霜夜 の俳句

霜夜 の俳句

霜夜

例句を挙げる。

うかうかと生て霜夜の蟋蟀 二柳
かむさりてたみくさ~の霜夜かな 白水郎句集 大場白水郎
かり~と星くづ落す霜夜かな 高木晴子 花 季
きざ柿のしぶのもどれる霜夜かな 犀星
きびしさや寒の霜夜の石の冴え 北原白秋
ころころと虫もむらつく霜夜かな 種文 芭蕉庵小文庫
さし向ひ噺の消ゆる霜夜哉 瓢子
さま~の音走りすぐ霜夜かな 横田弥一
しんしんと大蔵経に霜夜満つ 有馬朗人
そこのみの霜夜灯に製図引く 永井龍男
なぜ死にしと吾子叱りゐる霜夜かな 岡部六弥太
なべ炭の燃ゆる霜夜や生姜酒 水田正秀
ひだるさに馴れてよく寝る霜夜かな 惟然
ひとつづつ霜夜の星のみがかれて 相馬遷子 雪嶺
ほんのりと茶の花くもる霜夜かな 正岡子規
ぼのくぼに雁落かかる霜夜かな 斉部路通 (1649-1783)
ぼのくぼに雁落かゝる霜夜かな 路通
もうひとり子欲しと誘ふ霜夜妻 中条角次郎
もう~と霜夜に烟る煙出し 鬼城
オリオンが移る樹海の霜夜かな 渡邊水巴 富士
カスタネツトなほ耳にあり霜夜なる 文挟夫佐恵 黄 瀬
ナホトカに帰る霜夜の船の銅鑼 福田甲子雄
一いろも動く物なき霜夜かな 野水
一人住み灯して更けて霜夜なる 上野章子
不忍の鴨寝静まる霜夜かな 正岡子規
乞食の犬抱いて寝る霜夜かな 許六
予後の身の霜夜に庇ふ足の冷え 深谷雄大
人抱けば人ひびきける霜夜かな 小澤實 砧
仏壇に句稿あづくる霜夜かな 佐野青陽人 天の川
何もなき壁や霜夜の影法師 寺田寅彦
先生の銭かぞへゐる霜夜かな 寺田寅彦(1878-1935)
兵の児を炉にだく霜夜いかにせん 飯田蛇笏 春蘭
出城みな落ちて霜夜のかがり哉 中勘助
動悸収まらず霜夜の白みたる 桑田青虎
名を捨てて踏む下総の霜夜かな 高柳重信
土掘るや工夫霜夜の肩そろへ 細谷源二 鐵
地つづきに死火山のあり霜夜寝る 宮津昭彦
夢さめて血気萎えたる霜夜かな 石塚友二 光塵
大根の辛子のきゝし霜夜かな 角川春樹
妻と来て霜夜をランプなれど寝ん 杉山岳陽 晩婚
妻も病み霜夜の足の寝て揃ふ 小林康治 玄霜
妻身寄す霜夜鶏鳴遠し遠し 川口重美
妻連れて霜夜を来たり風刺すとも 杉山岳陽 晩婚
子鼠の井戸に落ちたる霜夜かな 寺田寅彦
屑籠に反古音立つる霜夜かな 矢田邦子
山守の月夜野守の霜夜しかの聲 蕪村遺稿 秋
師の枕霜夜の富士へやゝ遠し 佐野青陽人 天の川
幸うすき人と霜夜の一つ屋根 林翔 和紙
待ちくるるいとど霜夜の七つ八つ 立花北枝
念仏より欠伸たふとき霜夜かな 野澤凡兆
我骨のふとんにさはる霜夜かな 蕪村遺稿 冬
戞然とくわりんの落つる霜夜かな 中勘助
手さぐりてインク匂へる霜夜かな(停電連夜の慣ひとなる) 『定本石橋秀野句文集』
手さぐりに水甕さがす霜夜かな 福田甲子雄
星一つ見えて寐られぬ霜夜哉 夏目漱石 明治二十八年
昨日別れし人のおもはる霜夜かな 上村占魚 鮎
月こごし霜夜の琴のるんと鳴り 太田鴻村 穂国
月山のふもとしんしん霜夜にて動かぬ闇を村とよぶなり 馬場あき子
月輪に万霊こもる霜夜かな 渡辺水巴 白日
朱の椀にすこし飯盛る霜夜哉 露月句集 石井露月
朴の月霜夜ごころにくもりけり 原石鼎
柊の花に明け行く霜夜かな ぶん村 霜 月 月別句集「韻塞」
柵越へて馬の逃げ出す霜夜かな 土肥あき子
棒立ちの霜夜の時間ちちははよ 小檜山繁子
水風呂に垢の落ちたる霜夜かな 許六 霜 月 月別句集「韻塞」
海遠く霜夜の溲瓶鳴つており 井上純郎
灯火のすはりて氷る霜夜かな 松岡青蘿 (せいら)(1740-1791)
炭燃えてひとなつかしき霜夜かな 太田鴻村 穂国
煙たえて香爐の冷める霜夜かな 飯田蛇笏
熊坂が長刀あぶる霜夜かな 湖十
燈もたよりも消る霜夜かな 松岡青蘿
燦として霜夜の星や江の五更 古山鶴年
物かは殿霜夜恨みん鐘の 調泉 選集「板東太郎」
犬の子の鳴くに目さめし霜夜かな 森鴎外
狐なく霜夜にいづこ煤はらひ 炭 太祇 太祇句選後篇
玻璃の外ソウルの霜夜ならむかな 河野美奇
産月の牛甘えをる霜夜かな 平賀扶人
病む母に霜夜の市電閃光す 丸山哲郎
病めば霜夜の言葉あたたか犬・猫に 沖田佐久子
眩しみてひらく霜夜の来迎図 鷲谷七菜子 花寂び
磧ゆくわれに霜夜の神楽かな 飯田蛇笏 山廬集
篝焚く函谷関の霜夜かな 寺田寅彦
籠鳥の目灯幕ふかに霜夜かな 乙字俳句集 大須賀乙字
米の椀にすこし飯盛る霜夜哉(妙心寺) 石井露月
米堤ぐる霜夜もラムネたぎらし飲む 竹下しづの女句文集 昭和二十四年
籾摺機がうがうと噴き霜夜なり 佐藤 国夫
紙をもて明りを包む霜夜かな 長谷川櫂
細月の傾きをりぬ霜夜なる 高木晴子
織殿の霜夜も更けぬ女声 黒柳召波 春泥句集
羊煮て兵を労ふ霜夜かな 黒柳召波 春泥句集
老い巧者難儀と晴子告る霜夜 後藤綾子
耳敏くなりし霜夜のつづきけり 永井龍男
肺炎の児に蚊帳くゞる霜夜かな 渡辺水巴 白日
腹の子の風邪引くといふ霜夜かな 野見山朱鳥
臘涙の一滴花となる霜夜 千代田葛彦
苫撫て見るや霜夜の山かつら 山扇
菜畠の霜夜は早し鹿の聲 蕪村 秋之部 ■ 雨中の鹿といふ題を得て
葬儀社に鉋の音す霜夜かな 渡辺水巴 白日
薄綿はのばし兼ねたる霜夜かな 龍之介 (伯母の言葉を)
藪蔭に棄子のさけぶ霜夜哉 寺田寅彦
蚤出でて霜夜を擾すことをせり 相生垣瓜人 微茫集
蝋涙の一滴花となる霜夜 千代田葛彦
言ひそびれし半句を見つめ霜夜かな 谷口桂子
誤診かも知れず霜夜の道かへる 小坂蛍泉
質すべき一語霜夜の書庫に入る 篠塚しげる
質草も枯尽したる霜夜かな 尾崎紅葉
赤貧にたへて髪梳く霜夜かな 飯田蛇笏 山廬集
蹇が霜夜の妻を哭かしゐて 小林康治 玄霜
辻堂に狐の寝たる霜夜かな 正岡子規
遠き燈ほどつぶらに呼べる霜夜帰る 宮津昭彦
酒さめてしゝむら冷ゆる霜夜かな 西島麥南 金剛纂
酒臭きは人けもの臭きは猫霜夜 殿村莵絲子 牡 丹
金柑を星のごと煮る霜夜かな 黒田杏子
鐘の音の腰にこたゆる霜夜かな 諸九尼
障子際に帯おいて寝る霜夜かな 綾子
電話なき霜夜の部屋の広さかな 谷口桂子
霜ふるや病舎も獄も霜夜の塀 古沢太穂 古沢太穂句集
霜夜てふ言葉のありて恋しけれ 細見綾子 花寂び
霜夜なる帰り来る子の遅ければ 池内たけし
霜夜にて胡桃楸邨栗波郷 小檜山繁子
霜夜ぬくく君をいだきて寝るごとし 飯田蛇笏 椿花集
霜夜の寝床がどこかにあらう 種田山頭火 草木塔
霜夜の砦火の海となり落城す 町田しげき
霜夜の鐘六つ無病に寝覚哉 井原西鶴
霜夜ひとり買ひきし塩を壺にうつす 石橋秀野
霜夜ふかしひびく鍵音咎をこめ 赤尾兜子
霜夜また明けてのばせし命かな 橋本榮治 越在
霜夜みどりご主に似姿の熟睡や 大高弘達
霜夜子は泣く父母よりはるかなるものを呼び 加藤楸邨(1905-93)
霜夜寝て四方走り居る汽車のこと 石塚友二 方寸虚実
霜夜来し髪のしめりの愛しけれ 林火
霜夜来て何考ふる煙草の輪 森澄雄
霜夜来て泣きてそのまま寺に棲む 大串章
霜夜経て移り住む家の楢櫟 杉山岳陽 晩婚
霜夜読む洋書の大きな花文字より 田川飛旅子 『花文字』
霜夜逢へばいとしくて胸もとのさま 中塚一碧樓
霜夜野犬杭を打ち込むごとく啼く 森澄雄
靴音はをんならしくも霜夜なる 室生犀星 犀星発句集
鞴火のころげあるきて霜夜かな 飯田蛇笏 霊芝
音のして家引き締まる霜夜かな 瀧澤伊代次
髪なびき/霜夜/夜ごとの/夢枕 折笠美秋 火傅書
鼠に胸渡らるゝ霜夜かな 石塚友二
鼬また来しか霜夜の鶏騒ぐ 鈴木友清
龍の丈ほどの帯解く霜夜かな 池上貴誉子

霜夜 補遺

『胸形変』読む霜夜のあかり低くして 中村苑子
あきらめに似てもの縫えり霜夜妻 楠本憲吉 孤客
いちまいの枯葉を肩に霜夜来ぬ 大野林火 冬雁 昭和二十一年
うす月を雁なきたつる霜夜かな 原石鼎 花影
うたれ雉子を灯によせて見る霜夜かな 原石鼎 花影
おのが声に覚めてその後の霜の夜や 安住敦
かきぶねしつかりかけて霜夜だ 尾崎放哉 須磨寺時代
かへりみて母なし霜夜焼栗買ひ 能村登四郎
ここに坐しき霜夜征きたりき今は亡し 加藤秋邨
ことりともいはぬ霜夜のしづけさよ 日野草城
ただ漠と体動かし霜夜を寝る 金子兜太
ひとつづつ霜夜の星のみがかれて 相馬遷子 雪嶺
ひとりごとそのままこごる霜夜かな 日野草城
ほどほどに飲むべき酒の霜夜かな 石塚友二 磊[カイ]集
ほんのりと茶の花くもる霜夜哉 正岡子規 霜夜
まのあたり家焼け落つる霜夜かな 村山故郷
オリオンが移る樹海の霜夜かな 渡邊水巴 富士
グノー聴けば波郷を憶ふ霜夜かな 林翔
一*たきの残り香ながき霜夜かな 日野草城
不忍の鴨寐靜まる霜夜かな 正岡子規
九つか霜夜の鐘に泣く女 正岡子規 霜夜
二杯目の甘酒あつき霜夜かな 日野草城
人責むるおもひ一途に霜夜かな 飯田蛇笏 家郷の霧
伝中の茂吉老いゆく霜の夜を 相馬遷子 山河
保線夫の霜夜の声に稿急ぐ 伊丹三樹彦
兵の児を炉にだく霜夜いかにせん 飯田蛇笏 春蘭
兵の児を爐にだく霜夜いかにせん 飯田蛇笏 心像
別霜夜干のものゝ濃紫 石橋秀野
咳をして月かげけむる霜夜かな 日野草城
唇あつればなほ夢もちて霜夜の額 岸田稚魚 負け犬
土掘るや工夫霜夜の肩そろへ 細谷源二 鐵
夢さめて血気萎えたる霜夜かな 石塚友二 光塵
大勢に一人別るる霜夜かな 松本たかし
大根に簑着せて寝ぬ霜夜かな 村上鬼城
天邪鬼肘をつきをる霜夜かな 阿波野青畝
妻も病み霜夜の足の寝て揃ふ 小林康治 玄霜
寝すがたの低く失意の母に霜夜 松崎鉄之介
寺の子に鴨の羽ほしき霜夜かな 原石鼎 花影
尿せしわらべを叱る霜夜哉 正岡子規 霜夜
川音三たび変り霜夜の橋終りぬ 大野林火 雪華 昭和三十九年
幸うすき人と霜夜の一つ屋根 林翔 和紙
手さぐりてインク匂へる霜夜かな 石橋秀野
昨日別れし人のおもはる霜夜かな 上村占魚 鮎
月輪に万霊こもる霜夜かな 渡邊水巴 白日
朴の月霜夜ごころにくもりけり 原石鼎 花影
朴の月霜夜ごころに曇りけり 原石鼎 花影
枕辺の灯のなつかしき霜夜かな 日野草城
橋渡る音や霜夜の御所車 正岡子規 霜夜
死後も犬霜夜の穴に全身黒 西東三鬼
湯の沸ける音のあるのみ霜夜にて 森澄雄
炭火山とついで主す霜夜かな 村山故郷
焙じ茶の汲む間もかをる霜夜かな 日野草城
煙たえて香炉の冷える霜夜かな 飯田蛇笏 春蘭
煙たえて香爐の冷える霜夜かな 飯田蛇笏 山響集
牛の子の鼻いき白し霜夜哉 正岡子規 霜夜
牛の子の鼻息白き霜夜哉 正岡子規 霜夜
牛小屋に牛のつぐなる霜夜哉 正岡子規 霜夜
犬の子を狸はぐゝむ霜夜かな 正岡子規 霜夜
玻璃に星ちりばめ霜夜瓦斯は出ず 藤田湘子 途上
町裏や霜夜の川の波立てず 大野林火 海門 昭和七年以前
眩しみてひらく霜夜の来迎図 鷲谷七菜子 花寂び
瞑りて胃ぶくろみゆる霜夜かな 日野草城
磧ゆくわれに霜夜の神楽かな 飯田蛇笏 山廬集
祷り手に組んで霜夜の眠り待つ 平井照敏 猫町
耳底に母の石臼霜降る夜 石塚友二 曠日
肅々と馬に鞭うつ霜夜かな 正岡子規 霜夜
肺炎の児に蚊帳くゞる霜夜かな 渡邊水巴 白日
胡桃割つてみつみつの声霜夜にて 森澄雄
腹の子の風邪引くといふ霜夜かな 野見山朱鳥 曼珠沙華
苫の霜夜の間にちりし紅葉哉 正岡子規 散紅葉
葬儀社に鉋の音す霜夜かな 渡邊水巴 白日
蚤出でて霜夜を擾すことをせり 相生垣瓜人 微茫集
親牛の子牛をねぶる霜夜哉 正岡子規 霜夜
赤貧にたへて髪梳く霜夜かな 飯田蛇笏 山廬集
蹇が霜夜の妻を哭かしゐて 小林康治 玄霜
農日記永し霜夜の汽笛ゆく 飯田龍太
辻堂に狐の寐たる霜夜かな 正岡子規 霜夜
遅月のかゞやきつゝも霜夜かな 高浜年尾
酒さめてしゝむら冷ゆる霜夜かな 西島麥南 金剛纂
酔うて寝て漏刻も知らず霜夜かな 村山故郷
酪農の灯る霜夜となりにけり 阿波野青畝
醉蟹の壺を伺ふ霜夜かな 正岡子規 霜夜
金岡の馬靜まりし霜夜哉 正岡子規 霜夜
鉛筆の香に酔ふ眸して子の霜夜 渡邊白泉
鐘つきの衣かたしく霜夜哉 正岡子規 霜夜
陶物のあをき色もてる霜夜かな 大野林火 冬青集 雨夜抄
障子際に帯おいて寝る霜夜かな 細見綾子 桃は八重
霜の夜の子猫話をつづけたり 平井照敏
霜の夜の寝酒の量を過したる 安住敦
霜の夜の眠りが捕ふ遠き汽車 野澤節子 未明音
霜の夜の花火七彩きのこ雲 角川源義
霜の夜や赤子に似たる猫の声 正岡子規 霜
霜ふるや病舎も獄も霜夜の塀 古沢太穂 古沢太穂句集
霜夜そのふるさとびとを呼びて亡し 加藤秋邨
霜夜てふ言葉のありて恋しけれ 細見綾子 桃は八重
霜夜なり胸の火のわが*あら蝦夷(えみし) 佐藤鬼房
霜夜にてゆゑなく紙縒ほぐしゐる 佐藤鬼房
霜夜ぬくく君をいだきて寝るごとし 飯田蛇笏 椿花集
霜夜のネオン火のごと埋立てられてすぐ 大野林火 雪華 昭和三十九年
霜夜の寝床がどこかにあらう 種田山頭火 草木塔
霜夜の寝床が見つからない 種田山頭火 自画像 落穂集
霜夜ひとり買ひきし塩を壺にうつす 石橋秀野
霜夜ひとり餅焼き焦す出征歌 加藤秋邨
霜夜ふかしひびく鍵音咎をこめ 赤尾兜子 歳華集
霜夜もどりし馬にさし出す灯かな 右城暮石 句集外 昭和八年
霜夜わが傍にねしもの息安し 森澄雄
霜夜二人子熟睡してはや寝息なし 森澄雄
霜夜北斗をつらぬく煙われ強かれ 加藤秋邨
霜夜厨に柄杓うつぶせ妻病めり 森澄雄
霜夜妻子の寐息ひとつになり離る 篠原梵 年々去来の花 皿
霜夜子は泣く父母よりはるかなものを呼び 加藤秋邨
霜夜寝て四方走り居る汽車のこと 石塚友二 方寸虚実
霜夜待つ丹田に吾子生るるを 森澄雄
霜夜托す健やかなれの唯一語 大野林火 白幡南町 昭和三十一年
霜夜来し髪のしめりの愛しけれ 大野林火 海門 昭和七年以前
霜夜来てかくしより出す鰹節 加藤秋邨
霜夜死の眸が我を見定む息溜めては 加藤秋邨
霜夜睦む子工作の絃鳴らし 佐藤鬼房
霜夜覚めゐしを家人にけどられしや 安住敦
霜夜逢へばいとしくて胸もとのさま 中川一碧樓
鞴火のころげあるきて霜夜かな 飯田蛇笏 霊芝
鶴鳴く霜夜の障子ま白くて寝る 尾崎放哉 須磨寺時代

霜夜 続補遺

あたゝまる心で寐入霜夜哉 牧童
あたゝめた碁石湯気たつ霜夜哉 三宅嘯山
うなり出す三斗の釜も霜夜哉 夏目成美
から凍に瓦の破る霜夜かな 許六
しろがねに蛤をめせ霜夜の鐘 杉風
その声は霜夜に似たり時鳥 成田蒼虬
なべ炭の燃る霜夜や生姜酒 正秀
ならはせや霜夜を鼾く薦かぶり 高桑闌更
はるもまだ柳はげしき霜夜かな 完来
ひだるさに馴てよく寐る霜夜哉 惟然
ひだるさに馴れてよく寝る霜夜哉 広瀬惟然
ぼのくぼに雁落かゝる霜夜かな 路通
ぼのくぼに雁落ちかゝる霜夜かな 斎部路通
また一つ着れば着寒の霜夜哉 傘下
よく聞けば大豆がらをふむ霜夜哉 岱水
一いろも動く物なき霜夜かな 野水
下びえのあがればおるゝ霜夜哉 尚白
主従のそばねりかゝる霜夜かな 卯七
傾城の母親おもふ霜夜かな 許六
六地蔵並んで冴る霜夜かな 三宅嘯山
六月をおもひ出すほど霜夜哉 使帆
半鐘の音さへ渡る霜夜かな 木導
埋火に酒あたゝめる霜夜哉 桃隣
山犬を馬が嗅出す霜夜哉 其角
帯とひて寐たれば氷る霜夜哉 許六
待くるゝいとゞ霜夜の七つ六つ 北枝
念仏より欠たふとき霜夜哉 凡兆
打もたれ枯野に明す霜夜哉 凉菟
撫て見て夜着に覚ゆる霜夜かな 三宅嘯山
星影の海にさは~霜夜哉 怒風
月落て風地に篭る霜夜かな 長翠
柊の花に明行霜夜かな 〔ブン〕村
沙汰なしに柿の霜夜や後の月 馬場存義
灯のほち~と鳴る霜夜哉 三宅嘯山
灯も花さき実のる霜夜かな 桜井梅室
燈もたよりも消る霜夜かな 松岡青蘿
狐なく霜夜にいづこ煤はらひ 炭太祇
瓢の音霜夜は妙を出しけり 田川鳳朗
眼の花のとし~ふえる霜夜哉 桜井梅室
竹の葉のさは~霜の夜風かな 紫道
筆の寿も遺ひ尽せる霜夜哉 寥松
納豆やら隣にたゝく霜夜かな 句空
織殿の霜夜も更ぬ女声 黒柳召波
羊煮て兵を労ふ霜夜哉 黒柳召波
臨済の録に目見出す霜夜かな 尚白
菜の味のつくとはきけど霜夜哉 秋之坊
藤だなに小桶のせたる霜夜哉 寥松
行燈に藥罐釣りたる霜夜哉 加藤曉台
雉も啼犬も霜夜の山辺哉 井上士朗
霜の夜に吹にはかなし水鶏笛 土芳
霜の夜に吹もはかなし水鶏笛 土芳
霜の夜や何とて夏は寝兼たる 凉葉
霜の夜や大たか小だか薄がさね 木節
霜の夜や木に離れたる猿の声 林紅
霜の夜や木綿合羽をつき通す 許六
霜の夜や琵琶の海さへ音を出さず 乙訓
霜の夜や鴫の羽がき尚さむし 樗良
霜夜の戸ひきよせて誰帰りしか 寥松
霜夜の鐘六つ無病に寝覚哉 西鶴
鳴る河に狐のまよふ霜夜哉 浪化
鶯舁はかるきを悔む霜夜かな 野坡

以上

by 575fudemakase | 2017-01-28 03:25 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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