寒雀 の俳句

寒雀 の俳句

寒雀

例句を挙げる。

いささ竹寒雀来よ子無き家に 鍵和田釉子
いつのまに雨の降りをり寒雀 波多野爽波 鋪道の花
いでいりの息を寒雀に見らる 下村槐太 天涯
きぬぎぬやかさこそかさと冬雀 辻桃子 花
けふの糧に幸足る汝や寒雀 杉田久女
こまやかに揺れゐて檜葉や寒雀 高濱年尾 年尾句集
ころげある魚籠の中より寒雀 鉄田耕寿
しぶりゐる靄に日たかし寒雀 木津柳芽 白鷺抄
しみじみと牛肉は在り寒雀 永田耕衣 物質
つられ立つふくら雀の一羽かな 高澤良一 さざなみやっこ
とある日もとある時をも寒雀 玄 (この度はいく度の入院ぞ、一月二十二日入院)
とび下りて弾みやまずよ寒雀 茅舎
ばらばらにゐて一斉や寒雀 金箱戈止夫
ひいふつと枝を離るる寒雀 高澤良一 さざなみやっこ
ひつそりと空気を踏んで寒雀 鷲谷七菜子
ぼのくぼに朝日は中り寒雀 齋藤玄 飛雪
ぽつたりと廂に下りぬ寒雀 田中冬二 麦ほこり
まつくらに暮れてしづかや寒雀 永田耕衣 奪鈔
ままごとの母呼ぶ午報寒雀 上田日差子
まろまろところがつて来し寒雀 稲畑廣太郎
わがための一日だになし寒雀 加藤楸邨
わが天使なりやをののく寒雀 西東三鬼
わが胸のいつふくらむや寒雀 登四郎
ネクタイの黒が集ひぬ寒雀 鈴木鷹夫
一羽居りてつかずはなれず寒雀 鈴木洋々子
七曜のなき明け暮れに寒雀 小松崎爽青
二羽となりて身細うしけり寒雀 臼田亞浪 定本亜浪句集
作業衣の朝は重たし寒雀 米沢吾亦紅 童顔
倉の窓に一羽鳴きけり寒雀 内田百間
倉庫の扉打ち開きあり寒雀 虚子
倒・裂・破・崩・礫の街寒雀 友岡子郷(1934-)
兎見斯う見ついばむは何寒雀 高浜虚子
冬雀一声あげて深くあり 原裕 青垣
冬雀父とゐるとき子はしづか 福永耕二
冬雀飼つてなにがな涙しぬ 河野多希女 琴 恋
初雀ふくら雀になりゐたり 石川文子
危篤の灯へ暁を告ぐかに寒雀 赤城さかえ句集
右顧左眄して寒雀つられ飛ぶ 西村和子 夏帽子
吾子の忌のぽろぽろぽろと寒雀 秋澤猛
啄んで古墳を飛んで冬雀 神尾久美子
嘴先に光を溜めて寒雀 清之介
園児らに近目遠目の寒雀 龍太
土見れば土啄みつ寒雀 臼田亜浪
堅雪の食む藁つゝく寒雀 月嶺句集 松田月嶺、名和三幹竹編、大須賀乙字選
夕月の木込去らずよ寒雀 富田木歩
夢の中にても寒雀暮るるまで 齋藤愼爾
大仏の膝に香炉に寒雀 河野静雲 閻魔
天の国いよいよ遠し寒雀 西東三鬼
天上に銃口はあり寒雀 齋藤愼爾
天平のふるみちにして寒雀 西本一都 景色
天餌足りて胸づくろひの寒雀 草田男
学僧の素足みとどけ冬雀 松村蒼石 雁
安静時間扉口にも降り寒雀 野沢節子 雪しろ
宙に見えぬものつたひとぶ寒雀 敏雄
寒雀うしろ向きなる貧しき人 岸田稚魚
寒雀うすらうすらの日のほとり 百合山羽公
寒雀おろおろ赤子火の泣声 西東三鬼
寒雀お前も煤け隠るるか 金箱戈止夫
寒雀けぶりの影におどろかず 鴻村
寒雀こぼれてはまた弾みては 加古宗也
寒雀そこはかと地上青きもの 碧雲居
寒雀ただはらはらと他愛なや 栗生鈍夫
寒雀たちまち垂るゝ夜のとばり 中尾白雨 中尾白雨句集
寒雀つたひ来し枝しづまりぬ 渡邊千枝子
寒雀てのひらほどの水浴びて 中村房子
寒雀とある日寒ンのゆるびけり 久保田万太郎 流寓抄以後
寒雀とび与太郎は庭をはく 高木晴子 晴居
寒雀なじみの顔の犬へ来る 杉山岳陽
寒雀には寒雀来てふくらみ合う 細谷源二
寒雀に榻静かなる薄日かな 青峰集 島田青峰
寒雀に檜葉の葉揺れぬ一ところ 高濱年尾 年尾句集
寒雀ぱらぱら中にちがふ鳥 阿部みどり女
寒雀ひとの嘔吐に暾さしくる 中島斌男
寒雀ひともひとりの顔を出す 楸邨
寒雀ふくらむ胸を城の窓 大野紫陽
寒雀ぽんとはずみて向きかへて 章子
寒雀ますます弾み母ちゞまり 加藤かけい
寒雀むかしは道のやはらかき 五味一枝
寒雀むしられし身を重ねをり 林原耒井 蜩
寒雀もんどり打つて飛びにけり 川端茅舎
寒雀ゆうべの羽音おほきかり 中尾白雨 中尾白雨句集
寒雀ゆふべの羽音おほきかり 白雨
寒雀らも赤ん坊を見に来るよ 山崎ひさを
寒雀わが手袋の色に似る 田中冬二 麦ほこり
寒雀われ胡坐居に倦むことなし 山口草堂
寒雀をりし所に日射失せ 西村和子 夏帽子
寒雀ノラならぬ母が創りし火 寺山修司 花粉航海
寒雀一つは河豚の顔したる 中拓夫
寒雀二合三勺今日の糧 岩田昌寿 地の塩
寒雀人に住む家なかりけり 石塚友二
寒雀何煮る妻の誕生日 中島斌雄
寒雀傲岸に蘆華猖介に 竹下しづの女句文集 昭和十四年
寒雀働けとこそ朝は来ぬ 鈴木しげを
寒雀博士とあそび羽叩ける 萩原麦草 麦嵐
寒雀呼ばるる如く翔ちにけり 小川原嘘帥
寒雀土乾きゐて掃かれあり 青峰集 島田青峰
寒雀墓地よりたちてわが庭ヘ 亀井糸游
寒雀大仏殿を栖ひなる 誓子
寒雀子なきわが家の眸をあつむ 桂信子
寒雀子規全集に夜明けたり 田川飛旅子
寒雀寝に来し音を立てにけり 萩原麦草 麦嵐
寒雀少しとびたるぬくとさよ 萩原麦草 麦嵐
寒雀干菜つゝくや尾羽しがみ 西山泊雲 泊雲句集
寒雀庭のゑくぼのみな動く 神蔵器
寒雀揺らるゝ枝を啄める 草堂
寒雀故郷に棲みて幸ありや 相馬遷子 山国
寒雀散らばりてまた元の列 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
寒雀日さすほづ枝を争ふや 高田蝶衣
寒雀日暮るゝ檜葉にゐてたちぬ 鈴木花蓑 鈴木花蓑句集
寒雀暮色ふりきる翅音せり 村越化石
寒雀木花咲耶媛に鳴く 百合山羽公 故園
寒雀枢の音を嫌ふらし 藤田湘子 黒
寒雀母死なしむること残る 耕衣
寒雀水をのむ波湫を揺る 篠原梵 雨
寒雀氷の珠を啄みぬ 松瀬青々
寒雀汝も砂町に煤けしや 石田波郷
寒雀淋しかりければ射たれけり 林原耒井 蜩
寒雀猫にとられてまろ~と 銀漢 吉岡禅寺洞
寒雀盥落しを覗きけり 梧月
寒雀目覚むれば朝さなくば死 金谷信夫
寒雀眼のうつくしく捕られけり 蒼石
寒雀短き主婦の午後終る 梅田実三郎
寒雀石工微笑を刻みをり 成田千空 地霊
寒雀礫となりぬ人の死ヘ 原裕 葦牙
寒雀竹動かして集れり 温亭句集 篠原温亭
寒雀老母が軒にしづもりぬ 永田耕衣 奪鈔
寒雀芥もろとも流れけり 岩田昌寿 地の塩
寒雀見てゐて少し跳ねてみる 岡本眸
寒雀見て居り妻の編みづかれ 鳥居おさむ
寒雀語れる如き首を振り 星野立子
寒雀身にたそがれを浴び緊る 秩父
寒雀身を細うして闘へり 普羅句集 前田普羅
寒雀逃げし鸚哥を友連れに 猪俣千代子 秘 色
寒雀遊び空貨車溜りをり 石塚友二 光塵
寒雀酒庫の窓はぬくからむ 中尾白雨 中尾白雨句集
寒雀酒蔵を出る糀の香 澄雄
寒雀野の日に翼伸ばしけり 碧雲居句集 大谷碧雲居
寒雀隣る立木へ四散して 高澤良一 さざなみやっこ
寒雀雲にぎやかに浮かびたる 飯田龍太
寒雀霊安室を飛んで来し 斎藤玄
寒雀顔見知るまで親しみぬ 風生
寒雀風の簇(やじり)にまじろがず 竹下しづの女句文集 昭和十一年
寒雀風押しとどめかねにけり 八木林之介 青霞集
寒雀騒ぎ解剖に行かねばならぬ 八木三日女 紅 茸
山の大きさみな咥へ寒雀 松澤昭 山處
工場裏朝まだ蒼き寒雀 桂信子 花寂び 以後
幸うすく瞼のうすき寒雀 八束
愛降るかに影とこゑとの寒雀 湘子
掃かれずに凍てたるものや寒雀 春草
撒いてやる今日は餅くづ寒雀 亀井糸游
日だまりに煙草のうまし寒雀 源義
春著の娘ふくら雀と云ふ帯を 矢津 羨魚
曳売の生活に馴染む寒雀 清水富子
朝日まだ路地にとどかず寒雀 南方惇子
朝茶のむうちは居よかし冬雀 乙二
本家元祖よりも丸久寒雀 岸田稚魚
村ありて日向がありて寒雀 原田喬
椎の木をひと日はなれず冬雀 中村秋晴
檻抜けておこぼれ頂戴寒雀 高澤良一 鳩信
死ぬまでは転ぶことなく寒雀 三橋敏雄 まぼろしの鱶
烈風に飛びとどまれる寒雀 福田蓼汀 山火
熱き茶を飲んで用なし寒雀 石田波郷
物にみなはじめと終り寒雀 中尾寿美子
猫の墓にきて遊べよや寒雀 糸山由紀子
猫抱けば猫の目が知る寒雀 大野林火
畑色の寒雀もう日暮るるぞ 藤原たかを
看経の窓ほの~と寒雀 河野静雲 閻魔
眼があへば翔つ生一本寒雀 中尾寿美子
石の相俄かに暮るる寒雀 三好潤子
硝子戸の中に猫ゐる寒雀 遠藤梧逸
碍子より覗くもありて寒雀 石塚友二 光塵
磐石の色に出にけり寒雀 齋藤玄 飛雪
磔像の下に餌拾ふ寒雀 岡部六弥太
祖師像の膝下を去らで寒雀 大橋敦子
祖母の忌や日射しの中に寒雀 古賀まり子
神のてのひらよりこぼれ寒雀 長田等
禅寺へ遊びに来をり冬雀 高澤良一 随笑
筬の音三つ目は間のび寒雀 殿村菟絲子 『晩緑』
箒手に妻が出て来る寒雀 梧逸
箴の音三つ目は間のび寒雀 殿村菟絲子
簷の櫂の醪を嘗めに寒雀 西山泊雲 泊雲句集
糸屑のくれなゐ咥へ寒雀 寿美子
細枝にとびおもりたる寒雀 高橋淡路女 淡路女百句
絖肌の浜から生れ冬雀 磯貝碧蹄館
縁に来し寒雀二羽襟あはす 石川桂郎 含羞
脇へ行くな鬼が見るぞよ寒雀 一茶
脳軟化して点点と寒雀 和田悟朗
船の無き波止に弾みて寒雀 広瀬河太郎
色鳥をよそ目に煤寒雀 竹下しづの女句文集 昭和十五年
荒庭や桐の実つゝく寒雀 永井荷風
菩提寺のおほかたは地に寒雀 古舘曹人 樹下石上
視野にあるうちは許され寒雀 高澤晶子
観世音寺田へ寒雀あそばせて 吉田鴻司
角櫓より寒雀こぼれ落つ 渡辺 彦陽
貸家より主家が低し寒雀 竹下しづの女
贄殿にちちちちちちと寒雀 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
起き出でて咳をする子や寒雀 中村汀女
跫音のそこより起る寒雀 波多野爽波 鋪道の花
路地の顔みな知つてをり寒雀 山野邊としを
身にひゞく職や鉄屑より寒雀 米沢吾亦紅 童顔
軒下の土の乾きや寒雀 高濱年尾 年尾句集
選句しつゝ火種なくしぬ寒雀 渡辺水巴 白日
鉄瓶のしたたかたぎる寒雀 石澤達郎
降り来ては及び腰なる寒雀 石塚友二
陶房を覗きに来たる寒雀 椎橋清翠
雨樋に大きな音や寒雀 星野立子
雪にむかし軍靴の響き寒雀 齋藤愼爾
雪天のくるゝゆとりや寒雀 西山泊雲 泊雲句集
雪天の暮るゝゆとりや寒雀 泊雲
雪晴のくぼみに遊ぶ寒雀 川原 みや女
霜の貯炭光背なせり寒雀 小林康治 玄霜
青き葉のあれば寝に来る寒雀 右城暮石 声と声
青年に愛の一瞥寒雀 齋藤愼爾
頬に手をあてゝものいふ寒雀 岩田昌寿 地の塩
頬墨のすゝけてをりぬ寒雀 静雲
頬黒のすゝけてをりぬ寒雀 閻魔 河野静雲
風吹いて消し山影や寒雀 宮武寒々 朱卓
餌台にまづ一羽来る寒雀 高野清美
黙す日は想ひ湧く日よ寒雀 宍戸富美子
会釈してわが影縮む寒すずめ 根岸 善雄
寒すずめとび立つひびき硝子戸に 林火
力とは地から飛び発つ寒すずめ 五島高資
寒すずめこぼるる桑の雪おろし 石原舟月
郡上のなあふくら雀も春駒を 高澤良一 ぱらりとせ
日延ばしにせぬこと大事冬雀 高澤良一 暮津

寒雀 補遺

いからねば一日はながし寒雀 加藤秋邨
いちはやき旭は輪蔵に寒雀 川端茅舎
いつのまに雨の降りをり寒雀 波多野爽波 鋪道の花
いでいりの息を寒雀に見らる 下村槐太 天涯
けふの糧に幸足る汝や寒雀 杉田久女
しづかなる寝覚めの松や寒雀 山口誓子
しみじみと牛肉は在り寒すずめ 永田耕衣 物質
じやんけんの石(ぐう)の感じの寒雀 鷹羽狩行
ただ二羽も集まるといふ寒雀 山口青邨
ついばむや胃なし男と寒雀 西東三鬼
とび下りて弾みやまずよ寒雀 川端茅舎
ピアノの音絶えぬ嘴とぐ寒雀 野澤節子 未明音
ひつそりと空気を踏んで寒雀 鷲谷七菜子 一盞
ふところに砂糖は買へり寒雀 石田波郷
ぼのくぼに朝日は中り寒雀 齋藤玄 飛雪
まつくらに暮れてしづかや寒雀 永田耕衣
やや肥えて藁うばひ合ふ寒雀 能村登四郎
わがための一日だになし寒雀 加藤秋邨
わが天使なりやおののく寒雀 西東三鬼
わが病める空気ぶるんと寒雀 山口誓子
われ知らずかれわれ知る寒雀 山口青邨
安静時間扉口にも降り寒雀 野澤節子 雪しろ
一握りほどの羽音の寒雀 鷹羽狩行
一夜明け先づ京風の寒雀 西東三鬼
雨音にまぎれず鳴いて寒雀 飯田龍太
駅にむかしの貯炭場と寒雀 鷹羽狩行
園児らに近目遠目の寒雀 飯田龍太
園児らに桜並木の寒雀 飯田龍太
縁に来し寒雀二羽襟あはす 石川桂郎 含羞
襖絵は名知らぬ絵師の寒雀 桂信子 花影
音もなく散りもう来ない冬雀 佐藤鬼房
外科室の吾子寒雀など下りよ 加藤秋邨
咳すれば寒すずめ身をほそう空へ 大野林火 海門 昭和七年以前
碍子より覗くもありて寒雀 石塚友二 光塵
学僧の素足みとどけ冬雀 松村蒼石 雁
寒すずめとび立つひびき硝子戸に 大野林火 早桃 太白集
寒すずめ少しかしまし聖誕祭 平畑静塔
寒すずめ嶺々を鎧へる城の町 角川源義
寒雀うしろむきなる貧しき人 岸田稚魚 雁渡し
寒雀うしろ向きなる貧しき人 岸田稚魚 負け犬
寒雀ころがり発つや日ある木へ 佐藤鬼房
寒雀そが糞ほどをくそまりぬ 石塚友二 玉縄以後
寒雀その幸福の胸脹れ 伊丹三樹彦
寒雀とび下りし時仕事に起つ 中村草田男
寒雀と墨工眼澄む夕餓ゑどき 橋本多佳子
寒雀はつかの土を飛ばしけり 藤田湘子
寒雀ひともひとりの顔を出す 加藤秋邨
寒雀ふつと散りにき玻璃反射 加藤秋邨
寒雀もんどり打つて飛びにけり 川端茅舎
寒雀よりも懈怠の一病者 石田波郷
寒雀一羽が日暮負ひにける 加藤秋邨
寒雀一羽となれば鳴かざりき 加藤秋邨
寒雀羽音つくりて啼かぬとき 百合山羽公 春園
寒雀雲にぎやかに浮びたる 飯田龍太
寒雀遠くは飛ばぬ日向かな 日野草城
寒雀眼のうつくしく捕られけり 松村蒼石 寒鶯抄
寒雀顔見知るまで親しみぬ 富安風生
寒雀鬼の俎とも知らず 津田清子
寒雀胸の地獄に囁き来 加藤秋邨
寒雀見てゐて少し跳ねてみる 岡本眸
寒雀見る愛額にあらはれて 山口誓子
寒雀舷にふくれて糶を待つ 鷹羽狩行
寒雀故郷に棲みて幸ありや 相馬遷子 山国
寒雀午前に午後に弔慰便 伊丹三樹彦
寒雀口に糊してこと足るや 上田五千石『田園』補遺
寒雀散つてゆふべの空縮む 橋閒石 雪
寒雀四五羽来てゐし汐佛 右城暮石 句集外 昭和五十八年
寒雀子供ぐづらす顔洗ふ 高田風人子
寒雀手毬のごとく日空より 川端茅舎
寒雀酒蔵を出る糀の香 森澄雄
寒雀蹴り立つ仄と土ぼこり 三橋敏雄
寒雀松かさよりもまろくして 中村草田男
寒雀硝子戸へ向き向き来る 右城暮石 句集外 昭和二十三年
寒雀浄土鱒吉浄土かな 飯島晴子
寒雀心弱き日衾出ず 石田波郷
寒雀身を細うして闘へり 前田普羅 普羅句集
寒雀人に住む家なかりけり 石塚友二 磯風
寒雀人の夜明けの軽からぬ 西東三鬼
寒雀人は提げゆくもの多き 加藤秋邨
寒雀人前ばかり何を言ふ 加藤秋邨
寒雀水をのむ波湫(くて)を揺る 篠原梵 年々去来の花 雨
寒雀線路好みに遊ぶ二羽 村山故郷
寒雀天水桶に遊びをり 村山故郷
寒雀杜氏蔵人の顔見知る 百合山羽公 樂土以後
寒雀汝も砂町に煤けしや 石田波郷
寒雀波立つ屋根に遊べるも 伊丹三樹彦
寒雀売らるる声の軒くらく 大野林火 冬青集 雨夜抄
寒雀病者ら俳句愛すなり 村山故郷
寒雀母死なしむること残る 永田耕衣
寒雀眠るや貧者病む屋根に 西東三鬼
寒雀木の青苔も夢の中 飯田龍太
寒雀木花咲耶媛に鳴く 百合山羽公 故園
寒雀遊び空貨車溜りをり 石塚友二 光塵
寒雀幼き咳の咳しやむ 佐藤鬼房
寒雀露路の旭がはづみ出づ 加藤秋邨
寒雀露路の日曜兵一人 加藤秋邨
寒雀老母が軒にしづもりぬ 永田耕衣
寒雀老母と戯談交はしけり 永田耕衣
寒雀和田本町に米屋あり 山口青邨
寒雀埃なし危機限りなし 秋元不死男
寒雀礫となりぬ人の死ヘ 原裕 葦牙
看板に吊る肉つきの寒雀 右城暮石 句集外 昭和四十二年
丸の内に逢魔刻あり寒雀 村山故郷
飢ゑて眼の遠き寒雀と思ふ 鷹羽狩行
胸毛そよいで天津畷の寒雀 加藤秋邨
見てゐても知らぬさまにて寒雀 右城暮石 句集外 大正十年
古下駄は音も立たずよ寒雀 中村草田男
枯枝に足ふみかへぬ寒雀 村上鬼城
虎の檻にも来てゐたる寒雀 右城暮石 句集外 昭和二十九年
向うむきの寒雀より街めざむ 加藤秋邨
考へゐる先に二三羽寒雀 岸田稚魚 紅葉山
行く水を越ゆ寒雀小聲して 永田耕衣
砂あびも常の如くに寒雀 高浜年尾
坂町に大きな朝日寒雀 高田風人子
三鬼遺愛の今年また寒雀 三橋敏雄
残るもの木賊の青や寒雀 中村汀女
司祭酒ぶとりして寒雀狸れ 橋閒石
思ひ出すまで寒雀しぐれをり 加藤秋邨
枝移りして二羽が降り寒雀 佐藤鬼房
死ぬまでは転ぶことなく寒雀 三橋敏雄
歯が痛き我におどけて寒雀 藤田湘子 途上
次子生れぬ舌ふくみ鳴く寒雀 中村草田男
修道の朝がはじまる寒雀 津田清子
十字架を掠め寒雀の近道 鷹羽狩行
獣園の網を止り木寒雀 鷹羽狩行
象はあそべり真にあそべる寒雀 加藤秋邨
上人の滅度の障子寒雀 川端茅舎
色里の朝寝の簷の寒雀 日野草城
水飲むとき義眼ひかりし寒雀 山口誓子
水鳥を見に来しが蘆に寒雀 右城暮石 句集外 昭和三年
水明り掠めて飛びし寒雀 右城暮石 虻峠
睡む気へ分け入る声と羽音の寒雀 草間時彦 中年
聖苑に飢ゑて口ばや寒雀 上田五千石『田園』補遺
青き葉のあれば寝に来る寒雀 右城暮石 声と声
青竹の切り口の水寒雀 細見綾子
選句しつゝ火種なくしぬ寒雀 渡邊水巴 白日
霜の貯炭光背なせり寒雀 小林康治 玄霜
大仏の膝は厚しや寒雀 上野泰
谷の町崖際好み寒雀 中村草田男
地にころぶ黒寒雀今の友 西東三鬼
地へ下りる羽音や庵の寒雀 原石鼎 花影
茶畑の土にまぎれぬ寒雀 三橋鷹女
宙に見えぬものつたひとぶ寒雀 三橋敏雄
貯炭場に舌強く生き寒雀 鷹羽狩行
庭の日を分けあひわれと寒雀 後藤比奈夫
鉄塔の日射してすぐに冬雀 廣瀬直人 帰路
天の国いよいよ遠し寒雀 西東三鬼
天餌足りて胸づくろひの寒雀 中村草田男
冬雀一声あげて深くあり 原裕 青垣
塔に屋根いくつもありて寒雀 鷹羽狩行
堂中の風のきしみや寒雀 石橋秀野
鍋墨を塗られし頬の寒雀 鷹羽狩行
二羽となりて身細うしけり寒雀 臼田亜郎 定本亜浪句集
日だまりに煙草のうまし寒雀 角川源義
日輪に寒雀皆蝟(ゐ)のごとし 川端茅舎
猫抱けば猫の目が知る寒雀 大野林火 雪華 昭和三十九年
馬小舎の馬に来馴れし寒雀 右城暮石 句集外 大正十二年
磐石の色に出にけり寒雀 齋藤玄 飛雪
飛行音身をすり寄せて寒雀 西東三鬼
文は鉛筆枝で嘴研ぐ寒雀 秋元不死男
米売のあと橋ゆけり寒雀 藤田湘子 途上
母訪へば母と我が日や寒雀 永田耕衣
菩提寺のおほかたは地に寒雀 古舘曹人 樹下石上
本家元祖よりも丸久寒雀 岸田稚魚
明けそめてゐて寒雀まだ見えず 加藤秋邨
鳴き合ひて塒あたたむ寒雀 右城暮石 虻峠
鳴くこともなきが如くに寒雀 山口青邨
目のまはり煤けてゐずや寒雀 鷹羽狩行
友病臥わづかの竹に寒雀 中村草田男
夕闇の中の来し方寒雀 廣瀬直人
夕栄にはじきふばされ寒雀 阿波野青畝
幼子の忘れスリッパ寒雀 飯田龍太
旅人に菅田庵の寒雀 山口青邨
烈風に飛びとどまれる寒雀 福田蓼汀 山火
跫音のそこより起る寒雀 波多野爽波 鋪道の花
闊達や摩天の枝に寒雀 中村草田男

寒雀 続補遺 

朝茶のむうちは居よかし冬雀 松窓乙二
ふくらみて梅の木つきや冬雀 四睡

以上

by 575fudemakase | 2017-04-17 04:52 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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by 575fudemakase

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インターネットの「Google」や「yahoo」の検索ボックスから、季語等を入力して数多くの例句を得られれば大変便利である。

具体的に季語“新樹”の例句を求めるには、先ず検索ボックスに“新樹”と入力する。
その後、ひらかなで“れいく”と入力する。この時、日本語変換候補に幾つかの語彙が表示されるが、その中から“575筆まか勢”を選択する。
この結果、検索ボックスには “新樹575筆まか勢”と表示される筈である。
この用語で検索すれば求めるサイトが表示される。

但し、上述の ひらかなの“れいく”と入力して“575筆まか勢”を選択する為には、事前に小細工をしておく必要がある。
即ち、ユーザーズ辞書を使って “れいく=575筆まか勢”を定義しておく必要がある。以下はその指定方法。

ユーザーズ辞書定義

▼iPadの場合
設定>一般>キーボード>ユーザーズ辞書

単語 575筆まか勢
よみ れいく

▼kindleの場合
アプリ>設定>言語とキーボード>キーボードの設定>ユーザーズ辞書

読み れいく
表記 575筆まか勢

PCの場合も同様に「ユーザーズ辞書」機能を使い、前もって定義しておく。

春の季語から現在の当季季語までは既に表示可能である。
来年の三月末(2015年3月末)までに全季語について表示可能となる。

以上

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