寒泳 の俳句

寒泳 の俳句

寒泳

例句を挙げる。

ある日忸怩として寒泳を見てゐたる 鈴木栄子
すれちがひざま寒泳の髪雫 福永耕二
ややありて寒泳の身の火照り出す 斉木 永久
七十路を越えて寒泳波立てず 鈴木 照子
固き氷割りて寒泳始まれり 稲垣暁星子
寒中水泳観る寒泳の貌をして 河野南畦 『試走車』
寒泳にゐる筈もなき吾さがす 能村研三 鷹の木
寒泳に拍手せざるはわれひとり 小川双々子
寒泳に流れも見せぬ河の面 津田清子
寒泳に芋粥煮ゆる石竃 下村ひろし 西陲集
寒泳に藍一色の嶺(やまね)かな 松村蒼石 寒鶯抄
寒泳のあと高層に日がけぶり 友岡子郷 風日
寒泳のかげ川底をすすみけり 根岸善雄
寒泳のかたまり泳ぐ日の真下 細川加賀 『傷痕』
寒泳のくちびるよりぞ到着す 白岩 三郎
寒泳のすみたる磯の焚火あと 堀田春子
寒泳のとりすがりたる舳先かな 細川加賀 『玉虫』
寒泳のまだ濡らさざる紺水着 長田等
寒泳の先頭川の封を切る 松山足羽
寒泳の前胸板を羽交打ち 中戸川朝人 星辰
寒泳の抜手に水のしたたらず 内藤吐天 鳴海抄
寒泳の柳眉逆立て水を出づ 澤田 緑生
寒泳の歯の根も合はず哀しまる 加藤かけい
寒泳の水引き摺りて上りけり 田村一翠
寒泳の河馬しとやかに足揃へ 堀口星眠 樹の雫
寒泳の法然上人かも知れず 佐々木六戈 百韻反故 わたくし雨
寒泳の炭火を土の上に焚く 田中午次郎
寒泳の端のひとりのやや逸り 久保田博
寒泳の粥のさみどりたぎりをり 大沢ひろし
寒泳の衆目を負ふ褌(こん)の白 能村登四郎 幻山水
寒泳の身よりも黒眸濡れてくる 能村登四郎
寒泳の雄叫びに翔く群千鳥 松本幹雄
寒泳の頭に立つ波のひかりなし 金子潮
寒泳の首紺青の海へ出す 池田秀水
寒泳や口中昏く波の立つ 庄司とほる
寒泳や古式泳法皮切りに 三原美加
寒泳や水着になれば齢なし 高田里江
寒泳を了へ雪白のタオル纒ふ 内藤吐天 鳴海抄
寒泳を指の先まで凍てて見る 宮原 双馨
寒泳を観る固き顔かたき貌 佐野まもる
寒泳子行者のごとく川に入る 勝部十糸女
寒泳少女如何なる夫を賜らむ 津田清子
寒泳終るもとの蒼さの川となり 尾形不二子
寒泳者浪子の海を前にせり 高澤良一 ぱらりとせ
幟旗立て寒泳の護衛船 武智ふさ子
掛け声をかけあひ寒泳浜にそふ 初村迪子
父母より長き髪寒泳の立泳ぎ 藤井照久
陸続と来る寒泳の眼かな 大島雄作
勝者なく寒中水泳終りけり 伊藤通明
寒中水泳観る寒泳の貌をして 河野南畦 『試走車』
犬歯見せ寒中水泳よりもどる 大石雄鬼

寒泳 補遺

寒泳少女如何なる夫を賜らむ 津田清子
寒泳の禊ありけりいつく島 平畑静塔
寒泳の白一本を締めしのみ 鷹羽狩行
寒泳の追ひ追はるるもうねり中 能村登四郎
寒泳の成就者首をさし上げし 平畑静塔
寒泳の身よりも黒眸濡れてくる 能村登四郎
寒泳の衆目を負ふ褌の白 能村登四郎
寒泳の若者ひとりふたり知り 能村登四郎
寒泳の古式ゆたかに波立てず 鷹羽狩行
寒泳の見るに忍びぬ画面かな 相生垣瓜人 負暄
寒泳に藍一色の嶺かな 松村蒼石 寒鶯抄
寒泳に送りし拍手鴎翔たす 鷹羽狩行
寒泳に神もきびしく火断ちせり 平畑静塔
炎若うして寒泳を待つ焚火 能村登四郎

以上

by 575fudemakase | 2017-04-17 21:29 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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