賀状 の俳句

賀状 の俳句

賀状

例句を挙げる。

長命寺さくらもちより賀状かな 久保田万太郎
あまた来しなか黄泉よりの一賀状 耕二
いつ逢へるともなく見入る賀状かな 河原白朝
おぼえなき名にして句あり賀状よむ 爽雨
この島の賀状完配舟回す 桜井千丈
この谷の行きどまりをる賀状かな 大峯あきら 宇宙塵
この賀状焙り出しとはおもしろや 佐久間慧子
すぐそこに住む人よりの賀状かな 塩田章子
たのしきらし我への賀状妻が読み 楸邨
ねこに来る賀状や猫のくすしより 久保より江
ひとひらの紅き賀状をのみ卓に 石原八束
一つ名を賀状の束に探しをり 太田 昌子
一團の年賀状にぞ襲はれし 相生垣瓜人
七人の敵すこやかや賀状来る 北見さとる
世に在らぬ如く一人の賀状なし 皆吉爽雨
二三枚ふいごの上の賀状かな 松藤夏山 夏山句集
二三枚賀状の人の記憶なく 小山 二虹
五日まだ賀状整理に更くる妻 水島濤子
亡きひとの賀状早々届きけり 冨田みのる
人去りて賀状それぞれ言葉発す 角川源義
北国の雪の匂ひの賀状来る 能村登四郎
口うつしらし瞽女よりの年賀状 西本一都
喜望峰越えしと友の年賀状 高井北杜
喪にありて賀状一瞥したるのみ 森田峠 避暑散歩
団地ぐらし賀状の版画壁に貼る 権藤匡道
土間に日の射して二月の賀状かな 鷲谷七菜子 花寂び 以後
墨を濃く愛新覺羅氏へ賀状 森田公司
夢に見し子等より声の賀状来る 平上昌子
大幅に賀状絞るか思案月 高澤良一 鳩信
大雪の中戻り来し賀状かな 増田龍雨 龍雨句集
失名の賀状の主とわかるまで 柴田柏花
女手の如き税吏の賀状来ぬ ねじめ正也
嫁せし娘の妻にやさしき賀状かな 堤俳一佳
子の賀状宣言癖のいまもあり 江川虹村
子への賀状量自ら年の順 貞弘衛
寄れば鳴る電柱もあり賀状の束 香西照雄 対話
寿ぎの墨の光を載せ賀状 高澤良一 随笑
山焼に来よと賀状の隅にあり 柏 禎
嵩なして男ざかりの年賀状 民郎
布衣の身に余る賀状を賜りぬ 安住 敦
年ごとに増えるワープ口賀状来る 土屋孝子
年賀受け年賀状受け籠りをり 松本たかし
年賀状ああこの人のこの癖字 高澤良一 宿好
年賀状だけのえにしもいつか切れ 稲畑汀子(1931-)
年賀状亡き父母の宛名欲し 増田河郎子
年賀状余白に喜寿とありしかな 佐藤路草
年賀状来る日来ぬ日となりにけり 荒子明子
幼な文字賀状はみ出しめでたけれ 築城百々平
忘れゐし人の賀状の二、三枚 田中冬二 俳句拾遺
恙問ひ交はす賀状となりしかな 五十崎朗
愛犬の名もいつぱしや年賀状 鈴木栄子
手にとりてほろりとしたる一賀状 岸本尚毅 舜
手鏡のごとく賀状をうらがへす 岩淵喜代子 螢袋に灯をともす
担ぎ女の賀状代りと菜をくれし 内田黄子
数の中一人の賀状待ちゐたり 深澤厚子
新妻の友の賀状もちらほらと 播水
旅先の役者よりきし賀状かな 成瀬桜桃子 風色
旧正の賀状はればれ来りけり 小島健 木の実
木版の賀状刷る音和室より 黒田杏子 花下草上
未知既知を重ぬ年賀状の嵩 小川双々子
末の子に一枚だけの賀状来る 永森ケイ子
松過ぎてなほ賀状来る賀状出す 山口波津女
松過ぎて読むや賀状を叮嚀に 秋月すが子
枕辺に賀状東西南北より 草城
柄長鳴き牧のポストが賀状まつ 望月たかし
母のみの吾家賀状の少なさよ 麻生和子
母国語の賀状なつかしかりしとや 阿波野青畝
海寄りの若人賀状ふやしくれし 村越化石 山國抄
海越えし切手大きく賀状くる 西山すみ子
淋しさを紛はせよと来る賀状 後藤比奈夫 めんない千鳥
淡窓の日田の人より賀状来し 後藤 栄生
湯浅玄達さてもさてもと賀状かな 如月真菜
無駄多く生きて賀状の嵩高し 宇咲冬男
疾走の猪乗せて賀状来る 池森昭子
病み上りと分る賀状はそつと置く 尾関乱舌
病む父の賀状に笑顔もどりをり 立石勢津子
癒えねばならずこの賀状手にしては 稲垣きくの 牡 丹
白々と余白めでたし年賀状 七三郎
眼の光るかの反抗児より賀状来る 都筑智子
硯海の三滴賀状三枚分 宮田和子
確執を歳月消しぬ年賀状 牧野寥々
磯の香の沁みし賀状の届きけり 尾崎 一子
符箋あまた疲れし賀状返り来る 鈴木鶉衣
紙漉の村より賀状和紙白し 山崎和賀流
羊の絵うまくやさしき賀状よき 後藤比奈夫 めんない千鳥
老いゆくをさぶしむ歌の賀状かな 下村梅子
老人ホームより途絶えたる賀状かな 寺崎治郎
芋版の雲龍をどる子の賀状 下村ひろし 西陲集
草の戸に賀状ちらほら目出度さよ 虚子
蓬莱の国の真紅の賀状かな 小宮山政子
薄倖の字の美しき賀状かな 五十嵐播水
被災地より転送されて賀状来る 池田美智子
試し刷り龍の賀状をおしゃかにす 高澤良一 宿好
読み返す当りくじある年賀状 歳森享一
賀状うづたかしかのひとよりは来ず 桂信子 黄 炎
賀状そくばく末子に綾取せがまるる 民夫
賀状ただ戦場の友へしたたむる 瀧春一 菜園
賀状なき正月強き眸にて迎ふ 長谷川秋子 『菊凪ぎ』『鳩吹き』『長谷川秋子全句集』
賀状のみのえにしの友の筆寂びぬ しげ子
賀状の字いと正しきを畏れけり 風生
賀状の字走りはやりて到りける 赤松[けい]子 白毫
賀状みな命惜めと諭しをり 岡本 眸
賀状よむなほ嵩ありて一人ひとり 皆吉爽雨 泉声
賀状一片吾子よ確かに嫁ぎけり 細谷鳩舎
賀状出しそびれし人に寒見舞 下村ひろし 西陲集
賀状出しに又出る門や松の内 高橋淡路女 梶の葉
賀状受く即ち不義理はじめかな 白岩 三郎
賀状堆しもどつと逢ふごとし 井沢正江 火襷
賀状完配ふぐりある者湯槽に耀りあふ 磯貝碧蹄館 握手
賀状完配われ日輪に相対す 磯貝碧蹄館
賀状完配井戸から生きた水を飲む 磯貝碧蹄館
賀状机辺に散つて人日たよりなし 石原八束
賀状来ずなりし教へ子今いづこ 森田峠 避暑散歩
賀状来て曰くぽちぽちやつてます 高澤良一 ももすずめ
賀状来ぬ其の人の訃や人づてに 高橋淡路女 梶の葉
賀状来るまだ見ぬ孫の名も添へて 松倉ゆずる
賀状来る祖の地武蔵の岡部より 岡部六弥太
賀状繰る旧三高を忘ぜんや 山本歩禅
賀状色刷り家族の名前また殖えて 小沢多留男
賀状見てあれば彼の山彼の人等 上村占魚
賀状見て新聞を見て小半日 長蘆葉愁
賀状読み終へ友情に包まれし 嶋田摩耶子
賜はりし一顧うれしき賀状かな 篠塚しげ子
赤ん坊と同じ日のいろ賀状飛ぶ 磯貝碧蹄館 握手
足腰の立たぬをかこち来し賀状 後藤比奈夫 めんない千鳥
軒までも雪と高田の年賀状 田中冬二 麦ほこり
遠き地へ行きて住めりと賀状来し 日郎
遠き日の埋火のいろ賀状くる きくちつねこ
雪掻きて賀状を待てる牧夫あり 服部鹿頭矢
青海波打越え来るや年賀状 野村喜舟 小石川
飄然と君が賀状や支那とのみ 五十嵐播水 播水句集
鶏の眼の大き版画や子の賀状 大城芳子
龍の字を部屋いっぱいに賀状刷る 吉田ひろし
龍跳ねて金粉散らす賀状かな 中嶋秀子
みちのくの馬どころより年始状 阿波野青畝
一行の心を籠めし年始状 高浜虚子
年始状京の寺持誰々ぞ 河野静雲 閻魔
年始状火にくべたれば燃ゆるかな 冬の土宮林菫哉
忘れざる更科人や年始状 青々
移り住む田舎の地図や年始状 高浜虚子
ひとまわり上の辰年賀状の主 高澤良一 燕音
賀状来ぬテレビをテレヴィと書く世代 高澤良一 寒暑
旧賀状取り出し偲ぶその字面 高澤良一 石鏡

賀状 補遺

この人に賀状欠かさぬいはれあり 富安風生
この賀状戌と戊まちがへし 阿波野青畝
たのしきらし我への賀状妻が読み 加藤秋邨
ひらひらと人が過ぎりぬ賀状書く 山田みづえ 草譜
みちのくの馬どころより年始状 阿波野青畝
わが門を去りにし人の賀状くる 能村登四郎
ゴムバンド許せ賀状を締めあげて 平畑静塔
一団の年賀状にぞ襲はれし 相生垣瓜人 明治草抄
一賀状もて貧交行となす 阿波野青畝
一賀状蟹に飽きしとありにけり 阿波野青畝
七人の敵の一人に賀状書く 上田五千石『風景』補遺
人去りて賀状それぞれ言葉発す 角川源義
代筆の賀状を読みて目を閑ざす 平畑静塔
入念に書きし賀状の午に角 富安風生
友垣の越佐にふえし賀状かな 上田五千石『天路』補遺
君が賀状墨むらさきににほふなり 山口青邨
土間に日の射して二月の賀状かな 鷲谷七菜子 游影
好きな人めつきり減りし賀状書く 上田五千石『琥珀』補遺
学帽を被りて賀状配達す 平畑静塔
寄れば鳴る電柱もあり賀状の束 香西照雄 対話
布衣の身に余る賀状を賜りぬ 安住敦
年月日子をならべたる賀状かな 阿波野青畝
年賀受け年賀状受け籠りをり 松本たかし
年賀状息詰めて書き書きつゞける 右城暮石 上下
年賀状書く邪魔をして少女も書く 右城暮石 句集外 昭和四十一年
年賀状着日順に置き並べ 右城暮石 散歩圏
枕辺へ賀状東西南北より 日野草城
母国語の賀状なつかしかりしとや 阿波野青畝
淋しさを紛はせよと来る賀状 後藤比奈夫
添へ書きはみな声もちて年賀状 鷹羽狩行
犬居る賀状一片あなた甦る 楠本憲吉 方壺集
神棚に賀状大束仮に置く 平畑静塔
羊の絵うまくやさしき賀状よき 後藤比奈夫
落葉と年内にくる賀状が喪中たれかれ 荻原井泉水
賀状うづたかしかのひとよりは来ず 桂信子 女身
賀状のGanは巌のことか笹鳴ける 加藤秋邨
賀状みな命惜めと諭しをり 岡本眸
賀状をば書かじと決めて安からず 相生垣瓜人 負暄
賀状書かむ書かむと心急くのみに 相馬遷子 山河
賀状書きつつちらちらと横光忌 石塚友二 玉縄抄
賀状書きやめしが小さくなりてゐる 加藤秋邨
賀状書くしみじみ妻と二人して 楠本憲吉 孤客
賀状書くしんがりしんと青つむり 飯田龍太
賀状書くや心の友の面知らず 林翔 和紙
賀状書くわれより若き人へ人へ 林翔
賀状書く根気も遂に失せにけり 相生垣瓜人 負暄
賀状書く犬の遠吠楽しげに 香西照雄 対話
賀状書く羞ひもあり生き過ぎて 能村登四郎
足腰の立たぬをかこち来し賀状 後藤比奈夫
転校生よみがへる名の賀状かも 能村登四郎
遂に覚悟して書きはじむ年賀状 右城暮石 句集外 昭和三十九年
重複の賀状投函して気づく 右城暮石 一芸
銀色の失名賀状妻に来し 秋元不死男
革命か賀状書かずと決めたるは 石塚友二 玉縄以後

以上

by 575fudemakase | 2017-03-20 03:05 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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