初富士 の俳句

初富士 の俳句

初富士

例句を挙げる。

うらゝ晴れて初富士近し日本橋 孤軒句集 三宅孤軒
こゝに踏む初富士の裾しろ~と 青陽人
そばだてるもの初富士となりゆけり 坊城俊樹
一本の襞初富士を支へたる 皆吉爽雨
初富士が車窓にありて誰も言はず 今瀬剛一
初富士にかくすべき身もなかりけり 汀女
初富士にたちまちこころきまりけり 井桁汀風子
初富士にふるさとの山なべて侍す 藤田湘子
初富士に工場地区の音止みぬ 瀧春一 菜園
初富士に後ろ向なる渡舟小屋 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
初富士に牝馬は四肢を揃へけり 倉田素香
初富士に牢獄の扉はめしひたり 西島麦南 人音
初富士に珈琲さゝぐボーイあり 長谷川かな女 雨 月
初富士に雲なく樹海藻の如し 渡邊水巴 富士
初富士のかなしきまでに遠きかな 山口青邨(1892-1988)
初富士のほど良く見えて松の糶 山本 信子
初富士の今し天地をつなぎけり 藤田つとむ
初富士の光家々傾きて 佐野青陽人 天の川
初富士の全容を置く籬かな 北野里波亭
初富士の出てゐて好きな榛の道 遠藤梧逸
初富士の命てふ字のごとく立つ 満田春日
初富士の夕栄もなく暮れにけり 碧雲居
初富士の大きかりける汀かな 風生
初富士の大きく見ゆるところまで 石川英利
初富士の大雪塊を野に置ける 遠藤正年
初富士の天つ袴として立てり 荒井正隆
初富士の小さくなつて昏れにけり 星野椿
初富士の抱擁したる小漁村 たかし
初富士の暮るゝに間あり街灯る 深見けん二
初富士の朱の頂熔けんとす 青邨
初富士の汀の果てに立てりけり 勝又一透
初富士の海より立てり峠越 水原秋櫻子
初富士の玲瓏巨き創あをし 篠田悌二郎
初富士の白し葛西の海濁る 瀧春一 菜園
初富士の秀をたまゆらに山路ゆく 皆吉爽雨
初富士の紅さしそめて町の上 勝俣のぼる
初富士の美しく旅恙なく 河合 甲南
初富士の胸わたりゆく雲の翳 伊藤敬子
初富士の自負に陰翳ありにけり 大橋敦子
初富士の見えて機内のアナウンス 和田郁子
初富士の赤富士なりしめでたさよ 大橋越央子
初富士の輝やく窓にリス踊る 碓井のぼる
初富士の金色に暮れたまひつゝ 竹下しづの女句文集 昭和十四年
初富士の鳥居ともなる夫婦岩 山口誓子
初富士の鼓動聞こゆるところまで 安斉君子
初富士は枯木林をぬきん出たり 高濱年尾 年尾句集
初富士は蓮の枯れゐる田のはてに 瀧春一 菜園
初富士は裾曲ぼかしに伊豆の浦 原 柯城
初富士へ化粧が濃いとひとり言 田川飛旅子 『使徒の眼』
初富士へ荒濤船を押しあげる 波郷
初富士へ農家はラヂオかけ放す 田川飛旅子 花文字
初富士も大成丸も昔ながら 瀧春一 菜園
初富士も藁屋もうつる水田かな 楠目橙黄子 橙圃
初富士やねむりゐし語の今朝めざめ 楸邨
初富士や双親草の庵にあり 高浜虚子
初富士や古き軒端に妻と老い 遠藤梧逸
初富士や坂数々の小石川 野村喜舟
初富士や宗吾の渡舟波立たず 石井とし夫
初富士や崖の鵯どり谺して 川端茅舎
初富士や常の日課の犬連れて 土橋いさむ
初富士や幾たび愛で来河口湖 東洋城千句
初富士や投錨す湾風吹かず 飯田蛇笏 霊芝
初富士や樹海の雲に青鷹 飯田蛇笏
初富士や母を珠ともたとふれば 中村汀女
初富士や浪の穂赤き伊豆相模 格堂
初富士や浮島ケ原ひろ~と 楠目橙黄子 橙圃
初富士や海道長きわが県 百合山羽公 寒雁
初富士や湯釜たぎりて鳴りやまず 八十島稔 筑紫歳時記
初富士や漆黒の襞は雪をとめず 渡邊水巴 富士
初富士や澄み極まりし西の空 角川春樹
初富士や瑞山は未だ明けきらず 松浦其国
初富士や石段下りて稚児ケ淵 茅舎
初富士や秩父にかけて雲もなし 落合水尾
初富士や空に柾目のあるごとく 真田清見
初富士や箔一枚を置くごとし 石嶌岳
初富士や籠坂あたり懐しく 佐野青陽人 天の川
初富士や草庵を出て十歩なる 高浜虚子
初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山 石田波郷
初富士や起しある田の二三枚 川村凡平
初富士や門川の藻のあを~と 勝又一透
初富士や鷹二羽比肩しつつ舞ふ 草田男
初富士をさへぎるものゝなかりけり 片岡奈王
初富士をしばらく旅の肘の上 鷹羽狩行
初富士を三度拝みて家に居り 萩原麦草 麦嵐
初富士を眺めの句座をしつらへん 高木晴子
初富士を見る足許をしかと踏む 山王堂正峰
初富士を見出でし岨の氷柱かな 秋櫻子
初富士を隠さふべしや深廂 青畝
初富士秀づ列車ボーイの過ぎしかな 長谷川かな女 雨 月
夕まで初富士のある籬かな 松本たかし
大寒波より初富士の起き立てる 百合山羽公 寒雁
妻癒えよ一望に初富士初浅間 西本一都
日うらゝに初富士うすれ消えにけり 高橋淡路女 梶の葉
海苔舟も見えず初富士なかぞらに 瀧春一 菜園
炉開きの里初富士おもふあしたかな 椎本才麿
父母の家継ぎて初富士まのあたり 麦草
瑞祥のごとく初富士現れし 手塚基子
畝ひとつ越え初富士に歩みよる 上田日差子
眉の上の初富士に雲なかりけり 草間時彦
硝子絵のよな初富士の浮く浦輪 久米正雄 返り花
神棚に代へて初富士拝むなり 大須賀乙字
薄雲の中に初富士ありにけり 久米正雄 返り花
道ばたの家に初富士聳えけり 百合山羽公
野に低き初富士にして畦照らす 市村究一郎
雲四散して初富士の夕眺め 久米正雄 返り花
雲行きて初富士に著くこともなし 相生垣瓜人 微茫集
高速路初富士滑り来りけり 岡田貞峰
初不二の雪を貢(みつぎ)の日の出かな 千兵
初不二やいまに変らぬ駿河台 黒木 野雨
初不二を枯草山の肩に見つ 水原秋桜子
白妙の富嶽相模の風表 高澤良一 さざなみやつこ

初富士 補遺

につぽんはかなし初富士の肌もち 山口青邨
函嶺にぬつと初富士晴れにけり 阿波野青畝
初富士と呼ばれ雪塊宙に浮く 阿波野青畝
初富士にかくすべき身もなかりけり 中村汀女
初富士にこの白薔薇の香をうつす 山口青邨
初富士にペンを止むる一詩人 阿波野青畝
初富士に天嶮箱根ひれ伏して 阿波野青畝
初富士に島の風見の定まらず 阿波野青畝
初富士に往来の人や富士見町 松本たかし
初富士に歳月つもる雪中廬 飯田蛇笏 家郷の霧
初富士に牢獄の扉はめしひたり 西島麦南 人音
初富士に目がたどりつくまで荒野 加藤秋邨
初富士に目鼻をつけて偽ピカソ 山口青邨
初富士に突当れとか切通 阿波野青畝
初富士に美男かつらの珠簪 山口青邨
初富士に雲なく樹海藻の如し 渡邊水巴 富士
初富士のかなしきまでに遠きかな 山口青邨
初富士のふところ寛く朝ぼらけ 阿波野青畝
初富士のまた遠退きし団地かな 百合山羽公 樂土
初富士の一片の刃を軒端にす 山口青邨
初富士の大きかりける汀かな 富安風生
初富士の抱擁したる小漁村 松本たかし
初富士の暮るるに間あリ街灯る 深見けん二
初富士の朱の頂熔けんとす 山口青邨
初富士の正装白衣黒ばかま 平畑静塔
初富士の海より立てり峠越 水原秋櫻子 重陽
初富士の窓さはに挿す紅さうび 山口青邨
初富士の縞美しや恐ろしや 渡邊白泉
初富士の腹にバラ掻き射撃音 渡邊白泉
初富士の雪の面齢条幾万条 中村草田男
初富士の霓裳ひたと湖際まで 中村草田男
初富士は枯木林をぬきん出たり 高浜年尾
初富士やかへりみすれば島うすれ 上田五千石『琥珀』補遺
初富士や人歩と牛歩和すが見ゆ 中村草田男
初富士や垣ぞひ行けば垣の上 富安風生
初富士や崖の鵯どり谺して 川端茅舎
初富士や投錨す湾風吹かず 飯田蛇笏 霊芝
初富士や新幹線を真一文字 鷹羽狩行
初富士や樹海の雲に青鷹 飯田蛇笏 心像
初富士や母を珠ともたとふれば 中村汀女
初富士や海道長きわが県 百合山羽公 寒雁
初富士や漆黒の襞は雪をとめず 渡邊水巴 富士
初富士や石段下りて稚児ケ淵 川端茅舎
初富士や茶山の上にかくれなし 富安風生
初富士や蜜柑ちりばめ蜜柑山 石田波郷
初富士や鷹二羽比肩しつつ舞ふ 中村草田男
初富士をしばらく旅の肘の上 鷹羽狩行
初富士をなぞれり雪の一筆が 平畑静塔
初富士を隠さふべしや深庇 阿波野青畝
初富士暮れぬ今の世の灯はまたたかず 中村草田男
夕まで初富士のある籬かな 松本たかし
大寒波より初富士の起き立てる 百合山羽公 寒雁
昏れなんとして初富士の完たけれ 中村汀女
炉開きの里初富士おもふあしたかな 椎本才麿
道ばたの家に初富士聳えけり 百合山羽公 春園
雪足らぬ所初富士墨書され 平畑静塔
雲きれて初富士の雪ややくらし 飯田蛇笏 白嶽
雲行きて初富士に著くこともなし 相生垣瓜人 微茫集

以上

by 575fudemakase | 2017-03-21 04:45 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

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単語 575筆まか勢
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春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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