読初 の俳句

読初 の俳句

読初

例句を挙げる。

「いづれの御時にか」読初をこゑに出す 上田五千石 田園
ある本の海賊版や読初 山口青邨(1892-1988)
傾倒する馬鹿一ものを読初 富安風生
創世記花文字もつて読初む 有馬朗人 知命
双六めく盲暦を読初に 野澤節子 黄 炎
呵責なき子規の歌論を読初に 斎藤節子
後醍醐の島脱けの段読初 山本杜城
旅にして西行の歌読初に 佐野美智
書見器が掴む「チボー家」読初めに 楠本憲吉
玄孫弟子亜浪序文を読初めに 高澤良一 ももすずめ
虔みて「真理先生」読初め 原田青児
虫ばめる炭俵など読初めに 四明句集 中川四明
血湧き肉おどるト伝読初めに 高澤良一 燕音
読初といへども去年の栞より 都筑智子
読初にハーン蔵書を千鳥読 平畑静塔
読初の「虚子俳話」とは虚子語録 高木晴子 花 季
読初の一書栞を深くせり 川畑火川
読初の主人編初の主婦と言はず 日野草城
読初の出雲風土記に国を恋ふ 木村蕪城 寒泉
読初の双手に重き劇作史 樋笠文
読初の口説のあたりもどかしや 大石悦子 聞香
読初の古事記は神の名を連ね 加藤安希子
読初の和漢朗詠集は春 岩崎照子
読初の天平の海広かりし 岩淵喜代子 朝の椅子
読初の娘の横顔を頼もしく 鈴木洋々子
読初の少年のわが負ひしもの 加藤楸邨
読初の島原乱史地図ひらく 河野静雲
読初の巻の十四の東歌 大石悦子 群萌
読初の張謇傅に地図添へて 田中英子
読初の心にたゝみ虚子俳話 土山紫牛
読初の撰び~し書は経 暁烏非無
読初の春はあけぼのなるくだり 下村梅子
読初の景叙して簡尽したり 荒井正隆
読初の書への抜毛はそつと吹く 林翔 和紙
読初の本の大きな活字かな 細川加賀 『玉虫』
読初の相聞訛る東歌 秋元不死男
読初の胸中熱し昭和篇 西田妙子
読初の茂吉の眼光りだす 火村卓造
読初の葩餅の由来かな 大橋敦子
読初の隣主人見ゆ庭つづき 林 翔
読初はこゑに茨木のり子の詩 江口井子
読初はアジア異母兄物語 宇多喜代子 象
読初はイソツプ童話子に聴かす 山下 佳子
読初は大和の春をたたふうた 小澤満佐子
読初は昼にしたりし夜は遊び 森澄雄
読初は父の形見の農日記 百井芳枝
読初は花鳥諷詠論序説 西村和子 窓
読初めのやがて声にす茂吉の歌 沢田幻詩朗
読初めの一気に了る戦記物 下村ひろし 西陲集
読初めの今は昔の天竺部 高澤良一 ももすずめ
読初めの大江健三郎迷路なり 沖 和子
読初めの夫に夜更けしことを告ぐ 山口波津女
読初めの突如大海原へ出づ 鷹羽狩行 平遠
読初めの蓮如上人御文章 蒲原ひろし
読初めの身を流れゆく文字のあり 今村俊三
読初めはうつすらと殺意に似たり 寺井禾青
読初めは干菓子に添ひし謂れ書 永井東門居
読初めや今中世の戦場へ 山本佳子
読初めを起点にはしるけものみち 三好夜叉男
読初やむかしサルトルいま一茶 戸丸泰二郎
読初やナイチンゲール看護論 井出富子
読初や一葉のものかかへ来て 原 阿弥女
読初や卓上白文唐詩選 高浜虚子
読初や古き季題をなつかしみ 林翔 和紙
読初や幼に文字を指にさし 中村汀女
読初や戞々として板響神 石田波郷
読初や手に馴染みたる鳥図鑑 小杉伸一路
読初や手慣れそめたる筆写本 西村和子 かりそめならず
読初や書痴といはるること甘受 深川正一郎
読初や机上白文唐詩選 高浜虚子
読初や栞代りの冬紅葉 岩田由美 夏安
読初や活字の魔性詩の魔性 宇咲冬男
読初や異宗なれども歎異鈔 景山筍吉
読初や病む子の漫画三国志 小西藤満
読初や百二十句集師賜ひて 及川貞 夕焼
読初や耕二句集を声出して 谷川典大
読初や読まねばならぬものばかり 久保田万太郎 流寓抄以後
読初や邪馬台国は謎のまま 中村明子
読初や錦古れども湖月抄 飯田蛇笏 霊芝
読初や雪墜る音のひとしきり 志城 柏
読初や露伴全集はや五巻 久保田万太郎 流寓抄
読初を聴初とせり盲の座 村越化石
酒強く恥しき歌人読初めに 矢島渚男 延年
霜、雪のごとくめでたし読初す 久保田万太郎 流寓抄以後
せがまれて字のなき絵本読始 嶋田一歩
ひらきたる扉の錆朱読始 片山由美子 天弓
われになき捨身恋歌読始め 松村多美
一二三四五六波羅蜜読始め 竹中碧水史
倫敦は巧みな宛字読始 藤田湘子 てんてん
匂ひ立つものに紙の香読始 梅田実三郎
句の丈に俯仰ひまなし読始 赤松[けい]子 白毫
子曰く孔子廟頭読始む 田中水桜
巨き手に撲たるるごとし読始 斎藤玄
座右の書兵火免れ読始 山口青邨
歳時記に載りしわが句を読始 高間礼子
狛氏の裔笛の名手と読始 辻桃子
白川静新訂字統読始 黒田杏子 花下草上
読始紙背に徹すことなくて 岡本圭岳
謹みて虚子の俳話を読始 長谷田 義人
雨も佳し芭蕉書簡を読始め 下村ひろし
頭註にひつかかりたり読始 藤田湘子 てんてん
端に日ののりて大冊読はじめ 皆吉爽雨
花鳥もて挽歌をはりぬ読はじめ 皆吉爽雨 泉声
「立子へ」の恃むくだりを読みはじむ 西村和子 かりそめならず
あづかりし学位論文読みはじむ 高崎小雨城
一事をばはげむべしとぞ読み始む 矢津 羨魚
一本を取りて直ちに読みはじむ 深川正一郎
世之介は船出するなり読み始 尾形恵以子
中国史読み初めに古稀うべなへり 杉本寛
五万分の一黒部白馬読みはじむ 黒岩有径
亡夫の書を子が読み初むる夏休 福永みち子
人住まぬ辺りの地図を読み始む 相生垣瓜人
円空の出遁読み初め「畸人伝」 高澤良一 随笑
心経に不の字無の字や読みはじむ 秋元不死男
燈火親し「臍の下谷」を読み始む 高澤良一 燕音
病みて得しいとまや吾の読み始め 塩谷はつ枝
眼に針を立つるところぞ読みはじむ 野見山朱鳥
眼をやすめやすめて句集読みはじめ 阿部みどり女
自然薯の土つく新聞読みはじむ 松本有美子
読みはじむカフカ池内紀訳 黒田杏子 花下草上
読み初めの使徒行伝へ鳥語和す 田川飛旅子
読み初めの僕発止と打て七部集 楠本憲吉
読み初めの扉や龍の一朱印 上野さち子
読み初めの横臥椿子物語 神尾久美子
読み初めの死を賭す愛の物語 楠本憲吉
読み初めの江戸下町に迷ひこむ 石川美佐子
読み初めの漂うて父母てふ語 殿村莵絲子 雨 月
読み初めの近視や細字馬太伝 平畑静塔
読み初めむ昔男の斯く斯くを 相生垣瓜人
読み初めや歳々声して創世記 及川貞
謹んで君が遺稿を読みはじむ 高浜虚子
門蛙夫読みわれも読みはじむ 及川貞 榧の實
青猫をめでゝ聖書を読み初む 飯田蛇笏 霊芝
風強きレイテ戦記を読みはじむ 黒田杏子 一木一草
香燻いて荷風日歴読み始め 阿部みどり女


読初 補遺

「いづれの御時にか」読初をこゑに出す 上田五千石 田園
「百代」のところ声にし読始 鷹羽狩行
ある本の海賊版や読初 山口青邨
いにしへの女人の嘆き読み始む 上田五千石 天路
ひもとくはピツクウイツクペーパー読始 山口青邨
俳諧にかかはらぬものを読始 富安風生
倫敦は巧みな宛字読始 藤田湘子 てんてん
傾倒する馬鹿一ものを読始 富安風生
創世記花文字もつて読初む 有馬朗人 知命
口籠りに椿の鳩や読初め 石田波郷
天金の全きを撫で読始め 鷹羽狩行
巨き手に撲たるるごとし読始 斎藤玄 狩眼
座右の書兵火免れ読始 山口青邨
旅を旅して読初の芭蕉伝 秋元不死男
書初に且つ読初に良寛詩 上田五千石 天路
猫背をりをりに正して読始め 鷹羽狩行
白き猫来て読初の膝に乗る 日野草城
眦に水仙一花読初め 上野泰
老斑の花一つ手に読初 山口青邨
読初に赤彦の歌碑ゆびなぞり 上田五千石『森林』補遺
読初のものの栞に鶴の羽 山口青邨
読初の中国五千年史厚きかな 山田みづえ 草譜
読初の主人の欠伸主婦知らず 日野草城
読初の主人編初の主婦と言はず 日野草城
読初の出雲風土記に国を恋ふ 木村蕪城 寒泉
読初の声に出でたる犬つくば 佐藤鬼房
読初の日記出たかといふ句集 後藤比奈夫
読初の書への抜毛はそつと吹く 林翔 和紙
読初の燕山夜話は禁書とて 山口青邨
読初の男が留守を預かりぬ 鈴木真砂女 紫木蓮
読初の相聞訛る東歌 秋元不死男
読初の眼の衰へは言はずけり 安住敦
読初の荷風がざんげ二、三篇 伊丹三樹彦
読初の読みて忘るる一茶集 斎藤玄 狩眼
読初は山家鳥蟲歌巻之上 佐藤鬼房
読初は思案の末の『方丈記』 桂信子 草影
読初めのその著者の寂庵を訪ふ 鷹羽狩行
読初めのポール・ギャリコの夜明かな 山田みづえ まるめろ
読初めの佳境を人に訪はれけり 鷹羽狩行
読初めの漂流物語に終始 鷹羽狩行
読初めの現となりはた夢となり 鷹羽狩行
読初めの突如大海原へ出づ 鷹羽狩行
読初やそもそも志斐の強語 阿波野青畝
読初やたまはる著書を貴しと 山口青邨
読初や古き季題をなつかしみ 林翔 和紙
読初や大草原と海を恋ひ 中村草田男
読初や山積の嶺の赤い本 山口青邨
読初や座右デイツケンスのものなどを 山口青邨
読初や束たのもしき日葡辞書 鷹羽狩行
読初や用ありて読む源氏など 山口青邨
読初や白根もみゆる窓の竹 牧童
読初や百二十句集師賜ひて 及川貞 夕焼
読初や聖書の中の花の本 山口青邨
読初や臍の緒に泣く人の文 上田五千石『天路』補遺
読初や錦古れども湖月抄 飯田蛇笏 霊芝
読初や陽をいつぱいに南縁 鈴木真砂女 都鳥
読初や青銅重き紙ナイフ 日野草城
読初や風の出て来し木々の揺れ 鈴木真砂女 紫木蓮
諳んじて読初とせし憶良かな 森澄雄
身より出でし四囲の塵掃き読初 中村草田男
配本の新古今集読み始む 上田五千石『風景』補遺
頭註にひつかかりたり読始 藤田湘子 てんてん

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 04:50 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

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単語 575筆まか勢
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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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