉司
着ぶくれて来ても札所のよく冷ゆる 稲畑汀子
着ぶくれて果実酒澄むを守りゐたり 文挟夫佐恵 雨 月
着ぶくれて汽車の切符が後生大事 遠藤梧逸
着ぶくれて泉岳寺より老いひとり 大串章 百鳥
着ぶくれて津軽の人になりすまし 高木晴子 晴子句集
着ぶくれて浜町育ちは笑止かな 井桁衣子
着ぶくれて浮世の義理に出かけけり 富安風生(1885-1979)
着ぶくれて海山ともに平らなり 栗林千津
着ぶくれて炉辺はなやがす埴輪子よ 小林康治 玄霜
着ぶくれて當麻の寺へ詣でけり 山本洋子
着ぶくれて疑ひぶかくなりしかな 片山由美子 水精
着ぶくれて目白去りたるあとに座す 大石雄鬼
着ぶくれて砂丘に並び日の出待つ 都筑智子
着ぶくれて祈りの人に遠くをり 片山由美子 風待月
着ぶくれて神楽太鼓を敲きけり 佐川広治
着ぶくれて笑ふは泣くに似たるかな 井上土筆
着ぶくれて繭の匂ひの織子たち 作田比沙志
着ぶくれて老いしと思ふ若しとも 西島麦南
着ぶくれて老の命を惜しむなり 富安風生
着ぶくれて聞き上手を通しけり 田村やゑ
着ぶくれて膝にこぼして粉薬 桑嶋竹子
着ぶくれて自分の足につまづけり 矢崎康子
着ぶくれて船頭潮にさからはず 木村里風子
着ぶくれて良識の目に戻りけり 仙田洋子 橋のあなたに
着ぶくれて薬用植物並べ売る 高橋恭子
着ぶくれて藪青々と通りすぐ 村山古郷
着ぶくれて裸祭を遠巻きに 木田畦花
着ぶくれて西国せつに恋しけれ 中尾寿美子
着ぶくれて見かへる時の富士かしぐ 皆吉爽雨
着ぶくれて見る難民の写真展 仲島 四郎
着ぶくれて診察待ちていたりけり 吉屋信子
着ぶくれて試験監督つつがなく 磯 直道
着ぶくれて誰が眼にもただ僧の妻 赤松[ケイ]子
着ぶくれて逢ひたき人をやりすごす 行廣すみ女
着ぶくれて遅刻教師の踊る足 福永耕二
着ぶくれて釘打つやすぐ曲りけり 石井寿男
着ぶくれて鏡の中の月日かな 鈴木栄子
着ぶくれて長老などと言はれをる(北条館別館にて塔の会総会) 細川加賀 『玉虫』
着ぶくれて震災砂漠歩きけり 本橋 節
着ぶくれて青竹踏みを怠らず 長崎小夜子
着ぶくれて馬耳東風の顔となる 佐藤信子
着ぶくれて魚拓のやうな影は誰 櫂未知子 蒙古斑
着ぶくれて鳩に驚く男かな 岸本尚毅 舜
着ぶくれのおろかなる影曳くを恥づ 久保田万太郎 流寓抄
着ぶくれの女車掌や春浅き 青峰集 島田青峰
着ぶくれの妻に呼ばれて星数ふ 杉本寛
着ぶくれの子ら押合ひて立読す 岩崎照子
着ぶくれの手足短く両手に荷 嶋田麻紀
着ぶくれの楸邨先生とエレベーター 川崎展宏
着ぶくれの欠伸まあるく女の子 嶋田麻紀
着ぶくれの満身打ちし産声よ 細川加賀
着ぶくれの片眼鰈につむりけり 伊藤左知
着ぶくれの猪首もをかしかりけるが 久保田万太郎 流寓抄
着ぶくれの胸おし拡げ診察日 鹿倉はるか
着ぶくれの腕をくみ目を閉ぢしはや 久保田万太郎 流寓抄
着ぶくれの起居見かねて沙弥の助 梅山香子
着ぶくれの足のはたらくゐざり機 片山由美子 水精
着ぶくれの髭の奏者も服務員 石寒太 翔
着ぶくれや風の如くに二タ葬 村越化石 山國抄
着ぶくれ幼き従弟が切る秣飛ぶ 田川飛旅子 花文字
砂取節唄ふ翁の着ぶくれて 坂 北濤
砂浴ぶ鶏と同じ日向に着ぶくれて 野沢節子
絶盤のダミアを探す着ぶくれて 大西やすし
置きものの如く着ぶくれ福寿草 遠藤梧逸
腹われぬ教師となりて着ぶくれて 宮坂静生 青胡桃
表情なき民族壁報に着ぶくれて 小倉緑村
貫禄てふ着ぶくれのありにけり 堀 政尋
鰺売の婆着ぶくれて値を引かず 椎橋清翠
着膨るゝ人を見上ぐる鯉の目見(まみ) 高澤良一 宿好
着膨れて身につくものは唯ものぐさ 高澤良一 石鏡
着膨れ妻よろと手貸せば「だいじょうぶ」 高澤良一 石鏡
着膨れて福神漬を零しけり 高澤良一 石鏡
著ぶくれてこの一着に終止せり 高澤良一 石鏡

着ぶくれ 補遺

ある日カメラマン来て着膨れのわれを撮す 安住敦
たやすく肩抱かす 着ぶくれて 老いて 伊丹三樹彦
どかと脱ぎし着膨れ衣跨ぎゆく 能村登四郎
ぼろ着て着ぶくれておめでたい顔で 種田山頭火 草木塔
をなごらもどてら着ぶくれさみだるゝ 日野草城
二尺蟹糶るに応へて着ぶくれて 石川桂郎 高蘆
人待つ如人厭ふごと着膨れぬ 石田波郷
今をすぐ忘るる母や着ぶくれて 山田みづえ 手甲
健在と言ひ難からむ着膨れて 相生垣瓜人 負暄
古雛は着ぶくれたまふ佳かりけり 水原秋櫻子 緑雲
垣よぎる農夫着ぶくれ朝雀 松崎鉄之介
夏も着ぶくれて地下宮殿の番 鷹羽狩行
奪衣婆となるべう一人着ぶくれて 鷹羽狩行
女子寮に着膨れ闘士めきて住む 後藤比奈夫
安房の国包丁祭へ着ぶくれる 伊藤白潮
寒がりの風生機嫌着ぶくれて 山口青邨
漁りのうしろ通りぬ着ぶくれて 鷹羽狩行
父は鰊場ただ着ぶくれて遊びをり 能村登四郎
牛ころしてふ木のありぬ着ぶくれて 飯島晴子
百貨店めぐる着ぶくれ一家族 草間時彦 中年
着ぶくれしわが生涯に到り着く 後藤夜半 底紅
着ぶくれし影ぞ裸木の影へ触れぬ 香西照雄 対話
着ぶくれておしくらまんぢゆう夢の中 佐藤鬼房
着ぶくれてぶつかりあうて朋の国 大野林火 月魄集 距和五十七年
着ぶくれてまさかと思ふ裏の芸 能村登四郎
着ぶくれて一難のまた有耶無耶に 上田五千石『琥珀』補遺
着ぶくれて人の墓にも詣でたる(深大寺) 細見綾子
着ぶくれて君は小さくなりたまふ 山口青邨
着ぶくれて吾も伽藍のエンタシス 津田清子
着ぶくれて固く己を守りけり 富安風生
着ぶくれて大人に似たる子供来る 右城暮石 句集外 昭和三十一年
着ぶくれて子が可愛いといふ病 中村草田男
着ぶくれて寺尾晶疸の妻なりき 岸田稚魚 紅葉山
着ぶくれて山に住む教師妻子なし 村山故郷
着ぶくれて己律すること難し 中村苑子
着ぶくれて忘恩の徒に数へらる 上田五千石『琥珀』補遺
着ぶくれて手軽に人を宥さざる 山田みづえ まるめろ
着ぶくれて文字一つにも好き嫌ひ 富安風生
着ぶくれて日南歩行や花の春 卓池
着ぶくれて晩年にして無為無欲 鈴木真砂女 紫木蓮
着ぶくれて歩く眩しき雲間の日 右城暮石 一芸
着ぶくれて炉辺はなやがす埴輪子よ 小林康治 玄霜
着ぶくれて痒きところに手の行かず 右城暮石 散歩圏
着ぶくれて皆に叛きてゐるごとし 能村登四郎
着ぶくれて老の眉目のなほ秀づ 富安風生
着ぶくれて藪青々と通り過ぐ 村山故郷
着ぶくれて虚子先生は莞爾たり 山口青邨
着ぶくれて長命寺様はどこへ行く 村山故郷
着ぶくれて齢傾く思ひかな 村山故郷
着ぶくれの同形同色居庸関 鷹羽狩行
着ぶくれの机の下の膝の嵩 鷹羽狩行
着ぶくれの環視ヘ アシカのずぶ濡れ首 伊丹三樹彦
着ぶくれの良寛像のうらやまし 鷹羽狩行
着ぶくれの重力で階くだりけり 林翔
着ぶくれ児まん丸く瞳を見張り詰め 右城暮石 句集外 昭和四十三年
着ぶくれ父にこのごろ頓に子がやさし 安住敦
着ぶくれ農夫那須嶽は吹き晴れてけり 村山故郷
着膨れが破れて波止の老詩人 阿波野青畝
着膨れて体重計に近寄らず 水原秋櫻子 蘆雁
着膨れて外科外来の一患者 安住敦
着膨れて島倉千代子ファンとかや 安住敦
着膨れて左も利きて老めでた 百合山羽公 樂土以後
着膨れて敬老の日の俄寒 水原秋櫻子 殉教
着膨れて詩情の老をうべなはず 安住敦
着膨れて近隣と交密にせり 安住敦
着膨れて金貯めて欲つきざるや 相馬遷子 雪嶺
着膨れて霜草に下駄小き子よ 日野草城
着膨れを突く田遊の張子牛 百合山羽公 樂土
砂浴ぶ鶏と同じ日向に着ぶくれて 野澤節子 未明音
胸変を見られたくなく着膨れぬ 阿波野青畝
萱葺きの一茶の土蔵着ぶくれて 鷹羽狩行
襞ふかく着ぶくれ杣のごとき山 大野林火 潺潺集 昭和四十二年
赤ん坊をカンガルー抱き着ぶくれて 鷹羽狩行
身の邪鬼の息づまるまで着膨れし 能村登四郎
雪さそい鈍い砲音着ぶくれ子 古沢太穂 火雲
魚雷待つ皆着膨れて饒舌に 渡邊白泉

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 10:41 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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