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蟻穴を出づ   の俳句

蟻穴を出づ   の俳句

蟻穴を出づ

例句を挙げる。

ある晴れた日に蟻穴を出てあるく 別所信子
うつぶせの落椿より蟻が出て 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
おのが置く影より淡き春の蟻 岡本眸
かぎりなく出でしが羽蟻忽と消ゆ 岡本まち子
かぎりなく蟻が出てくる穴の音なく 尾崎放哉
つつかけで出て庭先の蟻を見ん 高澤良一 随笑
はかどらず羽蟻出づ日の一夜漬け 高澤良一 暮津
はみ出しが逆に歩める蟻の列 大木 茂
はや働くさまに尻立て蟻出づる 後藤一朗 『雪間』
ふるさとの蟻這ひ出せる宅急便 高間礼子
ほとけの水に溺るゝ蟻を出してやりぬ 林原耒井 蜩
まつさきに出し蟻のゐて蟻出づる 新明紫明
むし暑い部屋の殺しても蟻は出てくる 住宅顕信 未完成
ナイターの蟻出てくるよパンの為 平畑静塔
一匹が出てしばらくを蟻の穴 佐々木六戈 百韻反故 吾亦紅
一匹のやさしき蟻の穴を出づ 中村若沙
先歩く女の匂ひ山蟻出づ 右城暮石 声と声
出るやいなや蚯蚓は蟻に引かれけり 一茶
出るやいな蚯蚓は蟻に引かれけり 一茶「九番日記」
分家われに冬の蟻出づ父の墓 古舘曹人 能登の蛙
台風一過倒木蟻を噴き出しぬ 鵜飼直子
啓蟄の蟻はころがり出づるかな 中田剛 珠樹以後
土食みつつ出で来し蟻が物言はめ 太田鴻村 穂国
地下鉄を出て日のかつと蟻の粒 蓬田紀枝子
夜も出づる蟻よ疲れは妻も負ふ 大野林火
夜も出て働く蟻が蚊帳を攀ず 田川飛旅子 花文字
大いなる蟻出て来たり虚子の墓 辻桃子
大蟻の不意に顔出す販売機 小島裕子
好例と引き合ひに出し集(たか)る蟻 高澤良一 石鏡
妻留守の厨に出でし蟻殺す 相馬遷子 山河
山の蟻大き夕日を引きに出て 野澤節子 『駿河蘭』
山蟻の出てくる墓地の名刺受 福田甲子雉
影を出ておどろきやすき蟻となる 寺山修司 花粉航海
手の影にあはてふためき春の蟻 阿部みどり女 月下美人
教会の門より出づる蟻の道 山内山彦
日盛や蟻這ひ出づる蝉の穴 会津八一
春の蟻つづく蟻なき曇かな 阿部みどり女
春の蟻つやつやと貌拭くさます 加藤楸邨
春の蟻とばされながら行方もつ 小檜山繁子
春の蟻はや天日に焦げにけり 阿部みどり女
春の蟻はや石亭の庭走る 迫田健路
春の蟻まだ列なさず女寺 矢萩シン
春の蟻アロエの剣の刃を渉る 脇本星浪
春の蟻彌撒のぞかむと樹をのぼる 大島民郎
春の蟻払ひし腕をなほのぼる 斎藤清水
春の蟻疾駆して相逢ひにけり 原田喬
春の蟻砂丘にのこる風の紋 八木透
木嵐にこぼれし蟻の歩き出す 内藤吐天 鳴海抄
木蔭より総身赤き蟻出づる 誓子
本伏せて蟻のゐさうな庭に出づ 高澤良一 随笑
松風に気性はげしき蟻出でし 宇佐見魚目
流木につきゐし春の蟻忘れず 加藤楸邨
焼土も蟻穴を出て走るなり 加藤楸邨
獲物曳く蟻を素通り出来ぬ蟻 西村和子 かりそめならず
看護妻出初めて蟻の躓くも 石川桂郎 含羞
石敢当穴を出て蟻迷ひなし 中山砂光子 『納沙布』
穴を出し蟻たちまちに走りだす 小野寺洋子
穴を出し蟻に花壇の煉瓦赤し 内藤吐天 鳴海抄
穴を出てすぐ踏まれたる蟻ひとつ 加藤秋邨 まぼろしの鹿
穴出づる蟻を石もて塞ぐ孫 高澤良一 素抱
穴出づる蟻春光に紺ならずや 香西照雄 対話
穴出でし蟻に大きな夕日かな 松苗秀隆
穴出でし蟻大仏の膝登る 本玉秀夫
穴出でし蟻戸惑ふとさ走ると 富田直治
穴出でし蟻日時計の針先に 柏原眠雨
穴出でし蟻目をこする沓脱ぎ石 高澤良一 寒暑
花桐を酔うてよろぼひ出づる蟻 辻桃子
落蝉の蟻乗せしまま歩き出す 篠田重好
薺に似た花だ蟻が出て来る出て来る 北原白秋
蝿打てば即ち蟻の罷り出づ 川端茅舎
蟻かなし穴出づる日も土を咥へ 上村占魚
蟻が出て妻嘆くこと亦増えし 右城暮石 上下
蟻が出て濃くなる穴闇夫の留守 香西照雄 素心
蟻が押し合ひへし合ひて穴を出る 檜紀代
蟻のやうに出て入る人に暑さ哉 寺田寅彦
蟻の出てかつとはれたる雲の影 櫻井博道
蟻の巣の出入りはげしき金曜日 大高 翔
蟻の穴もつれて蟻の出で来たる 大串章 百鳥 以後
蟻の道晩翠草堂より出でぬ 蓬田紀枝子
蟻の道象牙の塔を出てきたり 井川市三
蟻も出てゐてものはこぶ野の春 シヤツと雑草 栗林一石路
蟻を殺す殺すつぎから出てくる 尾崎放哉
蟻出づと言ひしばかりに躓きぬ 山田諒子
蟻出づる地下迷宮の装衣とも 橋本榮治 麦生
蟻出づる男は多忙楽しみて 橋本榮治 逆旅
蟻出づる石ことごとく仏たち 福永耕二
蟻出づる笑ひ羅漢の頤のひび 小間さち子
蟻出づる箱根の赤き土咥へ 小林美成子
蟻出でし穴は日照りて濃紫 中村汀女
蟻出でてたちまち石も艶ふくむ 篠田悌二郎 風雪前
蟻出でてなほ裸木のさるすべり 大島民郎
蟻出でて坊主地獄をふちづたひ 大島民郎
蟻出でて川のごとくに行方もつ 房利
蟻出でて幹にも道をはじめけり 皆吉爽雨 泉声
蟻出でて廃ボイラーをいぶかしむ 有働亨 汐路
蟻出でて葉をふみあるく春の月 宇佐美魚目 秋収冬蔵
蟻出でて青天井をふりかぶる 山敷恵三
蟻出でゝあかざの苗もたのしけれ 細見綾子
蟻出るやがう~と鳴る穴の中 村上鬼城
蟻出るやごうごうと鳴る穴の中 村上鬼城
蟻出初め木石も相改まる 右城暮石 上下
蟻穴をおほひし牡丹落花かな 成瀬正とし 星月夜
蟻穴をでて忙しなきこの世かな 大江三知緒
蟻穴を二ひきの蟻の出でんとす 京極杞陽
蟻穴を出づ吉原大門趾 里見梢
蟻穴を出づ教会にアベマリア 山敷惠三
蟻穴を出てやすらぎの地を探す 政所小枝
蟻穴を出て一天を窺へり 赤坂邦子
蟻穴を出て供物のにほふ處かな 中原道夫
蟻穴を出て偸安のわれと遇ふ 新明紫明
蟻穴を出て地歩くや東大寺 松瀬青々(1869-1937)
蟻穴を出て天日へ走り出す 高木千恵子
蟻穴を出て関節を鳴らしけり 赤塚五行
蟻穴を出でたるめくら走りかな 細川加賀 生身魂
蟻穴を出でておどろきやすきかな 山口誓子
蟻穴を出でておもひおもひの道選ぶ 福永耕二
蟻穴を出でてともかく歩き出す 佐野和太留
蟻穴を出でては居ぬか垣の内 高澤良一 随笑
蟻穴を出でて二匹となりにけり 坊城俊樹
蟻穴を出でて動物園を馳す 大串章
蟻穴を出でて地軸は傾きぬ 小島ノブヨシ
蟻穴を出でて混み合ふ出入口 鈴木征子
蟻穴を出る縄文の住居跡 田村恵子
身を舐めてゐし蟻急に走り出す 右城暮石
道草の蟻走り出す夕日かげ 原賀利陽
鍵穴を大きな蟻の出で来たる 山尾玉藻
陶酔や白糖を蟻光り出づ 内藤吐天 鳴海抄
青空の白雲動き春の蟻 阿部みどり女 『陽炎』
颱風接近羽蟻もぞもぞ出る夜かな 高澤良一 随笑
飴玉に蟻の行列出来始む 乙武佳子
鮮しき蟻穴いくつも見て戻る 桜井博道

蟻穴を出づ 補遺

おのが置く影より淡き春の蟻 岡本眸
雲ばかり石ばかり春の蟻ばかり 加藤秋邨
蟻穴を出づるやなぜか焦り気味 能村登四郎
蟻穴を出でておどろきやすきかな 山口誓子
蟻穴を出でて庵主に対面す 村山故郷
蟻穴を出て番兵の吾を見る 村山故郷
春の蟻つやつやと貌拭くさます 加藤秋邨
焼土も蟻穴を出て走るなり 加藤秋邨
税督すこゑ蟻穴を出づるかな 岸田稚魚 負け犬

by 575fudemakase | 2017-04-30 05:56 | 春の季語


俳句の四方山話 季語の例句 句集評など


by 575fudemakase

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▽ある季語の例句を調べる▽

《方法1》 残暑 の例句を調べる
先ず、右欄の「カテゴリ」の「秋の季語」をクリックし、表示する。
表示された一番下の 「▽ このカテゴリの記事をすべて表示」をクリック、
全部を表示下さい。(全表示に多少時間がかかります)
次いで、表示された内容につき、「ページ内検索」を行ないます。
(「ページ内検索」は最上部右のいくつかのアイコンの内から虫眼鏡マークを探し出して下さい)
探し出せたら、「残暑」と入力します。「残暑 の俳句」が見つかったら、そこをクリックすれば
例句が表示されます。

尚、スマホ等でこれを行なうには、全ての操作の前に、最上部右のアイコンをクリックし
「pc版サイトを見る」にチェック印を入れ実行下さい。


《方法2》以下はこのサイトから全く離れて、グーグル又は ヤフーの検索サイトから
調べる方法です。
グーグル(Google)又は ヤフー(Yahoo)の検索ボックスに見出し季語を入力し、
その例句を検索することができます。(大方はこれで調べられますが、駄目な場合は上記、《方法1》を採用ください)

例1 残暑 の例句を調べる

検索ボックスに 「残暑の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「残暑 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【残暑】残る暑さ 秋暑し 秋暑 【】=見出し季語

例2 盆唄 の例句を調べる

検索ボックスに 「踊の俳句」 と入力し検索ボタンを押す
いくつかのサイトが表示されますが、「踊 の俳句:575筆まか勢」のサイトを
クリックし表示ください。
[参考] 【踊】踊子 踊浴衣 踊笠 念仏踊 阿波踊 踊唄 盆唄 盆踊 エイサー 【】=見出し季語

以上 当システムを使いこなすには、見出し季語をシッカリ認識している必要があります。

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