初空 の俳句

初空 の俳句

初空

例句を挙げる。

初空と枝に蓑虫かかるのみ 龍男
初空と黄金いろのナイルかな 下村梅子
初空にうかみし富士の美まし国 高浜虚子
初空に一と葉もとめぬ棗の木 呉龍
初空に九頭竜川の鳴りにけり 萩原北荘
初空に紫紺をつらね夫婦松 佐藤喜俊
初空に那智の大滝まかゞやき 上田土筆坊
初空に那智の滝あり入港す 山下青葭
初空のなんにもなくて美しき 今井杏太郎
初空のひかり盈ちつゝ温室のみち 飯田蛇笏 霊芝
初空の下ふるさとの沼憶ふ 高野素十
初空の影なすもののみな気負ふ 関森勝夫
初空の戦くや鶴の羽撃つほど 尾崎紅葉
初空の梢にかかる羽のあり 井上雪
初空の色もさめけり人の皃 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
初空の薔薇色雀恍惚と 石塚友二
初空の藍と茜と満たしあふ 青邨
初空の行き留りなり上総山 一茶
初空の雲皆山にしづまりぬ 飄亭
初空の青し地上の雪二尺 渡辺波空
初空は梅しろ~と月夜かな 如風
初空は顔洗ふ間のながめかな 井上井月
初空へこころ一枚干しにけり 櫂未知子 蒙古斑
初空へさし出す獅子の首哉 小林一茶
初空へなほ伸びゆける樟大樹 稲畑汀子
初空へ舞楽の弓を鳴らしけり 澤島郁子
初空へ雲を放ちて富士現るる 今橋眞理子
初空もはや半日や藪騒ぐ 但馬美作
初空やしなびぬれども木守柿 渡邊水巴 富士
初空やその薄色の三枚着 尾崎紅葉
初空やはや漂泊の雲浮かべ 宇咲冬男
初空やむかしの砂は海の中 小栗たゑ
初空や一度きりなる鳶の笛 吉田木魂
初空や一片の雲燿きて 草城
初空や其薄色の三枚着 尾崎紅葉
初空や出の姿して日本橋 泉鏡花
初空や古檜雲吐く峰つづき 露月
初空や同色を持し常に新た 香西照雄 素心
初空や地に葉牡丹の濃紫 碧雲居句集 大谷碧雲居
初空や大和三山よきかたち 大橋越央子
初空や大悪人虚子の頭上に 高浜虚子(1874-1959)
初空や嶺のうしろにさらに嶺 加藤覚範
初空や帯のごとくに離宮道 播水
初空や微光をはなつ八ヶ岳 渡辺立男
初空や心を一に引きもどす(上州草津自門洞周邊) 上村占魚 『方眼』
初空や旧居に中華民国旗 下村梅子
初空や昔耶馬台国ありて 阿片瓢郎
初空や武蔵に秩父晴れ渡り 野村喜舟 小石川
初空や水汲み戻る汽車の釜 中野三允句集 中野三允
初空や法身の弥陀に合掌す 大谷句佛 我は我
初空や澪*ごつ高く禽ちさき 幸田露伴 蝸牛庵句集
初空や烏をのするうしの鞍 服部嵐雪
初空や船なき海に日の出る 百池
初空や袋も山の笑ひより 千代尼
初空や銀一條のあまの川 会津八一
初空や雁の大棹一文字 佐藤国夫
初空や雑木の間の雲一片 癖三酔句集 岡本癖三酔
初空や青松白砂ところがら 尾崎迷堂 孤輪
初空や音なき揺らぎ尾長来て 及川貞 夕焼
初空や風花松にとどまらず 碧雲居
初空や鳥はよし野のかたへ行く 千代尼
初空をこぼるる雀火の如し 大竹孤悠
初空を夜着の袖から見たりけり 一茶 ■文化十四年丁丑(五十五歳)
初空を映す磧や細り水 石鼎
初空を鳴きひろげたる鴉かな 井上井月(1822-86)
壁の穴や我初空もうつくしき 一茶 ■文化八年辛未(四十九歳)
大江戸の初空神田囃子かな 渡辺恭子
星がただ一つの明星となつて初空 荻原井泉水
白山の初空にしてまさをなり 飴山實 『次の花』
初深空今年占ふ鷹か鳶か 澄雄
いまさらに富士大いなり初御空 酒井絹代
はるばると腸はあり初み空 田村みどり
ひびきあふいろのびやかに初御空 伊藤敬子
わが年の雲ひとつなき初御空 飯田弘子
わが谺かへらぬ祖谷の初御空 伊沢 健存
ファックスにすぐくる返事初御空 田中美沙
レーダーに船影あらず初御空 小林 三郎
一機影雲より生れし初御空 小野 喬樹
傷一つ翳一つなき初御空 高浜虚子
凍港の歛まる雲や初御空 飯田蛇笏 霊芝
初み空ひとの歩みの映るかな 清水径子
初み空本阿弥庵の竹の樋 伊藤敬子
初み空頭蓋のなかも透き通る 福原十王
初御空どこより何の鈴の音 村沢夏風
初御空はや飛び習ふ伝書鳩 草田男
初御空まなこに青き微風あり 角川春樹
初御空八咫の鴉は東へ 皿井旭川
初御空富岳まさしく三保にあり 大橋敦子
初御空岬に長き馬の影 石山民谷
初御空念者いろなる玉椿 龍太
初御空晴雪に飛ばす駒もがな 高田蝶衣
初御空水辺に近きさざれ巌 赤尾兜子
叡山は京都左京区初御空 佐土井智津子
国興す大き音あり初御空 長谷川かな女 雨 月
垣の上の舟の舳や初御空 風生
大山の全容近し初御空 阿波野青畝
大帝の馬車わたりくる初御空 磯貝碧蹄館
大那智の滝の上なる初御空 泊月
子の髪に昼月重ね初御空 野沢節子
弓弦の一箭鳴りし初御空 今泉貞鳳
曲玉の瑠漓ひびきあふ初御空 永島理江子
未知のもの現れさうな初御空 吉原文音
渡り来る鶴の空あり初御空 坂口幸江
燈臺の古き國旗や初御空 鈴木洋々子
真白さのつくばねうけよ初御空 鷹女
竈火のどろどろ燃えて初御空 原石鼎
紺青を塗りもあまさず初御空 轡田進
経蔵に影さす枝や初御空 假家由子
総持寺の鳩来て羽摶つ初御空 殿村菟絲子
美しき背山妹山初御空 柴沼忠三
群鳶の舞なめらかに初御空 富安風生(1885-1979)
舞ひ上る風船赤き初み空 内田 愛子
鐘楼のあたりくらさや初御空 大橋霊山
雪嶺に鷹の流るる初御空 森澄雄
霊峰の明け放たれし初御空 藤田つとむ
駅通りまつすぐに来よ初御空 松田ひろむ
鳶の輪のやがて大きく初御空 森重 暁
鳶笛の一管澄める初御空 勝村茂美
鴨とぶやゆたにたゆたに初御空 森澄雄 所生

初空 補遺

ことし日天子牛に騎り初空を行く 荻原井泉水
みどりごに小さき姉や初御空 飴山實 花浴び
七十も終の初空仰ぎけり 飯島晴子
凍港の歛まる雲や初御空 飯田蛇笏 霊芝
凧羽子もなき平成の初御空 森澄雄
初ぞらに渡して星のうすびかり 野坡
初み空去年の眼を開きけり 正岡子規 初空
初御空とは斯く梢美しや 高田風人子
初御空よりの光は海より射す 桂信子「草影」以後
初御空千木を開きて受け給ふ 山口誓子
初御空古ることもなき海は語る 中村草田男
初御空多摩の横山松を並め 山口青邨
初御空大王松よりひらけたる 大野林火 月魄集 昭和五十五年
初御空峰を守れる孤つ松 山口誓子
初御空念者いろなる玉椿 飯田龍太
初御空果して微塵無かりけり 相生垣瓜人 負暄
初御空畝傍をよばふ耳成山 津田清子
初御空黒あれば黒あらはるる 斎藤玄 狩眼
初空、銀杏高き箒として歴史を掃く 荻原井泉水
初空にやぶれかぶれの椋鳥のこゑ 飯田龍太
初空にゆかし象潟ふた見潟 露川
初空に去年の星の殘りかな 正岡子規 初空
初空に日かげ満ちたりまさやかに 日野草城
初空に父在りと思ふ一礼す 三橋鷹女
初空に鳶やゆり出す山のひら 荻人
初空のひかり盈ちつゝ温室のみち 飯田蛇笏 霊芝
初空の下なる蕪畠かな 三橋鷹女
初空の大青空は見れど飽かず 日野草城
初空の廂間藍や人影なく 山口青邨
初空の廓然たるに散じけり 相生垣瓜人 負暄
初空の心とけてや雪の雨 りん女
初空の水田の四五枚を家のまえ 荻原井泉水
初空の藍と茜と満たしあふ 山口青邨
初空の雲黄龍となりとべり 山口青邨
初空は月日の外の明りかな 鈴木道彦
初空へつゝとのべけり鶴の首 正岡子規 初空
初空へなほ伸びゆける樟大樹 稲畑汀子
初空やこれはこれわが草の庵 日野草城
初空やしなびぬれども木守柿 渡邊水巴 富士
初空やまた横雲に引垢も 木因
初空やもう星殿はおかへりか 木因
初空や一片の雲耀きて 日野草城
初空や三笠三山まぎれなし 村山故郷
初空や下より明くる相模灘 正岡子規 初空
初空や初日初鷄初鴉 正岡子規 初空
初空や同色を持し常に新た 香西照雄 素心
初空や地に水あれば山の影 完来
初空や心を一にひきもどす 上村占魚
初空や日の本明くる櫻色 正岡子規 初空
初空や月にもよらずさくらにも 露印
初空や有ノ福祿壽無ノ悪魔 池西言水
初空や机にうつる日枝の影 望月宋屋
初空や橋なき世より隅田川 完来 空華集
初空や江戸は火の子の花の春 正岡子規 初空
初空や烏をのするうしの鞍 嵐雪
初空や爰も岩戸に見おろされ 中川乙由
初空や袋も山の笑ひより 千代尼
初空や裾野も冨士と成りにけり 正岡子規 初空
初空や誰摺足も鞠の暮 介我
初空や音なき揺らぎ尾長来て 及川貞 夕焼
初空や馴ていたゞく日枝颪 三宅嘯山
初空や鳥はよし野ゝかたへ行 千代尼
初空や鳥は黒く富士白し 正岡子規 初空
初空をひろげてゆけり目黒川 平井照敏
初空を取もつ鳥のゆきゝ哉 土芳
初空を既に翔りし一機あり 日野草城
初空を映す磧や細り水 原石鼎 花影
初空を長元坊のにらみつけ 阿波野青畝
別の空なり神宮の初御空 山口誓子
大山の全容近し初御空 阿波野青畝
大遊びせん七十の初御空 藤田湘子 神楽
御民われ初空に日の御旗揚ぐ 日野草城
明けゆくを初島と見ればはや初空 荻原井泉水
白山の初空にしてまさをなり 飴山實 次の花
目にさはる塵一つなし初みそら 正岡子規 初空
真白さのつくばねうけよ初御空 三橋鷹女
石叩きひとつたちゆき初御空 百合山羽公 春園
竈火のどろ~燃えて初御空 原石鼎 花影
群鳶の舞なめらかに初御空 富安風生
読み継いで初空となる愚禿鈔 飴山實 花浴び
雪やみて官衙に強き初御空 飯田蛇笏 家郷の霧
頚出して身を出して鳩初空へ 山口誓子
鳶の輪の反転見せず初御空 阿波野青畝
鴨とぶやゆたにたゆたに初御空 森澄雄
鷺まぶく蒼澄みきはむ初御空 伊丹三樹彦

以上

by 575fudemakase | 2017-03-21 04:57 | 新年の季語 | Trackback | Comments(0)
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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
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▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

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表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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