初刷 の俳句

初刷 の俳句

初刷

例句を挙げる。

ゆきずりに初刷香だつ始発駅 宮武寒々 朱卓
わが町の航空写真初刷に 高澤良一 素抱
世相変らざる初刷の第一面 野村慧二
初刷に世を見る眼鏡拭ひけり 酒井 美幸
初刷に出たりな古き傀儡師 尾崎紅葉
初刷に厨のものは湯気立つる 中村汀女
初刷に波郷詠なき哀しさよ 下村ひろし 西陲集
初刷に発車のベルの火のごとし 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
初刷に立ち迫るかな富士の絵は 中村汀女
初刷のにほふ紙面に師の随想 斎藤みゆき
初刷のはやとぢてあるホテルかな 山口波津女 良人
初刷のばさと置かれて日浴びたる 岡田貞峰
初刷のまぬがれがたき誤植かな 轡田進
初刷のめでたき重さありにけり 鈴木栄子
初刷の一書しづかに日の机 山田弘子 懐
初刷の二日おくれし山ごもり 清水 文亭
初刷の刷りあやまりし表紙かな 久保田万太郎
初刷の匂と届く些々の幸 広本俊枝
初刷の匂ひのなかに師の句あり 朝倉 和江
初刷の包みベルトに戴り始め 佐藤 蜻蛉
初刷の危機てふ文字をみのがさず 小林白山子
初刷の吾名はつきり読まれけり 椎橋清翠
初刷の多色グラビア白は富士 上田五千石
初刷の天気図精緻極めたる 片山由美子 水精 以後
初刷の折り目正しくはや翳り 永井龍男
初刷の掌篇なれど宇宙譚 大島民郎
初刷の散乱の果まどろみぬ 岡本まち子
初刷の極彩版は妻子占む 高澤良一 ねずみのこまくら
初刷の海溢れたる机かな 関口比良男
初刷の真赤な日の出佳かりけり 野澤節子
初刷の眼にしみにほひ鼻にしむ 畠中じゆん
初刷の紙の湿りや籬風 国見敏子
初刷の色鮮かに薩摩鶏 山元 秀女
初刷の荷籠新たに郵便夫 岡本佐和子
初刷の華やがせども寧からず 石田波郷
初刷の軽さ由々しき世を籠めて 永井龍男
初刷の選外佳作のうまさかな 木山捷平
初刷の郵便受に余りけり 阿片瓢郎
初刷の雄々しき文字のかがやける 殿村莵絲子
初刷やくさぐさわかつ奥と店 長谷川春草
初刷やとどろと廻る輪転機 桜木俊晃
初刷やユタに一つの日報紙 左右木韋城
初刷や動き出したる輪転機 武石佐海
初刷や富士を二つに折りたたみ 石原 透
初刷りの大小の穴切り抜きす 大森扶起子
初刷りの少し湿りて配らるる 飛鳥雅子
初刷をたたんで渡す膝の上 甲田鐘一路
初刷をひろげて部屋を領したる 井沢正江
初刷を少年担ぐ腰入れて 広瀬一朗
初刷を持ちて炬燵に入りにけり 吉屋信子
初刷を発利(バリ)と車中に響かせて 高澤良一 燕音
初刷を買ふあたらしき財布かな 三橋鷹女
厚く重き初刷をすぐ読み終へぬ 相馬遷子 山河
大砲が巨きな口あけて俺に向いてゐる初刷 栗林一石路
寝床にて初刷バリと鳴らし読む 高澤良一 寒暑
手がけたる初刷なれば眼を凝らし 伊東宏晃
手の空く妻今初刷をまとめ読み 高澤良一 素抱
橇で着く初刷折るや雪の上 久米正雄 返り花
滑つこき初刷を取り落しけり 高澤良一 ももすずめ
窓に富士膝に初刷手に眼鏡 高澤良一 燕音
草の戸に挿す初刷や旭も斜め 久米正雄 返り花
輪転機止みぬ初刷了りけむ 梶田福女
鉄瓶の湯気ゆらぐ影初刷に 永井龍男
初刷を寝床に引き込み読めるなり 高澤良一 暮津

初刷 補遺

元号がかはり初刷めきにけり 後藤比奈夫
初刷の多色グラビア白は富士 上田五千石 琥珀
初刷の言葉とすれば二三言 加藤秋邨
初刷やふるさとの塔の見ゆる景 村山故郷
初刷や金粉の跳ね八方に 上田五千石『琥珀』補遺
初刷をぼつてりと置く机辺かな 松崎鉄之介
初刷を買ふあたらしき財布かな 三橋鷹女
初刷精読おそれといとひの種あらむも 中村草田男
厚く重き初刷をすぐ読み終へぬ 相馬遷子 山河

以上

by 575fudemakase | 2017-03-20 02:49 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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