淑気 の俳句

淑気 の俳句

淑気

例句を挙げる。

あかときの杜に闇ある淑気かな 伊沢 健存
あめつちにひれふすこゝろ淑気満つ 高橋淡路女 淡路女百句
いんぎんにことづてたのむ淑気かな 飯田蛇笏(1885-1962)
うちつれて鶴歩みくる淑気かな 西山東渓
うまやぢの旅人影なき淑気かな 西島麦南 人音
おどろしきものと淑気と共に闇 伊藤白潮
かしこみて神鶏あゆむ淑気かな 曽野 綾
しろじろと月の残れる淑気かな 柴田美枝子
たづね来し娘のしとやかに淑気かな 高橋淡路女 梶の葉
なかんづく祖父のほとりの淑気かな 鷹羽狩行
ひとり居のひとりの畳淑気満つ 高木あけみ
ひと刷けの土牛の富士の淑気かな 岩淵晃三
みどりごに大き産着や淑気満つ 辻美奈子
オリオンの盾の息づき淑気満つ 天田牽牛子
一湾の白浪綴る淑気かな 中村堯子
丹の橋に足音変る淑気かな 橋本逍月
人形の眼玉の向きも淑気かな 岡田史乃
供華匂ふ敦盛塚の淑気かな 小路智壽子
八方に山の肌の淑気かな 堀米秋良
北斎の皺千条の淑気かな 都筑智子
厠より見ゆる闇すでに淑気満つ 高梨忠一
参道の一歩一歩に淑気満つ 山根きぬえ
和服着て臍下丹田淑気満つ 安田英巣
回廊に巫女の風立つ淑気かな 池元 道雄
大榾に火の移りたる淑気かな 松尾節朗
大鳥居くぐりてよりの淑気かな 大林秋虹
大鳴戸渦より淑気起ち登る 柴田奈美
奥の間に帯を結ひゐる淑気かな 橋本榮治 逆旅
学校の門閉ざしある淑気かな 森田公司
射干の実のぬばたまの淑気かな 青木重行
嶽が生む劫初の雲の淑気かな 西本一都 景色
巫女だまり火の熾りゐる淑気かな 中野彰一
抱へくる籠の累卵の淑気かな 飯田龍太
新しき下駄の柾目の淑気かな 西田飄石
新たなる春むらさきに淑気満つ 室積徂春
新生児二十三人ゐて淑気 都筑智子
方丈の軒にもありし淑気かな 押川亜紀
日輪の雲にとどまる淑気かな 平野花房
暁の淑気走らす犬吠えて 野沢節子
木曽谷の素白の石の淑気かな 山上樹実雄
東天紅声の尾ながき淑気かな 和田 祥子
楪の柄のくれなゐの淑気かな 鈴木貞雄
殊更に淑気句気生む二千年 磯野充伯
淑気……その玻璃戸に拭いたあとがある 池田澄子
淑気かな盃ほどの池望み 柳田芽衣
淑気とは白山比の白くこそ 高橋睦郎 金澤百句
淑気とは誰も来ぬ日の藍の華 斎藤梅子
淑気満つとは神官の黒木沓 加古宗也
淑気満つ春蘭の香を箸の尖き 安田鶴女
淑気満つ替ふる色紙の金砂子 鷲見 梅
淑気満つ杉千年の男坂 道川虹洋
淑気満つ源氏嬰児いだく絵も 堀口星眠 青葉木菟
淑気満つ白布の覆ふ機織場 橘美寿穂
淑気満つ空より落つる鳥の羽 原コウ子
漉舟の水はりつめし淑気かな 小坂 灯村
玄関に鶏卵生む淑気かな 小谷舜花
畳擦る跫音も淑気満ちにけり 堀口星眠
眼前に富士の闇ある淑気かな 東 良子
石と石打ちて火を生む淑気かな 橋本榮治 逆旅
碧落に鷹一つ舞ふ淑気かな 宇田零雨
神の鱒北向きそろふ淑気かな 川村紫陽
神杉の樹齢を仰ぐ淑気かな 東 天紅
竹さやぐ蹴鞠の庭や淑気満ち 内山由美子
竹林の闇むらさきに淑気満つ 松本幹雄
緊る淑気男は願ひ女祈り 巌寺堅隆
胴炭の真一文字の淑気かな 西川 織子
能管の一声高く淑気かな 片峯渓舟
舎利殿の水に重たき淑気かな 長谷川久々子
芭蕉枯るゝ音新たなる淑気かな 鈴木頑石
花板の朱にこぼれ落つ淑気かな 金田咲子
茜して羊のまとふ野の淑気 加藤耕子
葛飾は男松ばかりの淑気かな 能村登四郎
衿替へて八十の母淑気満つ 山田みづえ
袴ピシと能楽師来て淑気賜ぶ 文挟夫佐恵 雨 月
襖絵にゐる鷹の目の淑気かな 岡部名保子
観音の頤仰ぐ淑気かな 森澄雄
躾糸引けば音する淑気かな 村上 絢子
迸る山の水より淑気かな 春林育子
遺すものなき一身の淑気かな 手塚美佐 昔の香 以後
金色堂飛雪にひらく淑気かな 佐藤国夫
金銀の糸もつれたる淑気かな 赤尾兜子
闇抜けて立つ山脈の淑気かな 井上 康明
雨あとの葡萄畑の淑気かな 棚山波朗
雪に雪うつとりとして淑気かな 斎藤玄 雁道
青墨をやはらかに磨る淑気かな 加藤三七子
青竹の切口の鋭き淑気かな 佐々木みどり
麦畑に風少しある淑気かな 高橋淡路女 梶の葉
踏みしめて淑気みなぎる御所畳 高澤良一 燕音


淑気 補遺

いんぎんにことづてたのむ淑気かな 飯田蛇笏 霊芝
うまやぢの旅人影なき淑気かな 西島麦南 人音
きぬずれのおのづからなる淑気かな 上田五千石『天路』補遺
この三日花の瑞雲霊苑は 阿波野青畝
しろがねに塗る結ひ柳淑気罩め 阿波野青畝
すめろぎの洲の甲斐ヶ根淑気満つ 飯田蛇笏 白嶽
たふさぎの男や淑気たちのぼる 伊藤白潮
てづまりの稿に向へる淑気かな 上田五千石『琥珀』補遺
なかんづく祖父のほとりの淑気かな 鷹羽狩行
ひそかなる袴さばきの淑気かな 能村登四郎
ブルドーザーにも頬白の淑気かな 飯田龍太
七曜の淑気見るべしカレンダー 阿波野青畝
二つ拍ち鳴らす柏手淑気吸ふ 阿波野青畝
仄々と御塩浜翠む淑気かな 阿波野青畝
仄めける旧正月の淑気かな 相生垣瓜人 負暄
包丁を待つ爼に淑気満つ 鈴木真砂女 都鳥
十字架の姿正しき淑気かな 阿波野青畝
吸物の鯛の目玉に淑気立つ 鈴木真砂女 紫木蓮
喃々と赤子の声の淑気かな 上田五千石『天路』補遺
寂庵の机上にもののなき淑気 鷹羽狩行
富士に遠く浮べる雲も淑気かな 村山故郷
尼寺の蘇の中より淑気かな 飯田龍太
山裾の四五戸の宙を淑気過ぐ 飯田龍太
常臥しの顔の上なる淑気かな 森澄雄
幼子の手の肩にある淑気かな 飯田龍太
庭竹の四五本にある淑気かな 鷹羽狩行
抱へくる籠の累卵の淑気かな 飯田龍太
札所寺裏ゆく水の淑気かな 飯田龍太
松の香がしてそれよりの淑気かな 能村登四郎
松三幹竹一叢の淑気満つ 山口青邨
柚子の黄の色定まりし淑気かな 鈴木真砂女 居待月
水位標より飛ぶ禽の淑気かな 飯田龍太
涅槃団子瑞雲のごと盛られたる 大野林火 方円集 昭和五十年
淑気ただならず紀元二千年 林翔
淑気とは松の匂ひの男山 能村登四郎
淑気来る誰ひとり居ぬ小径より 飯田龍太
淑気満つ大聖堂に椅子低く 阿波野青畝
淑気濃し乃ち衝きて散歩せり 相生垣瓜人 負暄
淑気立つところわが家に見当たらず 後藤比奈夫
淑気過ぐ斧鉞入らざる杜の上を 飯田龍太
灯籠の三日月窓の淑気かな 鷹羽狩行
煌々と新トンネルの淑気かな 百合山羽公 樂土以後
瑞雲の叢々と年明けにけり 相生垣瓜人 負暄
瑞雲の如く牡丹は硝子戸に 山口青邨
瑞雲の緞帳あがり初芝居 鷹羽狩行
真つ赤な実真つ赤な花の淑気かな 廣瀬直人
着る時の羽織裏鳴る淑気かな 能村登四郎
神鹿の耳に目鼻に淑気かな 百合山羽公 樂土
繭ごもるものよ楢山淑気満つ 佐藤鬼房
茅屋のそこはかとなき淑気かな 相生垣瓜人 負暄
藪に赤きからたちばなや淑気充つ 山口青邨
衿替へて八十の母淑気満つ 山田みづえ 木語
観音の頤仰ぐ淑気かな 森澄雄
踏み入りしことなき嶺も淑気かな 飯田龍太
遠き世のわけても塔の淑気かな 鷹羽狩行
野に山にたみくさの祈り淑気満つ 飯田蛇笏 白嶽
金印の蛇の光の淑気かな 有馬朗人 立志
金銀の糸もつれたる淑気かな 赤尾兜子 玄玄
銀無地の屏風をひらく淑気かな 能村登四郎
雪に雪うつとりとして淑気かな 斎藤玄 雁道
雪国のことに淑気や飾炭 森澄雄
電話鳴ることなきままの淑気かな 鷹羽狩行
魚河岸の人波に立つ淑気かな 鈴木真砂女 紫木蓮

以上

by 575fudemakase | 2017-03-21 04:28 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

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春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

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