重ね着 の俳句

重ね着 の俳句

重ね着

例句を挙げる。

けふの日の重ね着縞をさやけくす 栗生純夫 科野路
こしかたや重ね着る皆綿入れて 長谷川かな女 花寂び
ちちはは経て半纏となるを重ね着ぬ 茂里正治
ぬぎすてし重着またもひろひ着ぬ 原石鼎
バルザック霧のガウンを重ね着て 樋笠文
上州の老の重ね著はじまりぬ 布施春石
不機嫌な重ね着の妻何刻む 猿橋統流子
土地びとにはづかしきほど重ね着て 中戸川朝人 尋声
夕さりの重ね着づかれし給うな 池田澄子 たましいの話
奪衣婆やなんぢ重ね着おしやれ婆 加藤知世子 花寂び
少しづつ違ふ白色重ね着て 須川洋子
弾初めに重ね着の児の重からん 井上日石
母となる日の近き重ね着へ襷 加倉井秋を
窯火守る夜の重ね着を薪の上 在木美和子
著替へる気なくなりしまゝ重ね著て 稲畑汀子
重ね着てなまけの虫を助長さす 後藤春翠
重ね着て北国へ発つ香袋 川島千枝
重ね着て吾も阿*吽の間にあり 角川照子
重ね着て夢にやすやす現れぬ 大石悦子 百花
重ね着て子等孫等待つワルソーヘ 高木晴子
重ね着て思ひ浮かばぬ字の一つ 廣江八重櫻
重ね着て恋の句すこし修飾す 鈴木栄子
重ね着て手もとの狂ふ粉薬 阿部美恵子
重ね着て日当れば来る人なりし 長谷川かな女 雨 月
重ね着て母といふやはらかきもの 伊丹さち子
重ね着て誰もさやけき身をもてり 北原志満子
重ね着て醜老の胆斗のごとし 川端茅舎
重ね着て長逗留の始まりし 日隈 翠香
重ね着に寒さもしらぬ姿かな 鬼貫
重ね着に胸ふくれたる乳母の香よ 久米正雄 返り花
重ね着の中に女のはだかあり 日野草城(1901-56)
重ね着の反りくり返るおしやらさま 田川飛旅子
重ね着の師のうつくしき過去未来 勝又一透
重ね着の浴衣よれよれに秋燈のもと 原田種茅 径
重ね着の爪先にまで及びけり 蓬田紀枝子
重ね着の老僧斎につきにけり 河野閑子
重ね着や妻に視らるゝぼんのくぼ 早川緑野
重ね着や栄枯盛衰みな遠く 日野草城
重ね着をせり波郷忌が近附きぬ 草間時彦 櫻山
重ね着を一枚脱いで逢ひに行く 北見さとる
重ね著に寒さも知らぬ姿哉 鬼貫 (遊興の地に行ける時)
重ね著のための肩凝りかもしれず 藤木和子
重ね著の中に女のはだかあり 日野草城
重ね著の師のうつくしき過去未来 勝又一透
重著や土間やはらかき藍染屋 古舘曹人 樹下石上
重著や神楽のはてにあさぼらけ 古舘曹人 樹下石上
よんどころなく世にありて厚着せり 能村登四郎 菊塵
コアラ見るコアラ色なる厚着の子 高澤良一 さざなみやっこ
マッチの炎の白色男ら厚着して 桜井博道 海上
他人から見れば他人の厚着かな 池田澄子 たましいの話
他所者の厚着もこもこ共同湯 高澤良一 燕音
伎芸天拝し厚着の身を嘆く 坂間晴子
倦(たゆ)むとき厚着の麗子壁にいる 澁谷道
厚着して俳句はこの眼この脚で 高澤良一 鳩信
厚着して八方破れもよしとおもふ 大石悦子 群萌
厚着して燈台守の湿布薬 加藤憲曠
厚着して舟を寄せ合ふ海鼠突 斉藤夏風
厚着の母薄着の児車中にて眠る 右城暮石 声と声
厚着よりもこと手を出し仏撫づ 高澤良一 ももすずめ
嗤ふべき厚着の夫子梅咲けり 徳永山冬子
夜神楽の室の八嶋へ厚着せり 舘野たみを
山の胡桃抱へて厚着五十なる 村越化石 山國抄
弛むとき厚着の麗子壁にいる 澁谷道
強く吹く日なりその分厚着せり 高澤良一 ぱらりとせ
心電図厚着を脱いで楽にして 高澤良一 随笑
月の浦厚着童女のうなづくのみ 佐藤鬼房
水上を横ぎる杣の厚着かな 前田普羅 飛騨紬
父の写真子の愛遠きゆゑ厚着 香西照雄 素心
父の忌や厚着の中に手をかばひ 村越化石 山國抄
白鳥に日本のレダは厚着して 近藤山澗子
酒きらきら句ごころよしの厚着せる 河野南畦 『広場』
馬跳や厚着を知らぬ路地の子ら 古賀まり子 緑の野以後
厚着もそもそ腕まくりして注射かな 高澤良一 石鏡
思考力鈍る厚着はせんでおこ 高澤良一 暮津
湯屋板間厚着剥がすにてこずれり 高澤良一 暮津

重ね着 補遺

さはれ死は寒からむ母よ厚着せよ 能村登四郎
みほとけに重ね着はなく 寒椿 伊丹三樹彦
よんどころなく世にありて厚着せり 能村登四郎
わが仏厚着の吾子のよよと歩く 篠原梵 年々去来の花 皿
わが齢の数にかなひし厚着かな鷹羽狩行
厚着してこそばゆきかな七曲坂(ななむじり) 佐藤鬼房
厚着してシート・ベルトの縛を受く 能村登四郎
厚着の母薄着の児車中にて眠る 右城暮石 声と声
宗俊の重ね着黒子かくさずに 鷹羽狩行
山上の漁夫体ごと厚着投ぐ 佐藤鬼房
年少き囚徒も綿の厚着せり 山口誓子
月の浦厚着童女のうなづくのみ 佐藤鬼房
水上を横ぎる杣の厚着かな 前田普羅 飛騨紬
港湾に荷擦れの厚着湿りくる 佐藤鬼房
漁夫厚着いけぶねの渋赤極む 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
父の写真子の愛遠きゆゑ厚着 香西照雄 素心
重ね着て書庫に躓くもの多し 安住敦
重ね着て籠れり何ぞ為さむため 石塚友二 磊[カイ]集
重ね着て重いもの提げ通ひ妻 石塚友二 玉縄以後
重ね着にうすうす五欲燃えゐたる 能村登四郎
重ね着に寒さもしらぬ姿かな
重ね着の中に女のはだかあり 日野草城
重ね着の地蔵を 裾に 山眠る 伊丹三樹彦
重ね着の背のあたゝかや草紅葉 石橋秀野
重ね着の鍋井克之役者顔 日野草城
重ね着や栄枯盛衰みな遠く 日野草城
重ね着をしたり負擔を重ねけり 相生垣瓜人 負暄
重ね着をせり波郷忌が近附きぬ 草間時彦 櫻山

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 10:45 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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