鏡餅 の俳句

鏡餅 の俳句

鏡餅

例句を挙げる。

いと小さき歳神さまの鏡餅 戸塚茅亭
さし覗きたる方丈に鏡餅 岩田由美 夏安
たま~に来る患者や鏡餅 五十嵐播水 播水句集
つぎつぎに子等家を去り鏡餅 楸邨
なかんづく土蔵の神への大鏡餅 長谷川素逝 村
ひび割れをうしろへ廻す鏡餅 嶋田麻紀
ひわれけり天神様の鏡餅 寺野竹湍
みづからの力に割れて鏡餅 伊藤 通明
わが闇の何処に据ゑむ鏡餅 飯島晴子
一と筵大小鏡餅並ぶ 滝沢鶯衣
一中のお家がらなり鏡餅 中村吉右衛門
一枚は大鏡餅餅莚 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
一臼は船霊さまの鏡餅 山 信夫
一茶の像ちひさしこれに鏡餅 蕪城
三方の前やうしろや鏡餅 後藤比奈夫 めんない千鳥
丸まりてまだやはらかに鏡餅 長谷川櫂 蓬莱
二タ灘の音重なれり鏡餅 栗栖恵通子
今昔のわれにも移り鏡餅 森澄雄
仮住みの書棚に飾る鏡餅 小俣由とり
伊セ海老の橙かじる鏡餅 河野静雲
伊予柑のよきを選びぬ鏡餅 三幹竹
傍観す女手に鏡餅割るを 西東三鬼
大ぶりの鏡餅来る宅急便 斉藤葉子
存在に罅が奔つて鏡餅 山本一双
定年や大きく割れて鏡餅 池田秀水
宿泊簿記す傍ら鏡餅 高澤良一 寒暑
寝所の埃蒙むらん鏡餅 滝井孝作 浮寝鳥
小舟して島の祠へ鏡餅 泊月
山の名のあるにはあるや鏡餅 斎藤隆顕
師に献ず鏡餅とて母が撫す 田子水鴨
店さきの駄菓子の中の鏡餅 奈良鹿郎
庭の松一朶は這へり鏡餅 青邨
思ひ出づる赤人にまで鏡餅 言水
悔ばかり本の谷間に鏡餅 田川飛旅子 『植樹祭』
掛軸に静の一文字鏡餅 中村嘉風
揉み叩くゐさらひ鏡餅に似て 矢島渚男 延年
文机や柚子を代りの鏡餅 石川桂郎 高蘆
東京に渇き始めた鏡餅 櫂未知子 貴族
板の間の猫の爪あと鏡餅 中拓夫 愛鷹
橙の据りがよくて鏡餅 高浜虚子
正月を出して見せうぞ鏡餅 向井去来
水垢離の水にほとびし鏡餅 塩谷はつ枝
水甕の底にまづ置く鏡餅 下村かよ子
海鳴りが罅を殖して鏡餅 池谷市江
湖のほとりの玉や鏡餅 才麿
漉槽の四隅四隅に鏡餅 金丸鉄蕉
澱みなく一日終る鏡餅 直人
火種なき父の間夜の鏡餅 雅人
玄関の一隅に書架鏡餅 関森勝夫
生きてゐしかばしろたへの鏡餅 田中鬼骨
生家すなはち終の栖家や鏡餅 下村ひろし 西陲集
白少し透きし三日の鏡餅 森澄雄
瞑らねばみえぬもの在り鏡餅 河原枇杷男 蝶座 以後
神占のごと罅はしる鏡餅 津田清子
神灯の色に染りて鏡餅 浅野京子
神託をうべなふ鏡餅の罅 静塔
種籾の俵の上の鏡餅 蒲原 ひろし
空港の管制塔に鏡餅 塩川雄三
紙漉の舟の上なる鏡餅 市川三三
罅にびくともせぬ鏡餅多子家系 狩行
罅に刃を合せて鏡餅ひらく 橋本美代子
置きてすぐまろき影添ふ鏡餅 岡本まち子
美しの宮は姫神鏡餅 石崎 晋象
老妻の今年も割りぬ鏡餅 碧童
舟に据ゑ海へ供へし鏡餅 誓子
舵を守る人のうしろに鏡餅 五十嵐播水 埠頭
蛇神の祠はみ出し鏡餅 藤原孝子
裁台に針娘等よりの鏡餅 溝越春甫
褒貶をひねり上げたり鏡餅 永田耕衣 泥ん
襖絵の一瀑緊る鏡餅 関森勝夫
親ひとり子ひとりに夜の鏡餅 飯田龍太
診療の机狭めし鏡餅 山下 公三
赤子泣く家の大きな鏡餅 鷲谷七菜子
軍神の古びるままに鏡餅 仁平勝 東京物語
野の宮のあをきたそがれ鏡餅 南部憲吉
鉱山に生れし誇り鏡餅 深見けん二 日月
鏡餅うしろの正面畏けれ 三橋敏雄
鏡餅こころの海の光るなり 鍵和田釉子
鏡餅ことし奮発したりけり 高澤良一 宿好
鏡餅しばらく紺の潮目あり 友岡子郷 未草
鏡餅つくる粉の手もみぢの手 山田 渓舟
鏡餅にレモンを据ゑて中年なり 沢木欣一 地聲
鏡餅のあたりを寒く父母の家 林 朋子
鏡餅の内なる声を聴かむとす 山田みづえ
鏡餅ばかりがしんとしてゐたり 石崎径子
鏡餅ひらくや潮の満ちきたり 林徹
鏡餅まはり明るく暮れにけり 松山足羽
鏡餅ゆるがぬままや水の中 赤尾兜子
鏡餅わけても西の遥かかな 飯田龍太
鏡餅不景気の年重ねけり 高澤良一 宿好
鏡餅丑三つどきに笑み割るる 星野石雀
鏡餅余生思ひのほか永し 松木実
鏡餅供ふ漁船の命綱 右城暮石 上下
鏡餅前山の風しづまれり 菅原鬨也
鏡餅割る手力を妻に見せ 野中春艸
鏡餅午からもまた山しづか 大峯あきら
鏡餅厠の坐りごこちかな 高澤良一 随笑
鏡餅天日かつと照らしゐる 飯田龍太 涼夜
鏡餅寒気憑きては離れては 龍太
鏡餅小さな鼾立てにけり 栗林千津
鏡餅岩にのせあり貴船道 播水
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
鏡餅据ゑても暗き納戸神 下村ひろし 西陲集
鏡餅暗きところに割れて坐す 西東三鬼
鏡餅暗闇を牛通りけり 桂信子 草樹
鏡餅本尊諸仏諸菩薩に 山口笙堂
鏡餅母在して猶父恋し 暁台
鏡餅海図の端をおさへけり 福永耕二
鏡餅湯気さめて黴喚びにけり 松村蒼石
鏡餅疎外のひびを拡げたる 有働 亨
鏡餅童女丸めて童女の丸 楠節子
鏡餅置いて正方形の部屋 黛まどか
鏡餅置き処なし本の山 田川飛旅子 『使徒の眼』
鏡餅荒山風に任せあり 石田波郷
鏡餅裂目するどくなりにけり 宮本千恵子
鏡餅鉄のごときをひらきけり 新田祐久
鏡餅鉄槌で割る勤め母 楠節子
鏡餅霰まじりの音となリ 深見けん二
長病の母さびしさや鏡餅 五十嵐播水 播水句集
門弟の名札そろふや鏡餅 吉右衛門
閨へ行くことわりを云う鏡餅 増山美島
雪明りして井戸神の鏡餅 赤石明子
露坐仏の大悲の御手の鏡餅 森桂樹楼
青黴の春色ふかし鏡餅 有風
風年や笑み割れそむる鏡餅 鬼城
風雨つき担ぐ寄進の鏡餅 新家豊子
一村を鼓でよぶや具足餅 中村史邦
具足餅由々しき影を構へたり 畑耕一 露座
我が宿の春は来にけり具足餅 上島鬼貫

鏡餅 補遺

いきいきと夜気がうごめく鏡餅 飯田龍太
いで子ども花見越れし鏡餅 半残
お茶の間やラヂオの上の鏡餅 星野立子
たちまちに闇来てつつむ鏡餅 飯田龍太
つぎつぎに子等家を去り鏡餅 加藤秋邨
なかんづく土蔵の神への大鏡餅 長谷川素逝 村
わが闇のいづくに据ゑむ鏡餅 飯島晴子
一の字に白き串柿鏡餅 山口誓子
一茶の像ちひさしこれに鏡餅 木村蕪城 一位
七曜の序は易りなし鏡餅 阿波野青畝
三方の前やうしろや鏡餅 後藤比奈夫
両眼に明らかな灯と鏡餅 廣瀬直人
丸きもの初日輪飾り鏡餅 正岡子規 鏡餅
今年また切りごろ過ぎて鏡餅 鷹羽狩行
今昔のわれにも移り鏡餅 森澄雄
佛にも机も小さき鏡餅 森澄雄
傍観す女手に鏡餅割るを 西東三鬼
光る空より授かりし鏡餅 廣瀬直人
八寸の御鏡餅は大き草の宿 山口青邨
大きくて扁平神の鏡餅 山口誓子
大挙来る鏡餅をもち切餅もち 山口青邨
女の子二人かさねや鏡餅 正岡子規 鏡餅
家々に鏡餅のみ鎮座せり 桂信子 草影
尼君のまろみに倣ひ鏡餅 鷹羽狩行
川鵜また日なかにとべり鏡餅 岡井省二 五劫集
巫女の手にありてこの世の鏡餅 飯田龍太
常搖れの船霊様へ鏡餅 三橋敏雄
庭の松一朶は這ヘり鏡餅 山口青邨
庵の春鏡餅より白みけり 正岡子規 初春
御鏡に曠古一瞬蝉しぐれ 石塚友二 方寸虚実
御鏡に松明映り冴え返る 正岡子規 冴返る
御鏡に篝火映り冴え返る 正岡子規 冴返る
御鏡の間は常に鎖す暑きけふも 山口誓子
扉より歌舞伎幕見ゆ鏡餅 水原秋櫻子 餘生
手より手に受けてまことの鏡餅 飯田龍太
文机や柚子を代りの鏡餅 石川桂郎 高蘆
日と月と重なつてゐる鏡餅 山口誓子
日の上に月を重ねて鏡餅 鷹羽狩行
日月に光籠れる鏡餅 山口誓子
橙は赤し鏡の餅白し 正岡子規 鏡餅
正月を出して見せうか鏡餅 去来
歳の神お招ぎ申す鏡餅 山口青邨
母刀自のごとどつしりと鏡餅 鷹羽狩行
海老赤く穂俵黒し鏡餅 正岡子規 鏡餅
澱みなく一日終る鏡餅 廣瀬直人
玄翁でわるや鍛冶屋の鏡餅 正岡子規 鏡餅
画餅即ち画餅に非ず鏡餅 永田耕衣
白少し透きし三日の鏡餅 森澄雄
磔像に据ゑ日の本の鏡餅 阿波野青畝
神垣や百味磨出す鏡餅 中川乙由
秋雨や御鏡曇る青和幣 正岡子規 秋雨
紅白が日月雛の鏡餅 山口誓子
膝に手をおく父が目に見ゆ鏡餅 加藤秋邨
舟に据ゑ海へ供へし鏡餅 山口誓子
花の香のただよひ来たる鏡餅 飯田龍太
褒貶をひねり上げたり鏡餅(現代俳句協会大賞を契す・平成二年二月十七日追記) 永田耕衣
見えてこそ道筋消ゆれ鏡餅 永田耕衣
親ひとり子ひとりに夜の鏡餅 飯田龍太
誰もゐぬ一間の寒気鏡餅 森澄雄
赤子泣く家の大きな鏡餅 鷲谷七菜子 一盞
重なりて安定したる鏡餅 山口誓子
鏡餅あり種袋どさとあり 飯田龍太
鏡餅いみじき罅を見せにけり 安住敦
鏡餅うしろの正面畏けれ 三橋敏雄
鏡餅かつ櫃の影そこにあり 岡井省二 大日
鏡餅ここには居らぬ声ありて 加藤秋邨
鏡餅すぐ前を潮流れゐる 飯田龍太
鏡餅でんと据ゑたり草の宿 山口青邨
鏡餅なければ嫁が君も来ず 桂信子「草影」以後
鏡餅の内なる声を聴かむとす 山田みづえ 手甲
鏡餅はや二分けの罅走る 山口誓子
鏡餅ひとごゑ山に消えしまま 飯田龍太
鏡餅ひとまづ置ける岩の上 飯田龍太
鏡餅ゆるがぬままや水の中 赤尾兜子 玄玄
鏡餅わけても西の遥かかな 飯田龍太
鏡餅不出来人工衛星の世や 山口青邨
鏡餅並べ硝子の家くもる 鷹羽狩行
鏡餅今では飯の名所かな 李由
鏡餅供ふ漁船の命綱 右城暮石 上下
鏡餅切る爛々と稜がふゆ 山口青邨
鏡餅多門は鉾をあれ鼠 池西言水
鏡餅大のチーズと冬ごもり 鷹羽狩行
鏡餅大俎板の真ン中に 上村占魚
鏡餅天日かつと照らしゐる 飯田龍太
鏡餅寒気憑きては離れては 飯田龍太
鏡餅山々はいま月下にて 飯田龍太
鏡餅弁天池の石となれ 阿波野青畝
鏡餅昆布が黒き舌垂らす 山口誓子
鏡餅暗きところに割れて坐す 西東三鬼
鏡餅暗闇を牛通りけり 桂信子 草樹
鏡餅本気にするもせぬもよし 飯島晴子
鏡餅杉の板戸も新しく 星野立子
鏡餅此処を展望台となし 阿波野青畝
鏡餅母在して猶父恋し 加藤曉台
鏡餅生き残りめく家長の座 能村登四郎
鏡餅立山の民麓なり 平畑静塔
鏡餅縦に一筋罅が入る 山口誓子
鏡餅荒山風に任せあり 石田波郷
鏡餅載る橙のアンバランス 山口誓子
鏡餅霰まじりの音となリ 深見けん二
鏡餅青歯朶左右に葉を張れり 山口誓子
鏡餅食べて韋駄天走せ給ふ 山口誓子
鏡餅高廈かすみのなかに聳ち 飯田龍太
雛段に日の餅紅き鏡餅 山口誓子
風強き夜が明け鏡餅に罅 鷹羽狩行
鳶鴎こゑのとどきて鏡餅 森澄雄
黴生て曇るといふらん鏡餅 正岡子規 鏡餅
齒固や鼠もためす鏡餅 正岡子規 歯固め

以上

by 575fudemakase | 2017-03-19 07:50 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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