餅花 の俳句

餅花 の俳句

餅花

例句を挙げる。

おしら神餅花しろくかがやけり 佐川広治
こおどりして餅花くらき部屋通る 澁谷道
十一面さまや餅花手ちぎりに 古沢太穂
家の霊餅花揺りし昔かな 百合山羽公 寒雁
干割れ落つ餅花一つ雪嶺覚め 喜多牧夫
座敷わらし来しか餅花ひとつ失せ 八牧美喜子
朝寝して餅花かざす顔の上 林翔 和紙
枯枝に餅花なせる小鳥ども 石塚友二
氷るもの氷り餅花にぎやかに 宇佐美魚目 秋収冬蔵
熱とれし眼に餅花の華やげり 阿部みどり女 『石蕗』
瑞鳥の餅花たるゝ聖霊会 鷹野清子
蔵書ぎつしり餅花傘をひろげけり 野澤節子 花 季
藪入に餅花古りて懸りけり 前田普羅 新訂普羅句集
賑かや餅花ありて四畳半 高濱年尾 年尾句集
贋物の餅花なれど福は福 高澤良一 鳩信
釣宿の餅花にして鯛鮃 中戸川朝人 尋声
餅花〔の〕木陰にてうちあはゝ哉 一茶 ■文化十年癸酉(五十一歳)
餅花がまたゆれている泣き虫よ 矢野千代子
餅花さすや唇こはゞりて紅乾く 雑草 長谷川零餘子
餅花と状もてゆかな嵐山 田中裕明 櫻姫譚
餅花にはなやぐ老の一ト間かな 池内たけし
餅花にふれて通りし髪に手を 関萍雨
餅花にまじる草色にぎにぎし 古舘曹人 樹下石上
餅花にをりふしひびく古風鈴 飯田龍太
餅花に入日の絡みつきてをり 波多野爽波 『湯呑』
餅花に十日過ぎなる客多し 笹原 耕春
餅花に叩(はた)きをかけて世紀末 大木あまり 火球
餅花に大きな煤のかゝりけり 松浦為王
餅花に宿坊の炉のけむり絶ゆ 飯田蛇笏 霊芝
餅花に火のよぢれたる浜どんど 原裕 正午
餅花に灯シ隈なき大廈かな 西島麦南 人音
餅花に灯繞る夜の静寂かな 吉武月二郎句集
餅花に立てば触れしよ旅の髪 野沢節子
餅花に財布の紐のゆるみがち 高澤良一 寒暑
餅花に金の草履のぬいであり 大野朱香
餅花に開演ベルのひびきけり 佐久間慧子
餅花に髪ゆひはえぬ山家妻 飯田蛇笏 霊芝
餅花のあればさはらずにはおかじ 辻桃子
餅花のかんざしめきてさされたる 下村梅子
餅花のさきの折鶴ふと廻る 篠原梵 雨
餅花のずずと垂れたる家居かな 嶋田麻紀
餅花のたまゆら日ざし雪の国 西村公鳳
餅花のともし火春となりにけり 広江八重桜
餅花のなだれんとして宙にあり 栗生純夫
餅花のまことしやかに枝垂れたる 三村純也
餅花の一つがおつる夜の畳 小川ユキ子
餅花の一枝離れし影のあり 大久保橙青
餅花の下より外に寝ぬ子かな 石川笑月
餅花の壁影消して人立てり 西山泊雲 泊雲句集
餅花の奥の音なる時計かな 高田瓜鯖
餅花の小枝を折りて別れけり 黒田杏子
餅花の影のやさしき枝垂れかな 猪俣千代子 秘 色
餅花の影ふりかぶる法師かな 下村槐太 天涯
餅花の念仏やからだ軽くなる 内田秀子
餅花の揺れて賽の目替りけり 白岩 三郎
餅花の日や止り木に振りの客 宮坂静生 樹下
餅花の枝垂れて髪にかかりけり 勝又一透
餅花の枝皆立ちていさぎよし 松藤夏山 夏山句集
餅花の柱は湯気のよりどころ 能村登四郎
餅花の燦爛として咳きにけり 細川加賀 生身魂
餅花の百花開けば百の鬱 小泉八重子
餅花の街銭湯の残りをり 中村佐一
餅花の見ゆる赤子を抱きにけり 大峯あきら 宇宙塵
餅花の賑やかに垂れ静もれる 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
餅花の賽は鯛より大きけれ 高浜虚子
餅花の軒端はなやぐ京菓子司 丸山不二子
餅花の部屋に通すは母の客 今井つる女
餅花の高々とある炬燵かな 高浜虚子
餅花は女ごころのごと揺れて 保坂伸秋
餅花も子規全集もひとつ書架 宮坂静生 春の鹿
餅花をつくる遠嶺のよく見えて 佐川広治
餅花を今戸の猫にささげばや 芥川龍之介 澄江堂雑詠
餅花を吊り石臼をかくしたり 萩原麦草 麦嵐
餅花を天井高く喫茶店 浅見咲香衣
餅花を揺らせし影の鎮もりぬ 稲畑汀子
餅花を真中に置き顔華やぐ 細見綾子
餅花を見上ぐるたびに華やぎて 細見綾子(1907-97)
餅花を隅に垂らして飾窓 高濱年尾 年尾句集
餅花を飾り仏蘭西料理店 富田佐恵子
餅花を飾れば書屋山家めき 山口青邨
いくさの夜繭玉しかと数へらる 萩原麦草 麦嵐
うちかたげ行く繭玉摶つよ 梅林句屑 喜谷六花
一つづゝ繭玉冷ゆる夜の障子 萩原麦草 麦嵐
一盆のこぼれ繭玉松すぎぬ 皆吉爽雨
三人は家族の初め団子花 上田日差子
三日月を見てきて繭玉の下に坐す 永井龍男
並び寝の夜の繭玉が鳴り合へり 萩原麦草 麦嵐
人混みに買ひし繭玉庇ひ行く 小野寺信一郎
仲見世の空の明るき団子花 黒米満男
吉田屋も繭玉垂れぬ初芝居 水原秋櫻子
団子花つぶらに枯れて*もがれけり 石原舟月 山鵲
妓の部屋の繭玉のこし飾取る 佐賀白梅
山の子と繭玉吊りて教師なり 和田 和子
山深く繭玉となす餅搗けり 大石悦子 群萌
川風に繭玉の揺れ演舞場 安江眞砂女
延べし手に触れ繭玉の音かすか 木村 風師
急に点く灯に繭玉が影そろへ 檜 紀代
旧正の繭玉残しありし庵 高濱年尾 年尾句集
時計いま十二時うてり繭玉に 久保田万太郎 草の丈
枝に刺す繭玉のまだ湯気立てて 浅見さよ
水木の枝くれなゐさやに繭玉を 小松崎爽青
繭玉にはげしき風の手に重き 阿部みどり女
繭玉にはなやぎ降れり窓の雪 星野立子
繭玉にはら~と行く炉火埃 星野立子
繭玉にふれて親しき眉の端 石寒太 炎環
繭玉に宵の雨音籠りけり 永井東門居
繭玉に寝がての腕あげにけり 芝不器男(1903-30)
繭玉に恵那の風花市ひらく 水谷晴光
繭玉に晴れぬく空のひかりかな 久保田万太郎 草の丈
繭玉に残りて久し夜半の地震 根岸善雄
繭玉に燈明の炎を感じけり 飯田蛇笏 霊芝
繭玉に繭玉の影添ひ流れ 大橋敦子 匂 玉
繭玉に肩たたかれぬ遠野入 小島健 木の実
繭玉に金色の風ゆらぎ立つ 横光利一
繭玉のおもちやづくしや揺れて居り 下田実花
繭玉のおもひおもひの枝ながら 後藤夜半 底紅
繭玉のかげ濃く淡く壁にあり 高浜年尾
繭玉のしだれて触るる夢二の絵 芝山喜久子
繭玉のすぐ揺るる枝の決りをり 後藤比奈夫 金泥
繭玉のちらと揺れたる揺れはじむ 嶋田一歩
繭玉のときめく香を*たきにけり 後藤夜半 底紅
繭玉のふれゆく音の白障子 中山純子 沙 羅以後
繭玉のもとに酒酌む泊りかな 高濱年尾 年尾句集
繭玉のゆるるほど炉火あがりけり 石原八束 雁の目隠し
繭玉のよく揺るるものを見てゐたり 波多野爽波 鋪道の花
繭玉の下に赤児を寝かせ置く 野崎ゆり香
繭玉の中に真赤な大きな玉 京極杞陽 くくたち上巻
繭玉の乾びし音をはづすなり 綾部仁喜 寒木
繭玉の呉服売場にしだれけり 今泉貞鳳
繭玉の寡なからざる黄の世界 後藤夜半 底紅
繭玉の彩淡くして僧の居間 佐野美智
繭玉の影ゆらゆらと舟箪笥 加藤三七子
繭玉の影を大きく灯しけり 佐々木 咲
繭玉の影濃く淡く壁にあり 高浜年尾
繭玉の揺るるあしたもあさつても 後藤夜半 底紅
繭玉の揺るるは喜色こぼすなり 上田五千石 風景
繭玉の揺るる間は見て遣りぬ 後藤夜半 底紅
繭玉の揺曳として挿されけり 温亭句集 篠原温亭
繭玉の数を尽くせし昔あり 馬場移公子
繭玉の枝たわわなる紅の蔵 田中由喜子
繭玉の枝を重ねてしだれけり 百合山羽公
繭玉の歩かぬに揺れ歩き揺れ 綾部仁喜 樸簡
繭玉の濃ゆしと言はで鄙びしと 後藤夜半
繭玉の灯に華やぐや飛騨格子 熊田 鹿石
繭玉の玉の百ほど生きぬかん 上村占魚 『萩山』
繭玉の珊々といふ形容に 後藤夜半 底紅
繭玉の相ゆれてゐて相うたず 村上 立石
繭玉の真下いちにち素顔にて 角川照子
繭玉の端雪嶺に触れてゐし 平原玉子
繭玉の紅うつくしや雪もよひ 角川春樹
繭玉の紅が重しと枝垂れけり 片山由美子 天弓
繭玉の紅白なにごころなく揺らす 柴田白葉女 花寂び 以後
繭玉の裾の机に筆無精 後藤夜半 底紅
繭玉の赤をつつきて退院す 石寒太 翔
繭玉も拝見をするもののうち 後藤夜半 底紅
繭玉やかかるおもひもいや遠き 瀧春一 菜園
繭玉やそよろと影もさだまらず 長谷川春草
繭玉やめでたき色の餅の白 小杉余子 余子句選
繭玉やよき隔たりに夫のゐて 深井かず子
繭玉や三日月出でし隠岐の海 藺草慶子
繭玉や両花道を駕籠と舟 千手和子
繭玉や井戸に厠に神のゐて 池田ちや子
繭玉や人のこゝろのうつくしく 久保田万太郎 草の丈
繭玉や人の立ち居に風生まれ 八染藍子
繭玉や傷兵慰問の人派手に 岸風三楼 往来
繭玉や動かして見て賑はしき 高浜年尾
繭玉や吾を一瞥の老患者 関戸靖子
繭玉や夕はやけれど灯しけり 高野素十
繭玉や天心冥むほど晴れて 鍵和田[ゆう]子 武蔵野
繭玉や少女の頃は火なく寝し 柳澤和子
繭玉や晴れまた曇るままの色 阿部みどり女
繭玉や海華やかに荒れそめて 本庄登志彦
繭玉や父を忘れし母の顔 岸田稚魚 筍流し
繭玉や赤子見てまた山畑へ 岸野曜二
繭玉や陽に愛されて玻璃戸拭く 鍵和田[ゆう]子 浮標
繭玉や霞むと見えて雪催ひ 増田龍雨 龍雨句集
繭玉や額のガラスにわが臥像 佐野良太 樫
繭玉や飴細工師の囃しゐて 原 俊子
繭玉をおろす鳥追ひの子がもどり 角川春樹 夢殿
繭玉をかかげてモンローウォークよ 仙田洋子 雲は王冠
繭玉をさすや初荷の戻り馬 三輪未央
繭玉をもたらし垂らし呉れしこと 後藤夜半 底紅
繭玉をもつて華やぐ心かな 阿部みどり女
繭玉を吊り農薬を商へり 八牧美喜子
繭玉を振つて愛想を尽かしけり 仙田洋子 雲は王冠
繭玉を炉辺にもすこし十四日 飯田蛇笏 春蘭
繭玉を結ふそこ淋しここ淋し 後藤比奈夫
繭玉を軒に鎌倉古道かな 松本澄江
繭玉飾る麓の村よ雪降り出す 村越化石 山國抄
花道の繭玉ゆらし勝力士 西村英子
蘗に吊りて繭玉鳴りいだす 萩原麦草 麦嵐
見た目より繭玉の数ありにけり 小林草吾
鉄瓶の鳴る夜繭玉ゆれてをり 原俊子
雪嶺の風繭玉に遊ぶかな 村越化石
顔よせて鏡くもりぬ団子花 新田時子
黒板に繭玉の影受験塾 沢木欣一 地聲
まゆ玉にいよ~雪ときまりけり 久保田万太郎 草の丈
まゆ玉にさめてふたゝび眠りけり 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉にまだまだつゞく人気かな 久保田万太郎 流寓抄
まゆ玉にをんな捨て身の恋と知れ 稲垣きくの 黄 瀬
まゆ玉に日々すぎてゆく日かな 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉に閉めてあかるき障子かな 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉に風出て少し曇りけり 村沢夏風
まゆ玉のいのち愛しめとしだれけり 轡田進
まゆ玉のことしの運をしだれける 久保田万太郎 流寓抄
まゆ玉のしだれにかけしねがひかな 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉のしだれのかげにひそむ神 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉のしだれのもとのよき眠り 久保田万太郎(1889-1963)
まゆ玉のしだれひそかにもつれけり 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉のもつれをみせずしだれけり 鈴木真砂女
まゆ玉のもつれ直して吊りにけり 安住敦
まゆ玉の一トすぢながきしだれかな 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉の一枝添へたり野の仏 牛山一庭人
まゆ玉の八方しだれしるこ店 龍岡晋
まゆ玉の垂れてともるを待てりけり 久保田万太郎 草の丈
まゆ玉の帳場にしだる越後かな 横山房子
まゆ玉やあはれ一人のものおもひ 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉やいま結ひあげし髪にふれ 川口咲子
まゆ玉やかたみに孫を抱き上ぐる 五十嵐八重子
まゆ玉やきのふとなりし雪げしき 久保田万太郎 草の丈
まゆ玉やこころ憂き日はかいもつれ 稲垣きくの 黄 瀬
まゆ玉やつもるうき世の塵かるく 久保田万太郎 流寓抄以後
まゆ玉やときに女の軽はずみ 稲垣きくの 牡 丹
まゆ玉やにはかにけさの雪ぐもり 久保田万太郎 流寓抄
まゆ玉やー度こじれし夫婦仲 久保田万太郎 流寓抄
まゆ玉や三枚續よみつゞけ 久保田万太郎 草の丈
まゆ玉や人のこゝろの照りかげり 久保田万太郎 流寓抄
まゆ玉や手拭の染よくあがり 龍岡晋
まゆ玉や敬語に満ちて加賀言葉 細川加賀 『傷痕』
まゆ玉をうつせる昼の鏡かな 久保田万太郎 流寓抄
めでたさは、まづ、まゆ玉のしだれより 久保田万太郎 流寓抄以後
板前の声まゆ玉の向かうより 田中芙美
コンビニの繭玉一寸つつきみぬ 高澤良一 暮津

餅花 補遺

しをりとは繭玉の枝の撓め加減 後藤比奈夫
にぎやかに繭玉垂るる陋居かな 富安風生
ぶらさがる繭玉めでた旧家とて 山口青邨
ほろ酔ひの頬に餅花うれしやな 林翔
まゆ玉にことしの塵のはやつもり 安住敦
まゆ玉に小判の重みかかりけり 安住敦
まゆ玉に浮かぶは久保田万太郎 鈴木真砂女 紫木蓮
まゆ玉に話いよ~なごむかな 鈴木真砂女 卯浪
まゆ玉のもつれをみせずしだれけり 鈴木真砂女 夏帯
まゆ玉のもつれ直して吊しけり 安住敦
まゆ玉の干割れて落つる硬き音 細見綾子
まゆ玉の灯れば数のふえし如 赤尾兜子 玄玄
まゆ玉の賑やかに垂れさびしく揺れ 安住敦
まゆ玉は枝垂るるがよし海老は撥ね 安住敦
まゆ玉やまづ真砂女来てきくの来て 安住敦
まゆ玉や家居の肩に触れては鳴り 安住敦
まゆ玉を年々吊し不肖の弟子 安住敦
まゆ玉吊つてこのさびしさは何ならむ 安住敦
ミユンヘンの酒瓶棚にあり餅花垂れ 山口青邨
万蕾のままなるがよし団子花 鷹羽狩行
乾ききる餅花を噛み路地ぐらし 佐藤鬼房
仮寐や繭玉落る夜の雨 五明
仲見世の軒に繭玉乗るゝころ 清崎敏郎
十一面さまや餅花手ちぎりに 古沢太穂 捲かるる鴎
取り敢へず置くまゆ玉を鏡の前 安住敦
吉田屋も繭玉垂れぬ初芝居 水原秋櫻子 蘆雁
団子花さびしき数に咲き満てる 上田五千石 風景
大磯人手づくり餅花もたらせり 細見綾子
天井に触れて繭玉枝を垂れ 高浜年尾
字配りのごと繭玉の玉の位置 後藤比奈夫
家の霊餅花揺りし昔かな 百合山羽公 寒雁
島原の餅花といふだけでよし 後藤比奈夫
己の年の繭玉や己の青々と 細見綾子
廊下の音繭玉サツと母戻りし 中村草田男
昨日とんど今日繭玉を作りしと 細見綾子
朝寝して餅花かざす顔の上 林翔 和紙
柝の入りてより繭玉のしづもれる 鷹羽狩行
湖のかすみを餅花の一間より 鷲谷七菜子 一盞
灯がさして餅花垂れてゐるところ 清崎敏郎
祝ぎごとの紅白づくし繭玉も 鷹羽狩行
紅白の繭玉くぐるはなやぎて(大阪、国立文楽劇場にて三句) 細見綾子
繭玉にかかる小雪や光悦寺 星野麥丘人
繭玉にへらへらうすき千両箱 富安風生
繭玉にまた赤を結ふ母のため 後藤比奈夫
繭玉に一縷の風もなき二日 鷹羽狩行
繭玉に客に四日のゆとりあり 後藤比奈夫
繭玉に燈明の炎を感じけり 飯田蛇笏 霊芝
繭玉に結ふ侘の色寂の色 後藤比奈夫
繭玉のいつもどこかか物足らず 後藤比奈夫
繭玉のいまを揺れたいこころもち 後藤比奈夫
繭玉のおもひおもひの枝ながら 後藤夜半 底紅
繭玉のかげのゆれゐる暖爐かな 百合山羽公 春園
繭玉のさくら色より明けにけり 三橋鷹女
繭玉のときめく香を*たきにけり 後藤夜半 底紅
繭玉のねてゐてみえるにも飽きつ 篠原梵 年々去来の花 皿
繭玉のやさしさをふともて余す 後藤比奈夫
繭玉のよく揺るるものを見てゐたり 波多野爽波 鋪道の花
繭玉の下に足尾の酒ほがひ 平畑静塔
繭玉の下父の春母の春 後藤比奈夫
繭玉の中の過去美しき色 後藤比奈夫
繭玉の宝づくしの影と影 鷹羽狩行
繭玉の寡なからざる黄の世界 後藤夜半 底紅
繭玉の揺るるあしたもあさつても 後藤夜半 底紅
繭玉の揺るるは喜色こぼすなり 上田五千石 風景
繭玉の揺るる間は見て遣りぬ 後藤夜半 底紅
繭玉の揺れしづまるを影も待つ 鷹羽狩行
繭玉の揺れては応へをりにけり 後藤比奈夫
繭玉の揺れて淋しいときのあり 後藤比奈夫
繭玉の揺れねばならぬゆゑ止る 後藤比奈夫
繭玉の枝を重ねてしだれけり 百合山羽公 春園
繭玉の濃ゆしといはで鄙びしと 後藤夜半 底紅
繭玉の玉の百ほど生きぬかん 上村占魚
繭玉の珊々といふ形容に 後藤夜半 底紅
繭玉の白のうしろの襖の白 後藤比奈夫
繭玉の紫ふやす他意なかり 後藤比奈夫い
繭玉の裾の机に筆無精 後藤夜半 底紅
繭玉の赤がこぼれてめでたしや 高野素十
繭玉の金は粟団子鉄は蕎麦団子 山口青邨
繭玉の鏡にひびく光りあり 飯田蛇笏 白嶽
繭玉の風もあらぬに揺るるかな(大阪、国立文楽劇場にて三句) 細見綾子
繭玉は夜中に割れて落つるもの 細見綾子
繭玉は結ひて言葉は綴りけり 後藤比奈夫
繭玉も拝見をするもののうち 後藤夜半 底紅
繭玉やかへりみて今揺れてをり 加藤秋邨
繭玉や今宵の空は星吊りて 中村草田男
繭玉や仰向にねて一人見る 正岡子規 繭玉
繭玉や伽羅の油がにほふ髪 日野草城
繭玉や動かして見て賑しき 高浜年尾
繭玉や夕はやけれど灯しけり 高野素十
繭玉や店ひろ~と船問屋 村上鬼城
繭玉や東風に吹かるゝ店の先 正岡子規 繭玉
繭玉や父を忘れし母の顔 岸田稚魚 筍流し
繭玉をいとほしみ見る酔余の眼 林翔
繭玉をかへりみる髱大いなる 日野草城
繭玉をはやばやと垂れ納め寄席 清崎敏郎
繭玉をもげばかならず母在りき 加藤秋邨
繭玉をもたらし垂らし呉れしこと 後藤夜半 底紅
繭玉をもたらす大磯海辺より 細見綾子
繭玉を作る用意の玉揃ヘ 高浜年尾
繭玉を手にせり蜑が辻佛 水原秋櫻子 晩華
繭玉を炉辺にもすこし十四日 飯田蛇笏 春蘭
繭玉を結ふそこ淋しここ淋し 後藤比奈夫
繭玉を見しかんばせの戻りけり 日野草城
肩にふれ髪にもふれて繭玉や(大阪、国立文楽劇場にて三句) 細見綾子
背伸びして結ひて繭玉美しき 後藤比奈夫
花餅といひ餅花を一歩出づ 後藤比奈夫
花餅の赤に焦がるる緑かな 後藤比奈夫
花餅の飛騨の赤また美濃の赤 後藤比奈夫
花餅の餅の赤の枝緑の枝 後藤比奈夫
花餅や美濃の白鳥山深き 後藤比奈夫
藪入に餅花古りて懸りけり 前田普羅 普羅句集
街並は繭玉さして遊行寺に 山口青邨
頬に餅花吊りておどけて元日なり 伊丹三樹彦
飛騨に帰りて餅花の下畏れ 平畑静塔
餅花にとびつく猫や玉の春 正岡子規 初春
餅花にはげしくふるる人のあり 山口青邨
餅花にまじる草色にぎにぎし 古舘曹人 樹下石上
餅花によし野を登る二階かな 中川乙由
餅花にをりふしひびく古風鈴 飯田龍太
餅花に入日の絡みつきてをり 波多野爽波
餅花に安らけき世のつづくなり 松崎鉄之介
餅花に宿坊の炉のけむり絶ゆ 飯田蛇笏 霊芝
餅花に朝の時計やかちかちと 阿波野青畝
餅花に灯シ隈なき大廈かな 西島麦南 人音
餅花に生後七日の眼をひらき 上田五千石『天路』補遺
餅花に畳あをあを匂ひけり 加藤秋邨
餅花に集ふ過客と思ひつつ 後藤比奈夫
餅花に髪ゆひはえぬ山家妻 飯田蛇笏 霊芝
餅花のさきの折鶴ふと廻る 篠原梵 年々去来の花 雨
餅花のしだるる中の一つ撥ね 鷹羽狩行
餅花のちらかる花の影を掃く 鷹羽狩行
餅花の一つ一つの柔かさ 富安風生
餅花の一枝かなしき孤高あり 山口青邨
餅花の一枝を結へり書庫の扉も 山口青邨
餅花の一枝穂庵の富士に刎ね 山口青邨
餅花の中に沈めり朱熹の額 山口青邨
餅花の乾きて割れて落つる音 細見綾子
餅花の凍てて落つるや少なからず 松本たかし
餅花の小判動かず國の春 正岡子規 国の春
餅花の小楢の枝の山繭よ 山口青邨
餅花の影そへばあはれいや深く 山口青邨
餅花の影とさゆらぐ乳兄弟 能村登四郎
餅花の影ふりかぶる法師かな 下村槐太 天涯
餅花の指に忘れぬ乳房かな 晩得 哲阿弥句藻
餅花の果はしだるゝ柳哉 露川
餅花の枝の上なる遺影かな 鷹羽狩行
餅花の柱は湯気のよりどころ 能村登四郎
餅花の満開壁の影も花 鷹羽狩行
餅花の源平咲きにして揺れず 鷹羽狩行
餅花の繭玉の影繭とならぬ 山口青邨
餅花の花の混みゐるしだれかな 上田五千石『風景』補遺
餅花の落ちて穢となる青畳 鷹羽狩行
餅花の餅多ければ雪の如し 山口青邨
餅花もちるやこれから朧月 露川
餅花をうち垂らしたり人しづか 山口青邨
餅花をかつぎてすこし酔ひけらし 山口青邨
餅花をがつきと結はへ床柱 山口青邨
餅花をけふや宰府の神のぬさ 野々口立圃
餅花を咲かせ根おろす太柱 能村登四郎
餅花を挿してより夜の濃くなれり 細見綾子 虹立つ
餅花を揺らせし影の鎮もりぬ 稲畑汀子
餅花を真中に置き顔華やぐ 細見綾子
餅花を花火ちらしに加賀の国 鷹羽狩行
餅花を見上ぐるたびに華やぎて 細見綾子
餅花を飾れば書屋山家めき 山口青邨

以上

by 575fudemakase | 2017-03-17 06:56 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
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[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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