冬眠 の俳句

冬眠 の俳句

冬眠

例句を挙げる。

ひとつ灯りてつひにひとつや冬眠村 岸田稚魚 筍流し
冬眠すわれら千の眼球売り払い 中谷寛章
冬眠す大道芸の帽子中 対馬康子 吾亦紅
冬眠す蛙の鼠蹊おもはるる 中田剛 珠樹以後
冬眠せぬ金魚気魄をかなしめり 殿村莵絲子 牡 丹
冬眠てふ札をかかげて槽の蛇 窪田英治
冬眠に入る北山の杉の精 大島民郎
冬眠のけものの位置と星座かな 佐怒賀正美
冬眠のごと奥阿蘇に峡籠 河野扶美
冬眠のまま 植えられて 街路樹とされている 吉岡禅寺洞
冬眠のものの夢凝る虚空かな 竹岡一郎
冬眠の土中の虫につながり寝る 大野林火
冬眠の地のむらさきに藁を撒く 佐野美智
冬眠の始まる土の匂ひかな 小島 健
冬眠の泥鰌を起し田を起す 堀口星眠 営巣期
冬眠の虫と別るる片眼向け 村越化石 山國抄
冬眠の虫も聖堂近く居む 村越化石
冬眠の虫を蔵して切株は 村越化石 山國抄
冬眠の蛇に滅びし社あり 有馬朗人
冬眠の蛇をおこして蛇遺ひ 有馬朗人 耳順
冬眠の蛙ごと一枚田を売れり 山口 伸
冬眠の蛙掘り出す井戸を掘り 林栄光
冬眠の蛙道風は神となり 丸山海道
冬眠の蝮のほかは寝息なし 金子兜太(1919-)
冬眠の蝸牛ときに羨まし 百合山羽公 寒雁
冬眠の蝸牛やこぼれ龍の髭 下村槐太 光背
冬眠の鰐巌よりもしづか 福田蓼汀
冬眠を決めかねてをりかたつむり 高澤良一 随笑
南無帰命冬眠の亀もくちなはも(近江番場蓮華寺) 上村占魚 『石の犬』
土起しおれば端より冬眠す 高田律子
地震来て冬眠の森ゆり覚ます 西東三鬼
壷二つの照り冬眠の覚めるころ 栗林千津
天敵を穴にのがれて冬眠す 浜渦美好
戸締りをして冬眠の金魚見る 阿部みどり女 『陽炎』
文鎮へ冬眠に来してんと虫 太田土男
新月の仄めく艇庫冬眠す 飯田蛇笏 霊芝
森寒と神冬眠し湖沈む 長谷川かな女 花寂び
狂気満つ亀冬眠の前ぶれに 対馬康子 純情
獰猛と記され鰐の冬眠す 山口波津女
眷族は冬眠せるに香具師の蛇 谷野予志
終止のごとし冬眠の鰐乾く 津田清子 礼 拝
蓬莱で冬眠せむとにはあらず 徳永山冬子
藁出しにさやと冬眠の蝶零れ 松村蒼石 雁
蛙ら冬眠妻が米とぐ周辺に 磯貝碧蹄館 握手
蜘蛛の囲の主冬眠したるさま 高木晴子 花 季
蝸牛も己に処して冬眠す 百合山羽公 寒雁
蝸牛玉と変りて冬眠す 百合山羽公 寒雁
金色の蛇の冬眠心足る 加藤楸邨
金魚も小便小僧も冬眠に 阿部みどり女
鋼なす道一筋の冬眠村 岸田稚魚 筍流し
顔すこし日へ向け冬眠界のわれ 村越化石 山國抄
鰻池鉄管曲げて冬眠す 百合山羽公 寒雁

冬眠 補遺

いつよりか確と冬眠かたつむり 佐藤鬼房
けものわれ毛先柔らげ冬眠らむ 能村登四郎
ひとつ灯りてつひにひとつや冬眠村 岸田稚魚 筍流し
みづからを煙らせ水晶冬眠す 鷹羽狩行
コンクリート槽山椒魚冬眠す 右城暮石 句集外 昭和四十六年
トレンチに蛇冬眠に入らんとす 阿波野青畝
冬眠といふあたたかきことばかな 上田五千石『琥珀』補遺
冬眠と云ふも恣楽の類ならむ 相生垣瓜人 負暄
冬眠にあらず春睡にまたあらず 百合山羽公 樂土以後
冬眠に倣ひてうつらうつらせり 相生垣瓜人 負暄
冬眠に入りぬと我も宣せばや 相生垣瓜人 負暄
冬眠に擬して安臥を事とせり 相生垣瓜人 負暄
冬眠のさまを見らるる蟇かなし 山口青邨
冬眠のもの聞耳をたてをらむ 上田五千石『琥珀』補遺
冬眠の土中の虫につながり寝る 大野林火 雪華 昭和三十七年
冬眠の夢の端に鳴る山泉 上田五千石『天路』補遺
冬眠の如くみくるす守りゐしか 上田五千石『天路』補遺
冬眠の森ぱつちりと潦 鷹羽狩行
冬眠の無明無音の息思ふ 藤田湘子 てんてん
冬眠の畑土撫でて人も眠げ 西東三鬼
冬眠の空気がうごく手足かな 岡井省二 鯨と犀
冬眠の虫覚む我が家市域となる 右城暮石 句集外 昭和三十年
冬眠の蛇の真上を跫音過ぎ 桂信子 初夏
冬眠の蛇の胃の腑に残るもの 有馬朗人 立志
冬眠の蛇をおこして蛇遣ひ 有馬朗人 耳順
冬眠の蛇を恋する祖母の鞠 橋閒石 荒栲
冬眠の蛇を掘り出し笏となす 岡井省二 大日
冬眠の蛙がひとつ掘り出さる 平井照敏
冬眠の蛙のそばを霧通る 金子兜太
冬眠の蝙蝠に似て不透明 金子兜太
冬眠の蝮のほかは寝息なし 金子兜太
冬眠の蝸牛ときに羨まし 百合山羽公 寒雁
冬眠の蝸牛やこぼれ竜の髭 下村槐太 光背
冬眠の蟇におどろき甘藷を掘る 水原秋櫻子 秋苑
冬眠の許されずして起きをれり 相生垣瓜人 負暄
冬眠の鰐が地面に密着して 山口誓子
冬眠の鰐に生餌のはやあらず 山口誓子
冬眠の鰐鼻と眼と背を露はす 山口誓子
冬眠へ椿象(かめむし)天道虫飛ぶ飛ぶ 金子兜太
冬眠も亦憧憬に堪へにけり 相生垣瓜人 負暄
冬眠をさめし地にたつ種袋 飯田蛇笏 家郷の霧
南無帰命冬眠の亀もくちなはも 上村占魚
地上に鰐水中に鰐冬眠る 山口誓子
地震来て冬眠の森ゆり覚ます 西東三鬼
夜々いつとなく冬眠の蝉のごとし 飯田龍太
子がひとりゆく冬眠の森の中 飯田龍太
庭の蟇冬眠を忘るわれに馴れ 山口青邨
新月の仄めく艇庫冬眠す 飯田蛇笏 霊芝
浜田彦冬眠の尚続きをり 佐藤鬼房
無明仏よモリアオガエル冬眠後 古沢太穂 捲かるる鴎以後
玻璃透いて羅紗廛の護謨冬眠す 飯田蛇笏 山響集
白蛇いま冬眠神楽の笛もやみ 山口青邨
終止のごとし冬眠の鰐乾く 津田清子 礼拝
脊梁山脈紫紺の日あり冬眠す 金子兜太
藁出しにさやと冬眠の蝶零れ 松村蒼石 雁
蛇屋これ蛇冬眠の飾窓 山口青邨
蝸牛も己に処して冬眠す 百合山羽公 寒雁
蝸牛玉と変りて冬眠す 百合山羽公 寒雁
鋼なす道一筋の冬眠村 岸田稚魚 筍流し
雑草園蟇冬眠のところ得て 山口青邨
鰻池鉄管曲げて冬眠す 百合山羽公 寒雁
麥丘人冬眠居士や仮枕 星野麥丘人 2002年
龍泉の蛇尾としてまた冬眠か 佐藤鬼房

以上

by 575fudemakase | 2017-02-17 13:43 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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