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初釜 の俳句

初釜 の俳句

初釜

例句を挙げる。

初点前ゆたかに膝をまはしけり 森澄雄
初点前祖母の帯地の出し袱紗 吉川与音
初釜にまがる小袖の梅小紋 今井つる女
初釜にスカート緑濃き乙女 百合山羽公 故園
初釜に侍すや故山の風の音 大串 章
初釜に孔雀天目初使ひ 下村ひろし 西陲集
初釜に座して少年まばたける 原田喬
初釜に招かれ月日動き出す 山田弘子 こぶし坂
初釜のこゝろつもりの庭掃除 福田繁子
初釜のたぎちはげしや美女の前 西東三鬼
初釜のはやくも立つる音なりけり 安住敦
初釜のやがて鳴るべき時来たり 高浜年尾
初釜の一と言ふ軸めでたけれ 五十嵐みつ子
初釜の初雪となり戻りけり 伊東余志子
初釜の幾たりか妻となり母となり 遠山弘子
初釜の座を改めて歌留多とる 宇野 氷露子
初釜の懐紙に咲ける菓子椿 細谷鳩舎
初釜の炉に太き炭一文字 佐野美智
初釜の炭を洗ひし日和かな 飯田 法子
初釜の炭火をわたる山の色 森句城子
初釜の瑕も音生むよき古び 加藤知世子 花寂び
初釜の用意の炭を洗ひ置く 三宅節子
初釜の花びら餅の紅明り 村上洋子
初釜の薄雪を踏みお正客 佐野美智
初釜の音色に力もらひけり 北光星
初釜へおろしぞめなる草履かな 近藤 紀代女
初釜やきらきらとして松の塵 奥坂まや
初釜やわれを師とよぶ十余人 及川貞
初釜や傘寿の衿を純白に 及川貞
初釜や友孕みわれ涜れゐて 八木三日女 紅 茸
初釜や嫁ぐ日近き人も居て 菅沢泰子
初釜や客としいふも夫ひとり 白石千鶴子
初釜や朝よりつゞく細雪 佐々登良
初釜や目に入るもののみな青く 渡辺千代
初釜や着物に似合ふ京ことば 沢村越石
初釜や花びら餅のうすくれなゐ 伊東余志子
初釜や茶筅にのこるうすみどり 中村みづ穂
初釜や雪に遅れて来し夫人 宮下翠舟
初釜や鹿も顔出す躙口 谷 陽右
初釜をかるく万朶の露を汲み 栗生純夫 科野路
師のつよき袱紗さばきや初点前 沢田しげ子
桜貝の如き耳してお初釜 青野きみ
瑞気とはこれ初釜を昇る湯気 山口誓子
菓子の名は下萌といふ初点前 片山由美子 風待月
足袋堅く爪先へ気や初点前 牧野寥々
雲ありてこその青空初点前 綾部仁喜 樸簡
美しき火を古色とも釜始 上田五千石
蓋置に青竹切りつ釜始 橋本雪後
機糸に屑繭引くや釜始め 倉田萩郎
うらわかき膝しづまれり初茶の湯 石田波郷
ふるさとの花の干菓子や初茶の湯 村山古郷
初茶の湯あめつち結ぶ柳かな 高林とよ子
初茶の湯名器の箱の紐を解く 滝 峻石
初茶の湯鏡花にちなむ菓子添へて 大島民郎
吾れひとり家風を継ぎて初茶湯 松原文子
松籟に日の影しばし初茶の湯 宮武寒々 朱卓

初釜 補遺

ひよどりは樟にゐるらし釜始 星野麥丘人 2002年
ふるさとの花の干菓子や初茶の湯 村山故郷
みちのくの南部の音や釜始 阿波野青畝
初点前ゆたかに膝をまはしけり 森澄雄
初点前貴人に作法なしとせし 平畑静塔
初茶の湯にて洋装の膝頭 山口誓子
初茶の湯ホテルの煖房茶室まで 山口誓子
初茶の湯心鎮まる紺絨毯 山口誓子
初茶の湯炉よりきらきら火の粉飛ぶ 山口誓子
初茶の湯紅袴の巫女が運び来し 山口誓子
初茶の湯結び柳の真ん円く 山口誓子
初茶の湯茶筅細かく回し始む 山口誓子
初茶の湯運ぶ八等身女性 山口誓子
初茶の湯障子のみにて寒さ堰く 山口誓子
初釜にスカート緑濃き乙女 百合山羽公 故園
初釜に参りて田居の雁をききぬ 水原秋櫻子 雪蘆抄
初釜のもつとも厚き妻の膝 森澄雄
初釜の人に背を向く飾り海老 山口誓子
初釜の松籟奏でそめにけり 森澄雄
初釜の湯気の白さを吉とせむ 鷹羽狩行
初釜の湯気を封ぜし鉄の蓋 山口誓子
初釜は裏千家山門に菊の紋 山口青邨
初釜や木根には犬の尿あと 波多野爽波
名水の湧きてあふるる初茶の湯 山口青邨
天井にまで初釜の湯気昇る 山口誓子
怺へゐし湯気初釜の蓋取れば 山口誓子
散じたる席の初釜鳴りつづく 平畑静塔
曲直を示す柱に初茶の湯 阿波野青畝
瑞気とはこれ初釜を昇る湯気 山口誓子
畳の目かくも細かき初茶の湯 山口誓子
美しき火を古色とも釜始 上田五千石『風景』補遺
老いの耳初釜の湯気聞きすます 平畑静塔

以上

by 575fudemakase | 2017-03-18 04:34 | 新年の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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