去年今年 の俳句

去年今年 の俳句

去年今年

例句を挙げる。

「開・合」と妻よ鐘は聴くべし去年今年 橋本夢道 無類の妻
いそがしき妻も眠りぬ去年今年 草城
いつの間に一と眠りして去年今年 瀧春一
かけつづく去年今年なきまもりふだ 五十嵐播水
かなしびて口ずさむ古歌去年今年 上井正司
かの架構隙かさねつむ去年今年 竹中宏 句集未収録
この間逢ひしばかりに去年今年 高濱年尾 年尾句集
しろきものおちて来りぬ去年今年 久保田万太郎 流寓抄以後
たちくらむ行く手炎の噴く去年今年 石原八束 『幻生花』
つま恋ひのつまの日月去年今年 遠入 たつみ
なまけものぶらさがり見る去年今年 有馬朗人
ぬぎすての衣の乱れや去年今年 久米三汀
ひし~と戦身ぢかく去年今年 河野静雲
もの乞うて去年今年なき跣かな 下村梅子
わかみづや流るるうちに去年ことし若水・去年今年 千代尼
スープ煮る腰高鍋の去年今年 草間時彦
セピアとは眼裏のいろ去年今年 皆吉司
テレビ塔紅燈帯びて去年今年 百合山羽公 寒雁
ピカソの目ひとつあまりて去年今年 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
ピッケルに火影拭き込む去年今年 手島靖一
一文字に鐘を撞き出す去年今年 山口草堂
一本の釘ぬき忘る去年今年 古堅蒼江
一病に負けてしがなき去年今年 高浜年尾
世にあるも大夢のごとし去年今年 小見山希覯子
丸ビルの店子も減りて去年今年 稲畑廣太郎
仏壇のともりしままや去年今年 下田童観
仕事着の白を守りて去年今年 毛塚静枝
伏せられしカードそのまま去年今年 伊藤 梢
休漁を掟の舟や去年今年 青畝
会ひたしと思ふ人あり去年今年 高濱年尾
余生なほ海を職場に去年今年 道川虹洋
佛吹く空也の深息去年今年 加藤房子
信ずれば平時の空や去年今年 三橋敏雄 畳の上
卯から辰へ無事是貴人去年今年 高木青二郎
去年今年あをきを残すおかめ笹 石川桂郎 高蘆
去年今年いのち一つに何賭けし 鈴木真砂女 夕螢
去年今年いま純白の睡り来る 千代田葛彦
去年今年さかさまに見る夫の顔 二村典子
去年今年ともなき我に客もなし 星野立子
去年今年なかりしまゝに心の喪 藤崎久を
去年今年ひとすぢに火は燃えつづけ 朱鳥
去年今年ひとつの山の闇を越え 岩谷滴水
去年今年やぶれ襖のせんなさよ 梨屋
去年今年ゆふべあしたと竹そよぎ 石川桂郎 四温
去年今年わが家の誰も欠けざりし 岡田指行
去年今年一と擦りに噴くマッチの火 成田千空 地霊
去年今年亡き人夢にまた夢に 橋本榮治 越在
去年今年円舞曲なほつづきゐて 品川鈴子
去年今年北海道はとがりをり 奥坂まや
去年今年地はかたくなに凍てしまま 津田清子 二人称
去年今年墓に凭れる花の束 廣瀬直人
去年今年大志つくろふことのなし 深谷雄大
去年今年妻と云ふ名のかくれ蓑 河野多希女 彫刻の森
去年今年安房は樹の国花の国 角川源義 『西行の日』
去年今年憂き世に老の耳かさず 杉原竹女
去年今年抱きとる鯉の弓なりに 中田 剛
去年今年振子時計の大きかり 成川崖花
去年今年探れば妻の手そこにある 奈良文夫
去年今年揺れて小さき耳飾 三ヶ尻湘風
去年今年枯野を胸に皿洗ふ 小池文子 巴里蕭条
去年今年水の響きをわがものに 新谷ひろし
去年今年水湧いて水盛り上がり 廣瀬直人
去年今年泡きとる鯉の弓なりに 中田剛 珠樹以後
去年今年浜木綿かばふ炭俵 細見綾子
去年今年焼鳥屋のまえすぎにけり 深町一夫
去年今年理科年表を卓上に 行方克巳
去年今年相あふ針の時計塔 大東晶子
去年今年空を亙りぬ鯉の顔 森澄雄
去年今年老猫へ魚ほぐしやる 奈良文夫
去年今年肥満は猫に及びけり 今枝立青
去年今年胡桃の中の音信じ 毛塚静枝
去年今年腑に落ちぬ世にならされて 大島ひろ子
去年今年航路真下の旅の町 龍太
去年今年袂にのこる紙の銭 石橋秀野
去年今年貫くパンのソーセージ 後藤貴子
去年今年貫く棒の如きもの 高濱虚子
去年今年貫く記念館の夢 稲畑廣太郎
去年今年針を進めて五分ほど 土生重次
去年今年闇にかなづる深山川 飯田蛇笏
去年今年闇の向ふに犬鳴いて 渡辺七三郎
去年今年障子明りに襲はれし 平畑静塔
去年今年集い鳴るかな船の笛 寺井谷子
去年今年雪夜雪片かさなり降る 斉藤美規
去年今年飛騨の紬に手を通す 藤田湘子
去年今年餅のしめりの時計音 桜井博道 海上
古ぼけし枕時計や去年今年 白水郎句集 大場白水郎
古時計捻子たつぷりと去年今年 薪 豊子
古足袋もそのまま履くや去年今年 龍男(毎日新聞連載小説の題名を決め、歳晩より仕事部屋に籠る)
句帳へとメモより写す去年今年 阿波野青畝
名作の鏡獅子人形去年今年 阿部みどり女 月下美人
吹きゝやすともしにもあり去年今年 二葉
吾に鞭賜ふ師のあり去年今年 森田峠 避暑散歩
命継ぐ深息しては去年今年 石田波郷
喪疲れの若人の瞳や去年今年 殿村莵絲子 雨 月
地の底の燃ゆるを思へ去年今年 桂信子
埋火の生きてつなぎぬ去年今年 森 澄雄
大凧の太綱むすぶ去年今年 原裕 正午
天心の月の左右なる去年今年 正江
天眼に洩れたるわれや去年今年 佐藤鬼房 「何處へ」以降
天窓を過ぎ行く星座去年今年 片山由美子
夫看とる去年今年とはいつの間に 及川貞
妹得しは私小説めく去年今年 伊丹三樹彦 人中
嫁ぐ日のぬか床守り去年今年 角川春樹
子に与ふ乳ほとばしり去年今年 槐太
学守る心にて去年今年なく 戸田河畔子
守り継ぐ一灯のあり去年今年 星野椿
寝袋に聴く風音や去年今年 望月たかし
小机の白毫光や去年今年 齋藤玄 飛雪
山に向き戸口一つや去年今年 村越化石 山國抄
山城の灯りて遠き去年今年 所 山花
山麓の駅舎灯りて去年今年 内池珠美
平凡を佳しとして来し去年今年 浅井青陽子
平凡を大切に生き去年今年 稲畑汀子
幻の花降りつつむ去年今年 原裕 青垣
心の灯ともしつゞけて去年今年 稲畑汀子 春光
心臓のポンプ順調去年今年 高澤良一 鳩信
念校を机の上に去年今年 山崎ひさを
我をのせ廻る舞台や去年今年 泰
抜けがての咳抱きつつ去年今年 馬場移公子
拝殿の奥煌々と去年今年 栗原澄子
捨てられぬものに埋もりて去年今年 毛塚静枝
救命棟煌々と灯り去年今年 水原春郎
旅寝して息つめてをり去年今年 澄雄
星は死し星は生まるる去年今年 有働亨
星よりも噴煙重し去年今年 阿波野青畝
星降りて水田にこぞる去年今年 不死男
暗きより火種をはこぶ去年今年 柿本多映
書きかけて去年今年なき原稿紙 吉屋信子
書きかけの原稿置きて去年今年 吉屋信子
月光に山野凍れり去年今年 相馬遷子 山国
木曽川や筏のうへの去年今年 吉田冬葉
本棚の波郷は老いず去年今年 八橋隆文
東天紅鳴きやまざるに去年今年 本橋定晴
松青く枝張る空や去年今年 村山古郷
枕辺に散らかりしもの去年今年 猿渡藜子
某嬢に二本線引く去年今年 櫂未知子 蒙古斑
椎敲を重ぬる一句去年今年 高浜虚子
榛の実が粉雪と語る去年今年 永峰久比古
檜葉垣に深き靄こめ去年今年 遠藤梧逸
歳月の継ぎ目は白し去年今年 齋藤愼爾
死ぬときは謙三として去年今年 長谷川双魚 『ひとつとや』以後
残されし竹の中なる去年今年 石川桂郎 四温
水のうへ風が旅する去年今年 新谷ひろし
水を買ふことにも馴れて去年今年 青木重行
永遠の海と空あり去年今年 星野椿
淋しさは淋しさとして去年今年 汀子
満州よりす去年今年なき車中客 楠目橙黄子 橙圃
炭二俵舟のみやげや去年今年 淇石
炭竃に燃えつづく火の去年今年 松本たかし
燃ゆる火にひしめく闇も去年今年 木下夕爾 定本木下夕爾句集
父みとる母居眠りて去年今年 遷子
父母と居て砂漠の如し去年今年 青木重行
牧谿の虎濛々と去年今年 飯島晴子
犀川の清韻嗄れず去年今年 西本一都 景色
猫抱けば水の音して去年今年 坪内稔典
病むといふ足枷をひき去年今年 上野泰
病癒えてや追はるるごとく去年今年 河野南畦 『焼灼後』
白光の一筋通ひ去年今年 平井照敏
眼の裏に風邪が潜みぬ去年今年 加藤知世子 花寂び
眼鏡置くいつもの位置や去年今年 能村研三 鷹の木
碇泊の汽笛が分つ去年今年 伊藤省三
神鈴のしかと分けたり去年今年 武田日出夫
移り気にあつめし皿や去年今年 渋谷道
窯焚の火色みつめて去年今年 木暮陶句郎
端座して何を待つべし去年今年 井沢正江
笹鳴に去年今年なく庵せり 高濱年尾 年尾句集
箱根口渋滞表示去年今年 原裕 『王城句帖』
篁に風吹いてゐる去年今年 角川春樹(1942-)
篝火の一睡のゆめ去年今年 伊藤敬子
籾殻のほこほこ燃えて去年今年 遠藤梧逸
紙屑の中に我在り去年今年 戸石あや子
縁談に去年今年なきもつれかな 吉屋信子
纜を切つたる波や去年今年 鈴木太郎
翌ありとただ翌ありと去年今年 及川貞
老いて見る夢の浅しや去年今年 神 緑郎
考えると女で大人去年今年 池田澄子
胸倉の火は五位のこゑ去年今年 小檜山繁子
花火もて割印とせむ去年今年 和湖長六
若水や流るゝうちに去年今年 千代女
草ジャンパー利へ鳴り急ぐ去年今年 香西照雄 対話
荒ごとの齢にあらず去年今年 原裕 『王城句帖』
荒神輿舁き手手薄に去年今年 高澤良一 素抱
落石のこだま還らず去年今年 ほんだゆき
落葉して去年今年なき庵かな 野村泊月
藍甕に焚く温め火や去年今年 渡会 昌広
蛇ゆくごと去年今年なき寝汗の中 川口重美
蝋梅の安房に身を寄せ去年今年 角川源義 『西行の日』
蝕すぎし月光煙る去年今年 角川源義
読みさして方丈記あり去年今年 遠藤梧逸
読経あり別のこゑあり去年今年 福井啓子
赤福の茶屋の灯煌と去年今年 宮下翠舟
跫は忘れてしまふ去年今年 田川飛旅子 『使徒の眼』以後
路地裏もあはれ満月去年今年 鷹女
遺されし思ひいささか去年今年 鷹羽狩行
針に糸通してゐるや去年今年 細見綾子 黄 炎
銃帯びて去年今年なき勤めかな 松岡ひでたか
銭洗ふ真暗闇に去年今年 田村恵子
閑居して去年今年ともなかりけり 高橋淡路女 梶の葉
雲呑の鰭のゆるやか去年今年 櫂未知子 蒙古斑以後
革ジヤンパー利へ鳴り急ぐ去年今年 香西照雄
頭の中の左右あひたがふ去年今年 沼尻巳津子
骨疼く魔の刻をもて去年今年 西本一都 景色
魔女の札手許に残る去年今年 杉本寛
黒猫と鍵を預る去年今年 諸岡直子
齢のみ虚子に並べり去年今年 青木重行
寝台車着きぬ今年の灯をともし 高澤良一 さざなみやつこ
手術などそんなこんなの一年(ひととせ)で 高澤良一 鳩信
泥縄の一年が又始まれり 高澤良一 宿好
申し出るごとくに年の来給へり 高澤良一 宿好
今年もや句作言葉の砂金堀 高澤良一 随笑

去年今年 補遺

いそがしき妻も眠りぬ去年今年 日野草城
いつときの血気なつかし去年今年 桂信子 花影
うきことも喜びごとも去年今年 高浜年尾
うろたへて八十九齢去年今年 富安風生
おのがじし炭斗満たし去年今年 中村汀女
おほよそはいつもの如く去年今年 高浜年尾
かりそめのヒンディ・マーク 去年今年 伊丹三樹彦
こころざし貫きゆかん去年今年 稲畑汀子
この間逢ひしばかりに去年今年 高浜年尾
すすまざる稿を机上に去年今年 上田五千石『琥珀』補遺
たらちねの老美しや去年今年 星野立子
なまけものぶらさがり見る去年今年 有馬朗人 立志
ひそやかに脈打つ血あり去年今年 林翔
ひとびとに山の掟や去年今年 桂信子 花影
ほんの少し若さ残さむ去年今年 林翔
みどりごに見惚るゝ媼の去年今年 飴山實 句集外
むだごとをするも慣はし去年今年 阿波野青畝
スープ煮る腰高鍋の去年今年 草間時彦 中年
テレビ塔紅燈帯びて去年今年 百合山羽公 寒雁
テレビ見る部屋だけよごれ去年今年 星野立子
トラックの地響一つ去年今年 百合山羽公 樂土
ホテルのカーテン襞ふかくして去年今年 桂信子 草影
万事早去年今年とはなりにけり 阿波野青畝
二千光年はどの星去年今年 鷹羽狩行
二面石永久に背合せ去年今年 阿波野青畝
休漁を掟の舟や去年今年 阿波野青畝
会ひたしと思ふ人あり去年今年 高浜年尾
位牌一つ本棚に座し去年今年 鈴木真砂女 紫木蓮
何事もまたゝく間なり去年今年 高浜年尾
信ずれば平時の空や去年今年 三橋敏雄
俳諧に遊びほうけて去年今年 山口青邨
凍え星動き山中去年今年 森澄雄
単純をわが身上に去年今年 稲畑汀子
去年の夢さめてことしのうつゝ哉 正岡子規 去年今年
去年今年あをきを残すおかめ笹 石川桂郎 高蘆
去年今年いつしか暁けし白襖 飯田龍太
去年今年いのち一つに何賭けし 鈴木真砂女 夕螢
去年今年とて倦みもせず我ありて 能村登四郎
去年今年なきわが庵の人出入り 高浜年尾
去年今年なき闘牛の闘志かな 鷹羽狩行
去年今年ひとすぢに火は燃えつづけ 野見山朱鳥 幻日
去年今年またぎぬペンを持ちながら 阿波野青畝
去年今年ゆふべあしたと竹そよぎ 石川桂郎 四温
去年今年よき詩に酔へるこころまた 飯田龍太
去年今年わきて巳年の赤子には 飯田龍太
去年今年オイルショックを我慢せり 阿波野青畝
去年今年一縷の水の音ありて 清崎敏郎
去年今年唐国の紙寝かせあり 藤田湘子 神楽
去年今年墨の香父祖のにほひかな 飯田龍太
去年今年夫もきのふの言葉哉 田川鳳朗
去年今年安房は樹の国花の国 角川源義
去年今年寒竹の子が軒抽いて 安住敦
去年今年尻ポケットの皮財布 飯田龍太
去年今年慣ひとなりし伊豆の湯に 高浜年尾
去年今年放心の空ありにけり 山田みづえ 草譜
去年今年時ちぢまりてゆるみけり 森澄雄
去年今年月の空をば日の宮へ 中村草田男
去年今年枯虎杖を踏む音も 飯田龍太
去年今年浜木綿かばふ炭俵 細見綾子
去年今年牛の夜の顔澄むことも 飯田龍太
去年今年白馥郁の厠紙 大野林火 方円集 昭和五十一年
去年今年真竹傾く淵のいろ 飯田龍太
去年今年空を亙りぬ鯉の顔 森澄雄
去年今年繋ぐ一睡ありしのみ 石塚友二 玉縄以後
去年今年蘭ときじくの香をはなち 飯田龍太
去年今年袂にのこる紙の銭 石橋秀野
去年今年襖の外をひと通る 飯田龍太
去年今年貫く棒に異議ありと 後藤比奈夫
去年今年邪馬台論争埓もなや 角川源義
去年今年間一髪に身の緊まる 林翔
去年今年闇にかなづる深山川 飯田蛇笏 山響集
去年今年障子明りに襲はれし 平畑静塔
去年今年飛騨の紬に手を通す 藤田湘子
句帳へとメモより写す去年今年 阿波野青畝
命継ぐ深息しては去年今年 石田波郷
地にこもる都会のひびき去年今年 桂信子 草影
地の底の燃ゆるを思へ去年今年 桂信子 樹影
埋火の生きてつなぎぬ去年今年 森澄雄
夢もなし吉凶もなし去年今年 森澄雄
大いなる闇うごきだす去年今年 桂信子 草影
天眼に洩れたるわれや去年今年 佐藤鬼房
妹得しは私小説めく去年今年 伊丹三樹彦
子に与ふ乳ほとばしり去年今年 下村槐太 天涯
富める猫行乞の猫去年今年 有馬朗人立志
小机の白毫光や去年今年 齋藤玄 飛雪
居ぬ妻や水飴たぐる去年今年 秋元不死男
川に来て山見るが好き去年今年 飴山實 句集外
平凡を大切に生き去年今年 稲畑汀子
幻の花降りつつむ去年今年 原裕 青垣
我をのせ廻る舞台や去年今年 上野泰
房をもて祀る法螺貝去年今年 岡井省二 鯛の鯛
改る心もなくて去年今年 高浜年尾
旅寝して息つめてをり去年今年 森澄雄
星よりも噴煙重し去年今年 阿波野青畝
星降りて水田にこぞる去年今年 秋元不死男
月光に山野凍れり去年今年 相馬遷子 山国
木の幹に巣箱のななめ去年今年 鷹羽狩行
松青く枝張る空や去年今年 村山故郷
林檎の上灯色異なる去年今年 森澄雄
栄光のごとき船笛去年今年 野澤節子 存身
棒ならずわが身は縷なる去年今年 林翔
残されし竹の中なる去年今年 石川桂郎 四温
水門の引きの早さよ去年今年 鷹羽狩行
波の穂を捉ふ燈台去年今年 桂信子 草影
海鳴りの闇の中なる去年今年 桂信子 花影
深海の生死は無音去年今年 藤田湘子 てんてん
滴々と刻の漏れゆく去年今年 上田五千石『琥珀』補遺
炭竃に燃えつづく火の去年今年 松本たかし
煙草火に指(および)ぬくめて去年今年 秋元不死男
父の世は既に遠しや去年今年 高浜年尾
父みとる母居眠りて去年今年 相馬遷子 山河
父母なくてあはあは迎ふ去年今年 山田みづえ 草譜
牛肉に指あと凹む去年今年 秋元不死男
牧谿の虎濛々と去年今年 飯島晴子
王冠を掃きかつ踏みて去年今年 鷹羽狩行
甚六の寐言とだえて去年今年 正岡子規 去年今年
病むといぶ足枷をひき去年今年 上野泰
病めばただけむりのごとき去年今年 能村登四郎
皿時計大き針刻む去年今年 山口青邨
瞠きても闇ばかりなる去年今年 桂信子 草影
禿頭せちに洗へり去年今年 藤田湘子 てんてん
空船にはためく風も去年今年 飯田龍太
竹藪の隣家を隠す去年今年 鈴木真砂女 都鳥
緋鯉真鯉身を差し交し去年今年 森澄雄
練馬野のしじま守る灯に去年今年 村山故郷
腰病めど快便直に去年今年 金子兜太
草の戸に去年今年なく籠りけり 高浜年尾
草ジャンパー利へ鳴り急ぐ去年今年 香西照雄 対話
藪中の神に灯ともし去年今年 能村登四郎
虚子の去年今年われらの去年今年 後藤比奈夫
蝋梅の安房に身を寄せ去年今年 角川源義
蝕すぎし月光煙る去年今年 角川源義
見つからぬもの探さずに去年今年 赤尾兜子 玄玄
覚めやすき眠りにつなぐ去年今年 飯島晴子
詩の鎖ひきずり歩き去年今年 上野泰
警戒灯火花の毬を去年今年 山口青邨
路地裏もあはれ満月去年今年 三橋鷹女
踊場の一瞬の闇去年今年 山口青邨
身ほとりの変り行くさま去年今年 高浜年尾
軒をうつ霰が覚ます去年今年 飴山實 句集外
遺されし思ひいささか去年今年 鷹羽狩行
針に糸通してゐるや去年今年 細見綾子
鉄鈎に肉累々と去年今年 飯田龍太
鉛筆を削りつつ一瞬去年今年 山口青邨
鎌倉の尾ノ道の鐘去年今年 日野草城
鐘聴きてゐるうちに来し去年今年 森澄雄
闇に泛く日本列島去年今年 桂信子 花影
闇のなか歩みつづけて去年今年 桂信子 花影
雑言のかぎりにも倦き去年今年 飴山實 花浴び
雲下りてあそべる罠の去年今年 大野林火 雪華 昭和三十八年
革ジャンパー利へ鳴り急ぐ去年今年 香西照雄
風出でて蜜柑粛蕭去年今年 森澄雄
駑馬に鞭打ちてそれこそ去年今年 後藤比奈夫
龍が蛇になるそれもよし去年今年 山口青邨

以上



by 575fudemakase | 2017-03-10 04:22 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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