凍滝 の俳句

凍滝 の俳句

凍滝

例句を挙げる。

ときめくよ一糸纏はぬ凍瀧に 三好潤子
一切放下して凍滝の融け始む 高橋悦男
一瞬に大凍滝のゆるみ落つ 松住清文
凍て滝の裏に水落つ音のして 福井千悠
凍滝あまた稀に音たて落つるあり 福田蓼汀 秋風挽歌
凍滝と奥嶺の月と照らし合ふ 能村登四郎
凍滝に一縷の自在ゆるさるる 山崎冨美子
凍滝に刻ながるるは雪降れり 鈴木貞雄
凍滝に来て一穂の火を供ふ 右城暮石
凍滝に生きてゐるなり水一縷 椎名康之
凍滝に礼して神楽舞ひ納む 矢島渚男
凍滝に積む雪旅の先いそぐ 津田清子 礼 拝
凍滝に約束のひと来てゐたる 辻桃子
凍滝のいただき天に触れてをり 三森鉄治
凍滝のうす緑なる襞の数 高濱年尾 年尾句集
凍滝のかげりつくせる日のあり処 木村蕪城 寒泉
凍滝のそのいただきに日が射して 山口青邨
凍滝のなかを貫く青きもの 江井芳朗
凍滝のゆるびて呱々の声となる 椎橋清翠
凍滝の一水走り意志通す 高橋良子
凍滝の凍てても見ゆる滝の相 能村登四郎
凍滝の寂莫たりし解けはじむ 松本たかし
凍滝の帆明りほどの遠さかな 鷹羽狩行
凍滝の怒濤の音を嵌め殺し 石嶌岳
凍滝の明るさにをり車椅子 谷口紫頭火
凍滝の氷柱己を封じたり 野沢節子
凍滝の玉簾なす水の音 川辺房子
凍滝の真正面の厚さかな(袋田) 岸田稚魚 『萩供養』
凍滝の膝折るごとく崩れけり 上田五千石 森林
凍滝の自ら音を絶ちにけり 今関幸代
凍滝の身ぬちを水の流れゐる 鈴木貞雄
凍滝の阿修羅の相を愛しめる 堀口星眠 青葉木菟
凍滝は巌にかかり宙に出づ 三木星童
凍滝は日翳りやすし三十三才 有働 亨
凍滝を眉間にかかげ独鈷山 宮津昭彦
凍滝を蔵して山の総昃り 津田清子
凍滝を見る太陽の側に佇ち 村越化石 山國抄
凍滝を視てきしくちびるとおもふ 夏井いつき
凍瀧が吾が目にあふれ空にあふれ 今瀬剛一
凍瀧が落ちて来さうな月の町 今瀬剛一
凍瀧に倚れば上り来地の韻き 火村卓造
凍瀧のしろがね闇をつらぬけり 桂信子
凍瀧の人影しかと岩に踏む 古舘曹人 砂の音
凍瀧の内や垂水の音やさし 佐藤希世
凍瀧の樹を呑み込んでゐたりけり 寺島ただし
凍瀧の芯を凍て得ぬ水いそぐ 津田清子
凍瀧や千年も待つここちして 大木あまり 火球
凍瀧や失ひしもの火のいろに 大木あまり 火のいろに
凍瀧や根付の鈴を鳴らしみる 野口光江
凍瀧や禽ちらばつて散らばつて 大木あまり 火球
夜の凍滝無数の忍者攀じのぼる 田辺香代子
月光の凍滝に刻蒼みけり 富川明子
月徐々に射す凍滝の苦悶相 林翔
源流は凍滝に尽き峠越え 福田蓼汀 秋風挽歌
火を焚いて凍瀧守となりたしや 大木あまり 火球
皎々として凍瀧の刻うつる 古舘曹人 砂の音
青空の端より凍てゝ滝かかる 井芹眞一郎
音を生みけり凍滝の一とかけら 行方 克巳
ねむるまで冬滝ひびく水の上 飯田龍太
体内に大冬滝をもち戻る 平井照敏 天上大風
冬滝に対ひ刻々いのち減る 後藤比奈夫 花匂ひ
冬滝のきけば相つぐこだまかな 飯田蛇笏(1885-1962)
冬滝のその巌相を見たるのみ 林 翔
冬滝の伝記かなしく棒立に 古舘曹人 能登の蛙
冬滝の力抜きたる力あり 河野南畦 『元禄の夢』
冬滝の哭きやみてより氷りけり 小林康治 『叢林』
冬滝の墨絵となりて山毛欅に消ゆ 松村蒼石 雁
冬滝の天ぽつかりと青を見す 橋本多佳子
冬滝の澄み切る壺に五指浸す 原裕 青垣
冬滝の谺蕩々と湯の小滝 松村蒼石 雁
冬滝を日のしりぞけば音変る 西東三鬼
冬瀧に降り込むもののつぎつぎに 藺草慶子
冬瀧の真上日のあと月通る 桂信子
冬瀧の飛沫となりぬわが髪も 都筑智子
甘露てふもの冬瀧の遠しぶき 塚本邦雄 甘露
ぎりぎりの命脈保つ冬の滝 榊瑞芳
ねむれねば頭中に数ふ冬の滝 赤尾兜子(1925-81)
みな暗き口あき仰ぐ冬の滝 朔多 恭
一本の荒縄に閉づ冬の瀧 古舘曹人 砂の音
七星の柄杓が落とす冬の滝 有馬朗人
位置変へて冬の滝音楽しめり 加藤憲曠
八方に音捨ててゐる冬の滝 飯田龍太 山の影
冬の滝おのが響の中に落つ 中村世紀
冬の滝一岩盤を擁しけり 吉田紫乃
冬の滝不動明王ひとり立つ 加藤知世子 花寂び
冬の滝丸太一本吐き出せる 小川原嘘帥
冬の滝人に言葉を求めはせず 大井雅人 龍岡村
冬の滝奈落の音となりゆけり 柴田白葉女
冬の滝朝日夕日もなき巌 野澤節子 遠い橋
冬の滝水のかたまり叩きつける 藤岡筑邨
冬の滝細くおもたく峰よりす 松村蒼石 雁
冬の滝音かへしくる石鼎忌 原裕 青垣
冬の滝音を殺して落ちにけり 鈴木真砂女
冬の瀧おのれの壁に響きけり 古舘曹人 砂の音
冬の瀧わが怨念を打ちひびく 野澤節子
冬の瀧力をためてゐたりけり 平井照敏
冬の瀧底へ底へと落ちゆけり 井上 康明
冬の瀧心棒立てゝとゞろけり 沢木欣一 往還以後
冬の瀧男の膝に陽があたり 上野さち子
凶悪な音の夜に入る冬の滝 飯田龍太 遅速
創造のこと冬の滝まつすぐに 小川双々子
大巌に振り放さるる冬の滝 西本一都
天空へ駆けのぼるごと冬の滝 上野さち子
少年や父には冬の滝かかり 鈴木六林男 悪霊
文書くやすぐ恋文のやう冬の滝 加藤知世子 花寂び
月上げて白を彩とす冬の滝 町田しげき
しつかりと見ておけと瀧凍りけり 今瀬剛一
どこか水落ちてゐる音滝氷る 石井とし夫
一筋の流れを残し滝凍つる 池田秀水
一鳥の影もゆるさず滝凍る 平子公一
乾坤の刻をとどめて滝凍る 町田しげき
凍つる滝凍つる星いま息かよふ 今泉宇涯
啄木鳥の谺は天に滝凍る 三谷和子
大いなる水を束ねて滝凍てり 保坂リエ
天日へ一徹の直滝凍る つじ加代子
山の背を越えがたく滝凍てており 駒 志津子
岩々のまとふ青さに滝凍る 木村蕪城
巌巌のまとふ蒼さに滝凍つる 木村蕪城 寒泉
日和空覗かせて滝凍てにけり 森田峠 避暑散歩
水の自在わづかに許し滝氷る 佐野美智
滝凍ててみちのくの風青みたる 下山芳子
滝凍ててもろもろの巌立ちあがる 細川加賀
滝凍ててをらず目的失ひし 橋本美代子
滝凍てて人間遠くありにけり 佐久間慧子
滝凍てて大音響をこもらする 小林康治 『華髪』
滝凍てて巌も眠りにつきにけり 鈴木貞雄
滝凍てて微塵の音のなかりけり 西岡フサ子
滝凍てて日輪宙にくるめける 木村蕪城 寒泉
滝凍てて立つ一切を忘却し 橋本美代子
滝凍てて金剛力のこもりけり 小島花枝
滝凍る中空に裾ふつ切れて 早崎明
滝凍る刻の止まりし形して 原田走日朗
滝壺ゆ逆しまに滝凍てにけり 相馬遷子 山河
滝氷り木の実に小鳥はたはたす 宇佐美魚目 天地存問
滝氷る上索道も停止して 右城暮石 上下
翔ぶ鳥の下にひかりて瀧氷る 中戸川朝人
老神の上から瞶め滝氷る 和知喜八 同齢
滝冱てて製多迦童子ころびをり 阿波野青畝
凍る滝取巻く闇のうすみどり 岸田稚魚 筍流し
凍る滝生身の禽をはじきけり 岸田稚魚 筍流し
凍る滝落下の滝とすれちがう 河合凱夫 飛礫
凍る滝落下途中の形して 村上冬燕
明日あたりかならず凍る滝に立つ 能村登四郎 寒九
氷る滝その上をせく水のあり 有馬朗人 天為
風響くなり氷瀑の大伽藍(カテドラル)高澤良一 ぱらりとせ

凍滝 補遺

あるときはもつるるままに冬の滝 桂信子 花影
ねむるまで冬滝ひびく水の上 飯田龍太
まつたうに落ちて冬滝ただ白し 桂信子「草影」以後
みづからを照らして夜の凍滝は 上田五千石『風景』補遺
一枚の氷盤流れ来滝の川 山口青邨
一椀に 甘酒の膜 冬滝見る 伊丹三樹彦
影のごと人去りゆけり氷り滝 鷲谷七菜子 花寂び
洩れ日寄らしめず冬滝の巌ぶすま 鷲谷七菜子 銃身
巌巌のまとふ蒼さに滝凍つる 木村蕪城 寒泉
月射して凍滝さらに凍つる刻 能村登四郎
月徐々に射す凍滝の苦悶相 林翔
見尽して去ぬるそびらの冬の滝 日野草城
源流は凍滝に尽き峠越え 福田蓼汀 秋風挽歌
古氷懸けたる瀧を山鴉 石田勝彦 雙杵
紅蓮大紅蓮の氷瀧壺に 松本たかし
山ふかき冬滝にして忘らるる 能村登四郎
女等に白い矯声冬の滝 飴山實 おりいぶ
全石のひびきを絶ちて滝凍る 阿波野青畝
体内に大冬滝をもち戻る 平井照敏 天上大風
滝見茶屋赤ん坊が泣き滝凍る 山口青邨
滝凍つとはげしく星の息づけり 林翔
滝凍てしめず落下すなほ落下す 橋本多佳子
滝凍てずおよし明神およしのため 山口誓子
滝凍てて日輪宙にくるめける 木村蕪城 寒泉
滝凍りわが顔涙流しけり 山口青邨
滝氷る上索道も停止して 右城暮石 上下
滝壺ゆ逆しまに滝凍てにけり 相馬遷子 山河
男滝凍る悲愴も敢てなす 能村登四郎
爪先を使ひつづけて凍滝道 岡本眸
冬の滝の仔細つぶさに見て返す 安住敦
冬の滝ひびく生死のうらおもて 飯田龍太
冬の滝音かへしくる石鼎忌 原裕 青垣
冬の滝音を殺して落ちにけり 鈴木真砂女 都鳥
冬の滝間髪近き岩濡らさず 平畑静塔
冬の滝細くおもたく峰よりす 松村蒼石 雁
冬の滝晩年賭くることありけり 安住敦
冬の滝脇のラヂオに笑い声 飴山實 おりいぶ
冬の滝腋のラヂオに笑い声 飴山實 おりいぶ
冬滝に対ひ刻々いのち減る 後藤比奈夫
冬滝のきけば相つぐこだまかな 飯田蛇笏 春蘭
冬滝の真上日のあと月通る 桂信子 花影
冬滝の澄み切る壺に五指浸す 原裕 青垣
冬滝の前おし黙りおしとほす 星野麥丘人
冬滝の天ぽつかりと青を見す 橋本多佳子
冬滝の伝記かなしく棒立に 古舘曹人 能登の蛙
冬滝の虹一聯や神話の地 角川源義
冬滝の白襟合し落ちにけり 岡本眸
冬滝の墨絵となりて山毛欅に消ゆ 松村蒼石 雁
冬滝の縒りをくれたる一糸あり 上田五千石『琥珀』補遺
冬滝の谺蕩々と湯の小滝 松村蒼石 雁
冬滝を日のしりぞけば音変る 西東三鬼
凍る滝ときをり駅の拡声器 大野林火 飛花集 昭和四十五年
凍る滝取巻く闇のうすみどり 岸田稚魚 筍流し
凍る滝生身の禽をはじきけり 岸田稚魚 筍流し
凍滝あまた稀に音たて落つるあり 福田蓼汀 秋風挽歌
凍滝と奥嶺の月と照し合ふ 能村登四郎
凍滝にコカコーラーの赤ベンチ 右城暮石 一芸
凍滝に月の光のいま及ぶ 山口青邨
凍滝に月光量を徐々に殖す 能村登四郎
凍滝に積む雪旅の先いそぐ 津田清子 礼拝
凍滝に対す一足十指もて 岡本眸
凍滝に注連張る二重三重に 右城暮石 一芸
凍滝に来て一穂の火を供ふ 右城暮石 虻峠
凍滝のかげりつくせる日のあり処 木村蕪城 寒泉
凍滝のしろがね闇をつらぬけり 桂信子 花影
凍滝のそのいただきに日が射して 山口青邨
凍滝の産まぬ身となりそそり立つ 鷹羽狩行
凍滝の自ら溶くるほかはなし 津田清子
凍滝の神も容れざる深奥部 能村登四郎
凍滝の神を封ぜし辺のくもり 能村登四郎
凍滝の凍てゝも見ゆる滝の相 能村登四郎
凍滝の帆明かりほどの遠さかな 鷹羽狩行
凍滝の膝折るごとく崩れけり 上田五千石 森林
凍滝へ下り行く者を押し止む 右城暮石 句集外 昭和四十六年
凍滝へ両足分の地の平ら 岡本眸
凍滝や未生も死後も白世界 岡本眸
凍滝を蔵して山の総昃り 津田清子
日矢を得て白刃の光冬の滝 桂信子 草影
剥落の氷衣の中に滝自身 上田五千石 森林
白き日の炎ゆるしづけさ冬の滝 鷲谷七菜子 黄炎
白玉楼中の人を遠くす滝氷柱 福田蓼汀 秋風挽歌
氷り滝いづこよりこゑ洩らしゐる 鷲谷七菜子 天鼓
明日あたりかならず凍る滝に立つ 能村登四郎
木を樵りにゆく凍滝の上渉り 津田清子
夜も音のとどろき止まず冬の滝 桂信子 花影

凍滝 続補遺

滝はゞや氷の中のいざり松 其角

以上

by 575fudemakase | 2017-04-18 05:48 | 冬の季語 | Trackback | Comments(0)
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