初湯 の俳句

初湯 の俳句

初湯

例句を挙げる。

いちどきに孫三人が初湯かな 静 良夜
からからと初湯の桶をならしつつ 高浜虚子
これやこの初湯の蓋をまだとらず 久保田万太郎 流寓抄
たのめなきふぐりを拭きし初湯かな 角川春樹
てのひらの艶をたのめる初湯かな 能村登四郎(1911-2002)
にぎやかな妻子の初湯覗きけり 小島健(1946-)
はるかなる旅のここちの初湯かな 長谷川櫂 虚空
ひとの陰(ほと)玉とぞしづむ初湯かな 阿波野青畝(1899-1992)
べつ甲の耳掻使ふ初湯あと 下村ひろし 西陲集
まぎれなく青年となり初湯かな 長谷川櫂 蓬莱
みかん山映る初湯に入りけり 田中冬二 俳句拾遺
みどり児の喃語に応ふ初湯かな 山崎千枝子
めでたさは初湯まづわきすぎしかな 久保田万太郎 流寓抄
ゆくりなく夜ふかむ旅の初湯かな 石原舟月
わが焚きてわが初風呂としたりけり 中村春逸
わらんべの溺るゝばかり初湯かな 飯田蛇笏 霊芝
一病のかげりある身の初湯かな 登四郎
一硯を伴ひたりし初湯かな 相生垣瓜人
丸一の小仙にあひし初湯かな 龍岡晋
予後の母いたはり入るる初湯かな 館岡沙緻
介添の娘の溢れしむ初湯かな 平尾みさお
介添もいらぬ初湯の母八十路 民郎
初湯かな湯の花すくふたなごころ 加吉宗也
初湯してうすぼんやりとおもふこと 高澤良一 素抱
初湯してともかくもけふからと思ふ 金田咲子 全身 以後
初湯して古里は水やはらかき 大石暁座
初湯して江戸の鴉もオノマトペ 筑紫磐井 花鳥諷詠
初湯して瞑れば遠き山河あり 鷲谷七菜子
初湯して考えごとは何だっけ 高澤良一 随笑
初湯して身のあからむもたのもしき 能村登四郎 菊塵
初湯せる赤子もつべきものを持ち 本宮鼎三
初湯にて初湯ぼこりをしたりけり 相生垣瓜人 明治草抄
初湯の児足裏赤くやはらかし 阿部左多子
初湯よし林檎のかおりそこはかと 増田手古奈
初湯より呼ぶ父の声今も聞ゆ 田川飛旅子 『山法師』
初湯より子を抱き上げてぽつかり穴 今瀬剛一
初湯中黛ジユンの歌謡曲 京極杞陽
初湯出し肉湯気をはなちけり 飯田蛇笏 霊芝
初湯出し胸板赤き妻の父 辻田克巳
初湯出し裸に遠い河口の照り 松根久雄
初湯出し鉄工あかし鉄の間に 波郷
初湯出てかるたの客を待つばかり 五十嵐播水 播水句集
初湯出てこゝろ忙しく戻りけり 高橋淡路女 梶の葉
初湯出てしばらく神と近くゐる ほんだゆき
初湯出てまた小説の世にもどる 大島民郎
初湯出てももいろ童女走りくる 白岩 三郎
初湯出て初湯を道に撒ける海女 鷹羽狩行
初湯出て少しよろけて衣を着けし 小出秋光
初湯出て窮巷ながら空青し 碧童
初湯出て臍もまたたくことをせし 野中 亮介
初湯出て赤子の拳ほどけけり 藤田郁子
初湯出て鏡台まぶしく吾に向く 菖蒲あや 路 地
初湯出て青年母の鏡台に 鷹女
初湯出でて青年母の鏡台に 三橋鷹女
初湯出で青きを保つ百合の芯 野沢節子
初湯揺れ小痣浮くかに悔一つ 香西照雄 対話
初湯殿ふぐりすうすうしたりけり 高澤良一 寒暑
初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり 阿波野青畝(1899-1992)
初湯殿母をまるまる洗ひけり 大石悦子 百花
初湯浴ぶからすの行水始めなり 高澤良一 随笑
初湯浴ぶ天の岩湯のここちかな 長谷川櫂 虚空
初湯浴ぶ熱きは痒きことと知る 高澤良一 随笑
初風呂にひろげて花のタオルかな 千手 和子
初風呂に富士の岩石沈めゐる 赤尾恵以
初風呂に我が行く末を思ひつゝ 酒井澄子
初風呂に我もこみ合ふ一人哉 初子
初風呂に浸りてをりて寿 忽那文泉
初風呂に胎児うごきてあふるる湯 古堅蒼江
初風呂の十六貫はまだ老いず 原 赤松子
初風呂の子に割込みてなに話さむ 太田土男
初風呂の檜匂へり嬰を抱く 佐藤淑子
初風呂の煙ゆたかにあげにけり 蓬矢
初風呂へ産子をつつむましろにぞ 下村槐太 天涯
初風呂やこの痩身のよくもつよ 奈良文夫
初風呂やつきせぬながれ清元の 泉鏡花
初風呂や吾子の小さき力瘤 井出真理子
初風呂や常は見ぬ掌の裏表 会田弘子
初風呂や父の次には男の子 立子
初風呂や胸沈め得ぬ病もち 石川桂郎 四温
初風呂や臍のくぼみのはるかなり 玉城一香
初風呂をすこし賢くなりて出る 能村登四郎
初風呂を少し熱しと思ひつつ 菅井たみよ
刺墨の竜の背と合ふ初湯かな 西村 旅翠
去年よりの雪小止みなき初湯かな 久保田万太郎 流寓抄以後
命長き人に逢ひたる初湯哉 尾崎紅葉
四十過ぐ底浅き湯を初湯とし 桂信子 花寂び 以後
坑夫等の声大いなる初湯かな 牛島 清治
夫初湯何やら唄も聞え来る 松本喜美
夫在りしごとく初湯の加減見て 堀恭子
妓一妓二かくて初湯の化粧かな 渥美渓月
妻や子や初湯貰ひし薄化粧 月二郎
子の臀の肥ゆるばかりの初湯かな 杉山 岳陽
山の湯を初湯にひとつ年とれり 宮津昭彦
底浅き湯槽に浸りゐて初湯 内田安茂
庭の松焚きかぐはしき初湯かな 青邨
庵の井の水やはらかき初湯かな 風生
我年に母吾を産みぬ初湯浴み(三十二歳となる) 『定本石橋秀野句文集』
新しき鏡に見られ初湯かな 西山輝子
旅ころもすなはちぬいで初湯かな 爽雨
日のさしてあふれこぼるゝ初湯かな 高橋淡路女 梶の葉
朝の日を溶かしてをりし初湯かな 弓木和子
柔肌と石と触れたる初湯かな 阿波野青畝(1899-1992)
棕櫚の木に風のでてゐる初湯かな 藤田あけ烏
江戸住みは我々しきも若湯かな 一茶
浜づたひ杓さげてゆく初湯かな 泊月
海うつる鏡あふいで初湯かな 皆吉爽雨
深々と初湯の髪膚毀傷なき 水原春郎
減塩も減量も無理初湯かな 草間時彦
湯の花をたつぷり入れて初湯とす 後藤澄子
潮灼けの海士の顔浮く初湯かな 古畑丁津緒
煩悩と脂肪落とせず初湯かな 福永直子
父と子の心ほぐるる初湯かな 太田 研二
生涯や初風呂にいま目をつむり 森澄雄
男湯の初湯に白し女の子 為王
町ははや初湯の太き煙上げ 中村汀女
痩躯笑ひあへば初湯の溢るるも 肥田埜勝美
眉剃りて妻の嬉々たる初湯かな 飯田蛇笏 山廬集
立ちて受くる青年の礼初風呂に 岸風三樓
竹の榾一節はぜし初湯かな 三宮 美津子
老身の融けも了らむ初湯かな 相生垣瓜人 明治草抄
肥りしよ肩より初湯あふれしめ 沖田佐久子
胎水に浮くやすけさの初湯かな 吉野義子
脇壺に/泣いて/若湯に/唄ふかな 林桂 銀の蝉
脱ぎ捨てし儘初風呂の匂ひかな 淺賀穀象虫
臍掻いて入る熱好きの初湯かな 能村登四郎 菊塵
花柄のタオルを胸に初湯かな 館岡沙緻
茜さす鎌倉殿の湯に初湯 茂里正治
蓋取れば初湯なるかな沸き足りて 裸馬
谷中路地初湯出て来し嬰に会ふ 奈良文夫
赤松に風の出てゐる初湯かな 藤田あけ烏
赤煮えの蜑が初湯を出て歩く 静塔
起きぬけを出て磧湯に初湯かな 高濱年尾
足入れて二揺一揺初湯かな 安東次男 昨
身をはなれふぐりの遊ぶ初湯かな 原田喬
隣家の庭もとぼしくて初湯せり 金田咲子 全身 以後
雪嶺に礼し初湯に入りにけり 柳澤和子
雲水の初湯当番玉襷 静雲
青年が湯壺へどんと初湯波 高澤良一 寒暑
顎浸けて初湯の沖をみはるかす 上田五千石
江戸住みは我々しきも若湯かな 一茶
脇壺に/泣いて/若湯に/唄ふかな 林桂 銀の蝉
初湯舟湯口近くに身を沈め 高澤良一 寒暑
ほうと息大きくついて初湯舟 高澤良一 寒暑
湯の里に遊ぶ正月湯三昧 高澤良一 寒暑
山の温泉(ゆ)に骨抜きとなる三ケ日 高澤良一 寒暑
初湯舟五體の透けて桧いろ 高澤良一 寒暑
うろ覚え唱歌張り上げ初湯殿 高澤良一 石鏡

初湯 補遺

おもむろに老医初湯を出で来たる 飯田龍太
ざぶと入る初湯胸うつかへし波 能村登四郎
しかすがに煌やかなる初湯かな 相生垣瓜人 負暄
しづしづと身を沈めたる初湯かな 鈴木真砂女 紫木蓮
てのひらの艶をたのめる初湯かな 能村登四郎
ひとの陰玉とぞしづむ初湯かな 阿波野青畝
わらんべの溺るゝばかり初湯かな 飯田蛇笏 霊芝
一人にも湯気たちのぼる初湯かな 鈴木真砂女 紫木蓮
一病のかげりある身の初湯かな 能村登四郎
一硯を伴ひたりし初湯かな 相生垣瓜人 負暄
任のまゝ生きて帰りし初湯かな 小林康治 四季貧窮
初湯してさきゆき凡そ知られたる 安住敦
初湯して身のあからむもたのもしき 能村登四郎
初湯して陰の白毛も寿 森澄雄
初湯とて肌沁む新湯よかりけり 能村登四郎
初湯にてわれも世に古り手毬唄 森澄雄
初湯にて初湯ぼこりをしたりけり 相生垣瓜人 明治草抄
初湯にて稍感慨を催せり 相生垣瓜人 負暄
初湯には酔ふ事のあり気を付けむ 相生垣瓜人 負暄
初湯より立つ一決意俄なる 能村登四郎
初湯出し機嫌かくせず座にまじる 中村汀女
初湯出し肉湯気をはなちけり 飯田蛇笏 霊芝
初湯出し色香を忘じ得ざりけり 飯田蛇笏 家郷の霧
初湯出ていま豊満の一瞬時 森澄雄
初湯出て初湯を道に撒ける海女橋閒石 鷹羽狩行
初湯出て草木染着る嫗かな 秋元不死男
初湯出て青年母の鏡台に 三橋鷹女
初湯子の髪まづしけど梳る 伊丹三樹彦
初湯揺れ小痣浮くかに悔一つ 香西照雄 対話
初湯殿卒寿のふぐり伸ばしけり 阿波野青畝
初風呂にまだ泳げると泳ぎけり 能村登四郎
初風呂の煙突が吐く火の粉かな 日野草城
初風呂の熱きに雪を掬ひけり 三橋鷹女
初風呂の顔に藻抜けの空のいろ 飯田龍太
初風呂へ産子をつつむましろにぞ 下村槐太 天涯
初風呂や胸沈め得ぬ病もち 石川桂郎 四温
初風呂や親に似ぬ嫌と谺船れて 鈴木真砂女 紫木蓮
初風呂をすこし賢くなりて出づ 能村登四郎
初風呂を出しくれなゐの襦袢かな 三橋鷹女
初風呂を娘の家に貰ひけり 飯島晴子
厚き葉の鉢植ならべ初湯殿 鷹羽狩行
去年よりも肥えたるここち初湯出て 能村登四郎
君ら健やか獄の初湯を詩につゞり 能村登四郎
坐右に置くしやぼん滑りし初湯かな 阿波野青畝
壮大なる俘虜が初湯におぞましや 平畑静塔
姑に手を貸して初湯でありしかな 稲畑汀子
姑の背を流す初湯の加減あり 稲畑汀子
嬰児が笑ふ初湯をあふらせよ 有馬朗人 母国
庭の松焚きかぐはしき初湯かな 山口青邨
庵の井の水やはらかき初湯かな 富安風生
弛みなき四肢よふぐりよ初湯出づ 上村占魚
我年に母吾を生みぬ初湯浴み 石橋秀野
投ずれば軽石が浮く初湯かな 阿波野青畝
明けまして初湯の煙たてはじめた空 荻原井泉水
曙色となり若者の初湯出づ 能村登四郎
柔肌と石と触れたる初湯かな 阿波野青畝
水かけ祭家毎に沸く初湯かな 松崎鉄之介
水成岩吾の初湯に揺れにけり 阿波野青畝
江戸住は我々しさも若湯かな 一茶 八番日記
減塩も減量も無埋初湯かな 草間時彦
湯の花を撒き色変る初湯かな 阿波野青畝
湯をかけて鏡を拭ふ初湯かな 鷹羽狩行
湯をつかふ音もときめく初湯かな 日野草城
火の山の懐ふかき初湯かな 飴山實 花浴び
生娘の五体全き初湯中 飯田龍太
痩身にして初湯をあふれさす 能村登四郎
眉剃りて妻の嬉々たる初湯かな 飯田蛇笏 山廬集
真水うまし井戸水旨し初湯あと 林翔
老身に初風呂の湯の狎々し 相生垣瓜人 負暄
老身の融けも了らむ初湯かな 相生垣瓜人 明治草抄
老身を仄めかしむる初湯かな 相生垣瓜人 負暄
臍掻いて入る熱好きの初湯かな 能村登四郎
自づから鼻唄のとぶ初湯かな 阿波野青畝
赤煮えの蜑が初湯を出て歩く 平畑静塔
起きぬけに初湯の蛇口ひねりけり 鈴木真砂女 紫木蓮
身にひそむ気の充ちゆきて初湯かな 桂信子 花影
追ひ焚きの初湯しんまで温まり 鷹羽狩行
鉄の間に鉄工の初湯かくれなし 石田波郷
鉢の観葉あをあをと初湯殿 鷹羽狩行
鏡中に剃り顎青き初湯かな 飯田蛇笏 山響集
顎浸けて初湯の沖をみはるかす 上田五千石 琥珀

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 04:27 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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