毛皮 の俳句

毛皮 の俳句

毛皮

例句を挙げる。

かなしきはギヤマンの瞳の毛皮の瞳 三橋鷹女
さりげなき妻の一瞥毛皮店 根岸善雄
ひと待ちぬ約せし花舗に毛皮ぬぎ 橋本多佳子
ふゞきこむ壁に吊りある毛皮かな 大橋櫻坡子 雨月
もう少し毛皮の似合ふ背丈欲し 浜本多満子
やは過ぎて私の毛皮には成れぬ 櫂未知子 貴族
ウインドの毛皮嘯くものとして 竹中弘明
オペラ見に毛皮まとひて一家族 高木晴子 花 季
クロークでどつと毛皮を預かりし 鈴木石水
シモシモとロシヤ語聞こえ毛皮店 大石暁座
デパートの一画しんと毛皮売る 高橋悦男
プラタナス落葉セニヨリーター達毛皮 嶋田摩耶子
マヌカンの呼吸毛皮に埋もれて 品川鈴子
ライターのありあり燃ゆる毛皮かな 中村汀女
今朝の冬蝦夷の毛皮の着便り 四明句集 中川四明
何祷りをるや毛皮のオーバ着て 菖蒲あや
何祷りをるや毛皮の外套着て 菖蒲あや 路 地
値ぶみたる毛皮そのまま折りたたみ 中村汀女
冷たさのちらとあり毛皮こころよき 右城暮石
包装の中に毛皮の柔かし 右城暮石 声と声
北国に老いて楽しく毛皮着る 長谷あき女
吾子いつか買つてくれるといふ毛皮 谷口まち子
外套の毛皮鉄砲傷残る 品川鈴子
大いなる毛皮をとりておじぎかな 星野立子
大和舞毛皮夫人とならび見る 大島民郎
大股に歩めば光る毛皮かな 行方克巳
安物につくはわが性毛皮買ふ 佐藤念腹
小狸といふ毛皮なら買へさうな 後藤比奈夫 花匂ひ
小鳥覚め膝の毛皮を脱ぎて寝に 石川桂郎 高蘆
常会や吾帽毛皮の下になりし 細谷源二 砂金帯
座席帯(シートベルト)毛皮コートにくひ込めり 品川鈴子
徘徊す虎は四温の毛皮被て 高澤良一 寒暑
憶ひ出を毛皮の上を犬とほる 加藤郁乎 球体感覚
抱くやうに毛皮コートを脱がせやる 辻桃子
春の泥毛皮に触れてゐて歩く 右城暮石 声と声
暖房に毛皮とそれのレヂスター 中村汀女
枡席に脱ぎし毛皮のうづくまる 品川鈴子
梅日和ラツコの毛皮親ゆづり 野村喜舟
毛皮あひ似たり口ビーの立話 行方克巳
毛皮して瞳の黒耀は凍てがたし 飯田蛇笏 雪峡
毛皮すてゝ外套かろく空蒼し 渡邊水巴 富士
毛皮ぬぎシャネル五番といふ匂ひ 杉本 寛
毛皮ぬげば肩美しく暖炉燃ゆ 龍胆 長谷川かな女
毛皮の男が鳴らす鍵の束 有働亨
毛皮まくあごのたまたまひかりけり 室生犀星 犀星發句集
毛皮ショー内懐も開けて観す 品川鈴子
毛皮シヨーライト当りし狐の目 尾上柊青
毛皮剥ぐ日中や桜満開に 佐藤鬼房
毛皮売北見よりとて二人連 松藤夏山 夏山句集
毛皮売百円也と吹きにけり 松藤夏山 夏山句集
毛皮売露人大いなる掌をひろげ 加藤楸邨
毛皮夫人いきなり大き手を出せり ながさく清江
毛皮夫人ときをり卑語をのたまへり 松岡洋太
毛皮夫人にその子の教師として会へり 能村登四郎
毛皮店鏡の裏に毛皮なし 中村汀女
毛皮手に夫人の耳は髪に見えず 山口誓子
毛皮敷くはなれに阿武隈山脈を 阿部みどり女
毛皮敷く上に落ちたり古暦 辻桃子
毛皮敷く句作ただちに迷路の上 赤松[けい]子 白毫
毛皮着し女その時けものの目 滝沢幸助
毛皮着て 逢えない筈の人と逢う 松本恭子 檸檬の街で
毛皮着てけものの慈悲を貰ひけり 鈴木栄子
毛皮着てほとけの拳ふりかぶる 井沢正江 湖の伝説以後
毛皮着てホームの端におちつかず 影島智子
毛皮着て人間といふ不思議なもの 轡田進
毛皮着て女五感を鋭くす 田中政子
毛皮着て女豹のごとく擦り抜ける 渋谷光枝
毛皮着て如何なる厄を落す人 後藤比奈夫 祇園守
毛皮着て恋占師が夜の街へ 坂本宮尾
毛皮着て手足短くなる思ひ 志摩陽子
毛皮着て毛皮夫人になりきれず 大森三保子
毛皮着て猟夫なんめり汽車待つは 石塚友二
毛皮着て臆する心なくもなし 下村梅子
毛皮着て身の一病を玉抱き 井沢正江 湖の伝説
毛皮縫ふふと遊牧の十三夜 小檜山繁子
毛皮脱ぎ置きてまつすぐ吾を見る 波多野爽波 『骰子』
毛皮著し湯女の案内や紅葉狩 大橋櫻坡子 雨月
毛皮著てワルシヤワの風連れて来し 蔦三郎
毛皮著て人には見えぬふしあはせ 堀恭子
毛皮著て人形焼を並び買ふ 今井千鶴子
毛皮著て昼を寝しづみ雪の汽車 大橋櫻坡子 雨月
毛皮被て女盛りを過ぎゐたり 本居三太
毛皮被て東京砂漠歩むかな 山田弘子 螢川
毛皮被て生む毛皮の詩楡家の人々 長谷川かな女 花寂び
毛皮被て稲荷詣での渦の中 鈴木フミ子
毛皮見る買はでものものと思ひ過ぐ 星野立子
毛皮買ふ夫人の支那語うたふごと 井沢正江 火襷
毛皮買ふ鏡に映る身を廻し 藤田 静古
海光に映えつ毛皮鋪鎧戸あげぬ 宮武寒々 朱卓
淋しめば毛皮のきつねコンと鳴く 仙田洋子 橋のあなたに
満月あかるくて毛皮店覗く 中山純子 沙 羅以後
犬抱いて毛皮の女祓はるる 小林 正夫
胸つぶるるふためきあれや毛皮のまま 中村草田男
胸元の毛皮の爪に汽車の揺れ 品川鈴子
腰毛皮擦れ光り出す冬木挽き 宮坂静生 青胡桃
自動按摩機に毛皮をかけてあり 茨木和生 丹生
蒼かりき毛皮まとひしさみしさは 栗林千津
薪小屋の戸口にかゝる毛皮かな 大橋櫻坡子 雨月
褒め合へり互ひに毛皮撫でてみて 品川鈴子
襟巻や毛皮ぞろぞろ念仏寺 川崎展宏
見かけにはよらず毛皮の重きかな 田中弥寿子
解き放つ身や灯まみれの毛皮の上 櫛原希伊子
買ふことに決めし毛皮や吾れのもの 稲畑汀子 春光
軒ごとに毛皮干しある雪解かな 大橋櫻坡子 雨月
通過駅挙手駅長の毛皮帽 大津希水
過分とも思ひし心毛皮買ふ 稲畑汀子
野に逢ひて聖者のごとし毛皮人 井沢正江
金屏のすそのうもるゝ毛皮かな 大橋櫻坡子 雨月
鏡とく買人をとらへ毛皮店 皆吉爽雨 泉声
隣席の毛皮のどこか触れてをり 中戸川朝人 尋声
離陸の手振れば毛皮の毛の飛ぶも 赤松[けい]子 白毫
青き眼のさびしき毛皮売に逢ふ 中村若沙
飾り窓に毛皮 韃靼の羊似の 伊丹公子 山珊瑚
驕声をあげて毛皮の群過ぎる 仙田洋子 橋のあなたに
かの男やゝ生臭し裘 高橋淡路女 淡路女百句
しろがねの出羽を立ちけり裘 斎藤梅子
すはだかに裘まとふ煖炉かな 西島麦南 人音
どうしてかうボタンのあはぬ裘 如月真菜
むまさうに饂飩すすれり裘 高澤良一 宿好
オリエント文化旅せし裘 山田弘子 懐
カンヴァスを抱く裘は緋に映えて 石原八束
ダンサーの裸の上の裘 高浜虚子
其銀で裘なと得よ和製ユダ 中村草田男
冬やことしよき裘得たりけり 蕪村遺稿 冬
冬待つやこれもかたみの裘 斎藤紫々
単車降り少年となる裘 木暮つとむ
双肩に月光重し裘 橋本榮治 麦生
山川のこゑ鋭くなりぬ裘 服部鹿頭矢
巻舌のスペインガイド裘 岩崎照子
弔ひのうしろを通る裘 黛 執
映画館裘匂ひ穢土なるや 山口誓子
海は夕焼裘のぼる坂の町 角川源義
父恋し夏さむざむと裘 川端茅舎
牛売って購ひしこれ裘 真鍋 蕗径
白梅や枕をつつむ裘 会津八一
石山の石に躓く裘 高澤良一 燕音
空也忌に拝むや鹿の裘 妻木 松瀬青々
職替へて増ゆる外出や裘 山岡正典
脱ぎすててこんな重き裘 辻桃子
裘 銃身に似し身をつつむ 桂信子
裘(かはごろも)銃身に似し身をつつむ 桂信子
裘いつのタンポポ吹き立てし 久米正雄 返り花
裘かけて貰うて漁夫病める 松田弟花郎
裘に辺塞の将老にけり 雉子郎句集 石島雉子郎
裘ぬぎすてにけり寒泳ぎ 五十嵐播水 播水句集
裘はるかより濤来つつあり 小野恵美子
裘一番星と呟けり 飯島晴子
裘似合ひたまふと見てとりし 後藤夜半 底紅
裘匂ふ女と相席す 高澤良一 宿好
裘女だてらに腕組みす 高澤良一 宿好
裘星のとどかぬ匂ひせり 栗林千津
裘浪人者の男ぶり 阿波野青畝
裘湯呑を玉のごとく掌に 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
裘着てむささびのとぶを待つ 安藤 尚子
裘着て犬くさき蟹工女 三戸杜秋
裘着る助手席の女かな 井桁蒼水
裘砂丘案内の女馬子 加藤三七子
裘裘見て振り返る 高澤良一 宿好
裘銃身に似し身をつつむ 桂信子
軍属といへどをさなし裘 田村了咲
遠のいてゆく裘径真直ぐ 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
鎌倉の日向をあるく裘 高澤良一 ももすずめ
闘犬の診療医たり裘 岡本秋雨路
頭から見下ろされゐる裘 高澤良一 宿好
馬喰の二代目として裘 菅崎磨もる
毛衣の試着鏡よ鏡よと 高澤良一 宿好
毛衣の品定めする旅車中 高澤良一 宿好
裘似合ふ大柄スタイリスト 高澤良一 石鏡
毛皮臭き御仁と同車東京まで 高澤良一 暮津

毛皮 補遺

いちまいの毛皮が人をいつくしむ 後藤比奈夫
かなしきはギヤマンの瞳の毛皮の瞳 三橋鷹女
すすめられをりし毛皮は洗ひ熊 後藤比奈夫
すりぬけし大きな犬や毛皮売る 中村汀女
その昔またぎの村か毛皮干し 清崎敏郎
ひと待ちぬ約せし花舗に毛皮ぬぎ 橋本多佳子
アンカレヂ毛皮売場の扇風機 中村汀女
ライターのありあり燃ゆる毛皮かな 中村汀女
冷たさのちらとあり毛皮こゝろよき 右城暮石 句集外 昭和十一年
初詣毛皮の襟巻邪なるもの 山口誓子
包装の中に毛皮の柔かし 右城暮石 声と声
地下の花舗汗ばむ毛皮肩にせり 橋本多佳子
大熊の毛皮に浮び客主 日野草城
女ども銀狐高価の静謐あり 加藤秋邨
寛げと豹の毛皮の四肢を張る 山口誓子
小狸といふ毛皮なら買へさうな 後藤比奈夫
小鳥覚め膝の毛皮を脱ぎて寝に 石川桂郎 高蘆
巨き毛皮かと驚かせ枯芝生 林翔
常会や吾帽毛皮の下になりし 細谷源二 砂金帯
懐柔のやうに毛皮を撫でてをり 伊藤白潮
日本人ばなれせる顔銀狐 日野草城
映画見て毛皮脱ぐことなき人等 山口誓子
春隣り毛皮に乳首あることも 飯田龍太
昼餐どき毛皮の狐憂き睡り 石田波郷
暖房に毛皮とそれのレヂスター 中村汀女
毛皮して瞳の黒耀は凍てがたし 飯田蛇笏 雪峡
毛皮すてゝ外套かろく空蒼し 渡邊水巴 富士
毛皮人鏡の奥に消えにけり 波多野爽波
毛皮売露人大いなる掌をひろげ 加藤秋邨
毛皮夫人にその子の教師として会へり 能村登四郎
毛皮少女夢ほかほかと暖めて 林翔
毛皮手に夫人の耳は髪に見えず 山口誓子
毛皮着て如何なる厄を落す人 後藤比奈夫
毛皮脱ぎ置きてまつすぐ吾を見る 波多野爽波
毛皮被て横丁向きの人ならず 後藤比奈夫
毛皮見る買はでものものと思ひ過ぐ 星野立子
白熊の毛皮にうつる暖炉の火 山口青邨
維摩忌や我も毛皮を敷初ん 五明
買ふことに決めし毛皮や吾のもの 稲畑汀子
送水会行者の尻に毛皮垂れ 松崎鉄之介
首に捲く銀狐は愛し手を垂るゝ 杉田久女

以上

by 575fudemakase | 2017-01-27 10:49 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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