山始 の俳句

山始 の俳句

山始

例句を挙げる。

ひとすぢの高き煙りや山始め 松村蒼石 露
ひと燃やし初山けむりいちはやく 飯田蛇笏 春蘭
みささぎにつづくかしこさ山始 亀井糸游
わが影の木々に睦みて山始め 加藤憲曠
一打の手斧始めや木工頭 玉越琅々
一瀑のしづかに懸り山始 大峯あきら
初山のけふも人焼く遠けむり 西島麦南
初山の一岩塊ぞ風起す 下田稔
初山の朝空雪を散らしけり 松本随処
初山の杣は神話をいまも持つ 木村蕪城 寒泉
初山の神に斎きて石を切る 児玉 菊比呂
初山へ小学校を通り抜け 山本洋子
初山へ翁城山へ旅われら 亀井糸游
初山やちらぬ花ふむかた車 井原西鶴
初山や斧ふるふ下の湖晴るる 山田梅屋
初山や木の倒されて谺生む 本多一藻
初山や高く居て樵る雲どころ 飯田蛇笏 山廬集
初山祭の宵ぬらす雨絵燈籠 荒井正隆
城普請手斧始に参りけり 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
天彦呼びに山彦駈くる斧始 大野せいあ
女房の提げし包や山始 斎藤雨意
山始めするいでたちの五六人 為成菖蒲園
山始めまさしく啼ける懸巣かな 中島月笠
山始め少し音して終りけり 大岳水一路
山始一人が谺起しけり 増井冬木
山始三輪明神は斧知らず 阿波野青畝
山始五日遊べば脚弱り 檜尾時夫
山始固く緊めある甲斐の柴 村田 脩
山始小判も掘らぬ犬連れて 龍岡晋
山始杉の挿し穂の明らめり 宮坂静生
山始饑神にと餅を投げにけり 茨木和生 倭
岨道にかゝり明けゆく山始 竹原梢梧
岩にあてしむる草鞋や山始 西山泊雲 泊雲
岩に置く山への供物山始 福山峰花
手斧始鉋なき世の宮普請 安斎桜[カイ]子
斧は子に酒壺は吾れ負ひ山始 新井不二郎
斧始め谷の魚には谷の雪 神尾久美子 桐の木
斧始外輪山へ馬つれて 大島民郎
日おもてに谺のあそぶ斧始め 木内彰志
日田杉の鉾をそろへて山始 岩崎照子
朝の間の親山影や山始 大橋櫻坡子 雨月
杉の幹見上げ打ち撫で山始 和田祥子
杣一人猿のごとく山始 居附稲声
林中に男の声透り山始 村上しゆら
柴積んでトラック出でぬ山始 長谷川かな女
棟梁の一喝手斧始めかな 兼安昭子
淋しさを卍と焚きぬ山始め 畔上幸泉
熊ゆきし跡鮮らしき山始 石井秋村
父のゐる山に立つ煙山始 清水寥人
狼の眼の狛犬や山始 鳥居雨路子
白雲をいくつか許し斧始 大峯あきら 宇宙塵
神前に手斧始めの丸太置く 宮内林童
神酒吹きて斧のくもれる山始め 藤原たかを
竹取の翁の瞳して山始 峰尾保治
第一樹東に倒し山始 穴井 研石
篁に降り込む霰山始 木村蕪城 寒泉
背山より海へひびかふ斧始 甲斐すず江
蔵王堂はるかにのぞみ山始 加藤三七子
裏山に返す谺や山始 堤俳一佳
裏谷は歯朶ばかりなり斧始 堀口星眠 営巣期
谺して男一人の斧始 川村紫陽
走り根につまづくことの山始 福永耕二
酔へば泣く杣のありけり山始め 藤原 如水
野づかさの多摩の櫟へ斧始 藤田湘子
鎌止めの初山を見て父の如し 萩原麦草 麦嵐
関兵衛といふいでたちや山始 龍岡晋
陽光へ斬り込み手斧始めかな 阿部朝子
音すべて谺となれり山始 黛執
馬の眉間の白ひとすぢや山始 小澤實 砧
鵤啼く蒼天に啼く斧始 黒田杏子 花下草上

山始 補遺

あをあをと壜酒を置き山始め 鷹羽狩行
たづさふに一升壜や山始 上田五千石『天路』補遺
ひと燃やし初山けむりいちはやく 飯田蛇笏 春蘭
初山に往き交ふふたつ斧谺 森澄雄
初山のまへの田楽つとめけり 百合山羽公 樂土
初山の天を仰げばみな倣ふ 上田五千石『琥珀』補遺
初山の杣は神話をいまも持つ 木村蕪城 寒泉
初山の頂に立つ男かな 原石鼎 花影
初山やちらぬ花ふむかた車 井原西鶴
初山や高く居て樵る雲どころ 飯田蛇笏 山廬集
山始三輪明神は斧知らず 阿波野青畝
楔もて割るものあまた山始め 鷹羽狩行
炊煙も樵初の飯場より 阿波野青畝
篁に降り込む霰山始 木村蕪城 寒泉
野づかさの多摩の櫟へ斧始 藤田湘子
雪といふ天の煤ふる斧始 上田五千石 琥珀
雲立ちの霰過ぎけり山始 岡井省二 鹿野

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 04:45 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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