2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句 【再実施】

2017年 3月 ねずみのこまくら句会の諸句 【再実施】

投句後 パソコンがクラッシュしたので、句会を有志にて再実施した。

予選でザッと句を抜いてみたら、下記の如くとなった。
句の前の番号は、選句稿の通し番号

6立子忌の礼儀正しき句会かな
12下萌えや歩くたび鳴る稚児の靴
22奥津城の椿は落ちて色褪せず
36総門に鳩除けネット涅槃西風
41焼け山の縞目くつきりとのぐもり
44古書市に師の初版本鳥雲に
60水中の無音の世界いしぼたん
82大釜を滾らせ白子船を待つ
94五年ものの蒟蒻芋置く梅見茶屋
97陽炎は俑の嘆息かも知れぬ
100老いらくの雛の菓子をたなごころ
111子のノート子の衣を捨つる鳥曇

114病み抜けて久の外出春袷
115姑となりて久しや花大根
両句とも「久」が効果的に、無難なく使われている

117畑屑のうちのめさるる雨水かな
130縄延びといふことらしき山笑ふ
見返すと両句とも 「農」のなかなかな句と思える。
「畑屑」という言葉遣いも「農」の実践者として見ればなかなか
の味のある言葉である。それであるから、「うちのめさるる」がより
一層痛ましい。問題は「雨水」である。鑑賞者めいめいに取って季語
「雨水」がどう響くか? 参考に雨水の語義を挙げて置く。更に雨水
一例句も挙げて置く。

二十四気の一つ。立春から十五日目で、陽暦二月十九日ごろ。雪が雨に変わり、草木が芽吹き始める時季。

 書道部が墨擦つてゐる雨水かな

                           大串 章
雑誌の月号表示を追い越すように、季節がどんどん進んでいく今日この頃、ならばと時計を二ヶ月ほど逆回転させても罰は当たるまい。季語は「雨水(うすい)」で春。根本順吉の解説を借用する。「二十四節気の一つ。陰暦正月のなかで、立春後15日、新暦では2月18、19日にあたる。「雨水とは「気雪散じて水と為る也」(『群書類従』第19輯『暦林問答集・上』)といわれるように、雪が雨に変わり、氷が融けて水になるという意味である」。早春の、まだひんやりとした部室だ。正座して、黙々と墨を擦っている数少ない部員たちがいる。いつもの何でもない情景ではあるのだが、今日が雨水かと思えば、ひとりでに感慨がわいてくる。表では、実際に雨が降っているのかもしれない。厳しい寒さがようやく遠のき、硯の水もやわらかく感じられ、降っているとすれば、天からの水もやわらかい。このやわらかい感触とイメージが、部員たちの真剣な姿に墨痕のように滲み重なっていて美しい。句には派手さも衒いもないけれど、まことに「青春は麗し」ではないか。こうしたことを詠ませると、作者と私が友人であるがための身贔屓もなにもなく、大串章は当代一流の俳人だと思っている。「書道部」と「雨水」の取りあわせ……。うめえもんだなア。まいったね。俳誌「百鳥」(2002年4月号)所載。(清水哲男)

又 次句の「縄延び」も独特な一語。その語義も挙げて置く。

縄縮み・縄伸び【なわちぢみ・なわのび】
実測した土地の面積が、登記簿に記載されたものより小さいことを縄縮み、大きいことを縄伸びといいます。
縄縮みや縄伸びは、主に地方の農地や山林で起こります。その原因として考えられるのが、これらの登記簿の面積が、測量技術の未熟な明治初期のものが多いことです。また意図的な理由としては、縄伸びは、税負担軽減のための過少申告、縄縮みは、売買代金の嵩上げを狙った、などが考えられます。

127何事もなかったやうにひひな達
129さんしゅうや庭下駄揃え客を待つ



【一寸ひとこと】

34真つ白の新車を止めて麦を踏む
真っ新な自動車止めて麦を踏む
原句 通りだと若干 青と白の対比が強すぎるきらい有り、そこを避けたい
というのが私の提案。
85ひとりにも一人の意地や蜆汁
「底意地」という言葉が有る。 私流だと ひとり者にも底意地ありて蜆汁
121囀りの同じ一語をひたすらに
私なら 囀りの同じ調子で一日中 とやりたい
129さんしゅうや庭下駄揃え客を待つ
「さんしゅう」の表記だが、文語なら 「さんしゅゆ」と表記したい

以上
by 575fudemakase | 2017-03-26 09:23 | ねずみのこまくら句会 | Trackback | Comments(0)
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(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
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例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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