闇汁の俳句

闇汁

例句を挙げる。

ざつくりと割れたるものを闇汁に 岸本尚毅 舜
事件あり記者闇汁の席外す 宮武章之
唐がらしぶち込み闇汁終りしと 岡田日郎
夷講に大福餅もまゐりけり 高浜虚子(闇汁に大福餅を投じたりしが句を徴されて)
居心地のよろしき暗さ闇汁会 檜紀代
持ち寄りしもの闇汁に重ならず 茨木和生 往馬
海鳴りの闇汁煮えてきたりけり いさ桜子
蝋燭の燈に闇汁の誰れや彼や 高橋淡路女 梶の葉
閑話休題闇汁に薄き膜 横山千夏
闇汁にさしたる月の懐かしく 長谷川かな女 雨 月
闇汁にひそみて剛の砂糖黍 百合山羽公 寒雁
闇汁に入れたる箸を掴むがあり 柴田佐知子
闇汁に古女房が入れしもの 京極杞陽
闇汁に君が汁鍋恙なきや 会津八一
闇汁に山深き味ありにけり 岡安仁義
闇汁に河豚を入れたること言はず 小田実希次
闇汁に甚だ齢を距てけり 波多野爽波 『湯呑』
闇汁に箸をゆっくり使ひゐる 塩川雄三
闇汁に臍の緒まじりゐたりける 辻田克巳
闇汁に金鍔入れし人や誰 会津八一
闇汁に長き包みを提げて来し 加藤三七子
闇汁のただならぬものつかみけり 柴田ミユキ
闇汁のひとりひとりがまた見ゆる 細川加賀 生身魂
闇汁のほのうす暗に眼がありき 山崎虎行
闇汁のわが入れしものわが掬ひ 草野駝王
闇汁のバナナゆるゆる煮えてきし 辻桃子
闇汁の一間の襖はづしあり 山崎ひさを
闇汁の匂の闇に馴れて来し 森岡五木
闇汁の大きなものをそと戻す 小田沙智子
闇汁の女人のあたりほの明し 細川加賀
闇汁の宿してたのし三日の月 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
闇汁の山のものいや海のもの 長田等
闇汁の岩戸明けたる月見かな 尾崎紅葉
闇汁の最も大きものすくふ 高橋悦男
闇汁の杓子を逃げしものや何 高浜虚子(1874-1959)
闇汁の消しに立つ灯を皆仰ぐ 森田峠 避暑散歩
闇汁の焔サラリーマンの一花 斉藤夏風
闇汁の煮くずれうまき女宿 柴田八重子
闇汁の燈を消して顔もてあます 館岡沙緻
闇汁の窓に比叡の灯宇治の灯と 藪内柴火
闇汁の箸が大きなものつかむ 長浜 勤
闇汁の紅散乱と柘榴かな 会津八一
闇汁の納豆にまじる柘榴かな 会津八一
闇汁の蓋に乗りたり闇の小人 長谷川かな女
闇汁の蓋を上げしは狸かな 龍胆 長谷川かな女
闇汁の足やはらかく踏まれけり 岸風三楼
闇汁の鍋を除けたる大火鉢 高木晴子
闇汁の闇にて火傷いたしけり 辻桃子 ねむ 以後
闇汁の闇に正座の師ありけり 佐藤貴白草
闇汁の闇に眼鏡を外しけり 山崎秋穂
闇汁の闇のつづきに渡し舟 澁谷 道
闇汁の闇のとくるを待つとせん 織部 れつ子
闇汁の闇の底なる火の匂ひ 石寒太 炎環
闇汁の闇の白帆や帆立貝 会津八一
闇汁の闇ふくらめる湯気のぼり 菖蒲あや
闇汁の闇へ葬る鳩の骨 松野自得
闇汁の闇ゆるがして燭運ぶ 上田春水子
闇汁の闇を楽しむ心あり 田中蛇々子
闇汁の闇簡単に完璧に 鳥羽富美子
闇汁へ妻とは別に提げしもの 古賀青霜子
闇汁へ急ぐ西空美しく 柴山 長子
闇汁へ手巾あかりの膝すすむ 亀井糸游
闇汁やさのみならざる外の闇 阿波野青畝
闇汁やランプの笠の秋の蠅 会津八一
闇汁や何の会にも不参せず 鈴木花蓑句集
闇汁や健啖子規の遺風とて 百合山羽公 寒雁
闇汁や僧の提げ来しものは何 加藤其峰
闇汁や先生の坐の空いてをり 橋本榮治 越在
闇汁や其のかの鴨の足の骨 会津八一
闇汁や女子寮の釜使役して 百合山羽公 寒雁
闇汁や息をころして煮えるまで 河本知慧子
闇汁や挟みて鼻の如きもの 秋元不死男
闇汁や箸に絡まる蛸の足 福原紫朗
闇汁や箸逃げしもの音大き 岡部六弥太
闇汁や貨車の連結音聞こゆ 館岡沙緻
闇汁や遊びずきなるこのまどゐ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
闇汁や闇に目の利く木菟男 三溝沙美
闇汁を瞠りとほして達磨の眼 加藤知世子

闇汁 補遺

句敵のまなこあつまり闇汁会 鷹羽狩行
曲り家のごとき暗さの闇汁会 鷹羽狩行
梅の咲く時を選びて闇汁会 右城暮石 散歩圏
闇汁がのつぺとなつて残りけり 阿波野青畝
闇汁にひそみて剛の砂糖黍 百合山羽公 寒雁
闇汁に挟みて章魚の疣なるべし 安住敦
闇汁に甚だ齢を距てけり 波多野爽波
闇汁に箸を交ふる貴賤かな 日野草城
闇汁のにほひの中に柚は匂ふ 日野草城
闇汁の座にいさぎよき菜のしづく 右城暮石 句集外 昭和十一年
闇汁の座に手ぬらして出入する 右城暮石 句集外 昭和十一年
闇汁の狭き厠に身を容るる 波多野爽波
闇汁の種かんぴようの草鞋編む 平畑静塔
闇汁の腮をしづかにつついたる 岡井省二 鯨と犀
闇汁の鍋の音きくうちに酔ふ 右城暮石 句集外 昭和八年
闇汁の閉蓋席の袖にあり 平畑静塔
闇汁やさのみならざる外の闇 阿波野青畝
闇汁やはさみて鼻の如きもの 秋元不死男
闇汁や仲居のわらひとゞまらず 日野草城
闇汁や健啖子規の遺風とて 百合山羽公 寒雁
闇汁や女子寮の釜使役して 百合山羽公 寒雁
闇汁や火を旺んにし旺んにし 山口青邨

以上

by 575fudemakase | 2017-02-17 14:03 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://fudemaka57.exblog.jp/tb/26659360
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

プロフィールを見る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

カテゴリ

全体
春の季語
夏の季語
秋の季語
冬の季語
新年の季語
句集評など
句評など
自作
その他
ねずみのこまくら句会
未分類

以前の記事

2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2011年 04月

フォロー中のブログ

ふらんす堂編集日記 By...

メモ帳

らくらく例句検索

インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

検索

タグ

最新の記事

後評(2017・5)
at 2017-05-21 03:08
蝉 の俳句
at 2017-05-21 02:44
苧 の俳句
at 2017-05-19 05:15
邯鄲 の俳句
at 2017-05-19 05:08
すべりひゆ の俳句
at 2017-05-19 05:02

外部リンク

記事ランキング