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引鴨  の俳句

引鴨  の俳句

引鴨

例句を挙げる。

いつまでも田畑のさむき鴨帰る 百合山羽公 故園
もう一度雪降つてから鴨帰す 矢島渚男
やはらかきはこべと水と鴨帰る 百合山羽公 故園
一巡は別れの言葉鴨帰る 吉村ひさ志
何万の引鴨と舸夫の言ひあひぬ 石鼎
北蒼しうなじを伸べて鴨帰る 千代田葛彦 旅人木
埋立ての音に急かれて鴨帰る 岩下幸子
大聖寺片野鴨池鴨帰る 石原八束 『風霜記』
巣にこもる鵜をはるかにし鴨帰る 松村蒼石 寒鶯抄
帰る鴨沼の光りの外に出し 石井とし夫
引鴨とへだたるばかり昼の月 昭彦
引鴨にやはらかく口噤みゐる 石田郷子
引鴨に一夜の雪や前白根 湘子
引鴨に弁明などはなかるべし 安住敦
引鴨に昼月きえず風吹く天 飯田蛇笏 雪峡
引鴨に浚渫船は位置変へず 森田峠 逆瀬川
引鴨に目をそらさざりひとり旅 森川暁水 黴
引鴨に虚子なきことにふと暗し 阿部みどり女
引鴨に里人けふも手をかざす 高濱年尾 年尾句集
引鴨のいくたびとなく空にこゑ 石嶌岳
引鴨のうからか友か空に合ふ 中 拓夫
引鴨のうなじをのべてつづきけり 橋本鶏二 年輪
引鴨のおのおののべしうなじかな 橋本鶏二 年輪
引鴨のそゝくさとまた水に落つ 渡辺七三郎
引鴨のふたてにわかる暮天かな 福田甲子雄
引鴨のむかし流人に鳴きし島 佐野まもる 海郷
引鴨の一と声もなく岸離る 保坂とも子
引鴨の三四羽ながら竿づくり 松府楼
引鴨の俯瞰の谷間光りをり 坂本山秀朗
引鴨の又たつ沼の渡船かな 赤木格堂
引鴨の名残りの水尾となりにけり 川岸金治郎
引鴨の声や枕に日が射して 攝津よしこ
引鴨の小さき陣の渡り行く 天野 貞枝
引鴨の日々来日々去る港かな 佐々木遡舟
引鴨の明日の行方に波やさし ひふみ
引鴨の松風ばかり残りけり 井上唖々
引鴨の海上に噴く夜の雲 角川源義
引鴨の消えしまなかにきら~と 皆吉爽雨
引鴨の渦のだんだん高くなり 石田勝彦 秋興
引鴨の空見上げては羽繕ふ 河本好恵
引鴨の羽音しわしわしわしわと 鶏二
引鴨の羽音ののこる日暮空 福田甲子雄
引鴨の翔つにもあらず睦む嘴 コウ子
引鴨や光も波もこまやかに 津田清子
引鴨や大きな傘のあふられて 田中裕明 花間一壺
引鴨や岳のすがたに星残り 岡田貞峰
引鴨や朝なぎつづく舟のみち 胡準
引鴨や網走川は水捲ける 戸川幸夫
引鴨を見し日の宿り妻へ文 森川暁水 黴
引鴨を見し日の泊り妓を呼びぬ 森川暁水 黴
引鴨を見し日下船の君来る日 亀井糸游
引鴨を追ふかに濤の打返す 原コウ子
思ひ羽根日に鮮かに帰る鴨 町田しげき
楓の芽ほのかに紅し鴨帰る 秋櫻子
歳月をわれし得ず鴨帰る 杉山岳陽 晩婚
水中も杭まつすぐや鴨帰る 大串章
水郷をふり向きもせず鴨帰る 町田しげき
消えて又見えて引鴨水や空 皆吉爽雨
湖の剥がるるごとく鴨帰る 藤井寿江子
満天の星に引鴨たぢろがず 中村まゆみ
現世をはみ出して行く鴨数羽 小泉八重子
瞳の中に引鴨の水尾ひきあへる 原裕 青垣
行く鴨にまことさびしき昼の雨 楸邨
行く鴨のまことさびしき昼の雨 加藤楸邨
行く鴨の嘴ほどの月懸りをり 堀口星眠 営巣期
雪壁の炎ゆる夜空ぞ鴨帰る 堀口星眠
雲山脈帰る鴨また夕あをし 堀口星眠 営巣期
頚のべて浦安の鴨帰るなり 鈴木真砂女
頸のべて浦安の鴨帰るなり 鈴木真砂女
風音の夕空となり鴨帰る 古賀まり子 緑の野以後
馳せちがふ野水のひかり鴨帰る 羽公
鴨帰りひろらの波に真珠棚 秋光泉児
鴨帰り俄に青し土手の草 石塚友二
鴨帰るふはふは熱き白湯吹きて 中拓夫
鴨帰る噴火に人は疲れゐむ 金箱戈止夫
鴨帰る日和朱線を強く引く 原裕 葦牙
鴨帰る朝の工場の屋根光り 米沢吾亦紅 童顔
鴨帰る空やはたりと雪やんで 拓夫

引鴨 補遺

あとかたもなく鴨引いてをりたるよ 清崎敏郎
いつまでも田畑のさむき鴨帰る 百合山羽公 故園
たてつづけに光通れり鴨帰る 岡井省二 明野
のこれるは荒波にをり鴨かへる 水原秋櫻子 霜林
やはらかきはこべと水と鴨帰る 百合山羽公 故園
引鴨に一夜の雪や前白根 藤田湘子 途上
引鴨に空ひと雨の来るらしき 鈴木真砂女
引鴨に昼月きえず風吹く天 飯田蛇笏 雪峡
引鴨に浜松は籟送るべし 上田五千石 天路
引鴨に弁明などはなかるべし 安住敦
引鴨に北国はまだ雪の日々 鈴木真砂女 居待月
引鴨に甍よく照る湖の町 鷲谷七菜子 游影
引鴨のあと青々と旅の空 中村苑子
引鴨のその先々のことは知らず 鈴木真砂女 居待月
引鴨の渦のだんだん高くなり 石田勝彦 秋興
引鴨の海上に噴く夜の雲 角川源義
引鴨の空に伸びゐし足場解く 稲畑汀子
引鴨の腰を重しとみたりけり 鈴木真砂女
引鴨の吹雪くがごとし湖の上 山田みづえ 手甲
引鴨の舞うて勢ひのあることも 高浜年尾
引鴨の焚火ばかりを記憶せり 岡井省二 明野
引鴨仰ぐ歎きの過去は忘じゐて 鈴木真砂女 居待月
隠沼のある夜はばたき鴨帰る 山口青邨
何万の引鴨と舸夫の言ひあひぬ 原石鼎 花影
鴨引いてこの方くすり浸りかな 鈴木真砂女 居待月
鴨引いて記すべきもなき日を継げる 上田五千石『琥珀』補遺
鴨引いて小池淋しやさゝら波 正岡子規 鳥帰る
鴨引きし湖に手かざす旅馴れて 藤田湘子 途上
鴨引きし江戸川尻に我宿る 阿波野青畝
鴨引きて雨の水輪を昼に見き 松村蒼石 雪
鴨引きて堰を越えゆく鴨の羽 桂信子 草影
鴨引きて関の鉄砲袖がらみ 百合山羽公 寒雁
鴨引きて放心のさま鳶にあり 百合山羽公 樂土
鴨引きて蛻の池の底暗し 上村占魚
鴨引くか夜をこめて鳴きあはせけり 松村蒼石 雪
鴨引くと灯明の焔の立ち直り 波多野爽波
鴨引くやこよひ弁天島賑はしく 山口青邨
鴨引くやとんどの祭まつさかり 岡井省二 明野
鴨引くや寒き鉄路の走りつゝ 百合山羽公 故園
鴨引くや常陸に白き岩襖 古舘曹人 樹下石上
鴨引くや人生うしろふりむくな 鈴木真砂女
鴨引くや猫悉く屋上に 相生垣瓜人 微茫集
鴨引くや不忍あたり未明の灯 山口青邨
鴨引くや弁財天に御灯明を 山口青邨
鴨引くを見とどけて池一周す 鈴木真砂女 紫木蓮
鴨帰るまへの林泉寂々と 飯島晴子
鴨帰る空鳥曇りとはならず 岡井省二 猩々
鴨帰る松坂屋も上野の山も覚え 山口青邨
鴨帰る日和朱線を強く引く 原裕 葦牙
鴨帰る勿れ白山白きうち 山口誓子
観潮の帰航の雲に鴨引ける 飯田蛇笏 旅ゆく諷詠
雁は帰る鴨はいづこへ種おろし 白雄 白雄句集
帰る鴨鵜に一瞥もなかりけり 鈴木真砂女
帰る鴨鳰と別れを惜しみけり 鈴木真砂女 居待月
空谿の何の谺ぞ鴨かへる 藤田湘子 途上
湖際で鴨引浪にゆられゆられ 平畑静塔
黒茶碗鴨引きし湖のこりけり 桂信子 花影
死火山の陽は青々と鴨引けり 飯田蛇笏 家郷の霧
終の鴨引いて三日の浦の雨 上田五千石 天路
新陵の鴨引く空となりにけり 石田勝彦 秋興
水離れ際やかに鴨引かんとす 上田五千石『琥珀』補遺
巣にこもる鵜をはるかにし鴨帰る 松村蒼石 寒鶯抄
池の鴨引き際いさぎよかりけり 鈴木真砂女
馳せちがふ野水のひかり鴨帰る 百合山羽公 故園
天高く地をはなしては鴨引くか 松村蒼石 寒鶯抄
瞳の中に引鴨の水尾ひきあへる 原裕 青垣
樋鞘の泥恋ひ帰る鴨ならん 阿波野青畝
病室に鴨引く声の縷となりぬ 斎藤玄 狩眼
布袋草咲く 引鴨の名残り舞 伊丹三樹彦
楓の芽ほのかに紅し鴨かへる 水原秋櫻子 古鏡
弁財天夜もみそなはす鴨帰る 山口青邨
目つむりて鴨引くこゑとなりゐたる 森澄雄
陵をめぐりては鴨帰るなり 石田勝彦 秋興以後
頸のべて浦安の鴨帰るなり 鈴木真砂女

by 575fudemakase | 2017-04-30 04:33 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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